私を育ててくれたおっぱいに、別れを告げて思ったこと。

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「ああ、知ってる。ちゃんと覚えてる」

もう何年も母の胸をしっかり見たことはなかったのに、そう感じたのが少し不思議でした。

その日、父と私は、とある乳腺外科病院の一室にいました。母は手術台の上で眠っていて、自分の右胸が温存されるのか、全摘になるのかはっきりとは知らないままでした。

当時小学校につとめていた母に、健康診断で「乳がんの疑い」が見つかったのは、手術の1ヶ月ほど前でした。

それはあまりにも小さい「種」の状態で乳房全体に散らばっていたので、手術前の検査では悪性か良性かがわからず、摘出手術の最中に最終的な検査を行い、その結果によって、温存手術になるか、全摘出になるかが決まったのでした。

父と私は、切り取られた母の乳房と向き合い、悪性だったこと、でも小さな芽のうちに切り取ったから転移や再発の心配はほぼないことなどを、手術衣の先生から伺いました。

「ありがとうございます」

そう言って頭を下げましたが、それはお医者様にだけではなく、むしろ母の乳房に対しての気持ちでした。

私と妹を育ててくれたおっぱい。本当に本当にありがとう。

 

母の命の心配は、お医者様のおっしゃったようにほぼありませんでした。

でも、「寛解」と言われるまでの5年間受け続ける治療と、その後遺症がどのようなものか、この時の私はまったく知らなかったのです。

 

がんの治療、後遺症

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母にとって一番つらかったのは、やはり全摘出になったことでした。

乳房は女性であることの象徴です。それを失う辛さは測りしれません。

気丈に振舞っていましたが、たびたび涙を流す姿を見ましたし、温泉へ行けないことや服装を制限される不自由さにもどかしい気持ちをあらわにすることもあります。

 

また、初期段階だった母は抗がん剤や放射線治療といったものは受けませんでしたが、ホルモン治療によって生理周期が乱れ、突然始まった出血で過度な貧血になり、輸血寸前になったこともありました。

 

中でも、身体に大きな影響を与えているのは、右のリンパ節が切除されたことです。

右腕が上がらなくなり、リンパマッサージをしても徐々にむくんでいきます。右腕と右肩の動きが悪くなったことから、左の股関節が引っ張られて引き攣り、片足を引きずるように歩くこともあります。

 

がんは、早いうちに切ってしまえば再発の心配はなくて、もう健康に暮らせるものだと、無知な私は思っていました。

でもそうじゃなく、治療というのはがんに打ち克つ代わりに自分の体もダメージを食らうものなんだ、と知った時、神様はなんて厳しい運命を作るのかとさえ思いました。

まだ、私が整骨院の受付になる前、東洋医学や自律神経整体という、身体の自己治癒能力に焦点を合わせた方法を知る前のことです。

 

がんが治っても、後遺症は続く

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母が手術を受けてから6年。すでに乳がんは「寛解」と言われています。

でも母は今でも身体の右半分が動かしづらいですし、全摘手術になったことへの辛い気持ちを抱えています。がんは寛解しても、後遺症は残っているのです。

 

「がんっていうものが、身体の中のバランスをとるための何かの作用だったとしたら、まだ発芽もしていないあの種を本当に切り取らなきゃいけなかったのか、って今でも思うのよ」

先日電話口で、母はそう漏らしました。

もしあの時手術を受けていなかったとしたら、母はもっと進んだ乳がんでもっと辛い思いをしたかもしれない。いつ乳がんの芽が発芽するかと怯えて生きていたかもしれない。

そう思えば、あの手術は必要なものだったのだと納得できます。

でも、母が心からそう思えないのは、心と身体に後遺症が残っているからです。

 

全摘出になってしまったことは、取り返しようがありません。再建手術を受ければもっと気持ちが軽くなるかもと思いますが、母はそれを選びませんでした(いつかプレゼントしたいな、と実は娘的には思っているのですが)。

でも、右半身が思うように動かないこと、自分の体が自分の思うようにならないこと、ここが軽くなっていけば、もっとあの手術を肯定できるのではないか。過去を肯定できたら、現在の毎日がもっと明るいものになるのではないか。母と電話で話をしてから、ずっと考えていました。

 

がん手術の後遺症を取り除く

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今、常若整骨院で行っている<自律神経整体>は、リンパ節の切除、抗がん剤、放射線治療、ホルモン治療といったがん治療による後遺症を軽くすることにとても適しています。

実際に乳がんの手術後、放射線治療や抗がん剤、ホルモン治療を受け続けている方に、「腕が上がる!」「あんなに激しかったイライラが落ち着いて、仕事に行ける!」という声も頂いています。

 

customer_ude4a 「腕が上がるのです。どんなに嬉しかったことか、涙が出そうになりました。」

後藤悦子さん(50代女性・会社員) 乳がん治療後の胸・肩・腕の動きの悪さ、痛み

 

がんによる治療の辛さは、味わった人にしかわかりません。

こうしてお話している私にも、きっと本当のところはわかっていません。ただ、なんとかその辛さを軽くはできないかと院長と共に考え、実行していくばかりです。

自律神経整体が後遺症を軽くするのに有効だということを、一人でも多くの方に知って頂きたいですし、悩んでいる方に実際に受けてみて頂きたいと思っています。

 

ちなみに母は隣県に住んでおり、仕事や距離的なこともあって、なかなか集中して施術を受けてもらう時間がとれずにいます。

このもどかしさ、解決する術をご存知の方はぜひアドバイスください(泣)。

 

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