健康的な食事を考える時、避けて通れないのが油。
常若整骨院の患者さんにアドバイスする時も、炭水化物や甘いものの次に尋ねられるのが油についてです。
油は体にとってなくてはならない基礎栄養ですが、摂り方を間違えると毒になってしまったり、自律神経をはじめ神経伝達を阻害してしまったり、悪影響も及ぼしかねません。
上手な油の使い方をご紹介します。
油の種類
油は植物性油脂と動物性油脂の2種類に分けられます。
植物性油脂には不飽和脂肪酸が多く含まれています。
不飽和脂肪酸は科学的に不安定(炭素と炭素の結びつきに二重結合と呼ばれるものがある)で、融点が低いのが特徴です。
ですから、植物性油脂のゴマ油や米油などは室温で液体になっています。
動物性油脂には、飽和脂肪酸が多く含まれています。
飽和脂肪酸は科学的に安定しており、融点が高いため室温では固形になっていることが多くなります。
ラードや牛脂などを思い浮かべるとわかりやすいでしょう。
しかし同じ動物性油脂でも、魚の油には不飽和脂肪酸が多く含まれています。
この融点の温度のちがいは、酸化のしやすさ・体内での固まりやすさに影響します。
融点の低い不飽和脂肪酸=植物性油や魚油は、人の体温でサラサラと溶けますが、保存や調理の際に酸化しやすいという面があります。
人体で作り出すことができないため、必須脂肪酸とも呼ばれます。
融点の高い飽和脂肪酸=動物性油脂は、人間よりも体温の高い動物の脂肪分ですから、人の体内温度では固まりやすく、処理に手間がかかります。
その反面、保存や調理の際は酸化しにくいという利点もあります。
植物性油脂・魚油・動物性油脂の欠点と利点を知り、使い分けることで油を味方につけることができます。
オメガ3が体にいい?植物性油脂の種類
オメガ3油が体にいい!という情報をテレビなどで見かけたことがあるかもしれません。
植物性油脂=不飽和脂肪酸には、オメガ3、オメガ6、オメガ9と言われる種類があります。
それぞれの特性や役割を知ることで、よりいっそうそれぞれの油の持つ成分を有効活用できます。
オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸には、以下のような働きがあります。
■アレルギー抑制
■炎症抑制
■血栓の抑制
■血管の拡張
オメガ3のはたらきと対照的なのが、以下でも紹介するオメガ6です。
真逆の働きをするので、最近ではオメガ6は悪者、オメガ3は善人のように持ち上げられたりしますが、それは間違い。
オメガ6がなければ、体内に入ったウイルスや異物を退治できませんし、ケガで出血したら垂れ流しになってしまいます。
オメガ3とオメガ6は摂取バランスがとても大切。
現代の食事ではオメガ6の過剰摂取になってしまうことから、オメガ3を積極的に摂ることが推奨されています。
オメガ3:オメガ6を、1:4から1:1の割合で摂ることが理想です。
オメガ3脂肪酸を含む油としては、アマニ油、エゴマ油、しそ油、魚油(DHA・EPA)などが有名です。
オメガ3脂肪酸は非常に酸化しやすく、加熱は厳禁!
ドレッシングのベースとして、あるいはスプーンによそってそのまま、等の取り方がオススメです。
オメガ6脂肪酸
オメガ6脂肪酸には以下のような働きがあります。
■アレルギー促進
■炎症促進
■血栓の促進
■血液を固める
上記したように、オメガ3とオメガ6はバランスが大事。いわば相棒的な存在です。
オメガ6の油を買ったら、オメガ3の油も買っておく。そしてどちらも同じくらい摂る、という心づもりでいると、バランスよく摂取できます。
オメガ6脂肪酸を含む油としては、べにばな油・コーン油・ごま油・サラダ油などが有名です。
オメガ3ほどではありませんが、オメガ6も決して熱に強くはありません。
揚げ物よりは炒め物、炒め物よりは最後の風味付けに使うのがオススメです。
オメガ9脂肪酸
オメガ9脂肪酸には以下のようなはたらきがあります。
■コレステロールを下げる
■中性脂肪を下げる
■血液をサラサラにする
全体的に酸化しやすい植物性油脂の中では、比較的酸化しにくく熱に強いという特徴があります。
炒め物や揚げ物に使うなら、オメガ9の油が断然オススメです。
オメガ9脂肪酸を含む油としては、オリーブオイル、なたね油、米油、キャノーラオイル(ただしスーパー等で売っているキャノーラ油はあてはまらない様子)などが有名です。
油を上手に使えば、元気と美味しさ一挙両得♪
各種油の使い方をまとめると、
■炒め物や揚げ物には、ラードや牛脂の動物性油脂か、オリーブオイルやなたね油などのオメガ9油。
■オメガ3油はドレッシングベースかそのままで。加熱厳禁。
■オメガ6油は料理の仕上げ用。摂りすぎ注意。
■植物性油脂は酸化しやすいので、開封したら早めに使い切る。
■オメガ3:オメガ6:オメガ9=1:1:1の割合で摂取できるとベスト。
このあたりのツボを押さえて、上手に油を使いこなしてくださいね。
お電話ありがとうございます、
常若整骨院でございます。