常若整骨院には、出産後のお体を整えるために来院される女性もいらっしゃいます。
骨盤のゆがみや腰痛、授乳による手の痛みやしびれ、首肩のコリなど症状は様々ですが、ほとんどの方に共通するのが
「睡眠時間がとれなくて、疲れがどんどん溜まっていく!」
ということ。
はたして、授乳期の最も理想的な睡眠とはどのようなものなのでしょうか?
実例:Aさん(30代 女性 産後6か月)
出産後、腰痛がひどいとのことで来院されたAさん。
腰痛をこらえて中腰でおむつ交換やお風呂、授乳などの育児をしていた結果、ぎっくり腰を立て続けに、2週間に1回の頻度で起こしてしまっていました。
「睡眠時間もあまりとれないし、慢性的に疲れて回復できない感じがします」
とのこと。
2回の施術で腰痛はかなり軽減しましたが、相変わらず睡眠時間が少ないために内臓などの疲労が抜けきれません。
「赤ちゃんのお世話でなかなか眠れないとは思いますが…」
と尋ねたところ、
「育児そのものもありますが、手伝いに来てくれる家族の相手をしなくてはいけないと思って睡眠時間を削っている部分があります」
とおっしゃいます。
「それなら、ご家族の好意にまるっと甘えて相手をせず寝てしまいましょう。1日1時間でいいので睡眠時間を増やすと違いますよ」
とアドバイスしました。
その次の来院時にはアドバイスを実行して下さり、
「1回15分ずつくらい睡眠時間を増やすだけで、全然疲れ方が違います!」
とおっしゃっていました。
授乳中の理想的な睡眠時間って?
赤ちゃんの授乳は、だいたい新生児が2~3時間、5か月目以降が3~4時間、離乳食が食べられるようになってきたら4時間おきを目安に行います。
この授乳間隔が睡眠時間のリミット。赤ちゃんが小さい時ほどまとめて寝られる時間は少なくなってしまいます。
睡眠時間は、果たして何時間とるのが健康にいいのでしょうか?
コロラド大学で行われた研究によると、
■学生を2つのグループに分けて睡眠をとらせ、片方のグループには「良質な睡眠がとれている」、もう片方のチームには「上質な睡眠がとれていない」と両方にウソの情報を伝える。
■その状態で両方のグループに記憶力・注意力のテストを受けさせたところ、「上質な睡眠がとれている」というウソの情報を受け取ったチームが圧倒的に良い点をとった
■実際の睡眠時間・睡眠状態よりも「よく眠れた」という思い込みのほうが起床時のパフォーマンスを良くする(プラシーボ睡眠)
…ということが分かったそうです。
「授乳しないといけないから、短時間しか眠れない。よく眠れないから疲れが取れない」
と思うより、ほんの少しの時間でも、
「ほんの短時間ですごく深く眠れた!よっしゃ!」
と思う方が、心身の状態を整えられると言えます。
前述のAさんも、実際に睡眠時間が増えたことだけでなく、15分ずつでも長く眠れたという充実感が疲労回復につながった部分があります。
気配りのできる女性ほどダメージを受ける?
また、Aさんのように手伝いに来てくれた家族のお相手をすることで睡眠時間を削り、「あと〇分しか眠れない」と思ってしまうことも疲れの元になります。
心身を振り絞って赤ちゃんのお世話をしながら、来客の相手もする。
そんな心配りのできる女性ほど、自分を削ってダメージを蓄積してしまいがちです。
出産後のダメージを負った体で育児という大仕事をしているこの時期は、思い切って
「ごめんね、今しか寝られないから、寝るわ!」
と甘えてしまいましょう。
気配りをやめるだけで睡眠時間が増え、体が回復しやすくなるかもしれません。
ほんの少しの気持ちの切り替えで、体は応えてくれる
目が覚めたら「良く寝た~スッキリ!」と思うこと。
ギリギリで頑張っている時は可能なかぎり周囲に甘え、不必要に気を配らないこと。
この2つの気持ちの切り替えで、授乳期の体力が回復しやすくなります。
小さなことの積み重ねのようでも、体は必ず応えてくれますよ。
お電話ありがとうございます、
常若整骨院でございます。