お盆を過ぎてだんだんと秋の気配がしてきましたが、まだまだ暑さが厳しい晩夏。
噴き出してくる汗が気になる方も多いのではないでしょうか。
常若整骨院へいらっしゃる方の中にも、施術に入る際「汗をかいててすみません」と声をかけて下さる方が少なくありません。
ですが、汗や匂いを気にしすぎるあまり、ご自分の体調を悪くしてしまった方もいらっしゃって…。
実例:Aさん(40代女性)
動悸・不眠・首の痛みで来院されたAさん。
「とくに何も起こってないのにドキドキして」
「夜もすぐ目が覚めるんです」
とおっしゃいます。
お体をみていくと、左の背中がガチガチで、左手にしびれが出ている状態。
可動域の検査中、Aさんから香水やアロマオイルとはちがう人工的な香りが漂ってきました。
「Aさん、ひょっとしてお体に直接、芳香剤や消臭剤をかけてませんか?」
と尋ねると、
「はい。小さいものを持ち歩いて、気になったら吹き付けるようにしてます」
とのこと。
キネシオロジー検査で「消臭剤が原因?」と尋ねると、イエスの答えが。
施術で消臭剤の影響を取り除いたところ、体や心の緊張がほぐれ、手のしびれがなくなりました。
なぜそんなに過剰に消臭剤を使うのか訊いてみると、
「更年期で汗が大量に出るので、匂いが気になってしまって」
「潔癖症というか神経質な性質で、夜よく目が覚めてしまうのもそのせいだと思います」
とのことでした。
芳香剤・消臭剤が与える弊害
生活臭や体臭を消すのに、芳香剤や消臭剤を使っている方は多いと思います。
Aさんのように潔癖症で、自分の体臭が気になるあまりヘビーユーザーになってしまう場合もあります。
しかし、芳香剤や消臭剤は「キレイ」という印象を与えはしても、実際の美しさや健康にはむしろ害になってしまうことがあるのです。
消臭成分として使われているものの中には、咳や発疹といった症状を引き起こしたり、ペットの内臓を破壊してしまう化学成分や揮発性化合物が存在します。
それらを多用しているうちに体内に化学物質が蓄積され、化学物質過敏症になり、めまい・動悸・ぜんそく・不整脈といった症状が現れる場合もあります。
どうして芳香剤・消臭剤を多用してしまうのか
なぜ、体に不調が出るほど芳香剤・消臭剤を多用してしまうのでしょうか。
人の体は汗をかきますし、体臭も程度に差はあれ、ほとんどの人にあるものです。
カーテンやシーツなどの布に染み付いた匂いや、家の中の生活臭も大概のおうちに存在します。
しかしこういった方は、なぜかそれらは「あってはならないもの」と刷り込まれてしまっています。
もちろん、人も家の中もいい香りがした方が気分よく過ごせますが、あまりにも過剰に体臭や生活臭を気にするようになると、潔癖症に陥ってしまいます。
潔癖症というと雑菌や汚れを徹底的にやっつける、というイメージですが、もし芳香剤や消臭剤をガンガン使っているなら、それは潔癖症ですらないかもしれません。
芳香剤や消臭剤はあくまでも「キレイ」という印象を与えるだけのもので、実際は化学物質をまき散らし環境を汚してしまう、本末転倒にもなりかねないからです。
自分が周囲にどんな影響を与えているか、過剰に気になる。
匂いなどの周囲からの影響を、過剰に拒否したくなる。
「雑菌が入って、もし何かあったら」と過剰に心配になる。
こういった過剰反応を起こしがちな心の状態が、そもそもの一番の問題といえます。
芳香剤・消臭剤に頼らない匂いケア
ケア①重曹・ミョウバン・炭などで消臭する
重曹やミョウバン、炭といった、比較的ナチュラルな物質でも、消臭対策をすることができます。
■ゴミ箱にかぶせるビニール袋の底に、重曹を大匙1杯まいておく
■砕いた竹炭や備長炭をポプリ用の袋や容器に入れ、部屋の隅に置く
■ミョウバン水(水500mlあたり焼きミョウバン大匙2程度を混ぜ、透明になるまで2~3日おく)を約10倍に薄めたものをデオドラントスプレーとして使う
■デオナチュレなどミョウバンを主成分とした消臭クリームをワキや背中、足指に塗る
このような対策で、ある程度の匂いは抑えることができます。
ケア②エッセンシャルオイルを取り入れてみる
花やハーブから抽出されたエッセンシャルオイルは、天然の芳香剤です。
しかし天然だからこそ、合わないものは肌荒れや頭痛などの症状を起こしたり、ペットの体調に悪影響を及ぼすことがあります。
店頭で香りを確認し、ペットを飼っているならその香りが影響しないかどうかもチェックしたうえで(ペットの逃げ場のない締め切った部屋で使わなければOKの場合が多いのですが)、スプレー、ディフューザー、アロマポットなどで取り入れてみてください。
ちなみに常若整骨院では、以下の香りをブレンドしたものを毎日香らせています。
■ローズゼラニウム
華やかな花の香りが甘さを添えてくれるローズゼラニウム。
自律神経の調整(特に副交感神経のスイッチが入りやすくなる)、ホルモン分泌の調整、皮脂バランスを整えお肌をケアするなどの効能があります。
■レモン
甘さときりりとした酸味を併せ持つレモンは、香り全体をひとつにまとめてくれる陰の立役者。
気分のリフレッシュ、血行促進、殺菌消毒作用などがあります。
柑橘系の精油は光に当たるとシミなどの原因にもなるので、朝風呂には向きません。
■イランイラン
酔っぱらってしまいそうに官能的なお花の香りがするイランイラン。
リラックスと幸福感を感じさせる、血圧を下げる、ストレスから来る動悸、ホルモンバランスの調整、男女両方の特有の悩み、肌の状態を整えるといった効果があります。
■ラベンダー
アロマの中でも最も有名な香りといえばラベンダー。
自律神経を整えリラックスさせる、安眠効果、頭痛や筋肉痛といった痛みの鎮静作用、免疫力アップ、血圧を下げるなどの効果があります。
ケア③潔癖・過敏な自分と向き合ってみる
消臭剤・芳香剤を乱発してしまうほどの潔癖さや過敏さは、一体どこから来たのでしょうか。
そもそも、人は膨大な数の常在菌と共存しており、彼らに生かされているといっても過言ではありません。
最近「殺菌しすぎは良くない」という風潮が出て来ているのも、過度な殺菌生活によって人体を支える菌がいなくなったことで心身が弱りがちになり、常在菌の恩恵を改めて感じていることが大きいのでしょう。
潔癖・過敏な状態は、何かを怖がっているサインです。
動物でも、身を守る術の少ない小動物ほど、環境の変化や周囲の匂い・物音に敏感ですよね。
「キチンとしよう」と思うことは大切ですが、それが強迫観念的になってしまい「キチンとしていなくちゃ大変なことが起こるに違いない」「体臭がする人は公害だ」とまで思いつめているなら、自分でも気づかないうちに大きなストレスによって心身が疲れ切っているかもしれません。
■いつごろから潔癖・過敏ぎみになったのか
■それ以前に何か大きなストレスがかかる環境や出来事がなかったか
■何を目的として、いま自分は潔癖・過敏な状態を維持しているのか
こういったことをご自分に問い直してみると、ヒントがつかめます。
ケア④体臭の原因になる食事を改善してみる
体臭の大きな原因になるのが食生活です。
よくやり玉に挙げられるのが肉・卵・乳製品などの動物性たんぱく質ですが、それ以上に影響が大きいのは、食品添加物です。
食品添加物は体の中で処理がされにくく、体内に居残って脂肪などに蓄積されます。
その結果、内臓機能の低下、肌トラブルといった体臭に直結する問題を引き起こしてしまいます。
■コンビニごはんや外食を減らす
■手作りの和食を1日1食は食べる(ごはん・季節野菜の味噌汁・漬物などでOK)
■スーパーで食品を買う時は、原材料をチェックし、当たり前の食材名のみが記されているのもか、表記されている物質の数が少ないものを選ぶ
こういった食品添加物を避けたうえで、まだ体臭が気になるなら、動物性たんぱく質を厳選するようにしましょう。
清潔感は大切に、心身は健康に!
清潔感があること、キレイな印象を与えることは、とても大切です。
けれどそれと引き換えに自分や家族の健康を失ってしまうのは、あまりにも割に合いませんよね。
ナチュラルに匂いをケアする方法は沢山あります。過度に潔癖になってしまう自分と向き合うことも、そのひとつです。
心と身体を整えて、ごまかしじゃない、本当にキレイな人になってみませんか?
お電話ありがとうございます、
常若整骨院でございます。