産後うつが長引く本当の理由|赤ちゃんがかわいいのに涙が止まらない方へ|福岡市・常若整骨院
結論から言うと、産後うつは性格の弱さや育児の失敗ではなく、出産による体の深い消耗とホルモンの急激な変化が背景にあり、精神科・産婦人科での診察を土台にしながら、体の緊張をゆるめる整体がサポートとして機能することがあります。
原因は何か。妊娠中に大量に分泌されていたエストロゲンとプロゲステロンが、出産後にほぼゼロまで急落します。この二つのホルモンには抗うつ・抗不安の働きがあるため、急落によって精神的な不安定さが起きやすくなります。さらに、睡眠の細切れ化、授乳による体力消耗、育児への責任感と孤立感が重なることで、体の回復が追いつかなくなります。
整体でできることは何か。体全体の緊張をゆるめ、自律神経が働きやすい状態を整えるサポートです。産後うつの診断・薬の処方・心理的カウンセリングは医師・心理士が担います。整体はあくまで補完的な位置づけです。
この記事は誰向けか。産後2週間以上、気分の落ち込み・涙が止まらない・意欲の低下が続いている方、またはご家族が「産後うつかもしれない」と感じている方に向けて書いています。
なぜ産後うつは長引くのか
産後うつが長引く方には、一つだけでなく複数の消耗が重なっているケースが多くあります。
まず押さえておきたいのは、産後ブルーズと産後うつの違いです。産後ブルーズとは、出産後3〜5日ごろに起きるホルモンの急落によって生じる一時的な涙もろさや気分の揺れです。多くの場合2週間以内に自然に落ち着いてきます。一方、産後うつは2週間以上続く抑うつ状態で、「何をしても楽しくない」「自分が母親として失格だと感じる」「子どもを愛せているのかわからない」といった症状が現れます。日本産婦人科医会の報告によると、産後うつの有病率は約10〜12パーセントとされており、10人に1人が経験する珍しくない状態です。
なぜここまで続くのか。体が十分に回復する前に、次の消耗が来るからです。
出産そのものは、体にとって非常に大きな出来事です。大量の出血と体力の消耗があります。東洋医学では「精(せい)と血(けつ)を一度に大量に使う」と表現します。精とは命のエネルギーの貯えのこと、血とは体に栄養を届け心を落ち着かせる液体のことです。この二つが大きく減った状態で、授乳・育児・家事が始まります。
睡眠不足が追い打ちをかけます。授乳は昼夜を問わず行われるため、深い眠りが確保できない日が続きます。ある研究では、産後に適切な睡眠を取れていない母親は、睡眠が確保できている母親に比べて、うつのリスクが3倍以上高くなるとされています。
さらに、「良い母親でなければ」という強い責任感が体の緊張を解放しにくくします。授乳がうまくいかないとき、子どもが泣き止まないとき、「自分がいけないんだ」と自責する思考が繰り返されると、体はずっと警戒したような緊張状態から抜けられなくなります。
体の緊張が抜けないまま時間が経つと、回復にかかるエネルギーそのものが失われていきます。これが長引く仕組みの核心です。
産後うつと整体の関係
できること、できないことを最初に明確にします。
整体でできること。首・肩・背中・骨盤まわりの筋肉の緊張をゆるめ、体の回復しやすい状態を整えるサポートです。体の緊張がゆるむと、睡眠が少しとりやすくなったり、深呼吸しやすくなったりすることがあります。体と心はつながっています。「体が少し楽になった」という感覚が、気持ちの回復の入り口になることがあります。
整体でできないこと。産後うつの診断、薬の処方、心理的カウンセリングは医師・心理士が担います。産後うつへの医療的な対応は医療機関が担います。整体は補完的なサポートです。
特に注意が必要な状態があります。自分や赤ちゃんを傷つけてしまいそうという考えが出ている場合、幻聴や激しい興奮状態がある場合は、整体ではなくすぐに精神科・産婦人科に連絡してください。これは産後精神病(産褥精神病)という緊急性の高い状態の可能性があります。
整体が補完として機能するのは、医療ケアが土台にある前提です。「整体だけでどうにかなる」という期待ではなく、医療・心理ケア・家族のサポートに加えて、体の緊張をゆるめる取り組みを組み合わせることで、回復しやすい体の状態を整えていきます。
産後の体は多くの場合、首から肩、骨盤まわり、腹部が過緊張の状態です。出産という大きな出来事の後、体の力が抜けないまま育児に入っていくため、蓄積された緊張がなかなか解放されません。この緊張が続くと、自律神経は常にアクセルが入った状態から抜けられなくなります。施術では、この緊張を丁寧にゆるめながら、体が回復に向かいやすい土台をつくるサポートをします。
福岡市で整体を探す人が知っておくべきこと
産後うつへの整体サポートを探しているとき、いくつかのことを確認しておくとよいと思います。産後の体に慣れていない院での施術は、体に余計な負担をかけることがあります。焦らず、まず医療機関での相談を済ませてから整体を選んでください。
一つ目は、産後の体に慣れているかどうかです。産後の骨盤や関節は数週間〜数ヶ月、通常とは異なる可動性を持っています。強い刺激の施術より、体の緊張をゆるめることを優先した穏やかなアプローチが向いています。「押す・揉む・矯正する」という力仕事に偏った施術方針かどうか、初回の相談段階で確かめてみてください。
二つ目は、授乳状況を確認してくれるかどうかです。授乳中は一部のツボへのアプローチを避ける必要があります。授乳中であることを伝えた上で施術方針を変えてくれるかどうかは、大切な確認ポイントです。
三つ目は、話をしっかり聞いてくれる雰囲気があるかどうかです。産後うつの方は「こんなことで来ていいのか」という不安を抱えて来院することが多くあります。症状だけでなく、今の状況や気持ちを話せる安心感があるかどうかを見てみてください。
四つ目は、医療との連携の姿勢です。「整体だけで大丈夫です」というスタンスの院は避けてください。産後うつは整体単独で対応できる状態ではありません。必要に応じて医療機関への受診を促してくれる院を選んでください。
常若整骨院の考え方
常若整骨院では、産後うつに対して「体の緊張をゆるめながら、回復しやすい土台をつくる」ことをサポートの軸にしています。
初回のカウンセリングでは、今の状況を丁寧にお聞きします。いつから、どんな症状が続いているのか。医療機関には通っているのか。家族のサポートはあるのか。授乳はどんな状況か。話してもらった内容をもとに、体のどこに緊張が溜まっているかを確認します。
施術は、強い圧力ではなく、体が自ら緊張をゆるめていくような方向で働きかけます。首・肩・背中・骨盤まわりの硬さをゆるめながら、体が回復しやすい状態に整えていきます。施術後に「体が少し温かくなった」「深呼吸しやすくなった」と感じていただけることがあります。
カウンセリングと施術は一体です。話してもらった内容が、体のどこに緊張として出ているかを読み解きながら施術に反映します。話すことで気持ちが少し整理されることも、回復の一助になります。
セルフケアの話も必ずお伝えします。施術を受ける時間は週に数十分ですが、日々の過ごし方がそのまま体に影響します。体を温める方法、血を補う食材、体の緊張をゆるめる呼吸法など、日常の中で実践できることをお伝えします。
精神科・産婦人科での診察を受けている方は、そちらを優先してください。整体はその補完としてご活用ください。医療機関への受診をためらっている方には、受診をお勧めすることもあります。
東洋医学から見た産後うつ
東洋医学では、産後うつを「気(き)と血(けつ)と精(せい)が一度に大量に消耗した状態」として捉えます。
気とは体を動かすエネルギーのことです。血とは体に栄養を届け、心を落ち着かせる液体のことです。精とは命の根になるエネルギーの貯えのことです。出産はこの三つを一度に大量に使う出来事です。そこへ授乳・睡眠不足・精神的プレッシャーが重なると、体の回復力そのものが底をついていきます。
東洋医学的な産後うつの見立てでは、主に三つの臓が関係しています。
腎(じん)の精の消耗です。腎とは、東洋医学における回復力の貯金にあたります。出産での大量の出血と体力消耗によって、腎の精が大きく減ります。精が不足すると、体の底から力が出なくなり、「何もやる気が出ない」「朝起き上がれない」という状態が続きます。また、腎は恐れや不安の感情とつながりが深いため、精が不足すると漠然とした不安感や恐怖感が出やすくなります。
心(しん)の血の不足です。心は、東洋医学では心臓のポンプ機能だけでなく、精神・感情の安定にも関わる臓とされています。授乳によって体の栄養(血)が消費され続けると、心血が不足して、眠りが浅くなったり、感情が不安定になったりします。「涙が止まらない」「些細なことで泣けてくる」という症状は、心血の不足と関連することがあります。
肝(かん)の気の滞りです。肝は気の巡りを管理し、感情ストレスに最も敏感な臓です。育児の孤立感、夫婦間のコミュニケーションの変化、「良い母でなければ」というプレッシャーが積み重なると、肝の気が滞ります。気が滞ると、イライラ・憂うつ感・胸のつかえ感・深呼吸のしにくさなどが出やすくなります。
腎精虚(じんせいきょ)は回復力の貯金が底をついた状態、心血虚(しんけっきょ)は心に血が届かず感情が揺れやすい状態、肝気鬱滞(かんきうったい)は気の巡りが滞って感情が詰まった状態です。この三つが重なると、体全体の回復の流れが止まってしまいます。
東洋医学では症状のパターンを「証(しょう)」という言葉で表します。産後うつに多い証のパターンを簡単にお伝えします。
腎精不足証(じんせいふそく)は、体の底から力が出ない・頭がぼんやりする・記憶力が落ちた・腰が重いといった症状が中心です。出産と育児によって腎の精が大きく消耗した状態です。
心血虚証(しんけっきょ)は、眠りが浅い・夢を多く見る・動悸がする・感情の浮き沈みが激しいといった症状が中心です。授乳と睡眠不足によって心に届く血が不足した状態です。
肝気鬱滞証(かんきうったい)は、ため息が出やすい・胸がつかえる・イライラしやすい・気分の波が激しいといった症状が中心です。環境の変化や孤立感・精神的プレッシャーによって肝の気が滞った状態です。
多くの産後うつでは、これら三つの証が重なっています。どれが最も強いかを見立てながら、施術とセルフケアのアプローチを決めていきます。
代表的なツボとして、三陰交(さんいんこう)があります。内くるぶしの頂点から指4本分上、すねの骨の後ろぎわにあります。肝・脾・腎の三臓に同時に働きかけるツボで、血の巡りを整え、体を落ち着かせる働きがあります。産後・授乳中は強い刺激を避け、軽く触れる程度から始めてください。妊娠中はこのツボへの刺激を避けてください。
太衝(たいしょう)は、足の甲の親指と人差し指の骨が合わさる手前のくぼみにあります。肝の気の滞りをゆるめ、気分の落ち込みやイライラを落ち着かせる働きがあります。足先から内側に向かって、ゆっくり押してみてください。
また、東洋医学では夏の産後に特有の注意点があります。夏は暑邪(しょじゃ)が体に侵入しやすく、さらに冷たい飲み物やエアコンの冷えが重なると、「上は暑く、内臓は冷える」という矛盾した状態が起きやすくなります。脾(ひ)という胃腸の消化吸収を担う臓が冷えると、血を作る力が落ちます。血が作られなければ、心血も腎精も補充されません。夏に産後うつが長引きやすい背景の一つとして、この体の冷えと消耗の悪循環があります。
自律神経と産後うつの関係
自律神経とは、体のアクセルとブレーキのような働きをする神経です。アクセル(交感神経)が活発になると心拍が上がり体が緊張します。ブレーキ(副交感神経)が働くと心拍が落ち着き体がゆるみます。この二つが交互にバランスよく切り替わることで、日中は活動し夜は休むリズムが保たれます。
産後の体では、この切り替えが崩れやすい状態が続きます。
授乳は昼夜を問わず行われるため、体は「夜に休む」というリズムを取りにくくなります。深夜の授乳中はアクセルが入り、赤ちゃんが寝た後もすぐにブレーキに切り替わらず、眠れない・眠りが浅い状態が続きます。「また泣き出すかもしれない」という緊張感が常に体に残るため、自律神経のアクセルが入りっぱなしになることがあります。
この状態が長期化すると、体はブレーキを踏む力を失っていきます。
ブレーキが弱まると何が起きるか。眠れなくなり、食欲が落ち、体温調節が乱れ、些細なことで心拍が上がりやすくなります。産後の身体症状として現れる動悸・息苦しさ・めまい・頭痛の背景に、自律神経の疲弊があることが多いと私は現場で感じています。
整体では、体の緊張をゆるめることでブレーキ側(副交感神経)が働きやすい状態をつくるサポートをします。施術後に体が温かくなったり、深呼吸しやすくなったりするのは、ブレーキが少し戻ってきたサインの一つです。
夏の産後は、さらに寒暖差という問題が重なります。エアコンの効いた部屋での授乳で体が冷え、外に出ると蒸し暑さで体力が消耗します。この寒暖差が一日のうちに繰り返されると、自律神経はアクセルとブレーキを激しく切り替え続けることになり、それ自体が消耗になります。夏に産後うつを発症した方・悪化した方には、この環境の温度差が体への負担を増していることがよくあります。
実際に多いケース
常若整骨院に産後の不調でいらっしゃる方から、繰り返し聞く言葉があります。
「赤ちゃんはかわいいんです。でも、なぜか涙が出るんです。」
この言葉はとても大切な意味を持っています。赤ちゃんへの愛情が薄いのではありません。体が限界を超えて消耗しているサインです。涙が出るのは、感情を制御するために使うエネルギーが体に残っていないからです。
「こんなことで来ていいのか」という遠慮を持ちながら来られる方も少なくありません。首が回らないほど硬くなっていたり、肩甲骨まわりが呼吸を妨げるほど緊張していたりします。体は「もう限界です」と教えてくれているのに、本人はそれに気づかないまま頑張り続けているケースがほとんどです。
ご家族から「産後うつじゃないの?」と言われて初めて来られる方もいます。産後うつは本人には「自分がただ弱いだけ」「気のせい」に見えることが多いため、周囲の気づきが最初の一歩になることがあります。
「どこに行けばいいかわからなかった」という声も多く聞きます。精神科に行くことへの抵抗感、産婦人科でどう話せばいいかわからないという戸惑い。整体という入り口を使って最初の一歩を踏み出し、その後に医療機関につながっていくというケースがあります。
3人のケース
ここで紹介するケースは、実際の相談を参考に構成したものです。体験には個人差があり、回復を保証するものではありません。
ひとり目は、仕事への責任感が関係したケースです。
30代の女性で、育休中に産後うつを経験されました。もともと仕事への責任感が強く、育休に入ってから「何も生産していない」という感覚が強まっていったとのことです。産後3ヶ月ごろから朝起き上がれない日が続き、産婦人科で産後うつと言われカウンセリングを開始されました。並行して常若整骨院にもいらっしゃいました。首から背中の強い緊張をゆるめる施術を続けながら、「自分を責めるクセ」を少しずつ手放していく過程で、体が動きやすくなってきたとのことでした。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
ふたり目は、育児の孤立感が関係したケースです。
30代の女性で、パートナーが仕事で帰りが遅く、ほぼ一人で育児をされていました。誰にも相談できないまま産後4ヶ月が経ち、「赤ちゃんの泣き声が聞こえるだけで体が硬くなる」という状態になっていました。精神科を受診されてから常若整骨院にいらっしゃいました。腹部と骨盤まわりに強い緊張が溜まっていました。施術と並行して、深夜の授乳の一部をミルクに切り替えて睡眠を確保することをお勧めしたところ、少しずつ体が動きやすくなっていきました。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
みっつ目は、長年体の不調が続いていたケースです。
40代の女性で、高齢出産後に産後うつと更年期の症状が重なって現れた方でした。「体が鉛のように重い」「何を食べても味がしない」という状態が続き、精神科でも産婦人科でも「様子を見ましょう」という状況が続いていたとのことです。ご相談にいらっしゃったとき、腎のエネルギー消耗と心血の不足が重なっている状態と見立て、体を温める施術とセルフケアをお伝えしました。血を補う食材(レバー・小豆・黒豆・なつめ)を日常に取り入れてもらいながら、少しずつ「体が楽な時間が増えてきた」とおっしゃっていただきました。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
自宅でできるセルフケア
産後うつの回復を支えるために、日常の中でできることをお伝えします。無理せず、できることから一つだけ選んでください。
体を温めることを優先する。特にお腹と首を冷やさないようにしてください。夏でもエアコンの直風を避け、腹巻を使うことで腸の働きと体のエネルギーを保ちやすくなります。夏でも湯船に浸かると体の深部からゆっくり温まり、睡眠の質が上がりやすくなります。
血を補う食材を意識して取る。東洋医学では産後の回復に「血を補うこと」が基本とされています。レバー・小豆・黒豆・なつめ・ほうれん草・ひじき・赤身の肉などを少しずつ取り入れてください。食欲がなくても、温かいスープや、なつめを煮出したお茶など消化しやすい形で体に入れることを続けると、血を作る力が少しずつ戻ってきます。
深呼吸を3回、1日に何度かはさむ。鼻から吸って、口からゆっくり長く吐きます。吐くときに「ふーっ」と声を出すようにすると、体の緊張がゆるみやすくなります。授乳中や眠れない深夜に試してみてください。
冷たい飲み物を一時期やめてみる。特に授乳中に冷たい飲み物を続けると、胃腸が冷えて消化吸収が落ちます。血を作る材料が体に届かなくなります。常温のお水やほうじ茶など、温かいか常温のものに切り替えることを試してみてください。
睡眠だけは確保する工夫を一つ入れる。深夜の授乳を毎回一人でこなすのではなく、パートナーや家族に一回分担ってもらえるか相談してみてください。「睡眠の優先」が体の回復の出発点です。
自分を責めることを、一日に一回だけ手放してみる。「こんな気持ちになるのは自分が弱いからだ」と感じたとき、一回だけ「これは体が消耗しているサインだ」と言い換えてみてください。すぐには変わりませんが、少しずつ体の力が抜けやすくなることがあります。
医療機関との連携について
産後うつは整体だけで対応できる症状ではありません。精神科・産婦人科での診察を受けることが、回復の中心になります。
特に以下の状態はすぐに医療機関を受診してください。
自分や赤ちゃんを傷つけてしまいそうという考えが出ている場合は、緊急のサインです。すぐに精神科・産婦人科に電話するか、身近な人に伝えてください。
症状が2週間以上続いていて、起き上がる・食事をする・赤ちゃんの世話をするという日常の動作が著しく困難な場合も、早急に受診してください。
幻覚や幻聴、激しい興奮状態が現れている場合は、産後精神病(産褥精神病)という緊急性の高い状態の可能性があります。
「産後うつかもしれない」と思ったら、一人で抱え込まずまず産婦人科か精神科に相談してください。EPDS(エジンバラ産後うつ病調査票)という簡単な問診票も、状態の確認に役立ちます。多くの産婦人科では産後の健診時にこのスクリーニングを行っています。
薬を飲みながら整体を受けることも、担当医に確認した上で可能です。整体は薬の効果を打ち消すものではありません。体の緊張をゆるめる補完的なサポートとして位置づけてください。
FAQ・Q&A
よくある質問と回答をまとめます。最初の一文で直接お答えします。
Q1. 産後うつは整体で楽になりますか?
体の緊張をゆるめることで、少し楽になったり眠りやすくなったりする方がいます。ただし、整体そのものが産後うつを解決するものではなく、医療機関での診察と組み合わせることが前提です。
Q2. 産後うつとマタニティブルーズの違いは何ですか?
マタニティブルーズは産後3〜5日ごろに起きる一時的な気分の揺れで、2週間以内に自然に落ち着くのが一般的です。産後うつは2週間以上続く抑うつ状態で、日常生活に支障をきたすレベルの症状です。どちらか判断できないときは産婦人科に相談してください。
Q3. 産後うつは授乳中でも整体を受けられますか?
受けることはできます。ただし、授乳中は一部のツボへのアプローチを避ける必要があるため、授乳中であることを事前にお伝えください。常若整骨院では授乳状況を確認した上で施術方針を調整しています。
Q4. 精神科に行くことに抵抗があります。
精神科・心療内科への受診をためらう方は少なくありません。産後うつは体のホルモン変化から生じる状態であり、適切な専門家に相談することは自然な選択です。「産後のメンタルが不安定で相談したい」と伝えるだけで受け付けてもらえます。産婦人科でも相談できます。
Q5. 産後うつはいつまで続きますか?
個人差がありますが、医療的なサポートを受けながら回復に向かう方が多く、数ヶ月で症状が落ち着いてくるケースがあります。一方、適切なサポートがないと長期化することもあります。早めに相談することが大切です。
Q6. 夫が理解してくれません。
産後うつは外見から分かりにくいため、パートナーが「気持ちの問題では」と感じることがあります。産婦人科・精神科の診察に一緒に来てもらう、または産後うつについての説明資料を見てもらうことで、理解が深まることがあります。
Q7. 整体を受けるのはいつごろからがいいですか?
産後1〜2ヶ月は骨盤の可動性が大きい状態です。この時期は強い施術より穏やかなアプローチが向きます。まず医療機関で状態を確認してもらい、整体を補完として始めるタイミングを相談してください。
Q8. 食欲がなくて、ほとんど食べられていません。
食欲がないときでも、消化しやすい温かいもの(お粥・スープ・なつめ茶)を少量でも体に入れ続けることが血を作る助けになります。食欲の低下が著しい場合や、体重の急激な変化がある場合は、医師に伝えてください。
Q9. 産後うつで、赤ちゃんへの愛情がわきません。
赤ちゃんへの愛情がわかないと感じるのは産後うつの症状の一つです。愛情が薄いのではなく、体のエネルギーが枯渇しているサインです。この感覚は回復とともに変化することがありますが、自分を責めず、まず医療機関に伝えてください。
Q10. 産後うつと更年期が重なっている場合はどうすればいいですか?
高齢出産の場合、産後うつと更年期の症状が重なることがあります。どちらもホルモンと自律神経が関係するため、婦人科・精神科での診察を優先した上で、整体での補完サポートを組み合わせることが選択肢の一つです。
Q11. 薬を飲みながら整体を受けていいですか?
担当医に整体を受けることを伝え、問題ないか確認した上で来院してください。整体は薬の働きを打ち消したり変えたりするものではありませんが、担当医との情報共有が大切です。
Q12. セルフケアをしたいけれど、何もする気になれません。
何もする気になれない状態は産後うつの症状の一部です。「セルフケアができない自分」を責めないでください。セルフケアは体が少し動けるようになってから始めれば十分です。今は休むことそのものがセルフケアです。
Q13. 産後うつでも体を動かした方がいいですか?
無理に動かそうとしなくて大丈夫です。体が動ける状態であれば、日光を浴びながら短時間の散歩をすることは、体内時計のリズムを整え気分の安定に役立つことがあります。ただし、体が重く動けない日は休むことを優先してください。無理に運動すると体力をさらに消耗します。
Q14. 産後うつで家事ができなくて、自分を責めています。
家事ができない状態は産後うつの症状の一部です。「できない」ことを責める必要はありません。体が回復するにつれ、できることが増えてきます。今は自分の体の回復を一番の優先事項にしてください。家事のサポートを家族や行政サービスに頼ることは、弱さではなく賢い選択です。
Q15. 産後うつで体の痛みも出ています。
産後の体の痛み(首・肩・背中・骨盤まわり)は、体の緊張と体力消耗から来ることが多くあります。産後うつと体の痛みは別々の症状ではなく、自律神経の疲弊という共通の背景から生じることがあります。体の痛みがひどい場合は、整形外科や産婦人科でも確認してください。
まとめ
福岡市で産後うつに悩んでいる方へ、伝えたいことがあります。
産後うつは弱さの問題ではありません。出産という体と心への大きな出来事の後に、ホルモンの急変・睡眠の細切れ・授乳の消耗・孤立感が重なることで起きる状態です。「赤ちゃんがかわいいのに涙が出る」「何もする気になれない」「自分が母親として失格だと感じる」という言葉を、一人で抱えていないでください。
まずは精神科か産婦人科に相談することが最初の一歩です。医療機関での診察を受けながら、体の緊張をゆるめることも同時に始めることができます。
体が少し楽になると、気持ちも少し動きやすくなります。体と心はつながっています。一人で抱え込まず、まず体の緊張をゆるめるところから始めてみてください。
常若整骨院では、医療機関と並行しながら体の状態を整えるサポートをしています。「どこに相談すればいいかわからない」という方も、まずご相談ください。
院長プロフィール
冨高誠治(とみたか せいじ)
常若整骨院(福岡市)院長。整体・東洋医学・気功を軸に施術を行い、施術歴20年、延べ25,000名の施術経験を持つ。整体師向けの教育活動も行っている。











