12時間寝ても眠い。過眠症が続く本当の理由と、体の底力を取り戻す整え方

結論から言うと、過眠症が長引く方には、眠る「量」ではなく「体が回復できる力そのものが落ちている」ケースが多くあります。いくら寝ても疲れが取れない、休日は気がつくと半日眠っている、なのに朝はすっきりしない——これは怠けでも意志の問題でもありません。

  • 原因は睡眠時間の不足ではなく、体の回復する仕組みの疲弊にあります
  • 整体でできることは、回復しやすい体の状態をつくるサポートです
  • この記事は、長時間眠っても眠気が抜けない方、特発性過眠症と言われたがどう対処すればよいか分からない方に向けて書いています

福岡市早良区・常若整骨院では、過眠症の方の相談に、施術歴20年・延べ25,000名の臨床経験を持つ院長が対応します。薬や医療が必要なケースは迷わず医療機関につなぐことを前提に、体の緊張をゆるめて回復しやすい土台をつくる整体を提供しています。

不眠と並んで多い相談が、「眠れているのに眠い」という過眠症の悩みです。不眠については別の記事で詳しく書いていますが、過眠症は不眠とは別の問題として整理する必要があります。

なぜ過眠症は長引くのですか

長引く過眠症に共通しているのは、「眠りで回復できない状態が続いている」ことです。

健康な眠りとは、交感神経から副交感神経へ切り替わり、体内の修復が進む時間です。ところが過眠症が長引く方の多くは、眠りの量は十分あっても、体そのものが回復できる力を使い果たしている状態にあります。

当院の25,000名の臨床経験では、過眠症を訴える方に次の共通点が多く見られます。

ひとつ目は、長期間にわたるストレスの蓄積です。仕事・育児・家族の問題など、「解決できない何か」を長年抱えてきた方は、体が常に構えた状態になります。この緊張が続くと、眠りに入っても体は本当には休めません。眠れているのに翌朝から体がだるい、という状態がここから来ることがあります。

ふたつ目は、消化機能の低下です。東洋医学では、消化・吸収をつかさどる「脾(ひ)」が弱ると、体のエネルギー(気血)の製造量が落ちます。燃料が足りないまま動き続けると、体は睡眠でどうにかエネルギーを確保しようとします。これが、いくら寝ても眠い状態の一因として、臨床の現場でたびたび見られます。

みっつ目は、冷えと血行不良です。体の芯が冷えていると、自律神経の切り替えがうまくいかず、夜の修復が進みません。特に下半身の冷えが強い方は、眠っていても体温調節に体力を消耗してしまいます。触ってみると、下腹部と腰まわりがひんやりと冷えていることがあります。

よっつ目は、「頑張りすぎてきた」という過去の蓄積です。長年にわたって自分のことを後回しにし、体が危険信号を出してもそれを押さえてきた方は、ある時期を境に「何をしても回復しない」状態になることがあります。

自律神経の働きが低下すると、交感神経と副交感神経の切り替えが鈍くなります。夜、体が「休む準備」に入りにくくなり、眠れているのに回復しない状態が続きます。逆に日中も緊張が解けず、強い眠気として現れることがあります。

過眠症とはどのような状態ですか

過眠症とは、十分な睡眠をとっているにもかかわらず、日中に著しい眠気が続く状態です。

睡眠の問題は大きく「不眠症」「過眠症」「睡眠時随伴症」の3つに分けられます。過眠症はそのうちのひとつで、「眠れない」ではなく「眠れているのに眠い・疲れが取れない」という状態を指します。

特に「特発性過眠症(とくはつせい かみんしょう)」とは、睡眠時無呼吸症候群など睡眠を妨げる原因が見当たらないにもかかわらず、日中の強い眠気が続く睡眠障害です。国立精神・神経医療研究センターの研究では、中枢神経系の機能異常が背景にある可能性が指摘されています。

近年の研究では、オレキシン(ハイポクレチン)という脳内物質が覚醒の維持に重要な役割を果たすことが明らかになっています。オレキシンとは、体を目覚めた状態に保つための脳内の信号物質です。この働きが弱まったり、受容体の感受性が低下すると、十分な睡眠をとっていても強い眠気が続きます。

症状として多いのは、以下のようなものです。

夜に10時間以上眠っても、朝がすっきりしない。食後に強い眠気が出て、仕事・勉強が続けられない。休日は半日以上眠ってしまうが、それでも回復した感じがない。「頭がぼうっとする」「霧の中にいるような感覚」がある。眠気を我慢するのが精一杯で、日常生活の質が下がっている。

これらは怠けや気の持ちようの問題ではありません。体の回復システムが十分に機能していないサインです。

過眠症に整体はどこまでできますか

整体が対応できるのは、過眠症の医学的な診断や薬による覚醒維持ではありません。整体でできることは、体の緊張をゆるめて回復しやすい状態をつくるサポートです。

できることを明確にお伝えします。

体の緊張の緩和という点では、長期間の緊張で硬くなった筋肉・横隔膜・頸部の緊張をほぐすことで、自律神経の切り替えがしやすくなります。眠りの質が少しずつ変わってくることがあります。

消化機能のサポートという点では、胃腸周辺の緊張をゆるめ、消化吸収の働きを回復しやすい状態を整えます。食後の強い眠気が落ち着いてくることがあります。

全身の血行を整えるという点では、冷えや血流の偏りを整えることで、体が修復モードに入りやすくなります。

一方、整体が対応できないことも正直にお伝えします。特発性過眠症の診断、薬による覚醒維持の調整、ナルコレプシー等の神経疾患への根本的な対処は、専門の医療機関が担います。症状が強い場合や日常生活に著しく支障が出ている場合は、まず睡眠専門医や神経内科を受診することをお勧めします。

整体は医療の代わりではなく、医療と並行して体の状態を整える補完的な役割です。

福岡市で整体を探すとき、何を見て選べばいいですか

過眠症で整体を探す際、まず確認したいのは次の3点です。

ひとつ目は、カウンセリングの時間と内容です。過眠症は体のある一箇所だけの問題ではなく、睡眠・自律神経・消化・ストレスが複雑に絡み合っています。施術前に生活習慣・睡眠の状況・ストレスの背景をしっかり聞いてもらえる院かどうかを確認してください。

ふたつ目は、医療機関への連携姿勢です。整体は医療の代わりにはなりません。「整体だけで全部解決できる」と断言する院よりも、「必要なら医療につなぐ」という姿勢の院の方が安全です。

みっつ目は、症状への断定的な言い方をしないかどうかです。過眠症の回復は個人差が大きく、一定の期間と生活習慣の改善が伴います。「何回で必ず変わります」という断言には注意が必要です。

福岡市内には自律神経や睡眠関連の整体を掲げる院が複数ありますが、「自律神経専門」「病院で異常なし」「薬以外の選択肢」だけを打ち出している院では、体の中の状態について具体的な説明が得られないことがあります。どの臓器の状態をどう見立てて、どのようなアプローチをとるのか、説明してもらえる院を選んでください。

福岡市早良区・西新の常若整骨院では、初回のカウンセリングに十分な時間をかけ、体の見立てを丁寧にお伝えしています。

常若整骨院では過眠症をどう見ていますか

常若整骨院では、過眠症を「眠りの問題」ではなく「体の回復力の問題」として見立てます。

初回のカウンセリングでは、いつ頃から眠気が強くなったか、どんな時間帯に眠気が特に強いか、食後の眠気の有無、体の冷えの状態、ストレスの背景などを詳しくうかがいます。これは単なる問診ではなく、東洋医学の「どの臓腑の働きが落ちているか」を見立てるための情報収集です。

施術では、体の硬くなっている部分——特に横隔膜・背中・腹部・頸部——の緊張をゆるめることを中心に行います。これらの部位は自律神経の切り替えと深く関わっています。板のように固まった腹部が施術でほぐれてくると、消化器系の働きが回復しやすくなります。

セルフケアの指導も欠かしません。眠れているのに疲れが取れない方には、睡眠の量を増やすのではなく、体が回復モードに入りやすい生活の工夫をお伝えします。

当院の施術は「回復しやすい体の状態をつくるサポート」であって、過眠症に医療的に直接対処するものではありません。医療機関の診断や薬との並走が必要な方には、専門の医療機関への受診をお勧めしています。

慢性疲労症候群や自律神経失調症を背景に持ちながら、強い眠気が続いている方の相談も多く受けています。過眠症が単独で起きることは少なく、体全体のバランスの問題として見立てることが大切です。

東洋医学では過眠症をどう考えるのですか

東洋医学では、過眠症を「眠りすぎる」という行為そのものではなく、体のエネルギー(気)の流れと臓腑の機能から読みます。

代表的な3つのタイプを紹介します。

脾虚清陽不升型(消化機能の低下で気が頭に届かない)

脾(ひ)とは、東洋医学における消化・吸収・エネルギー変換をつかさどる臓腑です。西洋医学の「胃腸機能」に近いイメージですが、東洋医学では気血を生み出す「製造工場」とも表現されます。

この脾が弱ると、「清陽不升(せいようふしょう)」——体の元気な気が頭まで届かなくなる状態——が起きます。頭がぼうっとする、食後に特に眠くなる、体がだるくて立ち上がるのがつらい、というのが典型的なサインです。

施術の場で触ると、腹部が張り感のある割に柔らかすぎる、あるいは冷えていることが多くあります。舌の色は淡く、舌苔(ぜったい=舌の上の白いコーティング)が厚めに出ることもあります。

考えすぎ・心配しすぎが脾を傷める(思傷脾:思は脾を傷る)という考えが東洋医学にあります。解決できないことをいつまでも頭の中で回し続けている方に、このタイプが多い印象があります。

代表的なツボ:足三里(あしさんり)=ひざのお皿の外側の角から指4本ぶん下、すねの骨の外側のくぼみ。脾胃の機能を整える代表的なツボで、やや強めに押すと心地よい痛みがあります。

腎精虚型(体の根本エネルギーが枯渇している)

腎(じん)とは、東洋医学で「生命力の貯蔵庫」と表現される臓腑です。腎精(じんせい)とは、体が生まれ持った根本のエネルギーで、消費されると補充が難しい性質を持ちます。

長年にわたる頑張りすぎ、慢性的な睡眠不足、大きな病気・手術・出産後の疲弊などで腎精が減ると、体はどれだけ休んでも回復できない状態になります。眠りが長くても浅い、夢が多い、腰が重い、足先が冷えると感じる方はこのタイプの可能性があります。

「腰は腎の府(じんのふ)」という東洋医学の言葉があります。腰の疲れや重さは、腎の消耗のサインとして読まれます。

過眠症が長年続いている方、若い頃から眠気が抜けない方は、このタイプが背景にいることがあります。

代表的なツボ:太渓(たいけい)=内くるぶしの頂点とアキレス腱のほぼ中間のくぼみ。押すとじわっとした感覚があります。腎の気を補う代表的なツボです。

肝気鬱滞型(気の流れが滞り、眠りに逃げる)

肝(かん)は、東洋医学で「気の流れを調節する」臓腑です。ストレスや感情の抑圧が続くと、肝気(かんき)の流れが滞り、「気の渋滞」が起きます。

この状態では、体が活動と休息の切り替えをうまく行えなくなります。日中に意欲が湧かない、眠りに逃げるような状態、夜は眠れるが朝が特に起きられない、という症状が出やすくなります。

言いたいことを飲み込んできた方、長年がんばりすぎてきた方、職場や家庭でのストレスが解消されないまま続いている方に、このタイプが見られることがあります。

代表的なツボ:太衝(たいしょう)=足の甲の親指と人差し指の骨が交わる手前のくぼみ。気の流れを整えるツボです。押すと痛みが出る方が多く、肝の緊張度の目安にもなります。

自律神経と過眠症はどう関係しているのですか

自律神経とは、体のアクセルとブレーキのような働きをする神経系です。アクセル側が交感神経(活動・緊張)、ブレーキ側が副交感神経(休息・修復)です。

健康な状態では、昼間は交感神経が優位になって体を動かし、夜は副交感神経が優位になって眠りと修復を促します。

過眠症が続く方の多くは、このアクセルとブレーキの切り替えが乱れています。

ひとつのパターンは、慢性的な緊張によって交感神経が昼夜ともに優位になっているケースです。夜も体が「休む準備」に入れず、眠りの質が低下します。眠れているのに回復しない、翌朝もだるいという状態になりやすいです。

もうひとつのパターンは、長期間のストレスで交感神経が疲弊し、副交感神経が過剰に優位になるケースです。この状態では、日中でも副交感神経優位の状態が続き、強い眠気・やる気の低下・体のだるさとして現れます。

横隔膜の硬さと自律神経の関係も重要です。横隔膜は呼吸をつかさどる筋肉ですが、同時に迷走神経(自律神経の主要な幹線)とも密接に関わっています。慢性的なストレスや緊張で横隔膜が固まると、迷走神経の機能が低下し、自律神経全体の切り替えが悪くなります。

施術で腹部や横隔膜の緊張をゆるめると、体が「休む準備」に入りやすくなる変化を感じる方がいます。その感覚——施術台から降りたとき体が温かくなっている、呼吸が深くなった——は、副交感神経に切り替わりかけているサインです。

過眠症で来られる方に多いのはどんなケースですか

過眠症を主訴として、または「検査で異常なし」と言われた後に当院に来られる方に多いのは、以下のようなケースです。

ひとつ目は、精神的に「頑張りすぎてきた」タイプです。仕事・育児・介護など、長年にわたって自分のことを後回しにしてきた方。体の疲弊が蓄積され、ある時期を境に「何をしても回復しない」状態になります。この場合、睡眠の量を増やしてもほとんど変わらないことが多く、体の根本のエネルギーを補う方向のアプローチが必要な状態です。

ふたつ目は、20〜30代の若い世代で「朝が起きられない・日中眠い」を長年抱えているタイプです。起立性調節障害(OD)と診断された後、成人しても眠気が続くケースや、「検査では異常なし」と言われながら日中の眠気が改善されないケースがあります。腎の働きが弱く、体の火種が少ない状態であることが多い印象があります。

みっつ目は、食後に特に眠気が強いタイプです。消化機能の低下が背景にあることが多く、脾の働きを整えることで食後の眠気が軽減しやすいです。胃腸の不調(もたれ・膨満感・下痢と便秘の繰り返し)を一緒に抱えている方によく見られます。

これらのケースに共通しているのは、「眠りの量だけを解決しようとしても変わらない」ということです。体の回復力そのものを取り戻すアプローチが必要になります。

実際に過眠症が楽になった方はどんな経過でしたか

以下は、実際に当院へ相談に来られた方の経過です(プライバシーに配慮して内容は一部変更しています)。

30代男性・会社員のケース

30代前半の男性で、デスクワーク中心の会社員。毎日10〜12時間眠っているが、出勤すると午前中から強い眠気が出て、会議中に居眠りしてしまうことがたびたびあったとのことです。病院での検査では特に異常は見つからず、「ストレスかもしれない」と言われただけでした。

来院時、腹部と背中が板のように固く、横隔膜の動きが著しく制限されていました。問診では、数年前から職場の人間関係で言いたいことが言えない状況が続いていることが分かりました。

施術では腹部・横隔膜・頸部の緊張を中心にゆるめ、食事の見直し(冷たいもの・甘いものを少し控える)と、就寝前のスマホを30分だけ置く習慣をお伝えしました。3回目あたりから「朝の体の重さが少し変わった気がする」というご報告があり、食後の眠気も徐々に落ち着いてきたとのことです。

効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

40代女性・主婦のケース

40代の女性で、子育てと義親の介護が重なった時期から、急に長時間眠るようになったとのこと。「眠いのに眠りが浅い」「何時間寝てもすっきりしない」という状態が1年以上続いていました。

来院時は、足先が冷えていて、下腹部と腰まわりも冷えていました。舌の色が淡く、脾虚・腎虚の状態が見られました。

施術では下半身の冷えを整えることを意識し、セルフケアとして湯船に浸かる時間を作ること、三陰交(さんいんこう:内くるぶしの頂点から指4本ぶん上、すねの骨の後ろぎわ)をゆっくり押すことをお伝えしました。「眠りの深さが少し変わった」「朝の最初の目覚めがすっきりしてきた」という変化を感じ始めたのは、1ヶ月ほど経過してからのことでした。

効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

20代女性・会社員のケース

20代前半の女性で、中学生の頃から「朝が起きられない・日中眠い」が続いていたとのこと。高校・大学・就職後と通院を続けたが「特に異常なし」と言われ続け、「どこに相談すればよいか分からなかった」と藁をもすがる思いで来院されました。

問診では、日中の眠気だけでなく、食欲の波が激しく、胃腸の調子が不安定なことも分かりました。東洋医学では、脾虚清陽不升と肝気鬱滞が重なっているタイプと見立てました。

施術とともに、「できない日があっても当然」という前提でセルフケアをお伝えし、少しずつ生活のリズムを整える取り組みを続けた結果、半年ほどかけて「以前より午後の眠気が楽になった」と感じ始めたとのことでした。

効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

過眠症は自宅でどうケアすればいいですか

過眠症の自宅でのケアは、「睡眠を増やす」ではなく「体が回復しやすい状態をつくる」方向で取り組みます。

以下の3つを参考にしてください。すべてやる必要はありません。できそうなものを一つだけ選ぶだけで十分です。できない日があって当然です。まじめな方ほど「全部やらないといけない」と感じやすいですが、その焦りが緊張になり、回復を遅らせることがあります。

ひとつ目は、食後の過ごし方を変えることです。食後すぐに横になると、消化に使うべきエネルギーが分散します。食後15〜20分は体を立てた状態でゆっくり過ごす習慣を試してみてください。また、冷たいものや甘いものを食事中に多く摂ると、脾の働きが落ちやすくなります。量を一気に変えようとせず、7〜8割を目標に少しずつで十分です。

ふたつ目は、下半身を温めることです。湯船に15分ほど浸かる、靴下の重ね履きを試す、三陰交(内くるぶしの頂点から指4本ぶん上、すねの骨の後ろぎわ)を温めるなどが手軽に始められます。下半身の冷えが改善されてくると、夜の眠りの深さが変わりやすくなります。

みっつ目は、就寝1時間前のスマホを置くことです。スマホの画面から出るブルーライトは交感神経を刺激します。眠りの「スイッチ」が入りにくくなり、長く眠っても回復しない状態が続きやすくなります。一度に全部やめなくてよいので、「寝る直前の30分だけ」から試してみてください。

真面目さが悪いのではなく、真面目さの向け先が違うだけです。体をよくしようとすること自体は正しい。ただ、焦りや自責は緊張になり、緊張が回復を遅らせます。できたことに目を向けることも、立派なセルフケアです。

病院と整体、どちらに行くべきか迷ったらどうすればいいですか

迷ったら、まず病院に行ってください。これが基本です。

過眠症には、整体で対応できるケースと、医療が先に必要なケースがあります。次のようなサインがある場合は、整体より先に医療機関(睡眠外来・神経内科・心療内科)を受診することをお勧めします。

突然眠ってしまう(脱力発作を伴う場合はナルコレプシーの可能性があります)。眠気が急激に強くなった。体重の急な変化がある。甲状腺の異常・うつ状態・糖尿病など他の病気が関係している可能性がある。睡眠中に呼吸が止まると指摘されたことがある。抗うつ剤・睡眠薬などを服用中で眠気の副作用が疑われる。

これらに当てはまらず、「長期間眠気が続いているが検査では異常なし」と言われた場合、整体・生活習慣の見直し・ストレスへのアプローチを並行して行うことが、変化のきっかけになることがあります。

整体と医療は対立しません。医療で診断・薬の調整を受けながら、並行して体の緊張をゆるめ、回復しやすい状態をつくるのが、現実的なアプローチです。

中枢性過眠症についての詳細は、<a href="https://www.ncnp.go.jp/nimh/sleep/sleep-medicine/hypersomnia/index.html" target="_blank" rel="noopener">国立精神・神経医療研究センターの中枢性過眠症のページ</a>もご参照ください。

よくあるご質問

過眠症は整体で変わりますか?

変わる可能性はありますが、「整体が過眠症に直接対処できる」ということはありません。整体が対応できるのは、体の緊張をゆるめ、自律神経の切り替えをしやすくすること、消化機能の回復をサポートすることです。これらが整うことで、眠りの質が変わり、日中の眠気が落ち着いてくることがあります。ただし効果には個人差があります。

特発性過眠症と診断されましたが、整体に相談しても大丈夫ですか?

大丈夫です。ただし、医師の診察・通院は続けながら、補完的に整体を活用してください。特発性過眠症は中枢神経の問題が背景にある場合もあり、医療の管理が必要です。整体は「体の状態を整えるサポート」として活用してください。

眠れているのに疲れが取れないのはなぜですか?

眠れているのに疲れが取れない場合、眠りの「量」ではなく「質」と、体の「回復力」の問題が考えられます。体が慢性的な緊張状態にあると、眠りに入っても本当には修復モードに入れません。また東洋医学でいう脾(消化吸収の働き)や腎(生命力の貯蔵)の働きが低下していると、いくら眠っても気血が十分に補充されません。

食後に特に眠くなるのですが、過眠症ですか?

食後の眠気は、過眠症の一症状として現れることがありますが、健康な方にも起こります。毎食後に強い眠気が出て日常生活に支障が出る場合は、東洋医学でいう脾の機能低下や、血糖値の変動(食後の急激な血糖上昇と下降)が関与している可能性があります。気になる場合はかかりつけ医にご相談ください。

睡眠薬を飲んでいますが、整体に行っても大丈夫ですか?

大丈夫です。整体の施術が薬の効果を直接変えることはありません。薬による調整を続けながら、体の緊張をゆるめるサポートとして整体を活用してください。薬の調整については、必ず処方した医師にご相談ください。

何回くらい通えば変化が出ますか?

個人差があるため、一概に回数をお伝えするのが難しい状態です。施術とセルフケアを組み合わせながら、2〜3ヶ月かけて変化を感じる方が多くいます。ただし、過眠症の背景にある要因(長年のストレス・生活習慣・体質)によって、変化の出方は大きく異なります。

子どもの過眠症にも対応していますか?

対応しています。ただし、10〜20代の過眠症には起立性調節障害(OD)が関係していることも多く、まずは小児科・内科で検査を受けることをお勧めします。医療機関での診断後、補完的なケアとして整体を活用してください。

東洋医学の「証」はどのように見立てますか?

初回のカウンセリングで、睡眠の状況・疲れのパターン・冷えの有無・食欲・舌の状態などを確認しながら、「脾虚・腎虚・肝気鬱滞」などのどのタイプに当てはまるかを見立てます。見た目(顔色・体つき)や触った感覚(腹部の硬さ・冷えの部位・舌の色)も参考にします。

自分で眠りの質を上げるにはどうすればいいですか?

就寝1時間前のスマホを控えること、湯船に浸かること、夜の甘いものを少し控えること——この3つのうちどれか1つを試してみてください。全部一度にやる必要はありません。できない日があって当然です。自分を責めながらセルフケアをしても、その緊張が回復を妨げることがあります。「できた日を数える」くらいの感覚で進めてください。

過眠症と抑うつ(うつ)は関係がありますか?

関係することがあります。うつ状態では過眠が主症状として現れることがあります(非定型うつ病など)。睡眠の変化と合わせて、意欲の低下・悲しい気持ち・自己否定感などの変化がある場合は、心療内科・精神科の受診を優先してください。整体はあくまで補完的な位置づけです。

過眠症は自律神経失調症と同じ状態ですか?

同じではありませんが、自律神経の乱れが過眠症の背景に関与することはあります。自律神経失調症とは、自律神経のバランスが乱れてさまざまな不調が重なる状態の総称です。過眠症は、そのひとつの症状として現れることがあります。体の緊張を整えることで、両方の状態が少し落ち着いてくることがあります。

過眠症はいつ医療機関を受診すればいいですか?

眠気が急激に強くなった・突然眠ってしまう・脱力を伴う・体重の急な変化がある・うつ症状が強い、などのサインがある場合は速やかに受診してください。また、2週間以上続く強い眠気・日常生活への著しい支障がある場合も、早めに睡眠外来や神経内科を受診することをお勧めします。

過眠症になりやすい体質はありますか?

当院の臨床では、頑張りすぎてきた方・感情を飲み込んできた方・消化器系が弱い方に多く見られます。東洋医学の脾虚・腎虚・肝気鬱滞のいずれかが重なっていることが多いです。体質は変えることができるものですが、一定の時間と取り組みが必要です。

まとめ

長時間眠っても疲れが取れない、日中の眠気が消えない——過眠症が続いている方へ。

あなたの体は、怠けているわけでも、意志が弱いわけでもありません。体の回復する仕組みが疲弊して、眠りだけでは補えなくなっているサインです。

東洋医学では、脾(消化・エネルギーの製造)・腎(生命力の貯蔵)・肝(気の流れの調整)という3つの臓腑の状態を整えることが、眠りの質と日中の活力を取り戻すための土台になります。

整体が過眠症に医療的に直接対処することはできません。しかし、体の緊張をゆるめ、回復しやすい状態をつくるサポートはできます。医療と並走しながら、体の状態を整えることで、少しずつ変化を感じられるようになる方がいます。

病院で「異常なし」と言われたけれど、眠気が続いていてつらい。そんな方は、一人で抱え込まず、まず体の緊張をゆるめることから始めてみてください。

東洋医学では、「体が回復できる力」を取り戻すことを施術の中心に置きます。眠りの量を増やすのではなく、消化・血行・自律神経の切り替えを整えること。そこから始めて、少しずつ体が変わっていく経過を積み上げていきます。即効性を求める施術ではありません。でも、長年眠れているのに回復しない状態が続いているなら、睡眠の「量」ではなく体の「質」を変えるアプローチを試す価値はあります。

過眠症を抱える方に伝えたいのは、「あなたの体は怠けているのではない」ということです。体の回復する力が消耗しているとき、眠りは延びます。それは体が出しているサインです。そのサインを責めるのではなく、体が必要としているものを整える方向に向かう。そこから変化が始まります。

福岡市早良区・常若整骨院では、過眠症・睡眠障害・慢性疲労・自律神経の問題でお悩みの方のご相談をお受けしています。お一人で悩まずに、まず相談してください。「検査では異常なしと言われたが眠気が続いている」という方のご来院を、当院ではとくに丁寧に対応しています。

院長プロフィール

冨高誠治(とみたか せいじ)

常若整骨院 院長。柔道整復師・鍼灸師。施術歴20年。延べ25,000名の臨床経験を持つ。

福岡市早良区西新駅から徒歩圏に位置する常若整骨院で、自律神経・睡眠障害・慢性疲労・過眠症など、検査で異常が見当たらない不定愁訴を中心に対応。東洋医学の見立て(五臓・気血・自律神経)とカウンセリングを組み合わせた施術を行っている。

整体は医療の補完であり、必要な場合は専門の医療機関への紹介も行っている。「回復しやすい体の土台づくりをサポートする」というスタンスを一貫して持つ。