
起立性調節障害はなぜ朝起きられなくなるのですか|福岡市の東洋医学整体が答えます
結論から言うと、起立性調節障害で朝起きられなくなるのは、朝の時間帯に交感神経がうまく立ち上がらず、血圧が十分に上がらないまま脳への血流が不足するからです。本人の気合いや根性の問題ではなく、自律神経という体の仕組みそのものが関係しています。
要点は次の3つです。原因は、朝に交感神経の働きが鈍く、起き上がっても血圧が上がりきらないために脳が血流不足に陥ることです。整体でできることは、自律神経が働きやすいように体の緊張をゆるめ、回復力そのものを底上げすることです。この記事は、朝どうしても起きられないお子さんやご自身、そして「怠けているだけでは」と誤解されて苦しんでいるご家族に向けて書いています。
なぜ起立性調節障害だと朝起きられなくなるのですか
結論として、朝は本来、交感神経が優位に切り替わって血圧と心拍数を上げ、体を活動モードにする時間帯ですが、起立性調節障害があるとこの切り替えがスムーズに働かず、血圧が上がらないまま脳への血流が不足するため、起きたくても体がついてこないのです。
健康な体では、目覚める少し前から交感神経が徐々に活発になり、血管を軽く締めて血圧を保ちながら、心臓の拍動を強めていきます。ところが起立性調節障害があると、この立ち上がりが極端に遅く、あるいは反応そのものが弱くなります。横になっていた状態から起き上がると、重力によって血液は下半身にとどまろうとしますが、これを引き上げて脳まで届ける血圧の調整がうまくいかないため、脳が一時的な血流不足の状態に陥ります。めまい、立ちくらみ、頭が重い感じ、意欲が出ない感じは、すべてこの脳への血流不足から起きている反応です。
当院で25,000人の施術に関わってきた経験では、この状態のお子さんやご家族の多くが、朝の光景を「頭では分かっているのに体が動かない」と表現されます。これは決して誇張ではなく、脳への血流が足りていない状態で無理に起き上がろうとしている、体としては極めて理にかなった反応だといえます。
起立性調節障害はどんな人に起こりやすいですか
結論として、思春期の急激な身長の伸びとホルモンバランスの変化が土台にあり、そこに精神的なストレスや不規則な生活リズムが重なると起こりやすくなります。
小学校高学年から中学生にかけての年代は、体が短期間で大きく成長するため、心臓や血管の発達が、伸びた身長やそれに伴う自律神経の負担に追いついていないことがあります。ここに、学校での人間関係や勉強のプレッシャーといった精神的なストレス、就寝時間の遅れや朝食を抜く生活習慣、季節の変わり目や低気圧といった気象条件の変化が重なることで、自律神経の乱れが表面化しやすくなります。10代に多い症状ですが、大人になってから同じような状態が続く方もいらっしゃいます。
東洋医学では起立性調節障害の朝起きられない状態をどう考えますか
結論として、東洋医学では、朝起きられない状態を「腎(じん)」という生命力の貯金が減り、体を目覚めさせる火種そのものが足りなくなっている状態として見ます。
腎とは、生まれ持った生命力の貯金のようなもので、成長、意欲、回復力の土台になっている働きです。東洋医学には「腎は志(こころざし)を蔵す」という考え方があり、腎の力は、単に体力だけでなく「やってみよう」という意欲そのものにも直結すると考えられています。腎の力が弱っている状態では、体を温め、活動モードへ引き上げるための火種そのものが少ないため、朝という一日で最も体温が低くなる時間帯に、その不足がいちばん強く出てしまうのです。
これは、やる気があるかないかという心の問題ではありません。火種そのものが足りていない状態で、根性だけで起き上がろうとしても、体が追いつかないのは自然なことです。
なぜ朝5時から7時ごろが特につらいのですか
結論として、人間の体温は明け方の5時前後が一日で最も低くなる時間帯であり、腎の力が弱っている場合、この時間帯にもっとも活動モードへの切り替えが難しくなるからです。
体温は自律神経によってコントロールされており、健康な体でも明け方は体温が最も下がり、そこから起床に向けて徐々に上がっていきます。腎の力、東洋医学でいう腎陽(じんよう)が乏しい状態では、この体温の立ち上がりそのものが弱く遅いため、目覚まし時計が鳴る時間になっても、体はまだ夜の状態から抜け出せていません。無理に起こそうとすればするほど、本人にとってはまだ体温が上がりきっていない状態で引きずり出されるような感覚になり、強い倦怠感や不機嫌さとして表れることもあります。
常若整骨院では起立性調節障害をどう見ていますか
当院では、カウンセリング、施術、セルフケアの3つをセットで、起立性調節障害の朝起きられない状態に向き合っています。まずカウンセリングで、生活リズム、学校での様子、ご家庭での関わり方を丁寧にうかがいます。腎の力は一朝一夕には戻らないため、どこにいちばん負担がかかっているかを見極めることが最初の一歩になります。
施術では、お腹や腰まわり、足先の冷えをゆるめることを重視しています。腎の力を支える下半身が冷えて硬くなっていると、朝の血流の立ち上がりがさらに遅れてしまうためです。あわせて、首や背中の緊張もゆるめ、自律神経が働きやすい体の土台を整えていきます。
整体は医療行為ではありません。起立性調節障害の診断や、新起立試験による重症度の判定、薬の処方は医師の領域です。当院ができるのは、体の緊張をゆるめ、自律神経が働きやすい身体の土台をつくるお手伝いです。小児科や心療内科に通院しながら、体のケアとして整体を並行して受けたいという方にも対応しています。
実際に起立性調節障害が楽になった方はどんな経過でしたか
実際に来院された方の経過を、匿名にしてご紹介します。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
10代の女性の方は、朝一人で起きられず、学校を退学することまで考えるほど登校が難しくなっていました。カウンセリングを重ねる中で、まずは朝、学校に毎日行けるようになり、一人では起きられない日もありながらも、一人で起きられる日が出てきたことに、ご本人が驚かれていました。授業にも集中して取り組めるようになり、毎日家にいないのが不思議なくらい通学できるようになったと話してくださいました。
別の10代の女性の方は、午前中の体調不良で登校できない状態が続き、学校でのストレスも心配されていました。1回目の施術のあとすぐに体調の変化を感じられ、教えられたことをすぐに取り組んでみようと思える言葉がけが多かったことも大きかったといいます。心と体の両方からのアプローチが理にかなっていると感じられたそうです。
保護者の方が代わりに経過を話してくださったケースもあります。朝起きられず、あまりやる気が出ない様子が続いていたお子さんが、施術のあとは体が軽くなったようですっきりしている様子が見られるようになりました。カウンセリングの中で食生活や生活の見直しも進み、あわせて、親が思っていることと子どもが思っていることの違いが、実はストレスの一因になっていたかもしれない、という気づきもあったそうです。
起立性調節障害は自宅でどうケアすればいいですか
自宅でのケアとして、次の3つをお伝えしています。1つ目は、起こす前に足首と腰を温めておくことです。冷たい体を急に起こそうとするより、先に温めてから声をかける方が、体の立ち上がりがゆるやかになります。2つ目は、就寝前にスマートフォンを置く時間を1つだけ決めることです。すべてを取り上げる必要はなく、寝る30分前だけでも構いません。3つ目は、黒い食材を意識して食事に取り入れることです。東洋医学では、黒ごまや黒豆、ひじきなど黒い色の食材が腎を養うとされています。
ただし、この3つを全部きっちりやろうとする必要はありません。どれか1つからで十分です。できなかった日があって当然です。特にこの症状に向き合っているご家庭ほど、完璧に取り組もうとして「今日もできなかった」と自分を責めてしまいがちですが、真面目さが悪いのではなく、その真面目さの向け先が違うだけです。
ご家族に向けてもう一つお伝えしたいことがあります。目標は周りが与えるものではなく、本人が「やってみたい」と思えたものを支えることが回復への近道になります。「起きなさい」という声かけを減らし、学校に行けたかどうかで一日の良し悪しを採点しないこと、そして何より、支えているご家族自身が、少し休む時間を持つことも大切です。臨床で見てきた印象では、ご家族が肩の力を抜けたご家庭ほど、お子さんの変化も緩やかに進んでいく傾向を感じています。
病院と整体、どちらに行くべきか迷ったらどうすればいいですか
強いめまいで意識が遠のく、激しい頭痛や胸の痛みを伴う、体重が急激に減っている、といった症状がある場合は、まず小児科や循環器内科などの医療機関を受診してください。起立性調節障害の診断には、寝た状態と立った状態での血圧や心拍数の変化を調べる新起立試験が用いられることが多く、症状の重症度によっては薬を使った対応が必要になる場合もあります。うつ症状や強い不安を伴う場合は、心療内科との連携も検討されます。
整体は医療行為ではなく、診断や医学的な判断は必ず医師にご相談ください。すでに小児科などで診断を受け、通院を続けている場合でも、体のケアとして整体を併用していただくことも可能です。必要に応じて医師など専門家と連携する姿勢で施術にあたっています。
よくあるご質問
起立性調節障害は本当に体の病気なのですか?
はい。自律神経の調節がうまくいかず、血圧の調整に不具合が起こる、医学的な根拠のある体の病気です。気持ちの持ちようだけで説明できるものではありません。
起立性調節障害はいつごろ落ち着いてくることが多いですか?
個人差が大きく一概には言えませんが、成長に伴って自律神経の働きが安定してくるにつれ、少しずつ症状が軽くなっていく方が多い傾向にあります。
午前中だけ調子が悪く、午後は元気になるのはなぜですか?
朝は血圧や体温がまだ十分に上がりきっていない時間帯だからです。時間が経ち活動が進むにつれて自律神経の働きが整い、午後にかけて調子が上向く方が多く見られます。
無理にでも早起きさせて体を慣らした方がいいですか?
無理な早起きは、体が対応しきれないまま起こそうとすることになり、かえって負担が大きくなることがあります。まずは体を温めてから声をかけるなど、ゆるやかな関わり方をおすすめします。
起立性調節障害と自律神経失調症は同じものですか?
どちらも自律神経の調節がうまくいかない状態という点では共通していますが、起立性調節障害は特に起立時の血圧調整に不具合が起こる状態を指し、思春期に多く見られます。
整体を受けると起立性調節障害は良くなりますか?
整体は自律神経そのものを直接操作するものではありません。体の緊張という物理的な負担をゆるめることで、自律神経が働きやすい状態に近づけるお手伝いをしています。
東洋医学でいう「腎」とはどんな働きですか?
生まれ持った生命力の貯金のようなもので、成長、意欲、回復力の土台になっている働きです。腎の力が弱ると、体を目覚めさせる火種そのものが足りなくなると考えます。
学校に行けない日が続いています。無理にでも行かせるべきですか?
まず体の状態を優先することをおすすめします。学校に行けたかどうかで一日を採点するのではなく、本人が「やってみたい」と思えることを少しずつ支える関わり方が回復につながりやすいとされています。
大人になってからも起立性調節障害のような症状は出ますか?
はい。思春期特有のものと思われがちですが、大人になってから似たような朝の不調が続く方もいらっしゃいます。
黒い食材が腎にいいと聞きましたが、本当ですか?
東洋医学では、黒ごまや黒豆、ひじきなど黒い色の食材が腎を養うとされています。医学的なケアの代わりになるものではありませんが、日々の食事に取り入れやすい工夫の一つです。
スマホを見る時間が長いことは関係がありますか?
就寝前のスマートフォンの使用は、脳を興奮させて自律神経の切り替えを妨げやすいとされています。すべてを取り上げるのではなく、寝る前の一定時間だけ置く習慣から始めることをおすすめします。
親としてどう接すればいいか分かりません。何を意識すればいいですか?
「起きなさい」を減らし、学校に行けたかどうかで評価しないことを意識していただくことをおすすめします。あわせて、支えるご家族自身が休む時間を持つことも大切です。
まとめ
福岡市で起立性調節障害の「なぜ朝起きられないのか」に悩んでいる方へ。その原因は、朝に交感神経がうまく立ち上がらず、血圧が上がらないまま脳への血流が不足するという、体の仕組みそのものにあります。怠けでも気持ちの問題でもありません。東洋医学では、これを腎という生命力の貯金が減り、体を目覚めさせる火種が足りなくなった状態として見ています。常若整骨院では、カウンセリング、施術、セルフケアの3つをセットにして、本人とご家族の双方に寄り添いながら、自律神経が働きやすい身体づくりをサポートします。
院長プロフィール
冨高誠治。柔道整復師・鍼灸師。施術歴20年、25,000人を施術。福岡市早良区・西新駅から徒歩圏の常若整骨院院長。東洋医学と気功を軸に、自律神経の不調やストレスによる体の緊張のケアにあたっている。
自律神経の乱れそのものについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
出典:起立性調節障害|済生会
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