
逆流性食道炎を東洋医学ではどう考えるのか|福岡市の整体師が三つの証で解説
結論から言うと、東洋医学では逆流性食道炎を「本来は下に降りるはずの胃の気が、逆に上へ突き上げている状態」として考えます。これを胃気上逆と呼びます。
要点は次の3つです。原因は何か=考えごとの多さやストレスで消化を担う脾胃が弱り、胃の気の流れが乱れることです。整体でできることは何か=タイプに応じて横隔膜やみぞおち周辺の緊張をゆるめ、気の流れが戻りやすい身体づくりをサポートします。この記事は誰向けか=検査で異常が軽い、あるいは異常なしと言われたのに、胸やけや呑酸が続いている方に向けて書いています。
東洋医学では逆流性食道炎をどう考えますか
結論として、東洋医学では逆流性食道炎を単なる胃酸の逆流ではなく、気血水の巡りが乱れて胃の気が上へ逆流している状態と捉えます。西洋医学が下部食道括約筋のゆるみや胃酸の量に注目するのに対し、東洋医学はなぜその筋肉がゆるむのか、なぜ胃酸に敏感になるのかという、その手前の体の状態に目を向けます。当院で25,000人の患者さんを施術してきた経験では、胸やけを訴える方のほとんどに、みぞおちから肋骨の下にかけての慢性的な緊張が見られます。
逆流性食道炎とはどのような状態ですか
逆流性食道炎とは、胃の中の酸性の内容物が食道へ逆流し、食道の粘膜が刺激を受けて炎症を起こしている状態です。胸やけ、酸っぱいものが上がってくる感じ、喉の違和感、みぞおちの痛みなどが代表的な症状です。東洋医学の言葉に置き換えると、これは胃気上逆という一つの状態が、体の表面にさまざまな形で現れたものだと考えます。
なぜ胃の気は逆流してしまうのですか
結論として、脾胃という消化を担う働き全体が弱ると、胃の気が下に降りる力を失い、逆流しやすくなります。脾とは、東洋医学で消化と栄養の吸収を担う働き全体を指す言葉です。考えごとが多すぎる状態は思傷脾と呼ばれ、脾を直接傷めるとされます。脾が弱ると、本来なら食べたものと一緒に下へ降りていくはずの胃の気が降りる力を失い、逆に上へ突き上げてしまう。これが胸やけや呑酸として感じられます。加えて、感情の起伏を司る肝の働きが乱れると、肝の気が胃に向かって強く突き上げることもあり、こちらも胃気上逆の一因になります。
東洋医学ではどんなタイプに分けて考えますか
現場で見ていると、逆流性食道炎の背景は大きく三つのタイプに分かれます。
一つ目は肝気犯胃型です。怒りや苛立ち、押し込めた不満が続き、肝の気が胃を突き上げるタイプです。げっぷが多く、症状がストレスの強い日に悪化しやすいのが特徴です。太衝というツボ、足の甲で親指と人差し指の骨が合流する手前のくぼみを、やさしく押すと気の巡りが助けられます。
二つ目は脾虚胃寒型です。考えすぎで脾胃が消耗し、加えて体が冷えて胃の働きが鈍くなっているタイプです。食後すぐに胃もたれや膨満感が出やすく、冷たいものを摂ると症状が強く出ます。足三里というツボ、膝のお皿の下から指4本ぶん下、すねの骨の外側にあるくぼみを温めると、脾胃の働きを支えやすくなります。
三つ目は腎陰虚型です。長年の不調や加齢によって体の潤いを蓄える腎が消耗し、胃の粘膜を潤す力が落ちているタイプです。夜間に症状が強く、口や喉の渇きを伴いやすいのが特徴です。太渓というツボ、内くるぶしの頂点とアキレス腱の間のくぼみが、腎の力を補う目安になります。
同じ逆流性食道炎という診断名でも、この三つのどこに重心があるかによって、体の緊張が出ている場所も、生活で気をつけるべき点も変わってきます。実際の現場では、この三つがきれいに分かれているケースばかりではありません。仕事の繁忙期はストレスで肝気犯胃型の症状が強く出て、休みの日は冷えと疲れで脾虚胃寒型の症状が前面に出る、というように、時期や体調によって重心が入れ替わる方も多く見られます。長年症状が続いている方ほど、脾虚胃寒型と腎陰虚型が重なっていることが多く、体を温めながら潤いも補うという、一見矛盾した対応が必要になることもあります。
自律神経と胃気上逆はどう関係していますか
結論として、自律神経の乱れと胃気上逆は、同じ現象を別の言葉で説明していると考えています。自律神経とは、体のアクセルとブレーキのような働きのことです。ストレスが続いてアクセル役の交感神経が働き続けると、消化にかかわる働き全体が後回しにされ、食道と胃のつなぎ目の筋肉が締まりにくくなります。東洋医学でいう脾胃の消耗と、自律神経の乱れは、体の別の面から見た同じ出来事だと理解すると分かりやすいと思います。頭で考えすぎている状態と、お腹の緊張は、切り離せずに一続きになっています。
常若整骨院では逆流性食道炎をどう見ていますか
カウンセリング、施術、セルフケアの3つをセットで行います。問診では、症状が強くなる時間帯、食後どのくらいで出るか、どんな時に考えごとが増えるかを丁寧にお聞きします。同じ胸やけでも、肝気犯胃型なのか脾虚胃寒型なのか腎陰虚型なのかによって、施術で緩める場所も変わるためです。施術では横隔膜まわりと背中の緊張をゆるめ、呼吸が深くなることを軸にしています。整体は医療行為ではなく、診断や投薬はできません。薬による処置と並行して、身体のケアを行う立場だとご理解ください。
実際に逆流性食道炎が楽になった方はどんな経過でしたか
40代男性の方は、パニック障害と逆流性食道炎、呑気症を抱えて来院されました。ご本人の言葉では「自分の現状を客観的に見て、何が原因かよくわかったこと。これからどうしていったら良いか、明確な方針が見えたことで、気分がすごく楽になった」とのことでした。原因を体の状態として整理できたことで、気持ちの面からも落ち着いていかれたケースです。
30代女性の方は、一番つらかった肩こりが実は胃腸の弱りからきており、つきつめると仕事へのストレスが背景にあったという事例です。カウンセリングで話を聞いてもらい、施術でも身体だけでなく精神的な部分もケアしてもらえたことが良かったとのことでした。
80代女性の方は、胃もたれ、消化不良、下痢、便秘、食欲不振が年間を通して4、5年続いていました。過去や現在の精神的な問題が体の症状と深く関わっていることが理解でき、好ましくない食べ物が無理なく自然と欲しくなくなり、好ましい食生活へ移行できたとのことでした。効果には個人差があり、回復を保証するものではありませんが、体と考え方のクセの両方に目を向けることが、遠回りに見えて近道になることがあります。
逆流性食道炎は自宅でどうケアすればいいですか
自宅でできることとして、足三里や太衝など自分のタイプに近いツボを軽く押すこと、食後すぐに横にならず上体を起こしておくこと、考えごとを紙に書き出して頭の外に出すことの3つをお伝えしています。どれか1つからで十分です。3つを完璧にこなそうとすると、それ自体が新しい緊張を生んでしまいます。できなかった日があって当然です。真面目な方ほどできなかった自分を責めがちですが、真面目さが悪いわけではなく、その真面目さの向け先が違うだけだと考えています。
病院と整体、どちらに行くべきか迷ったらどうすればいいですか
強い胸の痛み、吐血や黒い便、食べ物が飲み込みにくい、体重が急に減る、貧血の症状がある場合は、まず医療機関の受診を優先してください。逆流性食道炎の診断や薬の処方は医師の領域であり、必要に応じて医師や専門家と連携する姿勢を大切にしています。診断と服薬の判断は、必ず医師にご相談ください。そのうえで、考えごとの多さやストレスによる緊張が背景にあると感じる場合は、身体のケアという形でお手伝いできることがあります。
よくあるご質問
東洋医学では逆流性食道炎を何が原因だと考えますか?
考えごとの多さやストレスで脾胃という消化の働きが弱り、本来下に降りる胃の気が上へ逆流することが原因だと考えます。これを胃気上逆と呼びます。
胃気上逆とは何ですか?
胃気上逆とは、下に降りるはずの胃の気が逆に上へ突き上げてしまう状態を指す東洋医学の言葉です。胸やけや呑酸として体に現れます。
肝気犯胃型とはどんなタイプですか?
怒りや苛立ち、押し込めた不満が続き、肝の気が胃を突き上げるタイプです。げっぷが多く、ストレスの強い日に症状が悪化しやすい傾向があります。
脾虚胃寒型とはどんなタイプですか?
考えすぎで脾胃が消耗し、体の冷えも重なって胃の働きが鈍くなっているタイプです。食後すぐの胃もたれや、冷たいものを摂った時の悪化が特徴です。
腎陰虚型とはどんなタイプですか?
長年の不調や加齢で体の潤いを蓄える腎が消耗し、胃の粘膜を潤す力が落ちているタイプです。夜間の症状悪化や、口や喉の渇きを伴いやすい傾向があります。
自分がどのタイプか自分で判断できますか?
症状が出る時間帯や生活背景から目安をつけることはできますが、体を見てもらったうえで判断するほうが確実です。気になる場合はカウンセリングでご相談ください。
ツボを押すだけで逆流性食道炎は落ち着きますか?
ツボ刺激は気の巡りを助ける一つの手段であり、それだけで完結するものではありません。生活習慣の見直しや、必要に応じた医療機関での治療と合わせて考えることが大切です。
東洋医学の考え方と病院での治療は両立できますか?
はい、両立できます。診断や薬の処方は医師の領域であり、東洋医学の視点は体の緊張や生活習慣を整えるサポートとして、並行して取り入れられることが多いです。
考えごとが多いと脾が傷むというのは本当ですか?
東洋医学では思傷脾という考え方があり、考えごとの多さが消化の働きを傷めるとされています。実際に深く考え込む方ほど症状が長引く傾向を現場で感じています。
どのくらい通えば変化を感じられますか?
個人差が大きく、一概には言えません。タイプや考えごとの深さ、生活習慣によっても変わるため、経過を見ながら一緒に確認していく形になります。
逆流性食道炎で受診が必要なサインはありますか?
強い胸の痛み、吐血や黒い便、飲み込みにくさ、急な体重減少がある場合は、様子を見ずにすぐ医療機関を受診してください。
三つのタイプが重なることはありますか?
はい、よくあります。繁忙期はストレスで肝気犯胃型の症状が強く、疲れが溜まると脾虚胃寒型の症状が出るなど、時期によって重心が入れ替わる方も少なくありません。
食事で気をつけることはありますか?
脾虚胃寒型の傾向がある方は、冷たい飲食物や生ものを控えめにすることをおすすめします。早食いや食べ過ぎ、就寝前の食事も胃の気を上げやすくするため、腹八分を意識すると良いです。
まとめ
福岡市で逆流性食道炎に悩んでいる方、検査で異常が軽いと言われたのに胸やけが続いている方へ。東洋医学では、その背景に胃の気の逆流という一つの状態があり、肝気犯胃型、脾虚胃寒型、腎陰虚型という三つのタイプで体の緊張が出やすい場所が変わると考えています。一人で抱え込まず、まずは自分のタイプに合わせて体の緊張をゆるめることから始めてみてください。当院ではカウンセリング、施術、セルフケアをセットにして、身体と考え方の両方からサポートしています。
院長プロフィール
冨高誠治(柔道整復師・鍼灸師)。施術歴20年。これまで25,000人の患者さんを施術してきました。福岡市早良区・西新駅から徒歩圏の常若整骨院院長。東洋医学の見立てをもとに、自律神経が働きやすい身体づくりをサポートしています。
季節ごとの体の整え方を、メールでお届けしています。よければ、どうぞ。
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