正義感が強い人は要注意!?肝臓・胆のうを東洋医学的アプローチで改善する方法
当院に来院される方からチラホラ伺うのが、「肝臓の数値が良くなくて…」「油ものを食べると胆のうが痛くなるんです」というお話。
肝臓は「沈黙の臓器」として名高い働き者ですし、胆のうは肝臓の下でお手伝いをしている臓器です。
その肝臓と胆のうにまつわる不調を東洋医学で解き明かしてみると、出てきたキーワードは「怒り」だったんです。
胆石・肝炎を東洋医学であらわすと
東洋医学では、すべてのものは木・火・土・金・水の5つの性質に分けられるという五行学説という考え方があります。
(くわしくはコチラ→※保存版※心と体を解き明かす!東洋医学は五行による症状・性格まとめ)
肝臓・胆のうは、このうち「木」という性質に属しています。
木はぐんぐん伸びる樹木のイメージです。枝葉のように考え方が広がり、根はしっかりと土に根差します。
木の性質がうまく働いている人は、さわやかなプライドを味方にぐんぐんと成長していきます。
木の性質がうまく働いていない人は、ガッチリ土を掴む根っこのように何かに執着し、怒りを抱きやすくなります。
肝炎や胆のう炎の原因になっているのは、主に木の滞りです。
つまり、何かに対して執着し、怒りを抱き続けている状態に対して体がNGサインを出しているということなのです。
胆のう炎・肝炎になりやすい人の特徴
肝臓には、代謝・解毒・胆汁分泌という3つのはたらきがあります。
胆のうは、肝臓から分泌された胆汁を保存し、必要な時にピュッと出すための器官です。フツフツと湧いてくる肝にまつわる感情(怒り・正義感・義務感)を受け止める、堪忍袋のような存在といえます。
ここを傷めてしまうキーポイントは、「正義感と義務感」と「怒りと正当化」です。
キーポイント①正義感と義務感
■「こうあらねばならない」「これが普通」というルールを守る気持ちが強い
■周囲にもルールを守って欲しい気持ちが強い
■周囲をコントロールしたい欲求が強い
■教師・講師・リーダーなど、何かを教えたりルールを守らせる立場にいる
■出来ない人の気持ちがわからずイライラする
■出来ない自分をひどく責めてしまう
正義感や義務感の強い人は、自分や周囲を「こうあらねばならない」という型にはめたがります。
人はそれぞれ違う環境と性格で生きているため、型からはみ出すことが自然です。
が、その型にはまらないこと・型からはみ出すことがストレスになりがちな人は、肝臓や胆のうに負担をかけてしまいます。
①「ま、いいか」という緩みを常に意識する
思い通りにならない時は、ルールを強要するのではなく、相手や自分のあるがままをとりあえず受け入れましょう。
「ま、いいか」という言葉をつぶやくと、力が抜けやすくなります。
②自分ルールを人に押し付けない
マナー・エチケット・普通の定義は人によって違います。
「これが普通だ、当たり前だ。なぜそれを守れないんだ」
そう思うことから、自分を解放しましょう。それだけで、あなたが感じているストレスはぐっと減らせます。
キーポイント②怒りと正当化
■怒りっぽく、いつも何かに悪態をついたり憂えている
■ニュースを見ては「許せない」と義憤をおぼえる
■車を運転するとひどくイライラしたり、口が悪くなる
■何かあった時「自分は悪くない」又は「すべて自分のせいだ」と反射的に思う
■周囲のせいで自分がイヤな気持ちになっていると感じることが多い
正当な理由のある怒りは、時に「相手より優位に立っている。この人を思う存分責めていい」という快感を伴います。
クレーマーといわれる人、「そんな些細なことでなぜそこまで?」と思うほど怒っている人は、ストレスを怒りという形で発散している可能性があります。
そのため、怒りっぽい人は怒りを正当化しようと周囲のあら捜しをしてしまいがち。
こういう時に軌道修正するには、
①怒りには快感を伴うと知る
怒りっぽい人は「周囲のせいでイライラさせられる」と被害者意識を感じがちですが、ちょっと視点を変えてみれば、その怒りは自分の快感とストレス解消のためとも言えます。
しかし、ストレス解消とちょっとした快感のために周囲をおどろかせたり、自分の体を怒りで傷つけるのは割が合いません。
もっと楽しいこと、無心になれることに手段を切り替えてみましょう。
②あら捜しをやめる
人の目は、自分が見たいと思うものだけを見るように出来ています。
女性の豊かな胸と子猫が映った写真を見た時、女性が好きな人は女性の胸しか意識していませんし、子猫が好きな人は子猫しか見ていません。
どんなに周囲の人が努力しても、あなたがあら捜しをしたいと思っている限り、その人の努力が目に入ることはないのです。
まずは、あら捜しをしている自分に気づき、やめること。
そして周囲の失敗や不手際を目にしたら、「それがこの人の精いっぱいだったんだ」と思い、それ以上考えないようにしましょう。
症状は心と身体からのメッセージ
肝臓や胆のうの不調は「怒りすぎだよ」「正しいことにこだわりすぎだよ」という体からのメッセージ。
そのメッセージをどう受け止め、これまでを振り返り、これからの人生に役立てていくのかが最も大切な点です。
意味も理由もなく出てくる症状や病気はありません。
メッセージを正しく受け止め、自分を変えさえすれば、体は必ず応えてくれます。