冬の咳・かゆみは、乾燥×自律神経をケアして改善!
12月ももう半ば。福岡県もすっかり冬になりました。
寒くなると、かゆみ・じんましん・咳などがひどくなって来院される方がドッと増えます。
冬は乾燥するから仕方ない…と、加湿器やボディクリームなどで保湿に精を出されている方も多いのではないでしょうか。
確かに、乾燥は痒みや咳の大敵。
けれど、もう一つ忘れてはならない要因があります。
それは、日照時間が短くなることによる自律神経(副交感神経)の働き過ぎ。
「そんなの、日が短くなるんだからどうしようもないじゃん!」
と思われるかもしれませんが、実は上手にケアすることで症状を緩和したり改善することができるんです。
交感神経と副交感神経
内臓のはたらき・免疫・分泌・呼吸・循環・生殖など、生命活動を自動的に調整してくれている自律神経。
この自律神経は、
■日中の活動・ストレス・逃げるか戦うかの判断などを司る交感神経
活動例:
気道を広げる(息を吸う)・動悸を速くする・血管を収縮させる・腸のぜん動運動をとめる・汗を出す
■夜間の休息・リラックス・睡眠などを司る副交感神経
活動例:
気道を狭める(息を吐く)・動悸をゆっくりにする・血管を拡張する・腸の蠕動運動をうながす
といったふうに、2つの神経がバランスよく働くことで成り立っています。
しかし、何らかの原因で交感神経ばかり働く・働き過ぎた交感神経がダウンして副交感神経ばかりが働くようになるといったアンバランスが起こると…
■交感神経ばかりが働く:
動悸・不眠・呼吸が浅くなる・過呼吸・免疫力の低下・カゼをひきやすくなる・便秘・高血圧・イライラ・焦燥感
■副交感神経ばかりが働く:
気道が狭まる・だるさ・朝起き上がれない・免疫力の不自然な増強・痛みやかゆみを強く感じる・下痢・やる気が出ない・うつっぽい
といった症状が起こりやすくなります。
咳やかゆみが寝る前や冬にひどくなる理由
上記したように、副交感神経が過剰にはたらくと、
■気道が狭まる=咳がひどくなる
■痛みや痒みを強く感じる=かゆみがひどくなる
■免疫力の不自然な増強=アレルギーやじんましんが出やすい
といったことが起こりやすくなります。
患者さんに咳やかゆみがひどくなるシチュエーションをうかがった時、圧倒的に多いのが「寝る前」という答えです。
また、実際に咳やかゆみでお悩みの方が増えるタイミングは「冬」。
「寝る前」「冬」、これはどちらも副交感神経のスイッチが入りやすいタイミングです。
副交感神経は、夜・休息・リラックスタイムに活発になる神経です。
また、日照時間が短い=暗い時間が長い冬時期は、夜だけでなく副交感神経が働きやすい季節。
さらに
■寒さと室内の寒暖差
■乾燥
■忘年会やクリスマスなどのイベントによる食生活の乱れ
といった要因が絡み合って、咳やかゆみに悩まされてしまうのです。
冬の咳・かゆみ撃退ポイント
ケアしていきたいのは、
■自律神経の乱れによる副交感神経の働き過ぎ
■乾燥
■食生活の乱れによる胃腸の機能低下
といったポイントです。
①交感神経のケア
副交感神経の働き過ぎは、ほとんどの場合交感神経の働き過ぎ→ダウンから始まっています。
ですから優先すべきは、交感神経のケア。
朝しっかりとスイッチが入り、元気に動いて、夜上手にスイッチが切り替わるように整えていきます。
そのためには、
■内臓に負担をかける食生活(炭水化物や甘い物、添加物、乳製品、お酒やタバコ)をひかえる
■風邪薬や痛み止めを乱用せず、体調が悪い時はしっかり休む
■朝~日中は日光に当たる
■夜になったら問題・仕事・イヤなことについて考えない(頭の中をぐるぐるしはじめたらメモだけして明日にまわす)
■寝る1時間前になったらテレビやスマホを見ない
■スマホを別の部屋に置いて寝る
などが有効です。
②副交感神経のケア
副交感神経が正常にはたらくためには、動くべき時に動き、休むべき時に休むというリズムを作ることが大切です。
■日中、ウォーキング・ヨガ・ダンスなどで身体を動かす
■お風呂は寝る2時間前までにすませる
■湯船にしっかり浸かって体をあたためる
■副交感神経が集中している腰まわりを温めたり、前屈・後屈・ねじるなどのストレッチをする
■腰まわりを冷やさないよう、ハラマキをする
などがオススメです。
③乾燥対策をする
肌表面や喉の粘膜が乾燥すると、咳・かゆみをひどくしてしまいます。
潤いをキープするためには、
■タンパク質(旬の魚・カキなどの貝類・お肉・大豆・ブロッコリーなど)をしっかり摂る
■ビタミンC(みかん・イチゴ・キウイ・カボチャなど)をしっかり摂る
■加湿器や濡れタオルを部屋にかけておくなど、室内の湿度を上げる
■お水をこまめに飲む
■肌に合うクリーム(ワセリン・馬油・その他保湿クリーム)を塗る
■体を洗う時、石鹸やボディソープを使うのを3日に1回程度にする
などが有効です。
④食生活を整える
喉の粘膜や肌の状態と直結しているのが、腸内環境です。
腸・のど・皮膚はバリア・免疫機能として連携をとっており、どこかの機能が落ちると別の場所の免疫機能が暴走したり、連動して機能低下を起こしたりします。
やたらと咳が出る(体に入る異物を追い出そうとする)・湿疹やじんましん(皮膚から異物を排出しようとする・過敏になる)のは、腸の機能低下を挽回しようとしていることがとても多いのです。
■糖類(甘い物・お菓子・ジュース・甘いお酒・甘いお茶やコーヒー・パン・パスタ・うどん・ラーメン・ピザなど)を減らす
■乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズなど)を減らす
■添加物(コンビニご飯・レトルト食品・出来合いのお惣菜・外食など)を減らす
■風邪薬や咳止め、解熱剤を乱用しない
■昔ながらの作り方をしている味噌・しょうゆ・梅干し・ぬか漬けなどを食べる
■朝起きた時と夜寝る前に白湯を飲む
このような対策がオススメです。
冬はイベント続きで外食が増えがちですから、その分普段の食事でバランスをとるようにすると体調管理がしやすくなりますよ。
咳・かゆみを撃退して、気持ちのいい冬を迎えよう
冬になるとひどくなる咳やかゆみ。
大きな原因は
■気候や自律神経の乱れによる、副交感神経の働き過ぎ
■乾燥
■乱れた食生活
などです。
これらを整えることで、咳やかゆみといった冬の不調を改善しやすくなります。
まだまだ冬は入り口。
今のうちに体調を整えて、イベント盛りだくさんの季節を楽しんでいきましょう!
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