橋本病と「がんばりすぎ」――疲れやすさの原因と無理をしないための対策

橋本病と「がんばりすぎ」――疲れやすさの原因と無理をしないための対策

「すぐに疲れてしまう」「以前のように動けない」「頑張っているのに体がついてこない」。

橋本病(慢性甲状腺炎)は、甲状腺の働きが低下することで、全身の代謝が落ち、疲れやすさや無気力感が出る病気 です。

しかし、多くの人が「まだやれるはず」と思って無理をしすぎてしまい、さらに体調が悪化する という悪循環に陥ってしまいます。

本記事では、橋本病の人が「がんばりすぎ」によってどのような影響を受けるのか、そして無理をしないための対策 について詳しく解説します。


橋本病の人が「がんばりすぎ」によって起こる症状

橋本病では、甲状腺ホルモンが不足することで 体のエネルギーを作り出す力が低下 します。そのため、無理をすると、普通の人よりも強い疲労感を感じやすくなる のです。

がんばりすぎによる症状の悪化

症状

がんばりすぎるとどうなる?

強い疲労感・倦怠感

少しの活動でも極度に疲れ、回復に時間がかかる

筋肉や関節の痛み

無理をすると体が硬くなり、痛みが出やすくなる

うつ症状・無気力感

頑張ろうとしてもエネルギー不足で気持ちが落ち込む

冷え・体温調整の難しさ

疲れがたまるとさらに血流が悪くなり、冷えやすくなる

集中力の低下・記憶力の悪化

頭がぼんやりしてミスが増える、考えがまとまらない

「もっと頑張らなきゃ」と思って動くと、体が追いつかず、結局さらに疲れてしまう という悪循環が起こりやすいのが橋本病の特徴です。


橋本病の人が「がんばりすぎてしまう」理由

① 周囲に理解されにくい

橋本病は見た目にはわかりにくいため、「怠けている」「気のせいじゃない?」と言われやすい 病気です。そのため、つい「普通にやらなきゃ」と無理をしてしまいます。

✅ 対策:周囲に橋本病について知ってもらう

家族や職場の人に橋本病のことを説明し、「普通にできないこともある」 ことを理解してもらうことが大切です。


② 「まだ大丈夫」と思ってしまう

橋本病は、日によって体調に波があります。調子がいい日があると、「今日はがんばれるかも!」と無理をしてしまい、翌日 寝込むほど疲れてしまう ことも。

✅ 対策:「余力を残す」ことを意識する

「100%頑張る」ではなく、「70%の力で過ごす」 ことを意識すると、体調が安定しやすくなります。


③ もともと真面目で頑張り屋さんが多い

橋本病の人は、責任感が強く、頑張りすぎる傾向がある と言われています。自分に厳しく、休むことに罪悪感を持ってしまうことも。

✅ 対策:「休むことも大切な仕事」と考える

「休むこと=サボること」ではなく、「体を大切にすることも大事な仕事」 だと意識を変えてみましょう。


無理をしないための生活改善方法

① エネルギーを温存する「ペース配分」を意識する

橋本病の人は、一度にたくさんのことをすると、あとで強い疲れが襲ってくる ことが多いです。

🌿 ペース配分のコツ

「やることリスト」を作り、1日の予定を分散する

午前と午後で活動量を調整する(午前にたくさん動きすぎると午後寝込むことも)

疲れたら、すぐに休む習慣をつける

「1日で全部やる!」ではなく、「少しずつやる」 ことが疲れをためないポイントです。


② 「ながら休憩」で疲れを減らす

忙しくて「休めない」と感じる人も、「ながら休憩」 を取り入れると無理なく休めます。

座ってできる作業は、座りながらやる(立ちっぱなしを減らす)

スマホを見るときは、横になってリラックスする

「休憩の時間」を意識的に作る(5分でもOK!)

「休憩しながら仕事や家事をする」ことで、エネルギーを温存できます。


③ 食事を整えてエネルギー不足を防ぐ

橋本病の人は 代謝が落ちるため、栄養バランスが特に大事 になります。

🌿 疲れにくい食事のポイント

タンパク質をしっかり摂る(肉・魚・卵・豆類) → 体の修復を助ける

鉄分・マグネシウムを意識する(ほうれん草・ナッツ・レバー) → 疲労回復をサポート

甲状腺に必要なヨウ素を適度に摂る(海藻類) → 甲状腺の働きを助ける

カフェインや砂糖の摂りすぎは避ける ことで、エネルギーの消耗を防ぐことができます。


④ 睡眠の質を上げて、回復しやすい体にする

橋本病の人は 睡眠の質が悪くなりやすい ため、疲れを取るには「深く眠ること」が大切です。

夜はスマホを見すぎない(ブルーライトが睡眠を妨げる)

寝る前にストレッチや深呼吸をする(リラックス効果)

朝は日光を浴びる(体内時計を整える)

睡眠の質を上げるだけで、翌日の疲れ方が大きく変わります。


まとめ

橋本病の人は、がんばりすぎると強い疲れが出て、体調を崩しやすくなります。

🌿 無理をしないためのポイント

100%ではなく、70%の力で過ごす

「ながら休憩」でエネルギーを温存する

食事で栄養を補い、エネルギー不足を防ぐ

睡眠の質を上げて、体の回復力を高める

橋本病と付き合っていくためには、「がんばること」よりも 「無理をしないこと」 の方がずっと大切です。少しずつ、自分のペースで「ちょうどいい頑張り方」を見つけていきましょう。