「そのつらさ、副作用だけじゃないかも?抗がん剤治療と向き合う“体の声”を聴く整体メソッド」 〜東洋医学の知恵で、副作用と“うまく付き合う”という選択〜
第1章:「副作用がきつい…」それ、本当に“副作用”だけのせい?
「抗がん剤の副作用がつらくて、毎日がしんどい」
こう口にする人の多くが感じているのは、たしかに抗がん剤による体への負担。吐き気、倦怠感、関節の痛み、味覚の変化、肌の乾燥…。副作用はまるで“副”という名前がついているのが不思議なくらいに、主役級の存在感を放ちます。
でもちょっと待って。
それ、本当にぜんぶ「抗がん剤のせい」でしょうか?
■ 体の不調は「副作用」だけで説明できないこともある
確かに抗がん剤は強力な薬です。正常な細胞にも影響を与えるため、さまざまな症状が現れるのは事実です。
でも、すべてを薬のせいにしてしまうと、実は大事なことを見落としてしまうことがあります。
たとえば、長時間の治療による姿勢の乱れや筋力の低下。
不安やストレスによる呼吸の浅さや自律神経の乱れ。
それによって血の巡りやリンパの流れが滞り、体の中に“疲れ”や“だるさ”が残り続ける——。
こうした状態は、薬だけではケアしきれない部分です。
むしろ「体の使い方」や「姿勢」「巡り」など、もっと根本的な身体のバランスが崩れていることが、つらさを長引かせている可能性もあるのです。
■ 体の声を“副作用”という名前で片づけない
私たちは何か調子が悪くなると、「あ、これは薬のせいかな」と思いがちです。もちろん、それもあるでしょう。でもそれと同時に、「これは、体が何かを伝えようとしているのかもしれない」という視点を持つことも、すごく大事です。
例えば、
・毎日決まった時間に疲れる
・左側だけ腰が痛い
・食べ物は変えてないのに胃がもたれる
こういった“小さなサイン”は、副作用とは言いきれない体の声。整体的な視点で見ると、それぞれに意味があるのです。
体は、意外とまっすぐにメッセージを送ってくれているものなんですよ。
■ 西洋医学が見落としがちな“ゆらぎ”の感覚
西洋医学の診察では、数値や画像で“異常があるかどうか”を判断します。ですが、整体や東洋医学では、もっと“感覚”や“流れ”を大切にします。
「なんとなく調子が悪い」
「いつもの自分と違う気がする」
こういう“ゆらぎ”にこそ、実は回復へのヒントが隠されていることが多いのです。
だからこそ、抗がん剤治療中の不調に対して「副作用だから仕方ない」とあきらめる前に、もう一歩踏み込んで、
「体のどこかに無理がかかっていないか」
「自分の中の巡りはちゃんと動いているか」
という視点を持ってみてほしいんです。
■ がん治療中の体は“がん”だけを見ていればいいわけじゃない
抗がん剤はがんと戦ってくれます。でも、その治療を受けている“あなたの体”そのものも、戦い続けているんです。
だから、ケアすべきは「がん」だけじゃない。
呼吸、血の巡り、姿勢、食欲、睡眠…そういった“日常の身体の声”に耳を傾けることで、副作用と“うまく付き合う”道が見えてくるかもしれません。
整体や東洋医学のアプローチは、その“体の声”を聞く手段のひとつ。
次の章では、そんな「整体」がなぜがん治療中の体に優しく寄り添えるのか、詳しく解説していきます。
第2章:抗がん剤治療と体の“流れ”をどう整える?整体ができること
「整体って、がん治療中でも受けられるの?」
「マッサージみたいなもの?」
そんな疑問を持っている方も多いかもしれません。
でも実は、“体に強い刺激を与えず、巡りを整える”という整体の基本的な考え方は、抗がん剤治療中の体にこそやさしいものだったりします。
この章では、整体がどんな仕組みで体を整え、つらい副作用をやわらげてくれるのか。その具体的なイメージとともにお伝えしていきます。
■ 整体とは何か?薬を使わないアプローチ
まず、「整体」と聞くと“ボキボキ鳴らす”イメージを持つ人も多いですが、それはほんの一部です。
本来の整体は、体の“ゆがみ”や“滞り”を見つけて、それをやさしく整える施術です。薬や器具を使わず、自分の手と観察力で、体のバランスを調整していく。
抗がん剤治療によってバランスを崩してしまった体に対して、「どう無理なく整えてあげるか?」
それを探るのが整体の役割なんです。
■ 血流、リンパ、神経…“滞り”がつらさを増幅させる
抗がん剤による副作用は、体の機能に直接ダメージを与えるものもあれば、間接的に“流れ”を滞らせて悪化させてしまうものもあります。
-
血流が悪くなると、酸素や栄養が行き渡りにくくなる
-
リンパが詰まると、老廃物がうまく排出されない
-
神経の通り道が圧迫されると、しびれや違和感が残る
整体では、この“流れ”の滞りを見つけて、ゆっくりと解放していくように施術します。
たとえば、足元の冷えが取れるだけで、胃腸の動きがスムーズになったり、肩の緊張をゆるめるだけで眠りが深くなったりするのです。
■ 優しい刺激で“巡り”を回復させる整体の原理
がん治療中の体は、いわば「防御モード」に入っています。ちょっとした刺激でも敏感に反応するので、強いマッサージや押圧は逆効果になることも。
だから、整体ではあえて“ソフト”に働きかけるのがポイント。
わずかな骨盤の傾きや、肋骨の動き、首の位置などを整えることで、自律神経や血流がスーッと整い始めます。
体ってすごく正直で、ちゃんとした方向にほんの少し手を添えてあげるだけで、自分から“治そう”とする力が動き出すんです。
■ 実際の症例:倦怠感が改善した人の体の変化とは
例えば、ある50代女性のケース。抗がん剤治療を数クール受けたあたりから、ひどい倦怠感と頭重感に悩まされるようになりました。
病院の検査では異常なし。でも本人は「とにかく重だるくて、毎日起きるのがつらい」と訴えていました。
整体を受けたところ、首と肩、そして足首の関節にわずかな緊張が見られ、それが呼吸と姿勢を制限していたことが判明。
数回の調整で、呼吸が深くなり、朝の目覚めがスッと軽くなったそうです。
特に何か劇的なことをしたわけではありません。
ただ「体が今、どうゆがんでいるのか」を見つけ、それをやさしく整えるだけ。
それだけで、体の中の“巡り”が整い、自分で回復していく力が戻ってきたのです。
■ まとめ:整体は、体の“自然な動き”を取り戻すサポート
整体は「治す」ものではなく、「体が自分で治る環境をつくる」手助けです。
薬のように即効性はありません。でも、じわじわと“本来の自分の体”を思い出していくような感覚があります。
抗がん剤治療による不調のすべてを薬でコントロールしようとせず、
「体の内側から巡らせていく」選択肢がある。
そんな可能性を、ぜひ知っておいてほしいと思います。
次の章では、そんな整体の考え方と相性がいい「東洋医学の視点」から、がんと体の関係を深掘りしていきます。
第3章:東洋医学で読み解く「がん」と体の関係性
「がん」は突然やってくるもの、という印象を持つ人も多いかもしれません。でも東洋医学では、「がん」は長年の体の“内なるズレ”が積み重なって表れた結果だと考えます。
そう聞くと、ちょっとドキッとするかもしれません。でも安心してください。
この視点を持つことで、今の自分の状態を冷静に見つめ、少しずつ整えていくことができるんです。
ここでは、整体とも親和性の高い東洋医学の考え方を通して、がんという病と、体との向き合い方を探っていきます。
■ 東洋医学から見た「がん」とは“冷え”と“滞り”の結果?
東洋医学には「未病(みびょう)」という概念があります。これは、まだ病名がつかないけれど、体の中で“異変の種”が育っている状態のこと。
がんもその延長線上にあるとされていて、「冷え」や「巡りの悪さ」が積もり積もって、最終的に“形”として現れたのががんだと見るのです。
特にポイントとなるのが、
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血の巡りが悪い「瘀血(おけつ)」
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気の流れが滞る「気滞(きたい)」
-
体の内側が冷えている「内寒(ないかん)」
これらは、東洋医学の中でがん体質に多く見られるとされる状態です。
つまり「がんになりやすい土壌」が体の中にあったということ。だから逆に言えば、その土壌を整えることが、これからの自分のケアにもつながっていくということなんです。
■ 「五臓六腑」はただの言葉じゃない、体のシステムそのもの
「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」という言葉、なんとなく聞いたことありますよね。
東洋医学では、これは単なる内臓の名前ではなく、心と体をつなぐ“エネルギーシステム”のようなものとしてとらえます。
たとえば…
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肝(かん):怒りやストレスと関係が深く、血流の調整役
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脾(ひ):消化吸収をつかさどり、疲れやすさに直結
-
腎(じん):生命エネルギーの源で、老化や冷えにも関係
これら五臓のバランスが崩れることで、「なんとなくつらい」「いつも不調」という状態になる。そして、それが長く続くと、がんという“形あるもの”として現れることがあるんです。
■ “気・血・水”のアンバランスが不調を引き起こすメカニズム
東洋医学では、体の中を巡るエネルギーや物質を「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つに分類します。
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気:目に見えないけど体を動かすエネルギー
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血:栄養と心のバランスを支える
-
水:体を潤し、老廃物を排出する役目
この3つのうちどれかが不足したり、滞ったりすると、体は“傾き”始めます。
抗がん剤治療中は、このバランスが大きく乱れやすい時期でもあります。だからこそ、体調が“数値だけでは語れない不調”として表れるんです。
整体と組み合わせることで、この「気・血・水」の流れを整えるサポートができるのは、まさに東洋医学の知恵の真骨頂です。
■ 西洋医学で説明できない感覚を東洋医学が補完する
「病院では何も異常がないって言われたけど、やっぱり調子が悪いんです」
こうした訴えに対し、西洋医学では「経過観察ですね」で終わってしまうことも少なくありません。数値に異常がなければ、原因が見つからないからです。
でも東洋医学は、数値ではなく“今のあなたの全体像”を見ます。
顔色、舌の状態、声のトーン、体の冷え方や汗の出方…そうした細やかな変化を感じ取って、体のどこに“ズレ”があるのかを読み解くのです。
その上で、整体や食養生、呼吸法、ツボ押しなど、個人に合わせたアプローチを提案します。まさに、“あなた自身”と対話するような医療。
抗がん剤治療の最中でも、「今の自分に何が足りないか、何を整えればいいか」に気づく手助けになります。
■ まとめ:東洋医学は、“自分の中にある治癒力”を呼び起こす
がんは怖い病気です。でも、恐怖にとらわれすぎると、自分の体の声が聞こえなくなってしまう。
東洋医学は、そんな時こそ「あなたの中には、ちゃんと整う力が残っているよ」と静かに教えてくれる存在です。
そしてその力を引き出すのが、整体やセルフケアといった日々の“触れるケア”。
次の章では、その具体的なアプローチ、体からのサインの受け取り方について深掘りしていきましょう。
第4章:“痛み”や“倦怠感”は体からのメッセージ:五臓のバランスと気血水
「なんだかずっと体がだるい」
「頭が重い…」「食欲がない」「眠りが浅い」
——これらの症状を、私たちはつい“がん治療の副作用だから”と片づけがちです。
でも実は、それぞれの症状は体のどこかの臓器から出ている“サイン”かもしれません。東洋医学では、体に現れる不調を「五臓六腑」や「気・血・水」のバランスで読み解くことで、その人に合ったケアを考えます。
体は言葉を持たないけれど、常にあなたに何かを伝えようとしています。その声に、少し耳を傾けてみましょう。
■ 倦怠感=肝?胃?実はこんなに関係している
「抗がん剤の後、全身がだるくて動けない」
この倦怠感、東洋医学的に見ると、“肝”や“脾”の疲れが関係していることがあります。
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肝(かん):血の巡りを調整し、自律神経を整える役割。イライラや不眠もここに関係。
-
脾(ひ):消化・吸収・エネルギー生成を担う。ここが弱ると“だるい”“重い”が起きやすい。
たとえば、食後すぐに眠くなるような場合は、「脾」が弱っているサインかもしれませんし、夜になると足がムズムズする、という人は「肝」の働きが落ちていることも。
同じ“だるい”でも、その裏にある原因は人それぞれ。体が出しているサインをキャッチすることが、ケアの第一歩になるんです。
■ 五臓のどこが疲れている?体の“部位別メッセージ”
五臓は、体と心にリンクしています。どの臓が疲れているかを知ることで、「なぜその症状が出ているのか」が少しずつ見えてきます。
症状 |
関係する臓 |
サインとして出やすい部位・感覚 |
---|---|---|
疲れやすい、むくみ |
脾 |
胃もたれ、脚のだるさ、食後の眠気 |
イライラ、不眠 |
肝 |
目の疲れ、肩こり、夜中の目覚め |
息切れ、冷え |
肺 |
呼吸の浅さ、手足の冷え、声が小さい |
腰痛、頻尿 |
腎 |
足腰のだるさ、耳鳴り、夜間のトイレ |
動悸、不安感 |
心 |
胸の違和感、寝つきの悪さ、夢が多い |
整体やセルフケアでは、こうした“部位のつながり”に着目して、内臓の疲れを外からサポートしていくこともできます。
■ 気が足りない vs 気が滞っている、それぞれの対処法
東洋医学の面白いところは、「症状の“見た目”は同じでも、原因がまったく違うことがある」という点です。
たとえば「疲れやすい」という症状。
-
気が足りない(=気虚):体を動かすエネルギーがそもそも不足。栄養や休息が必要。
-
気が滞っている(=気滞):エネルギーはあるけど流れが悪い。ストレスや緊張でブレーキがかかっている状態。
前者なら「とにかく休んで栄養を」となるけれど、後者なら「軽く体を動かして巡りを促す」ことが大切だったりする。
整体や呼吸法などで、その“巡り”をスムーズにする手助けができるのは、まさにこの「気滞」タイプのケアです。
■ 自分の体質を知ることで、副作用の対処も変わる
東洋医学では、「人はみんな体質が違う」というのが大前提です。だからこそ、副作用のつらさも一律ではありません。
-
冷えやすい人は、胃腸の副作用が強く出やすい
-
ストレスに敏感な人は、吐き気や不眠になりやすい
-
水分代謝が悪い人は、むくみやだるさが出やすい
こうした体質を知っておくと、整体やセルフケアでどこを重点的に整えるかが分かってきます。「自分専用の取扱説明書」を手に入れるような感覚ですね。
■ まとめ:体の“違和感”をスルーしないことが回復への鍵
がんと向き合っている今、どうしても「治療の数値」や「診断結果」ばかりに目がいきがち。でも、日々の中でふと感じる違和感こそ、体からの“貴重なメッセージ”です。
-
「最近、左肩だけやたら重いな」
-
「朝は元気なのに、午後になると熱っぽい」
-
「寝ても寝ても眠い」
こうした変化を見逃さずに拾い上げていくこと。それが、治療と上手に付き合う第一歩になります。
次の章では、こうした“体の声”を日常の中で整えていく具体的な方法、整体×東洋医学のセルフケアについてご紹介していきます。
第5章:整体×東洋医学のセルフケア:自宅でできるやさしいアプローチ
「病院通いで疲れてるのに、さらに何かする余裕なんてない」
そんな声が聞こえてきそうですが、大丈夫です。
ここで紹介するのは、横になったままでもできる、小さなセルフケア。
がん治療中の体には、“強い刺激”ではなく“静かなゆらぎ”が効いてきます。
整体のやさしいタッチと、東洋医学の知恵を組み合わせて、
あなた自身の手で“ちょっとラクになる”を感じられるケア法を、今日から生活に取り入れてみませんか?
■ 抗がん剤治療中でも無理なくできる!体にやさしいセルフ整体
まず大前提として、がん治療中の体はとても繊細です。だから、「無理に伸ばす」「力を入れて押す」ようなセルフケアはNG。
整体の視点からは、“体に触れて、呼吸と一緒にゆるめる”というやり方が基本になります。
たとえばこんな方法:
◆ 肩の力を抜いて深呼吸するだけのリリース法
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仰向けで横になり、両手をお腹に置きます
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鼻からゆっくり3秒吸って、口から6秒かけて吐き出します
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肩の力をストンと抜くイメージで5呼吸ほど繰り返す
たったこれだけで、自律神経のバランスが整い、内臓の緊張もやわらいでいきます。
■ 呼吸を使って整える「気の流れ」リセット法
東洋医学では、“気”は呼吸からも作られると考えます。
つまり、呼吸を変えるだけで「気の流れ」も整い始めるのです。
◆ 朝におすすめ:気を巡らせる「掌ひらき呼吸」
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椅子に腰かけ、両手をひざの上に乗せる
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吸うときに、手のひらをゆっくり開いて天井へ向ける
-
吐くときに、手のひらを下にしてふわっと閉じる
-
これを5〜10回ほど繰り返す
ポイントは、呼吸と動作をリンクさせること。それだけで、気が手のひらから流れ出し、胸が開いて心も落ち着いてきます。
■ 手のひら・足裏にある“臓器のスイッチ”とは?
東洋医学では、「手足は全身の縮図」とされ、手のひらや足裏に内臓とつながるポイント=“反射区”があります。
◆ 足裏で「腎」を元気にするツボ押し
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足の内側、土踏まずの少し上のあたり(湧泉:ゆうせん)を、
指の腹で軽く押し込むように刺激します(5秒 × 5回)
腎は東洋医学では「生命力の源」とされており、ここをやさしく刺激することで、元気の“芯”がじんわりと温まってくるのを感じる人もいます。
◆ 手のひらで「肺」を整えるタッチ
-
手のひらの中央から少し親指寄りの位置(労宮:ろうきゅう)を、
親指の腹でやさしく円を描くようにマッサージ(30秒〜1分)
ここは肺や呼吸と深くつながる場所。不安感や息苦しさがあるときにもおすすめです。
■ 朝と夜に使えるシンプルなセルフケアルーティン
がん治療中でも取り入れやすい、“朝と夜”のゆるケア習慣をご紹介します。
時間は各5分。続けることで、体の内側に少しずつ変化が起きてきます。
【朝】目覚めと巡りを促すルーティン
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手のひらひらき呼吸(5回)
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湧泉の足裏押し(左右 各5回)
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肩を軽く上下にストン(10回)
→ 血流が促され、頭と体がじんわり目覚めます。
【夜】リラックス&回復スイッチを入れるルーティン
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仰向け呼吸&お腹に手を当てる(深呼吸5回)
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労宮マッサージ(30秒〜1分)
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膝を立てて腰を左右にコロンコロン(ゆらし運動10回)
→ 副交感神経が優位になり、眠りの質が高まります。
■ まとめ:自分の手が、自分の体を癒せるという実感
整体も東洋医学も、共通するのは「あなた自身の中に、治る力がある」という考え方。
その力を引き出すのが、手のひらのぬくもりであり、深い呼吸であり、静かな“気の通り道”を整えること。
どれも難しいことではありません。
ほんの少しの時間を、自分のために使ってあげる——それが、副作用に飲まれない“整える”という生き方につながっていきます。
次の章では、「がんと闘う」から「がんと共に生きる」へと視点を変えたとき、整体や東洋的ケアがどう心を支えてくれるのかを探っていきます。
第6章:「がんと闘う」から「がんと共に生きる」へ。心と体を整えるという視点
「がんになったら、とにかく闘わなきゃいけない」
そう思い込んでいませんか?
もちろん、治療を受けることは大事です。でも、“闘う”という言葉がプレッシャーになって、自分自身を追い詰めてしまうこともあります。
ときには、「闘う」よりも「整える」という視点が、心と体の両方をラクにしてくれることがあるんです。
ここでは、そんな“がんとの向き合い方”を変えるための、整体的・東洋医学的なアプローチをご紹介します。
■ “がんばりすぎない”という治療戦略
がんと診断されたとき、多くの人が「前向きにがんばらなきゃ」「絶対に負けない」と自分を奮い立たせます。
でも実際には、気持ちが空回りしてしまったり、心が追いつかなくて苦しくなることも。
ここで大切なのは、「がんばらない」という選択を責めないこと。
整体や東洋医学の世界では、「脱力して、ゆるめて、整える」ことが最も重要だとされます。
がんばりすぎて呼吸が浅くなっていませんか?
「~しなければ」の言葉で、体がずっと緊張していませんか?
その状態こそが、心と体の“巡り”を滞らせる原因になることもあるのです。
■ 不安が続くと体はどうなる?心と体はつながっている
抗がん剤治療を受けながら、いつもどこかに「不安」がある。
治療がうまくいくか、再発しないか、日常に戻れるか——その不安が消える日はなかなか来ないものです。
東洋医学では「心身一如(しんしんいちにょ)」という考えがあります。
心の不調は体に、体の緊張は心に影響を及ぼす。
つまり、不安で呼吸が浅くなれば、血の巡りも悪くなり、回復力にもブレーキがかかるということです。
ここで役に立つのが、整体や呼吸を通したケアです。
体から先にゆるめることで、心の緊張がふわっとほどけてくる。
心だけを変えるのは難しくても、体を通じてなら、不安を静めることはできるんです。
■ 「整体」で心が軽くなる?タッチの力が生む安心感
整体というと体だけのケアに思えるかもしれませんが、実は心にもダイレクトに作用します。
その理由のひとつが「触れる」という行為の持つ力。
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やさしく触れられることで、脳が「安心していい」と感じる
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緊張がゆるむと、副交感神経が優位になり、自然と涙が出てくることも
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呼吸が深くなることで、思考がスッと静まる
ある人は、整体を受けながら「泣いてしまったけど、なんかホッとした」と言います。
体がゆるむと、それまでガチガチに固まっていた心の部分も動き出す——そんな“心身のリンク”を感じられるのが、整体の魅力なんです。
■ “戦う”より“整える”が回復力を底上げする理由
がん治療を続ける中で、身体は日々、見えない戦いをしています。
でも、ずっと戦いっぱなしではエネルギーは枯れてしまう。だからこそ、“回復する時間”“整える時間”を意識的に作ることが大切です。
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闘う時間 → 抗がん剤治療、検査、病院通い
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整える時間 → 呼吸、休息、セルフケア、触れるケア
この“整える時間”を増やしていくことで、治療の副作用もやわらぎ、回復への階段が見えてくる。
ただしそれは、特別なことをするわけではなく、「湯たんぽでお腹を温める」「朝に手のひらを開いて深呼吸する」——そんな小さなことの積み重ねです。
“戦うだけ”じゃない、“生きる”ための体と心の整え方。
がんと共に生きるとは、「病気と同居する自分を、優しく抱きしめる」ことでもあるんです。
■ まとめ:闘いの中に、休息を。心が整うと、体も整う
「がんばりすぎなくていい」
「泣きたいときは泣いていい」
「触れられて、ゆるんで、休んでいい」
体を整えるということは、ただ姿勢を直したり、筋肉をほぐすだけではありません。
心のスペースを取り戻し、呼吸を深くし、「今ここに生きている」という実感をもたらしてくれることなんです。
次の章では、そんな整える日々の中で少しずつ見えてくる、“回復の兆し”についてお話しします。
ほんのわずかな変化が、あなたの明日を変えていくかもしれません。
第7章:体が少しラクになると、心も少し軽くなる。その先にある回復の兆し
がん治療中、特に抗がん剤を受けている期間は、「今日もつらい」「また副作用か…」という日々の繰り返しに感じてしまうことがあります。
でも、そんな中にも、小さな“変化の芽”がちゃんと育っていることに、気づいていますか?
今回は、整体や東洋医学的セルフケアを続ける中で訪れる、ほんの小さな、でも確かな“回復のサイン”についてお話しします。
■ 「ちょっとラクになった」その感覚を大切に
整体を受けたあと、こんな声を聞くことがあります。
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「朝の起き上がりが少しスムーズだった」
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「前より深く眠れた気がする」
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「吐き気が来そうなタイミングが、ちょっと遅れた」
これらは、決して大げさな変化ではありません。
でも、こうした“微差”の積み重ねが、体をラクにしていく第一歩です。
私たちはどうしても「全部治らなきゃ意味がない」と思いがちですが、そうじゃない。
“1のしんどさが0.8になる”、それだけでその日は少し笑えるし、ごはんも一口多く食べられる。
その“ちょっとラク”こそが、あなたの中で始まっている回復の証です。
■ 自分の体を感じる習慣が、副作用との向き合い方を変える
体は、毎日あなたと一緒にがんばっています。
でも、現代の私たちは「体の声を聞く」という習慣を持っていないまま過ごしてしまいがちです。
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疲れていても無視して動く
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不調が出ても薬だけでなんとかする
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心がザワついても、我慢して“普通”を装う
でも、整体的な視点を持ち、セルフケアや東洋医学的アプローチを取り入れていくと、少しずつ“自分の感覚”に敏感になっていきます。
「今日の自分、ちょっと呼吸が浅いかも」
「背中が硬いな、無理してるな」
こうやって体の声を受け止めることができると、対処が早くなる。
結果として、副作用の波に飲まれる前に、自分を整えられるようになっていくのです。
■ 西洋医学と東洋的アプローチの“いいとこどり”をしよう
ここまで読んでくださったあなたなら、もうお気づきかもしれません。
「整体や東洋医学って、抗がん剤の代わりになるの?」という疑問に対して、答えはNOです。
でも逆に言えば、「抗がん剤だけではフォローしきれない部分を、整体や東洋的なケアが支えてくれる」ということ。
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治療=病気にアプローチする
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整体・東洋医学=“あなたの体”そのものを整える
このダブルの視点でがんと向き合うことができたら、治療そのものの耐性も上がってくる。
つまり、「治療に耐えられる体」を整えることこそ、副作用との上手な付き合い方なのです。
■ 最後に:あなたの“自然治癒力”は、まだ生きている
整体の世界では、よくこんな言葉が使われます。
「人は、本来、治る方向に向かおうとする生き物だ」
それはがんであっても、同じです。
完治を目指すだけがすべてではありません。
痛みや苦しみと共に、「少しでも快適に生きるために体を整える」こと。
その中で、自然と“治ろうとする力”が目を覚ましていく——。
あなたの中には、まだ十分に“整う力”が残っています。
薬だけに頼らず、自分の手、自分の呼吸、自分の感覚を信じてみてください。
がんと共に生きるというのは、ただ治療を受けることではなく、
“今日を少しでも気持ちよく生きる”選択を、毎日、自分に許すことなのかもしれません。
この記事を読んでくれたあなたへ:
がん治療中の不安や副作用のつらさは、誰にも簡単にわかるものではありません。
でも、あなたの体はちゃんと声を出していて、それを聞いてあげる方法は、ちゃんと存在しています。
整体や東洋医学の視点が、その声を受け取る“通訳”になりますように。
そして、あなたの毎日に、ほんの少しの「ラク」と「ぬくもり」が戻りますように。