福岡市早良区 石灰沈着性腱板炎


石灰沈着性腱板炎は、肩の関節の腱板という部分に塩基性リン酸カルシウムの沈着物が付着することで発生してしまいます。
レントゲンを撮ると、肩の関節部分にもやもやした白い影が映ります。
これが、腱板に溜まった石灰の結晶です。
溜まった石灰は、当初は濃厚なミルク状です。
時間が経つにつれて、練り歯磨き粉状、石膏状へと固い状態に変化していきます。
この石灰がどんどん膨らんでくると痛みが増してしまい、腱板から滑液包内に破れて出る時に激痛が走ります。

性別では、女性に起きることが多いと言われており、40~50代に多い傾向があります。
石灰沈着性腱板炎の痛みというのは想像以上であり、救急車を呼びたくなるほどの激痛が走ると言われています。
一般的には、夜間に突然強い激烈な肩関節の疼痛ではじまることが大半です。
痛みが強すぎて睡眠が妨げられてしまい、関節を動かすこともできなくなってしまいます。

以下のような症状が起きる場合、石灰沈着性腱板炎の疑いが考えられます。

・痛みで腕を動かすことがむずかしい
・夜肩が痛くて目が覚める
・髪をとかすときに肩が痛い
・洗濯物を干すときに肩が痛い
・ベルトを通す時に肩が痛い
・エプロンの紐を縛る時に肩が痛い

石灰沈着性腱板炎の診察は、圧痛部分の動きや状態などをみて診察を行います。
レントゲンやCTなどの画像検査も行い、診察をする場合もあります。

夜に痛みが強くなったり肩の動きが制限される場合は、整形外科で診てもらうようにしましょう。
通常は1週間程度で徐々に症状は治まりますが、激痛に耐えられない場合もあります。
その場合は、我慢せずに専門医に相談をしましょう。

 

【石灰沈着性腱板炎の治療方法】


石灰沈着性腱板炎の治療は、以下の方法で行います。

・注射療法
石灰は脂溶性なので、ヒアルロン酸に自然に溶けます。
ヒアルロン酸注射とリハビリ治療により、様子をみていきます。
軽度であれば、石灰は溶けて気にならなくなります。
辛かった痛みも、劇的にやわらぎます。

・吸引療法
急性の場合、激痛を取り除くために腱板に鍼を刺して、沈着した石灰を破ってミルク状の石灰を吸引する方法です。

・運動療法
疼痛が続いて肩の動きが悪くなった場合は、筋肉の緊張をほぐすために運動を行います。
肩を回したり軽度な運動でいいので、チャレンジしてみましょう。
あまりにも肩が痛い場合は、オススメできません。

・手術療法
これらの保存療法で効果が出ない場合は、鏡視下石灰摘出のために手術を行います。

いかがでしたでしょうか。
石灰沈着性腱板炎というのは、五十肩や四十肩と症状が似ていることから、勘違いされてしまう場合もあります。
症状が強めに出るので、激痛が肩に走ったら石灰沈着性腱板炎と思うと良いでしょう。
少しでもおかしいと思ったらすぐに治療を受けて、症状をやわらげましょう。
絶えて過ごすには強烈すぎる痛みなので、すぐに病院へ行くことをオススメします。

 

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※あくまで健康豆知識であり、内容を保証するものではありません