食事とアトピーの関係|常若整骨院が教える東洋医学的食養生

アトピー性皮膚炎の改善において、食事の見直しは欠かせない要素です。常若整骨院院長の冨高誠治が、東洋医学の視点から食事とアトピーの深い関係について解説します。正しい食事法を取り入れることで、内側から根本的な改善を目指しましょう。

アトピーを悪化させる現代の食生活

現代の食生活は、アトピー性皮膚炎を悪化させる要因がたくさん含まれています。加工食品の増加、食品添加物の過剰摂取、栄養バランスの偏り…これらが私たちの体、特に腸内環境に悪影響を与えているのです。

「アトピーに悩む方の多くは、知らず知らずのうちに自分の体質に合わない食事を続けています。特に注目すべきは、腸内環境との関連性です」と冨高院長は指摘します。

東洋医学では古くから「医食同源」という考え方があり、食べ物は薬と同じくらい体に影響を与えるとされています。また「脾胃」(ひい)と呼ばれる消化器系の機能が重視され、この働きが弱まると、様々な不調の原因になると考えられています。

「腸は第二の脳とも言われ、全身の免疫機能の約7割が集中しています。この腸内環境が乱れると、免疫系のバランスが崩れ、アレルギー反応が起きやすくなるのです」

アトピーを悪化させる3大食品群

常若整骨院での臨床経験から、特にアトピーを悪化させやすい食品群が3つあることがわかってきました。

1. 白砂糖と甘い食品

「白砂糖や人工甘味料は、腸内の悪玉菌のエサとなり、腸内環境を悪化させます。また、過剰な糖分摂取は、体内で炎症反応を引き起こし、アトピー症状を悪化させる原因になります」

要注意な食品:

  • 清涼飲料水(ジュース、スポーツドリンクなど)
  • お菓子類(特に市販のスナック菓子やチョコレート)
  • 甘いパン、ケーキなどの洋菓子
  • 加糖のヨーグルト、プリン
  • 甘いコーヒーやお茶

2. 小麦製品(グルテン含有食品)

「小麦に含まれるグルテンは、腸の壁を傷つけ、リーキーガット症候群(腸漏れ)を引き起こす可能性があります。これにより未消化の食物やタンパク質が腸壁から血液中に漏れ出し、免疫系の過剰反応を招きます」

要注意な食品:

  • パン類
  • うどん、ラーメン、パスタなどの麺類
  • ピザ、餃子などの小麦粉製品
  • 小麦粉を使った加工食品

3. 乳製品

「牛乳に含まれるカゼインというタンパク質は、アレルギー反応を引き起こしやすい成分です。また、多くの人が年齢とともに乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)が減少し、乳製品の消化不良を起こしやすくなります」

要注意な食品:

  • 牛乳
  • チーズ
  • アイスクリーム
  • 生クリーム
  • ホエイプロテイン

ある30代女性の患者さんは、これら3つの食品群を制限する食事法を3ヶ月続けたところ、10年来のアトピー症状が劇的に改善しました。「肌の調子だけでなく、疲れにくくなったり、頭が冴えるようになったりと、全身の変化を感じました」と話しています。

※効果には個人差があり、回復を保証するものではありません

アトピー体質を改善する食材と食べ方

アトピー改善には、単に悪い食品を避けるだけでなく、積極的に良い食材を取り入れることが大切です。東洋医学の視点から見た、アトピー改善に役立つ食材と食べ方を紹介します。

1. 発酵食品で腸内環境を整える

「発酵食品には、腸内の善玉菌を増やす効果があります。善玉菌が増えると、免疫系のバランスが整い、アレルギー反応が抑制されます」

おすすめの発酵食品:

  • 無添加の味噌
  • 漬物(特にぬか漬け)
  • 納豆
  • 甘酒(砂糖不使用)
  • キムチ

2. 旬の野菜と果物で抗酸化力を高める

「旬の野菜や果物には、その時期に必要な栄養素と抗酸化物質が豊富に含まれています。抗酸化物質は体内の炎症を抑え、免疫系を正常化する働きがあります」

効果的な食べ方:

  • 色とりどりの野菜を1日350g以上
  • 旬の果物を適量(糖分の取りすぎに注意)
  • 生食だけでなく、蒸す、煮るなど調理法を工夫する

3. 良質なタンパク質と脂質を選ぶ

「タンパク質は皮膚の修復に欠かせない栄養素です。また、質の良い脂質は皮膚のバリア機能を高め、保湿効果をもたらします」

おすすめの食材:

  • 白身魚(特に青魚)
  • 鶏ささみ、鶏むね肉
  • 卵黄(良質なコリンの供給源)
  • アボカド
  • えごま油、亜麻仁油(オメガ3脂肪酸が豊富)

「ある40代男性の患者さんは、小麦製品を玄米や雑穀に置き換え、魚を中心としたタンパク質摂取を心がけたところ、1カ月後には肌の乾燥が緩和され、2カ月後には赤みが大幅に改善しました」

※効果には個人差があり、回復を保証するものではありません

東洋医学から見た食材の特性とアトピー

東洋医学では、食材にも「陰陽」や「五性」という特性があると考えます。アトピーの状態に応じて、これらの特性を理解し、適切な食材を選ぶことが重要です。

「熱証」(熱によるアトピー)の場合

赤みが強く、熱感やかゆみを伴うアトピーは、体内に熱がこもっている状態です。このタイプには「涼性」「寒性」の食材が適しています。

おすすめの食材:

  • きゅうり、冬瓜、トマト
  • 緑豆、小豆
  • 梨、スイカ、バナナ
  • 緑茶、菊花茶

「熱証のアトピーの方が辛い食べ物や温性の食材(ニンニク、ショウガなど)を過剰摂取すると、症状が悪化することがよくあります」と冨高院長。

「湿証」(湿によるアトピー)の場合

じくじくとした湿疹や浸出液を伴うアトピーは、体内に湿が溜まっている状態です。このタイプには「燥性」(水分を取り除く性質)の食材が効果的です。

おすすめの食材:

  • 小豆、緑豆
  • とうもろこし、蓮の実
  • 山芋
  • 冬瓜、きゅうり
  • 昆布、わかめ

「湿証の方は、乳製品や油っこい食べ物、甘いものを摂りすぎると、湿が増え、症状が悪化します」

「血虚」(血の不足によるアトピー)の場合

乾燥が強く、色素沈着を伴うアトピーは、栄養が不足した状態です。このタイプには「補血」作用のある食材が有効です。

おすすめの食材:

  • 黒豆、黒ごま
  • レバー、赤身肉(少量)
  • クコの実、なつめ
  • ほうれん草、小松菜
  • 黒きくらげ

「食事内容を見直すだけでなく、食べ方も重要です。ゆっくりよく噛んで食べる、規則正しい時間に食べる、食べ過ぎないなど、基本的な食習慣も見直しましょう」

常若整骨院が実践する「陰陽バランス食」のすすめ

常若整骨院では、東洋医学の陰陽理論に基づいた「陰陽バランス食」を提案しています。これは体質や症状に合わせて、陰性食品と陽性食品のバランスを整えるという考え方です。

「現代人の多くは、陰性に偏った食生活を送っています。精製された食品、冷たい飲食物、生野菜の過剰摂取などが陰性を強めます。一方で、ファストフードや揚げ物、肉類の過剰摂取は陽性を強めます。このバランスの崩れがアトピーを悪化させる一因となっています」

陰陽バランス食の基本原則

  1. 旬の食材を中心に:その季節に採れる食材には、体に必要な栄養素がバランスよく含まれています

  2. 調理法を工夫:生食だけでなく、蒸す、煮る、炒めるなど調理法をバランスよく取り入れます

  3. 一汁三菜の食事スタイル:主食、主菜、副菜、汁物をバランスよく摂ります

  4. 80%の法則:腹八分目を心がけ、消化器官に負担をかけません

「ある20代女性の患者さんは、冷たい飲み物や生野菜中心の食事から、温かい食事と適度な調理を取り入れた食生活に変えたことで、胃腸の調子が良くなり、それに伴いアトピーも改善していきました」

※効果には個人差があり、回復を保証するものではありません

腸内環境の改善がアトピー治療の鍵

アトピー改善に腸内環境の整備が重要なことは、現代医学でも認められています。腸内細菌のバランスが崩れると、免疫系の機能異常を引き起こし、アレルギー症状が悪化するのです。

「腸は単なる消化器官ではなく、全身の健康に影響を与える重要な臓器です。特にアトピーには、腸内フローラのバランスが大きく関わっています」と冨高院長。

腸内環境を整える3つのステップ

  1. 有害な食品を減らす 先述した白砂糖、小麦製品、乳製品に加え、化学添加物や農薬残留の多い食品、トランス脂肪酸を含む食品を減らします。

  2. 善玉菌を増やす食材を取り入れる 発酵食品や食物繊維が豊富な野菜、果物を積極的に摂取します。特に水溶性食物繊維は善玉菌のエサになります。

  3. 規則正しい食生活を送る 同じ時間に食事をし、よく噛んで食べ、食べ過ぎないことが重要です。また、就寝の3時間前までに夕食を終えることで、消化器官の休息時間を確保します。

「腸内環境の改善には通常1〜3ヶ月程度かかります。すぐに効果が現れなくても、焦らず継続することが大切です」

アトピー改善に役立つ簡単レシピ

常若整骨院では、患者さんにアトピー改善に役立つ簡単なレシピもご紹介しています。ここでは特におすすめの3つをご紹介します。

1. 腸活スープ

材料:

  • 玉ねぎ 1個
  • 人参 1本
  • セロリ 1本
  • キャベツ 1/4個
  • 昆布 5cm角
  • しいたけ 2個
  • 水 1リットル
  • 塩 少々

作り方: 野菜をざく切りにし、昆布と共に水に入れ、弱火で40分ほど煮込みます。塩で味を調えるだけのシンプルなスープですが、腸内環境を整える効果が期待できます。

2. 発酵玄米ごはん

材料:

  • 玄米 2合
  • 小豆 大さじ1
  • 塩 少々
  • 水 2.5合

作り方: 玄米と小豆を洗い、水に一晩浸けます。塩を加えて炊飯器で炊きます。炊き上がったら蓋をして12〜24時間置くことで、自然発酵が進みます。消化吸収が良くなり、栄養価も高まります。

3. 腸内クレンズサラダ

材料:

  • きゅうり 1本
  • 人参 1/2本
  • アボカド 1/2個
  • 海藻ミックス 適量
  • オリーブオイル 小さじ1
  • レモン汁 小さじ1
  • 塩 少々

作り方: 野菜は細切りにし、アボカドは一口大に切ります。海藻ミックスは水で戻し、全ての材料を混ぜ合わせます。オリーブオイル、レモン汁、塩で味付けします。食物繊維が豊富で、腸内環境の改善に効果的です。

「これらのレシピは、特別な調理技術や珍しい材料を必要としません。毎日の食事に少しずつ取り入れることで、アトピー改善への一歩を踏み出しましょう」

食事改善の具体的なステップと実践方法

食習慣を一度に変えるのは難しいものです。常若整骨院では、段階的な改善を推奨しています。

ステップ1:まずは「引き算」から まず最初に、明らかに体に悪影響を与える食品を減らしていきます。清涼飲料水、市販のスナック菓子、ファストフードなどは、できるだけ避けましょう。

「多くの患者さんは、この段階だけでも変化を感じ始めます。特に砂糖の摂取量を減らすだけで、炎症が和らぐケースが多いです」

ステップ2:質の良い食品に置き換える 次に、普段食べている食品を質の良いものに置き換えていきます。例えば:

  • 白米→玄米や雑穀米
  • 普通のパン→グルテンフリーの米粉パンや自家製天然酵母パン
  • 市販のドレッシング→オリーブオイルとレモン汁の手作りドレッシング

ステップ3:自分の体質に合った食事法を見つける 自分の体がどのような食材に反応するかを観察し、理解することが大切です。食事日記をつけて、食べたものと肌の状態の関連を記録してみましょう。

「食事と肌の状態の関連は、人それぞれです。同じ食材でも、ある人には良くても、別の人には合わないこともあります。自分自身の体の声に耳を傾けることが大切です」

アトピーと食事に関するよくある質問

Q1: 食事を変えるだけでアトピーは改善するのでしょうか?

A: 食事改善だけでアトピーが完全に治るわけではありませんが、多くの患者さんが食事の見直しにより症状の軽減を実感しています。食事は体の基本となるもので、特に腸内環境とアトピーには深い関係があります。常若整骨院では、食事改善と並行して、気功や東洋医学的な施術を組み合わせた総合的なアプローチを行っています。

Q2: 食事制限はいつまで続ければいいですか?

A: これは個人差がありますが、多くの場合、3〜6ヶ月の食事改善で変化が見られます。症状が安定してきたら、少しずつ制限していた食品を試して、自分の体がどう反応するかを観察しましょう。完全に元の食生活に戻すのではなく、体に合った食事スタイルを見つけることが理想的です。

Q3: 子どものアトピーにも同じ食事法が有効ですか?

A: 基本的な考え方は同じですが、子どもの場合は成長に必要な栄養素をしっかり摂ることが重要です。急激な食事制限ではなく、まずは加工食品や砂糖の摂取を減らし、自然な食材を増やすことからスタートしましょう。特に乳幼児の場合は、専門家の指導のもとで進めることをお勧めします。

まとめ:内側からのアトピー改善を目指して

食事はアトピー改善において非常に重要な要素です。東洋医学の知恵を活かした食生活の見直しにより、多くの方が症状の改善を実感されています。

「アトピーは単なる皮膚の病気ではなく、体全体のバランスの崩れが皮膚に現れたものです。食事を変えることで腸内環境が整い、免疫系のバランスが正常化します。それにより、自然と皮膚症状も改善していくのです」と冨高院長は語ります。

福岡市早良区の常若整骨院では、あなたの体質や症状に合わせた食事アドバイスも含め、アトピー改善のためのトータルサポートを行っています。食事の見直しだけでなく、東洋医学的施術や気功療法、生活習慣の改善指導を組み合わせることで、内側からの根本的な改善を目指します。

アトピーに長年悩んでいる方、ステロイドに頼らない治療法を探している方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたの体質に合った食事法と施術で、健やかな肌を取り戻すお手伝いをします。

※本記事の内容は、個人の体験や感想に基づいています。効果には個人差があり、必ずしも同じ結果が得られることを保証するものではありません。