食事と適応障害の深い関係|福岡の整体院が教える食からの心身バランス回復法
こんにちは、福岡市早良区にある常若整骨院の院長です。東洋医学と気功を取り入れた施術で、10年以上にわたり多くの適応障害の方々のサポートをしてきました。
今回は、適応障害の改善と予防において意外と見落とされがちな「食事」の重要性に焦点を当ててお話しします。「あなたは食べたものでできている」という言葉があるように、私たちの心と体は日々の食事によって大きく影響を受けています。適応障害の方が回復に向かうためには、薬物療法やカウンセリングだけでなく、食生活の見直しも非常に重要なのです。
適応障害と食事の意外な関係性
適応障害は、ストレス因に対する心身の反応として様々な症状を引き起こします。不安、抑うつ気分、集中力低下、不眠、頭痛、胃腸の不調など、多岐にわたる症状が現れます。
一見、これらの症状と食事は関係ないように思えるかもしれません。しかし、最新の研究と東洋医学の知見から、両者には密接な関係があることがわかってきています。
腸-脳相関(腸脳軸)から見た適応障害
現代の研究では、腸と脳が「迷走神経」などを通じて直接的に通信し合っていることが明らかになっています。これを「腸-脳相関」または「腸脳軸」と呼びます。
腸内には「第二の脳」とも呼ばれる腸内神経系があり、多くの神経伝達物質が作られています。例えば、幸福感に関わるセロトニンの約90%は腸内で生成されているのです。
適応障害の多くの方は、ストレスによる自律神経の乱れから腸内環境が悪化し、結果として脳機能にも影響が出ているケースが見られます。つまり、腸の健康を整えることが、適応障害の症状改善につながる可能性が高いのです。
血糖値の変動と気分の関係
私たちの気分や集中力、エネルギーレベルは血糖値の変動と密接に関連しています。適応障害の方の多くは、ストレスへの対処としてついつい甘いものや炭水化物に頼りがちです。
確かに、甘いものを食べると一時的に気分が良くなり、ストレスが和らぐ効果があります。しかし、その後急激な血糖値の低下(血糖値のクラッシュ)が起こり、かえってイライラや疲労感、集中力低下を招くことになります。
この血糖値の乱高下は、すでに不安定な状態にある適応障害の方の症状をさらに悪化させる要因となってしまうのです。
食物アレルギーと適応障害
明確な食物アレルギーでなくても、特定の食品に対する不耐性(インディナス)が、適応障害の症状を悪化させるケースも見られます。
小麦製品(グルテン)や乳製品、加工食品の添加物などに対する身体の反応が、炎症反応を引き起こし、脳機能や気分にも影響を与えることがあります。
私が施術している適応障害の方の中には、小麦製品や乳製品を一時的に控えることで、頭のモヤモヤ感や疲労感が劇的に改善したケースもあります。
東洋医学の視点から見た食事と適応障害
東洋医学では、食べ物は単なる栄養素の集まりではなく、「気」「血」「水」に影響を与えるエネルギーを持つものとして捉えられています。適応障害の食事療法を考える上で、この東洋医学の知恵は非常に有用です。
「気」のバランスと食事
適応障害の多くは「気」のバランスの乱れとして捉えることができます。特に以下のような「気」の状態と関連する食事の選び方が重要です。
気滞(きたい)タイプ:イライラ、胸の詰まり、ため息が多い方
このタイプの方には、気の流れを促進する食材がおすすめです。
- 食材例:ミント、バジル、生姜、シナモン、サツマイモ、春菊
- 避けたい食材:脂っこいもの、冷たい飲み物、アルコール
気虚(ききょ)タイプ:疲れやすい、声が小さい、無気力な方
このタイプの方には、気を補う食材が必要です。
- 食材例:玄米、レンコン、にんじん、かぼちゃ、鶏肉、納豆
- 避けたい食材:生もの、冷たいもの、刺激物
気陥(きかん)タイプ:憂うつ、やる気が出ない、内臓下垂感がある方
このタイプの方には、気を上昇させる食材が効果的です。
- 食材例:大根、ほうれん草、カブ、りんご、鮭
- 避けたい食材:砂糖の多いお菓子、冷たい飲み物
「血」の状態と食事
東洋医学では「血」は単なる血液ではなく、細胞を養うエネルギーを含む概念です。適応障害の方には「血虚(けっきょ)」の状態が見られることも多いです。
血虚タイプ:顔色が悪い、めまい、不眠、動悸がある方
このタイプの方には、血を養う食材が必要です。
- 食材例:レバー、卵黄、黒豆、ほうれん草、くこの実、なつめ
- 避けたい食材:冷たい飲食物、刺激の強いスパイス
「水」の巡りと食事
「水」は体内の水分の巡りを指します。適応障害の方には水の巡りの異常も見られることがあります。
水滞(すいたい)タイプ:むくみ、頭が重い、胃もたれがある方
このタイプの方には、水の巡りを良くする食材が効果的です。
- 食材例:とうもろこし、冬瓜、きゅうり、小豆、海藻類
- 避けたい食材:油っこいもの、乳製品、砂糖の多いもの
適応障害改善のための実践的な食事法
理論的な話だけでなく、実際に適応障害の改善に役立つ具体的な食事法をご紹介します。
1. 血糖値を安定させる食事パターン
血糖値の急激な上下動を避けるために、以下のような食事パターンを心がけましょう。
複合炭水化物の選択: 白米や白パンなどの精製炭水化物よりも、玄米、全粒粉パン、さつまいもなどの複合炭水化物を選びましょう。これらは消化に時間がかかり、血糖値の上昇がゆるやかです。
タンパク質とのバランス: 炭水化物だけでなく、良質なタンパク質(豆腐、魚、鶏肉など)を一緒に摂ることで、血糖値の上昇が緩やかになります。
小分けの食事: 一度に大量に食べるよりも、少量を頻繁に摂る方が血糖値の変動が少なくなります。3食の間に軽い間食(ナッツ類や果物など)を挟むのもよいでしょう。
2. 腸内環境を整える食事
腸内環境を整えることで、セロトニンなどの神経伝達物質の産生を促し、気分の安定につなげることができます。
発酵食品の積極的摂取: 味噌、納豆、キムチ、ヨーグルトなどの発酵食品は、腸内の善玉菌を増やす効果があります。毎日少しずつ取り入れましょう。
食物繊維の摂取: 野菜、果物、海藻、きのこ類など食物繊維が豊富な食品は、腸内細菌の餌となり、腸内環境を整えます。毎食、色とりどりの野菜を取り入れましょう。
オリゴ糖を含む食品: ごぼう、玉ねぎ、バナナ、はちみつなどに含まれるオリゴ糖は、善玉菌の増殖を促します。
3. 抗炎症作用のある食事
慢性的な炎症は、適応障害の症状を悪化させる要因の一つです。抗炎症作用のある食品を積極的に取り入れましょう。
オメガ3脂肪酸: 青魚(サバ、サンマ、イワシなど)、亜麻仁油、クルミなどに含まれるオメガ3脂肪酸には強い抗炎症作用があります。
ポリフェノール類: ベリー類、ダークチョコレート、緑茶、ターメリックなどに含まれるポリフェノールには抗酸化・抗炎症作用があります。
カラフルな野菜と果物: 色とりどりの野菜や果物に含まれるファイトケミカルは、強力な抗酸化作用で体内の炎症を抑えます。
4. 避けた方が良い食品
適応障害の改善のためには、以下のような食品は控えめにすることをおすすめします。
精製糖: 白砂糖や果糖ブドウ糖液糖などの精製糖は、血糖値の急激な変動を引き起こし、炎症を促進します。
トランス脂肪酸: マーガリンや市販のお菓子・惣菜などに含まれるトランス脂肪酸は、脳機能にも悪影響を与えます。
食品添加物: 人工甘味料、保存料、着色料などの食品添加物は、腸内環境を乱し、一部の方では神経系に影響を与えることがあります。
アルコール: 一時的には気分を良くするアルコールですが、実はうつ症状を悪化させる可能性があります。特に適応障害の方は控えめにすることをおすすめします。
適応障害のタイプ別おすすめ食材
私の臨床経験から、適応障害のタイプ別に特に効果的だと感じる食材をご紹介します。
不安感が強いタイプ
GABA(ギャバ)を含む食品: GABAは抑制性の神経伝達物質で、リラックス効果があります。発芽玄米、トマト、なす、カボチャなどに含まれています。
マグネシウムが豊富な食品: マグネシウムは神経を落ち着かせる作用があります。ナッツ類、緑葉野菜、全粒穀物などに多く含まれています。
カモミールティー: リラックス効果のあるハーブティーで、就寝前に飲むと安眠効果も期待できます。
抑うつ感が強いタイプ
セロトニンの前駆体トリプトファンを含む食品: セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれます。バナナ、大豆製品、かつお、鶏肉などにトリプトファンが含まれています。
ビタミンDが豊富な食品: ビタミンDは脳内のセロトニン産生に関わります。サケ、卵黄、きのこ類などに含まれています。
明るい色の野菜や果物: オレンジ、黄色、赤色の野菜や果物には、気分を明るくする効果があります。
疲労感が強いタイプ
鉄分が豊富な食品: 鉄分不足は疲労感の原因になります。レバー、赤身の肉、ひじき、小松菜などに多く含まれています。
ビタミンB群が豊富な食品: ビタミンB群はエネルギー代謝に関わります。玄米、レバー、卵、大豆製品などに含まれています。
生姜やシナモン: 体を温める効果があり、気のめぐりを良くします。
不眠が強いタイプ
メラトニンの合成を助ける食品: メラトニンは睡眠を促すホルモンです。さくらんぼ、バナナ、オーツ麦などに含まれています。
カルシウムが豊富な食品: カルシウムは神経の興奮を抑える作用があります。小魚、乳製品、小松菜などに含まれています。
温かいハーブティー: カモミール、パッションフラワー、バレリアンなどのハーブティーには、リラックス効果があります。
実践!適応障害改善のための一日の食事例
朝、昼、晩の具体的な食事例をご紹介します。季節や個人の状態に合わせて調整してみてください。
朝食の例
基本の一汁三菜:
- 玄米ごはん(少量)
- 味噌汁(わかめ、豆腐入り)
- 焼き魚または卵料理
- 小鉢(ほうれん草のおひたしなど)
- 発酵食品(納豆や漬物)
急ぎの方向け:
- 全粒粉のパンまたはオートミール
- ゆで卵または豆腐
- ヨーグルトと果物(バナナ、ベリー類)
- 緑茶または生姜紅茶
昼食の例
基本の弁当スタイル:
- 雑穀ごはん(全体の1/3程度)
- タンパク質(鶏肉、魚、豆腐など)
- 温野菜(蒸す、炒めるなど)
- 発酵食品(キムチや漬物)
- 汁物(できれば)
外食の場合:
- 蕎麦や玄米を選ぶ
- タンパク質(鶏肉、魚など)を必ず摂る
- サラダや温野菜を多めに
- デザートより果物を選ぶ
夕食の例
基本の和食:
- 少量の玄米ごはん
- 味噌汁または野菜スープ
- 魚料理または豆腐料理
- 温野菜の小鉢2品
- 海藻類(ひじきや若布)
簡単にできるバージョン:
- 野菜たっぷりの鍋料理
- 豆腐や魚などのタンパク質
- 少量の玄米ごはん
- 漬物などの発酵食品
間食の例
午前中:
- ナッツ類(アーモンド、クルミなど)少量
- 果物(りんごやみかんなど)
午後:
- 小さなおにぎり(玄米)
- ほうじ茶または生姜紅茶
食事改善で変わった患者様の声
当院で食事改善を取り入れて適応障害が改善した方々の声をご紹介します。
「仕事のストレスで頭痛と胃痛に悩まされ、適応障害と診断されました。薬を飲んでも一時的にしか良くならず、藁にもすがる思いで常若整骨院を訪れました。院長先生から食事の重要性を教えていただき、特に朝食をしっかり摂ること、小麦製品を減らすこと、発酵食品を増やすことを実践しました。最初は面倒でしたが、2週間ほどで頭のモヤモヤ感が減り、1ヶ月後には胃痛もほとんど感じなくなりました。気分の波も穏やかになり、今では薬なしで過ごせています。」(36歳 女性)
「長年の不眠とイライラで適応障害と診断され、複数の病院を転々としましたが改善しませんでした。常若整骨院での施術と並行して、食事改善も取り組みました。特に夕食を軽めにすること、砂糖と添加物を減らすこと、生姜や温かいスープを取り入れることを実践。驚いたことに、食事を変えてから2週間ほどで眠りの質が良くなり始め、イライラも減りました。体が温かくなり、気持ちも穏やかになるのを実感しています。今では人生の質が全く違います。」(42歳 男性)
「育児と仕事の両立でパニック発作が起きるようになり、適応障害と診断されました。常若整骨院での施術と併せて、血糖値を安定させる食事法を教えていただきました。白米から玄米に変え、タンパク質と野菜を増やし、間食も工夫するようにしました。また、腸内環境を整えるために発酵食品も積極的に摂るようにしています。1ヶ月後にはパニック発作の頻度が減り、今ではほとんど起きなくなりました。食事が心にも大きく影響することを実感しました。」(34歳 女性)
※効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
まとめ:食事から始める適応障害の改善
適応障害の改善には、薬物療法やカウンセリングだけでなく、日々の食事を見直すことが大きな鍵となります。腸-脳相関、血糖値の安定、抗炎症作用など、食事は多方面から心の健康に影響を与えるからです。
東洋医学の知恵と現代栄養学を組み合わせた食事アプローチは、適応障害の根本的な改善に大きく寄与します。特に、以下の点に注目してみてください:
- 血糖値の急激な変動を避ける食事選択
- 腸内環境を整える発酵食品と食物繊維
- 抗炎症作用のある食品の積極的摂取
- 精製糖や添加物の多い加工食品を減らす
- 東洋医学の体質に合わせた食材選び
一度に全てを変えるのは難しいかもしれません。まずは朝食の内容を変えるなど、小さな一歩から始めてみてください。そして徐々に食生活全体を見直していくことで、心と体のバランスを取り戻していきましょう。
当院では、適応障害の方一人ひとりの体質や症状に合わせた食事アドバイスもご提供しています。東洋医学の施術と食事改善を組み合わせることで、より効果的な回復が期待できます。
適応障害でお悩みの方、「食」という側面からのアプローチにも目を向けてみませんか?あなたの回復をサポートさせていただきます。
常若整骨院
福岡市早良区祖原4−3
TEL: 092-836-6810
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