福岡の整体師が解説|起立性調節障害と成長の関係性【朝起きられない中学生の親必見】
起立性調節障害と成長の関係性について
〜お子さんの体調不良、実は成長の証かもしれません〜
「先生、うちの子が最近朝起きられなくて…もしかして病気でしょうか?」
この20年間で、そんな心配そうなお母さんの声を何度聞いたことでしょう。でも大丈夫です。多くの場合、それは「成長」という素晴らしい変化の一部なんですよ。
私は福岡で整体師として20年間、多くのお子さんたちと向き合ってきました。その経験から、安心してお伝えできることがあります。起立性調節障害は決して「怠け」ではありません。お子さんが一生懸命成長している証拠なのです。
そもそも起立性調節障害って何?
起立性調節障害(OD)は、立ち上がったときにめまいがしたり、朝起きるのがつらくなったりする症状のことです。
でも難しく考えなくて大丈夫。簡単に言うと、「体が急に大きくなって、血液を送るポンプ(心臓)がまだ慣れていない状態」なんです。
新しい靴を履いたとき、最初は歩きにくいですよね?それと同じで、急に背が伸びた体に、血液循環がまだ慣れていないんです。
朝起きられない、立ちくらみがする、午前中に調子が悪い…これらは全て、お子さんの体が一生懸命調整しようとしている証拠です。
なぜ成長期に起こるの?
体の変化が早すぎるから
小学校高学年から中学生の時期って、本当に体が急激に変わりますよね。身長がぐんぐん伸びて、声変わりしたり、大人っぽくなったり。
でも実は、体の中の「血液を送るシステム」は、その変化についていくのに時間がかかるんです。
例えば、身長が1年で8センチも伸びたとしましょう。心臓から頭までの距離がその分長くなるのに、心臓の力はまだ子どものまま。だから立ち上がったとき、頭まで血液を送るのが大変になるんです。
自律神経も成長中
「自律神経」って聞いたことありますか?これは私たちが意識しなくても、心臓を動かしたり、血圧を調整したりしてくれる大切な神経です。
この自律神経も、お子さんと一緒に成長しています。でも体の成長の方が早くて、神経の成長が追いつかない。そのギャップが症状として現れるんです。
思わず微笑んでしまうのですが、これって「成長痛」の一種だと思っています。骨が伸びるときに痛みを感じるように、自律神経が成長するときにも調整期間が必要なんですね。
どのくらいの子に起こるの?
実は、軽い症状も含めると小学生の20人に1人、中学生の10人に1人に症状が見られます。つまり、決して珍しいことではないんです。
お子さんのクラスにも、同じような症状で悩んでいる子がいるかもしれません。「うちの子だけ」と思わずに、「よくあることなんだ」と安心していただけたら嬉しいです。
また、親御さんが子どもの頃に同じような経験をしていることも多いんです。遺伝的な体質も関係しているので、「そういえば私も朝起きるのが苦手だった」という方も多いですよね。
年代別の特徴をやさしく解説
小学校高学年のお子さん
この時期は主に体の症状が中心です。
- 夜なかなか眠れない
- 朝起きるのがとってもつらい
- 午前中はぼーっとしている
- でも午後になると元気になる
親御さんから見ると「夜更かしして朝起きられないだけでは?」と思ってしまいがちですが、実は体の仕組みの問題なんです。
中学生のお子さん
この時期になると、体の症状に加えて心の変化も出てきます。
- 「自分はダメな子なんだ」と思ってしまう
- イライラしやすくなる
- 「どうして朝起きられないんだろう」と悩む
これは反抗期と重なることもあって、親子関係がギクシャクすることも。でも、これも成長の一部です。お子さんも一生懸命なんです。
高校生のお子さん
高校生になると、学校を休むことは少なくなります。でも、午前中の授業に集中できなくて、成績に影響が出ることがあります。
大学受験を控えた時期でもあるので、親御さんとしては心配ですよね。でも大丈夫。この時期を過ぎれば、多くの場合症状は改善していきます。
症状はいつまで続くの?
一番気になるのは「いつまで続くのか」ということですよね。
安心してください。軽い症状の場合、適切な生活を心がけることで2〜3ヶ月で改善することが多いです。
重い症状の場合でも、2〜3年後には約8割のお子さんが回復しています。つまり、ほとんどの子が成長とともに元気になるということです。
10代前半の成長期を過ぎると、症状は自然に軽くなっていきます。これは医学的にも証明されていることなので、安心していただけると思います。
東洋医学から見た起立性調節障害
東洋医学では、この症状を「気血の流れの一時的な乱れ」として捉えています。
「気」というのは体を動かすエネルギー、「血」は血液のことです。成長期には、このエネルギーが身長を伸ばしたり、筋肉を作ったりするために大量に使われます。
その結果、血液を循環させるためのエネルギーが一時的に不足して、症状が現れるんです。
でもこれは決して悪いことではありません。お子さんが一生懸命成長している証拠だからです。
毎日の生活で気をつけること
睡眠のリズムを整える
- 夜10時には布団に入る
- 朝は太陽の光を浴びる
- 寝る前のスマホは控える
朝日を浴びることで、体内時計がリセットされます。これがとても大切なんです。
食事を大切に
- 朝食はしっかり摂る
- 鉄分の多い食べ物(ひじき、レバー、ほうれん草)
- 水分を1日1.5リットルは飲む
成長期はとにかく栄養が必要です。特に朝食を抜くと、午前中の症状が強くなりがちです。
適度な運動
激しい運動は避けて、散歩やストレッチ程度で十分です。筋肉がつくことで、血液循環も良くなります。
親御さんへの大切なメッセージ
「怠けている」と思わないで
朝起きられないお子さんを見ると、ついつい「怠けているんじゃない?」と思ってしまいがちです。でも違います。
体の病気なので、本人の努力だけではどうにもならないんです。お子さんも本当は学校に行きたいと思っています。
午後は元気でも大丈夫
「午後になると元気だから、やっぱり仮病では?」と心配される親御さんもいます。でもこれは起立性調節障害の特徴なんです。
午前中に症状が強く、午後に軽くなるのは自然なことです。午後に元気なのは、むしろ良い兆候だと考えてください。
お子さんの気持ちを理解する
お子さんも自分の体調が悪いことで、とても悩んでいます。
「どうして朝起きられないんだろう」 「みんなと同じようにできない」 「親に心配をかけてしまう」
そんな気持ちを抱えています。まずは「大丈夫、体の調子が整うまで一緒に頑張ろう」と声をかけてあげてください。
学校との連携も大切
先生方にも起立性調節障害について理解していただくことが重要です。
- 午前中の遅刻は体調によるもの
- 保健室での休憩も必要
- 午後からの登校でも頑張っている証拠
学校と家庭が連携することで、お子さんも安心して治療に取り組めます。
必ず良くなります
20年間で多くのお子さんを見てきて、確信していることがあります。起立性調節障害は必ず良くなるということです。
中学1年生で朝起きられなかった男の子が、高校生になって陸上部で活躍している。小学6年生で毎日保健室にいた女の子が、中学3年生では生徒会長を務めている。
そんな嬉しい報告をたくさんいただいています。
一人で抱え込まないで
もし今、お子さんの症状で悩んでいるなら、一人で抱え込まないでください。
小児科の先生に相談したり、同じような経験をしている親御さんと話したりすることで、気持ちが楽になることもあります。
地域によっては、起立性調節障害の親の会もあります。同じ悩みを持つ親御さん同士で情報交換することも、とても有益です。
成長を見守る気持ちで
起立性調節障害は「病気」というより、「成長の一部」だと考えています。
お子さんの体が大人に向かって一生懸命変化している。その過程で一時的に調子を崩しているだけなんです。
だから焦らずに、お子さんの成長を温かく見守ってあげてください。必ず乗り越えられる時が来ます。
最後に
起立性調節障害と成長には、本当に深い関係があります。体が急激に変化する時期だからこそ、一時的に調子を崩すことがあるんです。
でもそれは決して悪いことではありません。お子さんが健やかに成長している証拠だと思ってください。
症状があっても、お子さんなりに一生懸命頑張っています。その頑張りを認めて、「大丈夫だよ」と声をかけてあげてください。
東洋医学では「自然治癒力」を大切にします。お子さんの体には、必ず良くなろうとする力が備わっています。私たち大人は、その力を信じて支えてあげることが一番大切なんです。
今、朝起きられずに悩んでいるお子さんも、きっと元気になる日が来ます。その日を信じて、一緒に歩んでいきませんか?