長年の臨床経験の中で、多くの方々の心身の不調と向き合ってきましたが、近年、特に深く、そしてお悩みが深刻化していると感じるのが、アトピー性皮膚炎による「夜中のかきむしり」です。「寝ている間に無意識に掻きむしってしまって、朝起きると血だらけ」「かゆみで何度も目が覚めて、ぐっすり眠れた日がほとんどない」「寝不足で日中も体がだるくて、集中できない」……そんな切実な声を聞くたびに、その方々の痛みに、私自身の心が締め付けられる思いです。現代医学では、アトピー性皮膚炎による夜間掻破は、かゆみや炎症、睡眠障害が原因とされ、抗ヒスタミン薬やステロイド外用薬、保湿剤などでアプローチされますね。もちろん、専門的な医療は非常に大切ですし、適切な治療を受けていらっしゃる方も多いでしょう。

しかし、東洋医学の視点から見ると、アトピー性皮膚炎における「夜中のかきむしり」は、単に皮膚の表面的な問題だけでなく、体の中の「気（き）」や「血（けつ）」、そして五臓六腑のバランス、特に「熱（ねつ）」と「風（ふう）」の異常が深く関わっていることが見えてきます。今日は、そんなアトピー性皮膚炎における夜中のかきむしりという苦しみを東洋医学でどう捉え、そして私が長年実践してきた気功の知見を交えながら、皆さまが心のざわつきを鎮め、内なる安心感と健やかさを取り戻し、ぐっすり眠れるようになるための一助となれば幸いです。

アトピー性皮膚炎の東洋医学的な理解：内なる「熱」と「湿」、そして「風」の現れ

まず、アトピー性皮膚炎について、東洋医学の基本的な考え方からお話ししましょう。現代医学では、皮膚のバリア機能の低下やアレルギー反応などが主な原因とされていますが、東洋医学では、体内の「熱（ねつ）」と「湿（しつ）」、そして「風（ふう）」といった邪気（病気の原因となるもの）が複雑に絡み合って皮膚に現れたものと捉えます。

• 熱邪：体内にこもった過剰な熱が皮膚に現れると、赤み、炎症、熱感、かゆみといった症状を引き起こします。体の中から熱が湧き上がってくるようなものです。

• 湿邪：体内の水分代謝の異常によって生じる粘り気のある邪気です。ジュクジュクした浸出液、水疱、皮膚のただれ、かゆみが強く出るなどの症状に関わります。体が余分な水分をうまく排出できていない状態です。

• 風邪：風邪は、病変を移動させたり、かゆみのように症状が急に現れたり消えたりする性質を持っています。アトピー性皮膚炎の強いかゆみや、病変が広がる様子に関わります。

これらの邪気が、体の内側から発生し、あるいは外から侵入し、皮膚の表面に現れることで、アトピー性皮膚炎の様々な症状を引き起こすのです。

「夜中のかきむしり」アトピー：東洋医学的な読み解き

さて、ここからが本題です。アトピー性皮膚炎の中でも「夜中のかきむしり」は、患者さんの心身に深刻な影響を与え、回復を妨げる大きな要因となります。東洋医学の観点から見ると、夜間のかゆみがひどくなり、無意識に掻きむしってしまう背景には、通常の皮膚疾患の原因に加え、特定の臓腑の偏りや、気の巡りの特徴的な乱れが深く関わっていると考えることができます。

夜間にかゆみが強まるのは、東洋医学では「夜は陰、昼は陽」という考え方と深く関連します。昼間は活動を支える陽の気が体の表面にあり、かゆみを意識しにくいのですが、夜になると陽の気が体の奥に収まり、相対的に陰が優位になります。この時、体内にこもった熱や風、あるいは血の不足によって生じた燥（乾燥）といった邪気が、心神を乱し、かゆみを増幅させるのです。

「夜中のかきむしり」という症状の背景には、主に以下の要因が複合的に絡み合っていると考えられます。

1. 心火亢進（しんかこうしん）と肝火上炎（かんかじょうえん）：「内なる熱」の暴走が心を乱し、かゆみと掻破を増幅

   • 東洋医学において、心は精神活動を司るだけでなく、「火」の性質を持つ臓腑です。また、肝は感情のコントロールや気の巡りを司ります。ストレス、精神的な緊張、心配事、睡眠不足、あるいは感情の抑圧などは、心や肝に熱を生じさせ、その熱が上へと衝き上がります。

   • この心火や肝火が心神を激しく刺激すると、イライラ、焦燥感、不眠、動悸といった症状を引き起こすだけでなく、皮膚の炎症やかゆみを増幅させます。夜間は特に陽の気が収まろうとする時に、心火や肝火が心神を乱し、体が興奮状態にあるため、かゆみがひどくなり、意識せずとも掻きむしってしまうのです。

   • 強いかゆみで掻きむしると、皮膚の炎症が悪化し、さらに熱を生むという悪循環に陥ります。

   • 以前、ある方が「夜になると全身がかゆくて、熱くて、寝ている間に無意識に掻きむしって、朝起きるとシーツが血だらけなんです。眠れないし、本当に疲弊しています」とお話しされていました。まさに心火亢進と肝火上炎による夜間掻破の典型例でしたね。

2. 血虚生風（けっきょせいふう）と血燥（けっそう）：「血の不足」による皮膚の乾燥と「風」のかゆみ

   • 東洋医学では、「血」は皮膚に潤いと栄養を与える大切な物質です。慢性的なアトピー性皮膚炎、栄養不良、過労、睡眠不足、あるいは出産などによる血の消耗は、血を不足させます（血虚）。

   • 血が不足すると、皮膚に十分な潤いや栄養が供給されず、皮膚が乾燥してカサカサになり、かゆみが強くなります。これを「血燥（けっそう）」と呼びます。

   • 東洋医学では、「風は燥を生じ、かゆみを起こす」と考えます。血が燥すると、体内に「風」のような状態が生じ、それが強いかゆみを引き起こすのです。このかゆみは、場所が移動したり、急に強く現れたりする特徴があり、夜間は特に体が温まることで、内なる風が動揺しやすくなり、かゆみが強まります。

   • このタイプの方は、皮膚全体の乾燥、かゆみ、髪の毛のパサつき、爪がもろい、顔色が青白い、不眠（眠りが浅い、夢が多い）などを伴うことが多いです。

3. 痰湿内蘊（たんしつないうん）と「湿邪」のかゆみ：

   • 飲食の不摂生（脂っこいもの、甘いもの、アルコール、刺激物、冷たいものの摂りすぎなど）や、脾胃の機能低下は、体内に「湿気（湿邪）」と「熱（熱邪）」がこもりやすい体質を作り出します。

   • この「湿邪」は、粘り気があり、皮膚に現れるとジュクジュクした浸出液、水疱、ただれ、そしてしつこいかゆみを引き起こします。特に、夜間は体が温まることで湿熱が皮膚に集まりやすく、かゆみが悪化し、掻きむしってしまうことにつながります。

   • 同時に、体が重だるい、食欲不振、胃のむかつき、口が粘る、舌の苔が厚くベタつく、排便異常（下痢や便秘）などを伴うことが多いです。

   • 以前、ある方が「夜中に全身がかゆくて、掻くと体液が出てくる。ベタベタして気持ち悪くて、寝返りばかり打って全然眠れない」とお話しされていました。問診すると、普段から油っぽいものや甘いものをたくさん食べる傾向があり、体も重だるいとのこと。まさに痰湿内蘊による夜間のかゆみと不眠の典型例でしたね。思わず「それはお辛いでしょう」と心の中でつぶやきました。

4. 心腎不交（しんじんふこう）と虚熱：

   • 長期の病気、過労、睡眠不足、加齢などによって、腎の陰液（体の潤い）が消耗すると、相対的に心の火（陽）が優位になり、虚熱（きょねつ）が生じます。

   • この虚熱は、特に夜間に心神を乱し、不眠を引き起こします。同時に、皮膚を乾燥させ、かゆみを増幅させ、無意識の掻破につながります。夜間のほてり、寝汗、手足のほてりを伴うことが多いです。

   • 眠ろうとすると体が温まり、この虚熱が心神をさらに強く刺激するため、かゆみを感じやすくなり、掻きむしってしまうのです。

このように、アトピー性皮膚炎による「夜中のかきむしり」という症状は、単なる皮膚の問題や意識の問題ではなく、東洋医学的な視点からは、心、肝、脾、肺、腎といった複数の臓腑の機能失調と、それに伴う熱、風、湿、血の不足といった邪気の停滞が複雑に絡み合って生じていると考えることができます。

気功が導く、心身の調和と思考の鎮静、そして深い眠りの回復

私が長年、多くの患者さんに指導し、その効果を実感してきたのが気功です。気功は、呼吸、姿勢、そして意識を合わせることで、私たちの中に流れる気を整え、心身のバランスを取り戻す養生法です。薬のように即効性があるわけではありませんが、継続することで、根本的な体質改善へと導いてくれます。手技は一切使いませんが、その効果は多くの患者さんが証明しています。

アトピー性皮膚炎による「夜中のかきむしり」でお悩みの方にとって、気功はまさに心強い味方となり得るでしょう。その理由は、気功が東洋医学的な根本原因に直接アプローチし、体内の熱や風、湿を調整し、心身のバランスを回復させることに特化しているからです。

1. 気の巡りを整え、内なる熱と風を鎮める：

   • 夜間のかゆみと掻破は、内なる熱や風が暴走しているサインです。気功のゆったりとした動きや深い呼吸法は、全身の気の巡りをスムーズにし、停滞した気を流し、特に上へとのぼりやすい熱の気を下ろし、体の中心や足元へと落ち着かせるのに役立ちます。これにより、心身の興奮が鎮まり、かゆみが軽減され、無意識の掻破を抑える助けとなり、眠りにつきやすくなります。

   • 肝の気の滞りを解消し、イライラや焦燥感といった感情を穏やかにすることで、肝火の上炎を防ぎ、夜間のかゆみを抑えます。

2. 自律神経のバランスを調整し、炎症と過敏性を和らげる：

   • アトピー性皮膚炎の患者さんは、心身の緊張が強く、交感神経が優位になっていることが多いです。これがかゆみを増幅させ、不眠や掻破につながります。

   • 気功の深い腹式呼吸や、ゆったりとした動作は、副交感神経を優位に導き、心身を深いリラックス状態へと誘います。これにより、自律神経の乱れが整い、心身の過緊張が和らぎ、炎症反応やかゆみが軽減され、質の良い睡眠が取れるようになることが期待できます。これは、夜寝る前に12杯のコーヒーを飲んでも眠れなかった人が、穏やかに眠りにつけるようになるようなものです。

3. 脾胃を健やかにし、痰湿を解消する：

   • 脾胃湿熱が夜間のかゆみとジュクジュクの原因となっている場合、気功は非常に効果的です。気功の呼吸法と動作は、脾胃の機能を高め、消化吸収を助ける効果も期待できます。脾胃が健やかになれば、体内の水分代謝が改善され、余分な痰や湿が排出されやすくなります。

   • 痰湿が解消されれば、皮膚のジュクジュクやただれが改善し、しつこいかゆみも軽減され、夜間も快適に過ごせるようになるでしょう。

4. 心血や陰液を養い、皮膚の潤いを回復させる：

   • 血虚生風や心腎不交タイプのように、血や陰液の不足が夜間のかゆみと不眠の原因となっている場合、気功は非常に有効です。気功の実践は、脾胃の機能を高めることで心血の生成を促し、また気の巡りを整えることで陰液の消耗を防ぎ、体の潤いを回復させる助けとなります。

   • これにより、体の内側から熱を冷まし、皮膚に栄養と潤いが供給され、乾燥によるかゆみが軽減され、心神が落ち着くことで深い眠りへと誘われます。

継続的な気功の実践は、その方の体質そのものを良い方向へと導きます。良い土壌ができれば、自然と良い作物が育つように、体質が改善すれば、夜間のかゆみも和らぎ、ぐっすり眠れるようになり、アトピー症状全体が軽減され、より穏やかで自信に満ちた日常を送れるようになるのです。

日常でできる養生と気功のヒント：かゆみから解放され、眠りを取り戻すために

アトピー性皮膚炎による「夜中のかきむしり」症状を改善し、心の穏やかさと質の良い眠りを取り戻すために、日常生活でできる養生と、手軽にできる気功のヒントをお伝えします。

食養生で心身の土台を作る

食事は、私たちの体を作り、気を生み出す源です。特に体内の熱と湿を減らし、血を補い、肺を潤し、脾胃を助け、肝の気をスムーズにする食事を心がけましょう。

• 体内の熱を冷ます食材：きゅうり、冬瓜、トマト、なす、緑豆、豆腐、こんにゃく、苦瓜（ゴーヤ）など。体を冷やす性質の食材も、一時的には良いですが、脾胃を冷やしすぎないよう、温かい料理に取り入れる工夫も大切です。

• 体内の湿気を排出する食材（湿邪が複合する場合）：ハトムギ、緑豆、冬瓜、大根、とうもろこし、枝豆、小豆など。これらは利水作用があり、体内の余分な湿気を排出する助けになります。ジュクジュクする部分がある場合は特に意識しましょう。

• 血を補い、肺を潤す食材：梨、百合根、白きくらげ、杏仁、豚肉、鴨肉、卵、プルーン、ほうれん草、人参など。これらは皮膚に潤いを与え、乾燥を和らげる効果が期待できます。

• 脾胃を助ける食材：山芋、蓮根、米、大豆製品、かぼちゃ、キャベツなど。消化に良く、脾の働きを助け、気血の生成を促します。

• 刺激物を避ける：辛いもの、脂っこいもの、揚げ物、コーヒー、アルコール、チョコレート、乳製品、甘いもの（特に白砂糖を使ったもの）、香辛料は、体内に熱や湿を生み出し、肝火を助長するため、控えめにしましょう。これらは、アトピーの赤みやかゆみ、特に夜間のかゆみを悪化させる可能性が高いです。日中に12杯のコーヒーを飲んでいる方も、しばらくはノンカフェイン飲料に切り替えるのがおすすめです。

• 規則正しい食事：毎日決まった時間に食事を摂ることで、胃腸のリズムが整いやすくなります。寝る前の食事は、消化器系に負担をかけ、熱や湿をこもらせるので、就寝の2～3時間前までには済ませるのが理想ですし、軽い消化の良いものにしましょう。

心身のリラックスを促す習慣：肌と心の環境を整える

夜中のかきむしりを改善し、心の穏やかさと質の良い眠りを取り戻すためには、心身がリラックスできる環境を整え、ストレスを適切に管理することが不可欠です。

• ストレス管理：ストレスはアトピーの症状、特に夜間のかゆみを悪化させる大きな引き金となります。趣味の時間を持つ、好きな音楽を聴く、軽い運動をする、友人との会話を楽しむなど、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。過度なストレスは肝や心に負担をかけ、夜間のかゆみや不眠を増強させます。

• 質の良い睡眠環境：寝室は静かで暗く、適度な温度（特に寝る前は涼しめに）に保ちます。寝具も肌触りの良い綿やシルクなど、刺激の少ないものを選びましょう。夜間に掻きむしるのを防ぐために、寝る前に爪を短く切る、綿の手袋を着用するなどの工夫も有効です。

• 肌への刺激を避ける：お風呂の温度はぬるめにし、熱すぎるお湯は赤みやかゆみを増悪させるので避けます。体を洗う際は、低刺激の石鹸を使用し、優しく洗いましょう。タオルでゴシゴシ拭かず、優しく押さえるように水分を拭き取ります。

• 保湿を徹底する：乾燥はかゆみを増悪させます。お風呂上がりや寝る前など、こまめに保湿剤を塗り、皮膚のバリア機能をサポートしましょう。特に冬場や空気が乾燥している時は、加湿器を使うのも良いでしょう。

• 規則正しい生活：毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる。これはシンプルですが、体内時計を整える上で非常に重要です。規則正しいリズムは、心身の安定につながり、睡眠の質を高めます。

• 軽い運動と自然との触れ合い：ウォーキングやストレッチ、ヨガなど、軽い運動は気の巡りを良くし、心身のリラックス効果を高めます。特に、自然の中で行うウォーキングは、気の巡りを改善し、心を落ち着かせ、肌の健康にも良い影響を与えます。ただし、激しい運動は、かゆみや赤みを増悪させることがあるので、汗をかきすぎない程度にしましょう。

• 入浴習慣：就寝の1時間前くらいに、38～40℃くらいのぬるめのお湯にゆっくり浸かりましょう。湯船に浸かることで副交感神経が優位になり、リラックス効果が高まります。

気功で気を巡らせ、心を穏やかに、活力を回復：ご自身でできる実践法

ここでは、ご自宅で簡単にできる気功のヒントをいくつかご紹介します。難しい型を覚える必要はありません。大切なのは、呼吸と意識を集中させることです。無理のない範囲で、短い時間から始めてみてください。特に寝る前に行うと、リラックス効果が高まり、深い眠りへと誘われやすくなります。

1. 静坐瞑想：

   • 椅子に座るか、床にあぐらをかいて座ります。背筋を軽く伸ばし、肩の力を抜いてリラックスします。

   • 軽く目を閉じ、意識を呼吸に集中させます。鼻から息を吸い込み、口からゆっくりと吐き出す。

   • 呼吸のたびに、体が緩んでいくのを感じ、心の中のざわつきが次第に収まっていくのをイメージします。

   • 5分から始めて、慣れてきたら15分程度行ってみましょう。特に夜間のかゆみや不眠が気になる時、心が落ち着かない時に行うと、心が落ち着きやすくなります。

2. 抱球式の簡易版：

   • 軽く膝を緩めて立ちます。両腕を胸の前で軽く曲げ、まるで大きなボールを抱えているような形を作ります。

   • 肩の力を抜き、腕の間に空間があるのを意識します。

   • 呼吸は自然に任せ、体の中心に意識を集中します。

   • 数分間、この姿勢を保つだけでも、気の巡りが良くなり、心身が安定するのを感じられるでしょう。特に、アトピー症状や夜間のかゆみが気になって心が落ち着かない時に試してみてください。

3. 吐納法：

   • 楽な姿勢で座るか、立ちます。

   • 鼻からゆっくり息を吸い込み、お腹を軽く膨らませます。

   • 口をすぼめ、「フーッ」と細く長く息を吐き出します。息を吐き出す時に、体の中の不要なもの、ストレス、不安、胸の苦しさ、そして体内の熱やイライラ、かゆみなどが全部出ていくイメージで行います。

   • これを10回程度繰り返します。特に夜間のかゆみが強い時や、寝る前に行うと、リラックス効果が高まり、気の滞りが解消されやすくなります。

4. 足底への意識集中：

   • 椅子に座るか、立った状態で、足の裏全体が地面にしっかりついているのを感じます。

   • 呼吸をするたびに、頭のてっぺんから新鮮な気が入り、足の裏から余分な気が抜けていくイメージを持ちます。

   • 特に、体がほてってかゆみが強い時や、不安感で足が地に付かないような感覚がある時に有効です。気を下に下ろす効果が期待できます。体の上部に集中しがちな熱や風を体全体に分散させ、地の感覚を取り戻す助けになります。

アトピー性皮膚炎における「夜中のかきむしり」という症状は、単なる皮膚の問題ではなく、心身全体の気の巡りや臓腑のバランスが深く関わっている症状です。東洋医学の深い知恵と気功の実践を通して、ご自身の内なる力を引き出し、本来の健やかさと心の平和、そして穏やかで深い眠りを取り戻すことができると信じています。

私もこの20年、多くの患者さんが、ご自身の体と心の声に耳を傾け、地道な努力を続けることで、夜間のかゆみが和らぎ、ぐっすり眠れるようになり、笑顔が増え、充実した日常を取り戻していく姿を目の当たりにしてきました。その回復力は、本当に素晴らしいものがあります。

あなたも、ご自身の心と体に寄り添い、真の平穏への扉を開いてみませんか？