長年の臨床経験の中で、本当に多くの方々の心身の不調と向き合ってきましたが、近年、特に心を痛めるのが、学齢期に入った小学生がアトピー性皮膚炎によって「眠れない」と苦しんでいるケースです。「夜中にかゆくて起きてしまう」「翌朝、体がだるくて学校に行きたがらない」「眠れないせいで、日中も集中できなくて…」そんな切実な親御さんの声を聞くたびに、その小さな命の痛みと、ご家族の深い悩みに、私自身の心が締め付けられる思いです。現代医学では、小学生のアトピー性皮膚炎による睡眠障害は、かゆみや炎症が原因とされ、保湿剤やステロイド外用薬、抗ヒスタミン薬などでアプローチされますね。もちろん、専門的な医療は非常に大切ですし、適切な治療を受けていらっしゃる方も多いでしょう。

しかし、東洋医学の視点から見ると、小学生のアトピー性皮膚炎による「眠れない」状態は、単に皮膚の表面的な問題だけでなく、その成長期にある体の中の「気（き）」や「血（けつ）」、そして五臓六腑のバランス、特に「熱（ねつ）」と「風（ふう）」の異常が深く関わっていることが見えてきます。今日は、そんな小学生のアトピー性皮膚炎による不眠を東洋医学でどう捉え、そして私が長年実践してきた気功の知見を交えながら、皆さまのお子さんがその症状から解放され、健やかに成長し、充実した学校生活を送るための一助となれば幸いです。

小学生の東洋医学的な特性：成長と活動の活発化

まず、小学生の東洋医学的な特性についてお話ししましょう。小学生のお子さんは、幼児期を経て、体が大きく成長し、社会性も発達する重要な時期です。

• 脾胃機能の安定化と偏食： 幼児期よりは脾胃（消化器系）の機能が安定してきますが、成長期ゆえに多くのエネルギーを必要とするため、偏食や食べ過ぎ、あるいは不規則な食生活が脾胃に負担をかけることがあります。

• 「陽」がさらに盛んになる： 活発に運動し、学習する時期なので、もともと「陽」の気が盛んで、熱がこもりやすい傾向が続きます。

• 社会性や精神活動の活発化： 学校生活や習い事、友人関係など、精神的な活動が活発になり、ストレスを感じやすくなります。

• 感情の表現方法： 感情を言葉で表現できるようになりますが、同時に葛藤や我慢も増えるため、ストレスが内側にこもりやすくなることもあります。

これらの特性が、小学生のアトピー性皮膚炎による不眠の背景にある東洋医学的な原因と深く関わってきます。

「眠れない」小学生アトピー：東洋医学的な読み解き

さて、ここからが本題です。小学生のアトピー性皮膚炎で「眠れない」という状態は、学業や体力、精神面の発達に大きな影響を及ぼし、親御さんにとっても大きな心配事です。東洋医学の観点から見ると、夜間の不眠が続く背景には、お子さん特有の特性に加え、特定の臓腑の偏りや、気の巡りの特徴的な乱れが深く関わっていると考えることができます。

夜間にかゆみが強まり、眠りにつけないのは、東洋医学では「夜は陰、昼は陽」という考え方と深く関連します。昼間は活動を支える陽の気が体の表面にあり、かゆみを意識しにくいのですが、夜になると陽の気が体の奥に収まり、相対的に陰が優位になります。この時、体内にこもった熱や風、あるいは血の不足によって生じた燥（乾燥）といった邪気が、心神を乱し、かゆみを増幅させ、眠りを妨げるのです。

「眠れない」という症状の背景には、主に以下の要因が複合的に絡み合っていると考えられます。

1. 心火亢進（しんかこうしん）と肝火上炎（かんかじょうえん）：「内なる熱」の暴走が心を乱し、不眠と掻破を増幅

   • 東洋医学において、心は精神活動を司るだけでなく、「火」の性質を持つ臓腑です。また、肝は感情のコントロールや気の巡りを司ります。小学生はもともと陽が盛んで熱をもちやすいため、そこに学業のストレス、友人関係の悩み、習い事のプレッシャー、あるいは過度なゲームやテレビ視聴による脳の興奮などが加わると、心や肝に熱を生じさせ、その熱が上へと衝き上がります。

   • この心火や肝火が心神を激しく刺激すると、イライラ、興奮、寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、悪夢を見る、動悸といった症状を引き起こすだけでなく、皮膚の炎症やかゆみを増幅させます。特に夜間、体が温まることで内なる熱がさらに高まり、かゆみがひどくなり、眠りにつくことができません。無意識に掻きむしってしまうことも多いです。

   • 強いかゆみで掻きむしると、皮膚の炎症が悪化し、さらに熱を生むという悪循環に陥ります。

   • 以前、小学4年生のお子さんが「夜中にかゆくて目が覚めるし、熱くて寝苦しい。朝も体がだるくて学校に行くのが辛い」と訴えていました。日中も集中力がなく、イライラしやすいとのこと。まさに心火亢進と肝火上炎による不眠とアトピーの典型例でしたね。

2. 血虚生風（けっきょせいふう）と血燥（けっそう）：「血の不足」による皮膚の乾燥と「風」のかゆみ

   • 東洋医学では、「血」は皮膚に潤いと栄養を与える大切な物質です。小学生は成長期であり、多くの血を必要としますが、偏食、少食、あるいは慢性的な病気、過度な学習による脳の酷使などによって血が不足すると（血虚）、皮膚に十分な潤いや栄養が供給されず、皮膚が乾燥してカサカサになり、かゆみが強くなります。これを「血燥（けっそう）」と呼びます。

   • 東洋医学では、「風は燥を生じ、かゆみを起こす」と考えます。血が燥すると、体内に「風」のような状態が生じ、それが強いかゆみを引き起こすのです。このかゆみは、場所が移動したり、急に強く現れたりする特徴があり、夜間は特に体が温まることで、内なる風が動揺しやすくなり、かゆみが強まり、不眠につながります。

   • このタイプのお子さんは、皮膚全体の乾燥、かゆみ、髪の毛のパサつき、爪がもろい、顔色が青白い、眠りが浅い、夢が多い、疲労感などを伴うことが多いです。

3. 脾胃湿熱（ひいしつねつ）と「湿邪」のかゆみ・不眠：

   • 小学生は、お菓子やジュース、ファストフードなどの偏った食事、あるいは食べ過ぎによって、消化器系である脾胃に負担がかかりやすく、体内に「湿気（湿邪）」と「熱（熱邪）」がこもりやすい体質を作り出します。

   • この「湿邪」は、粘り気があり、皮膚に現れるとジュクジュクした浸出液、水疱、ただれ、そしてしつこいかゆみを引き起こします。特に、夜間は体が温まることで湿熱が皮膚に集まりやすく、かゆみが悪化し、寝苦しさや不眠につながります。

   • 同時に、体が重だるい、食欲不振、胃のむかつき、口が粘る、舌の苔が厚くベタつく、排便異常（下痢や便秘）などを伴うことが多いです。

   • 以前、小学2年生のお子さんが「夜中にお腹がかゆくて、掻くとベタベタした汁が出る。そのせいで眠れないし、朝も食欲がない」とお話しされていました。問診すると、普段から甘いものをたくさん食べる傾向があり、体も重だるいとのこと。まさに脾胃湿熱による夜間のかゆみと不眠の典型例でしたね。

4. 心腎不交（しんじんふこう）と虚熱：

   • 長期の慢性的なアトピー性皮膚炎、過度な学習による脳の酷使、睡眠不足などによって、腎の陰液（体の潤い）が消耗すると、相対的に心の火（陽）が優位になり、虚熱（きょねつ）が生じます。

   • この虚熱は、特に夜間に心神を乱し、不眠を引き起こします。同時に、皮膚を乾燥させ、かゆみを増幅させます。夜間のほてり、寝汗、手足のほてりを伴うことが多いです。

   • 眠ろうとすると体が温まり、この虚熱が心神をさらに強く刺激するため、かゆみを感じやすくなり、眠りにつけないのです。

このように、小学生のアトピー性皮膚炎による「眠れない」という症状は、単なる皮膚の問題や睡眠障害として片付けられるものではなく、東洋医学的な視点からは、心、肝、脾、肺、腎といった複数の臓腑の機能の未熟さや失調、そしてそれに伴う熱、風、湿、血の不足といった邪気の停滞が複雑に絡み合って生じていると考えることができます。

気功が導く、心身の調和と思考の鎮静、そして深い眠りの回復

私が長年、多くのお子さんとその親御さんに指導し、その効果を実感してきたのが気功です。気功は、呼吸、姿勢、そして意識を合わせることで、私たちの中に流れる気を整え、心身のバランスを取り戻す養生法です。薬のように即効性があるわけではありませんが、継続することで、根本的な体質改善へと導いてくれます。手技は一切使いませんが、その効果は多くのお子さんや親御さんが証明しています。

小学生のアトピー性皮膚炎による不眠でお悩みの方にとって、気功はまさに心強い味方となり得るでしょう。その理由は、気功が東洋医学的な根本原因に直接アプローチし、体内の熱や風、湿を調整し、心身のバランスを回復させることに特化しているからです。

1. 気の巡りを整え、内なる熱と風を鎮める：

   • 夜間の不眠やかゆみは、内なる熱や風が暴走しているサインです。気功のゆったりとした動きや深い呼吸法は、全身の気の巡りをスムーズにし、停滞した気を流し、特に上へとのぼりやすい熱の気を下ろし、体の中心や足元へと落ち着かせるのに役立ちます。これにより、心身の興奮が鎮まり、かゆみが軽減され、眠りにつきやすくなります。

   • 肝の気の滞りを解消し、イライラや焦燥感といった感情を穏やかにすることで、肝火の上炎を防ぎ、夜間の不眠を抑えます。

2. 自律神経のバランスを調整し、炎症と過敏性を和らげる：

   • アトピー性皮膚炎を抱える小学生は、心身の緊張が強く、交感神経が優位になっていることが多いです。これがかゆみを増幅させ、不眠につながります。

   • 親御さんが気功を実践し、リラックスすることで、その穏やかな「気」がお子さんにも伝わります。また、お子さんにも無理のない範囲で、呼吸を意識させるような簡単な遊びを取り入れることもできます。これにより、自律神経の乱れが整い、心身の過緊張が和らぎ、炎症反応やかゆみが軽減され、質の良い睡眠が取れるようになることが期待できます。これは、夜寝る前に12杯のジュースを飲んでも興奮していた子が、穏やかに眠りにつけるようになるようなものです。

3. 脾胃を健やかにし、痰湿を解消する：

   • 脾胃湿熱が夜間の不眠やかゆみの原因となっている場合、気功は非常に効果的です。気功の呼吸法と動作は、脾胃の機能を高め、消化吸収を助ける効果も期待できます。脾胃が健やかになれば、体内の水分代謝が改善され、余分な湿が排出されやすくなります。

   • 湿熱が解消されれば、皮膚のジュクジュクやただれが改善し、しつこいかゆみも軽減され、夜間も快適に過ごせるようになるでしょう。

4. 心血や陰液を養い、皮膚の潤いを回復させる：

   • 血虚生風や心腎不交タイプのように、血や陰液の不足が夜間のかゆみと不眠の原因となっている場合、気功は非常に有効です。気功の実践は、脾胃の機能を高めることで心血の生成を促し、また気の巡りを整えることで陰液の消耗を防ぎ、体の潤いを回復させる助けとなります。

   • これにより、体の内側から熱を冷まし、皮膚に栄養と潤いが供給され、乾燥によるかゆみが軽減され、心神が落ち着くことで深い眠りへと誘われます。

継続的な気功の実践は、その方（お子さん）の体質そのものを良い方向へと導きます。良い土壌ができれば、自然と良い作物が育つように、体質が改善すれば、夜間のかゆみも和らぎ、ぐっすり眠れるようになり、アトピー症状全体が軽減され、お子さんが本来持っている輝きを取り戻し、親御さんも穏やかな日常を送れるようになるのです。

日常でできる養生と気功のヒント：健やかな学生生活のために

小学生のアトピー性皮膚炎による不眠を改善し、心の穏やかさと質の良い眠りを取り戻すために、日常生活でできる養生と、手軽にできる気功のヒントをお伝えします。これは、親御さんがお子さんに対して行うケアと、親御さん自身の心身のケアが重要です。

食養生で心身の土台を作る（特に親御さんとお子さんの食事）

食事は、お子さんの体を作り、気を生み出す源です。特に体内の熱と湿を減らし、血を補い、脾胃を助け、肝の気をスムーズにする食事を心がけましょう。親御さんの食事内容も、お子さんのアトピーに影響を与えることがあるため、意識することが大切です。

• 体内の熱を冷ます食材：きゅうり、冬瓜、トマト、なす、緑豆、豆腐、こんにゃく、苦瓜（ゴーヤ）など。体を冷やす性質の食材も、一時的には良いですが、脾胃を冷やしすぎないよう、温かい料理に取り入れる工夫も大切です。

• 体内の湿気を排出する食材（湿邪が複合する場合）：ハトムギ、緑豆、冬瓜、大根、とうもろこし、枝豆、小豆など。これらは利水作用があり、体内の余分な湿気を排出する助けになります。ジュクジュクする部分がある場合は特に意識しましょう。

• 血を補い、肺を潤す食材：梨、百合根、白きくらげ、杏仁、豚肉、鴨肉、卵、プルーン、ほうれん草、人参など。これらは皮膚に潤いを与え、乾燥を和らげる効果が期待できます。

• 脾胃を助ける食材：山芋、蓮根、米、大豆製品、かぼちゃ、キャベツなど。消化に良く、脾の働きを助け、気血の生成を促します。

• 刺激物を避ける：辛いもの、脂っこいもの、揚げ物、コーヒー、アルコール、チョコレート、乳製品、甘いもの（特に白砂糖を使ったもの）、香辛料は、体内に熱や湿を生み出し、肝火を助長するため、控えめにしましょう。これらは、アトピーのかゆみや不眠を悪化させる可能性が高いです。日中に12杯のジュースを飲んでいるようなお子さんには、少しずつ減らしていく工夫が必要です。

• 規則正しい食事：できる限り毎日決まった時間に食事を摂るよう心がけましょう。無理なら、少量ずつでも良いので、温かいものを口にするだけでも違います。寝る前の食事は、消化器系に負担をかけ、熱や湿をこもらせるので、就寝の2～3時間前までには済ませるのが理想ですし、軽い消化の良いものにしましょう。

心身のリラックスを促す習慣：肌と心の環境を整える

不眠を改善し、質の良い眠りを取り戻すためには、親御さん自身の心身がリラックスできる環境を整え、ストレスを適切に管理することが不可欠です。それがお子さんにも伝わります。

• ストレス管理：ストレスはアトピーの症状、特に不眠を悪化させる大きな引き金となります。学業、友人関係、習い事など、お子さんを取り巻くストレス要因を見つけて、可能な範囲で減らしてあげましょう。お子さんの話に耳を傾け、共感してあげるだけでも、心の負担は軽くなります。趣味の時間や遊びの時間を大切にしましょう。

• 質の良い睡眠環境：十分な睡眠時間を確保し、規則正しい睡眠リズムを心がけましょう。寝室は静かで暗く、適度な温度（特に寝る前は涼しめに）に保ちます。夜間に掻きむしるのを防ぐために、寝る前に爪を短く切る、綿の手袋を着用させるなどの工夫も有効です。

• 肌への刺激を避ける：お風呂の温度はぬるめにし、熱すぎるお湯は赤みやかゆみを増悪させるので避けます。体を洗う際は、低刺激の石鹸を使用し、優しく洗いましょう。タオルでゴシゴシ拭かず、優しく押さえるように水分を拭き取ります。

• 保湿を徹底する：乾燥はかゆみを増悪させます。お風呂上がりや寝る前など、こまめに保湿剤を塗り、皮膚のバリア機能をサポートしましょう。特に冬場や空気が乾燥している時は、加湿器を使うのも良いでしょう。

• 規則正しい生活：毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる。これはシンプルですが、体内時計を整える上で非常に重要です。規則正しいリズムは、心身の安定につながり、睡眠の質を高めます。

• 軽い運動と自然との触れ合い：ウォーキングやストレッチ、外での遊びなど、体を動かすことは気の巡りを良くし、心身のリラックス効果を高めます。特に、自然の中で過ごす時間も良い影響を与えます。ただし、激しい運動は、かゆみや赤みを増悪させることがあるので、汗をかきすぎない程度にしましょう。

• 入浴習慣：就寝の1時間前くらいに、38～40℃くらいのぬるめのお湯にゆっくり浸かりましょう。湯船に浸かることで副交感神経が優位になり、リラックス効果が高まります。

気功で気を巡らせ、心を穏やかに、活力を回復：親御さんとお子さんへの実践法

ここでは、ご自宅で簡単にできる気功のヒントをいくつかご紹介します。難しい型を覚える必要はありません。大切なのは、呼吸と意識を集中させることです。無理のない範囲で、短い時間から始めてみてください。

1. 静坐瞑想（親子で）：

   • 椅子に座るか、床にあぐらをかいて座ります。背筋を軽く伸ばし、肩の力を抜いてリラックスします。

   • 軽く目を閉じ、意識を呼吸に集中させます。鼻から息を吸い込み、口からゆっくりと吐き出す。

   • 「息を吸って、お腹が膨らむね」「息を吐いて、お腹がへこむね」と声をかけながら、呼吸のたびに、体が緩んでいくのを感じ、心の中のざわつきが次第に収まっていくのをイメージさせましょう。

   • 1分から始めて、慣れてきたら3～5分程度行ってみましょう。特に夜間の不眠が気になる時や、心が落ち着かない時に行うと、心が落ち着きやすくなります。

2. 抱球式の簡易版（遊び感覚で）：

   • 軽く膝を緩めて立ちます。両腕を胸の前で軽く曲げ、まるで大きなボールを抱えているような形を作ります。

   • 「大きなボールを抱っこしているみたいだね」などと声をかけ、肩の力を抜き、腕の間に空間があるのを意識させます。

   • 呼吸は自然に任せ、体の中心に意識を集中します。

   • 数分間、この姿勢を保つだけでも、気の巡りが良くなり、心身が安定するのを感じられるでしょう。特に、アトピー症状や不眠が気になって心が落ち着かない時に試してみてください。

3. 吐納法（声を出して）：

   • 楽な姿勢で座るか、立ちます。

   • 鼻からゆっくり息を吸い込み、お腹を軽く膨らませます。

   • 口をすぼめ、「フーッ」と細く長く息を吐き出します。息を吐き出す時に、「嫌な気持ちが全部出ていくよ」「かゆみが飛んでいくよ」といったイメージの言葉をかけながら行わせると良いでしょう。

   • これを5回程度繰り返します。特に寝る前や、感情が乱れている時に行うと、リラックス効果が高まり、気の滞りが解消されやすくなります。

4. 足底への意識集中（親子で）：

   • 親御さんがお子さんの足の裏を優しくトントンと叩いてあげたり、撫でてあげたりします。

   • 「足の裏から、今日あった嫌なこと、かゆい気持ち、全部出ていくよ」などと声をかけながら行います。

   • これは、頭に上った気を足元に下ろす「降気」の効果を助け、心を落ち着かせます。夜間の不眠の際に、これを試すと、お子さんのリラックスを促し、眠りへと誘う助けになります。

小学生のアトピー性皮膚炎による「眠れない」という症状は、単なる皮膚の問題だけでなく、その成長期の体の気の巡りや臓腑のバランス、そして親御さんの心身の状態が深く関わっている症状です。東洋医学の深い知恵と気功の実践を通して、ご自身と、そしてお子さんの内なる力を引き出し、本来の健やかさと心の平和、そして穏やかで深い眠り、充実した学校生活を取り戻すことができると信じています。

私もこの20年、多くのお子さんと親御さんが、ご自身の体と心の声に耳を傾け、地道な努力を続けることで、夜間のかゆみが和らぎ、ぐっすり眠れるようになり、笑顔が増え、充実した日常を取り戻していく姿を目の当たりにしてきました。その回復力は、本当に素晴らしいものがあります。

あなたとあなたのお子さんも、ご自身の心と体に寄り添い、真の平穏への扉を開いてみませんか？