感情を抑えるとアトピーが悪化する?東洋医学が教える意外な関係
長年の臨床経験の中で、本当に多くの方々の心身の不調と向き合ってきましたが、近年、特に深く、そしてお悩みが深刻化していると感じるのが、アトピー性皮膚炎の中でも「感情を抑えがちなタイプ」の方々です。「言いたいことを我慢してしまうと、すぐに肌がかゆくなる」「ストレスを溜め込むと、肌が真っ赤になってしまう」「周りに心配をかけたくなくて、つらい気持ちを隠してしまう」……そんな切実な声を聞くたびに、その方々の痛みに、私自身の心が締め付けられる思いです。現代医学では、心身症という概念で心の状態が体に影響を及ぼすことが指摘され、ストレスマネジメントや心理療法と並行して皮膚科治療が行われますね。もちろん、専門的な医療は非常に大切ですし、適切な治療を受けていらっしゃる方も多いでしょう。
しかし、東洋医学の視点から見ると、この「感情を抑えるタイプ」の方がアトピー症状を悪化させるのには、明確な理由があります。単に精神的な問題が皮膚に影響を及ぼすだけでなく、私たちの体の中の「気(き)」や「血(けつ)」、そして五臓六腑のバランス、特に「肝(かん)」と「熱(ねつ)」の異常が深く関わっていることが見えてきます。今日は、そんなアトピー性皮膚炎における「感情を抑えるタイプ」の苦しみを東洋医学でどう捉え、そして私が長年実践してきた気功の知見を交えながら、皆さまが心のざわつきを鎮め、内なる安心感と健やかさを取り戻し、肌の状態が穏やかになるための一助となれば幸いです。
アトピー性皮膚炎の東洋医学的な理解:内なる「熱」と「湿」、そして「風」の現れ
まず、アトピー性皮膚炎について、東洋医学の基本的な考え方からお話ししましょう。現代医学では、皮膚のバリア機能の低下やアレルギー反応などが主な原因とされていますが、東洋医学では、体内の「熱(ねつ)」と「湿(しつ)」、そして「風(ふう)」といった邪気(病気の原因となるもの)が複雑に絡み合って皮膚に現れたものと捉えます。
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熱邪:体内にこもった過剰な熱が皮膚に現れると、赤み、炎症、熱感、かゆみといった症状を引き起こします。体の中から熱が湧き上がってくるようなものです。
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湿邪:体内の水分代謝の異常によって生じる粘り気のある邪気です。ジュクジュクした浸出液、水疱、皮膚のただれ、かゆみが強く出るなどの症状に関わります。体が余分な水分をうまく排出できていない状態です。
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風邪:風邪は、病変を移動させたり、かゆみのように症状が急に現れたり消えたりする性質を持っています。アトピー性皮膚炎の強いかゆみや、病変が広がる様子に関わります。
これらの邪気が、体の内側から発生し、あるいは外から侵入し、皮膚の表面に現れることで、アトピー性皮膚炎の様々な症状を引き起こすのです。
「感情を抑えるタイプ」のアトピー:東洋医学的な読み解き
さて、ここからが本題です。アトピー性皮膚炎の患者さんの中には、「感情を抑える」ことで肌の症状が悪化するという明確なパターンを持つ方が多くいらっしゃいます。東洋医学の観点から見ると、この心と肌の密接な関連性には、特定の臓腑の偏りや、気の巡りの特徴的な乱れが深く関わっていると考えることができます。
心と肌、そして感情は、東洋医学では深い繋がりがあります。特に「感情を抑える」という行為は、特定の臓腑に影響を与え、それが肌という「外側」に現れるのです。これはまるで、体という家の中で、心の窓が閉め切られ(感情の抑圧)、空気(気)がこもって熱が溜まり、その熱が壁(肌)にまで伝わってひび割れや炎症を起こすようなもの、とでも言いましょうか。
「感情を抑えるタイプ」のアトピーの背景には、主に以下の要因が複合的に絡み合っていると考えられます。
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肝鬱化火(かんうつかか)と血熱(けつねつ):「感情の滞り」と「血の熱」の複合が肌を刺激
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東洋医学において、肝は感情のコントロールや気の巡りを司ります。言いたいことを我慢したり、不満や怒りを心の中に溜め込んだりするなど、感情を抑圧する習慣は、肝の気の巡りを滞らせ、「肝鬱」となります。気が鬱滞すると、それが熱に変化し(肝鬱化火)、血に影響を与え、「血熱(けつねつ)」を生じやすくなります。
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この肝火や血熱は、性質上、全身、特に頭部や顔面、体の上部、あるいはイライラしやすい手足の関節の内側に激しい赤み、熱感、強いかゆみ、乾燥した皮膚、あるいはジュクジュクとした炎症を引き起こします。
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特に、ストレスを感じると肌のかゆみや赤みが強くなる、イライラすると症状が悪化する、夜間にかゆみが増す、という方は、この肝鬱化火や血熱が強く関わっていると考えられます。感情が安定しないと、肌の炎症も治まりにくく、悪循環に陥りやすいです。
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以前、ある方が「職場で言いたいことが言えずに我慢していると、すぐに顔が真っ赤になってかゆみがひどくなる。家でも夫に本音を言えず、イライラが募って夜も眠れないし、本当に辛い」とお話しされていました。まさに肝鬱化火による感情の抑圧と肌症状の関連の典型例でしたね。
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心脾両虚(しんぴりょうきょ):「気の使いすぎ」による心身の疲弊と不安
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脾は消化吸収を司り、心身のエネルギー源である「気」や「血」を作り出す中心です。また、思考や思慮を主るとも言われます。「感情を抑えるタイプ」の人は、周りに気を遣いすぎたり、相手の顔色を伺いすぎたり、自分の気持ちを押し殺して完璧を求めすぎたりする傾向があり、これが脾に大きな負担をかけます。
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脾が弱り、気血が不足すると、心が栄養不足で不安定になり、些細なことにも動揺しやすくなります。この精神的な不安定さが、不安をさらに増幅させ、肌のバリア機能も低下させることで、皮膚症状を悪化させます。
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また、血は皮膚に潤いと栄養を与える大切な物質です。血が不足すると皮膚が乾燥し、かゆみが強くなります。心身の疲弊で血の巡りが悪くなることも、皮膚症状悪化につながります。
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このタイプの方は、疲労感、倦怠感、食欲不振、顔色が悪い、物忘れ、眠りが浅いなどを伴うことが多いです。
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腎精不足(じんせいぶそく):「生命力の消耗」と「回復力の遅延」
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長期間にわたる感情の抑圧、ストレス、睡眠不足、過労などは、腎の精気(生命エネルギーの根源)を消耗させます。
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腎精が不足すると、生命力が低下し、漠然とした不安感や恐怖心が強まります。この根源的な不安は、肌症状を悪化させるだけでなく、皮膚の回復力そのものを低下させます。症状が治りにくい、体が疲れやすいといった状態は、腎精不足のサインでもあります。
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感情を抑え続けることは、体力を消耗させる大きな要因であり、これが腎精の枯渇を招き、アトピー症状の悪化につながるのです。
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痰熱内擾(たんねつないじょう):「飲食の不摂生」と「心のモヤモヤ」が肌に現れる
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感情を抑圧することで、ストレスから暴飲暴食に走ったり、甘いものや脂っこいものをたくさん食べてしまったりすることがあります。これらの飲食の不摂生や、長期的な精神的ストレスは、体内に「痰」というドロドロした邪気と、それに伴う熱(痰熱)を生み出し、心神を乱します。
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頭の中がモヤモヤする、スッキリしない、あるいはイライラや不安が頭から離れないと感じる場合、この痰熱が心の竅(きょう:穴、通路)を塞ぎ、正常な精神活動を妨げている可能性があります。
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この痰熱が皮膚に現れると、ジュクジュクした浸出液、強い赤み、かゆみとして現れることもあります。感情を抑え込んだ時に、肌がべたつく、汁が出る、といった症状が出る方は、このタイプが疑われます。
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以前、ある方が「イライラしても言えずに我慢していると、頭がモヤモヤするし、すぐに全身にかゆみが出て、掻くとジュクジュクするんです」とお話しされていました。問診すると、普段から甘いものをたくさん食べる傾向があり、体も重だるいとのこと。まさに痰熱内擾による感情の抑圧と肌症状の関連の典型例でしたね。思わず「それはお辛いでしょう」と心の中でつぶやきました。
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このように、「感情を抑えるタイプ」の方がアトピー症状を悪化させる背景には、単なる気の持ちようの問題や皮膚の問題ではなく、東洋医学的な視点からは、肝、心、脾、腎といった複数の臓腑の機能失調と、それに伴う熱、湿、気血の不足といった邪気の停滞が複雑に絡み合って生じていると考えることができます。心の状態と体の状態は、常に密接に影響し合っているのです。
気功が導く、心身の調和と思考の鎮静、そして心の解放
私が長年、多くの患者さんに指導し、その効果を実感してきたのが気功です。気功は、呼吸、姿勢、そして意識を合わせることで、私たちの中に流れる気を整え、心身のバランスを取り戻す養生法です。薬のように即効性があるわけではありませんが、継続することで、根本的な体質改善へと導いてくれます。手技は一切使いませんが、その効果は多くの患者さんが証明しています。
アトピー性皮膚炎で「感情を抑えるタイプ」の方にお悩みの方にとって、気功はまさに心強い味方となり得るでしょう。その理由は、気功が東洋医学的な根本原因に直接アプローチし、心と体のバランスを整え、感情の滞りを解消し、肌の状態を回復させることに特化しているからです。
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肝の気の巡りを整え、感情の滞りと熱を解消する:
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感情の抑圧によるストレスは、肝の熱を増幅させ、肌症状を悪化させます。気功のゆったりとした動きや深い呼吸法は、全身の気の巡りをスムーズにし、停滞した気を流し、特に上へとのぼりやすい熱の気を下ろし、体の中心や足元へと落ち着かせるのに役立ちます。これにより、心身の興奮が鎮まり、イライラ、焦燥感が軽減され、かゆみや赤みが和らぎます。
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肝の気の滞りを解消し、感情をスムーズに表現できるようになることで、ストレスへの抵抗力を高めます。これは、無理に感情を出すのではなく、気が整うことで自然に心が解放されていく感覚です。
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心脾を養い、気血を充実させ、精神的な安定を促す:
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感情の抑圧や気を使いすぎることによる脾の消耗は、気血の不足につながり、肌症状や疲労を悪化させます。気功の呼吸法と動作は、脾胃の機能を高め、消化吸収を助ける効果も期待できます。脾胃が健やかになれば、必要な気と血が効率的に生成され、心神が養われ、精神的な安定につながります。
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心が安定することで、感情を抑え込む必要性が和らぎ、肌の状態への過剰な意識も減っていきます。
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腎精を補い、生命力を回復し、根源的な不安を癒す:
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長期にわたる感情の抑圧は、腎精を消耗させ、深い疲労感と肌の回復力の低下を招きます。気功は腎の機能を高め、腎精を養うことにもつながります。
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腎精が補われることで、生命力が回復し、深いレベルでの疲労感が改善されます。これにより、漠然とした不安感や恐怖感が和らぎ、内なる安心感が育まれます。この安心感が、感情を抑え込まなくても大丈夫だという自信につながります。
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自律神経のバランスを調整し、心身の過緊張を解く:
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感情を抑えるタイプの方は、常に心身の緊張が強く、交感神経が優位になっていることが多いです。これが肌の炎症やかゆみを増幅させ、不眠につながります。
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気功の深い腹式呼吸や、ゆったりとした動作は、副交感神経を優位に導き、心身を深いリラックス状態へと誘います。これにより、自律神経の乱れが整い、心身の過緊張が和らぎ、無理に感情を抑え込むことによる肌の悪化が軽減され、質の良い睡眠が取れるようになることが期待できます。これは、夜寝る前に12杯のコーヒーを飲んでも眠れなかった人が、穏やかに眠りにつけるようになるようなものです。
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継続的な気功の実践は、その方の体質そのものを良い方向へと導きます。良い土壌ができれば、自然と良い作物が育つように、体質が改善すれば、感情を抑え込むことによる苦しみも和らぎ、肌の状態も改善し、アトピー症状全体が軽減され、より穏やかで自分らしい日常を送れるようになるのです。
日常でできる養生と気功のヒント:感情を解放し、肌を癒すために
アトピー性皮膚炎における「感情を抑えるタイプ」の症状を改善し、心の穏やかさを取り戻すために、日常生活でできる養生と、手軽にできる気功のヒントをお伝えします。
食養生で心身の土台を作る
食事は、私たちの体を作り、気を生み出す源です。特に肝と心を養い、脾胃を助け、腎を補い、熱と湿を減らす食事を心がけましょう。
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肝と心を養い、熱を冷まし、気の巡りを良くする食材:セロリ、きゅうり、トマト、苦瓜(ゴーヤ)、緑豆、豆腐、卵、しじみ、鴨肉、菊花、ミカンや柚子などの柑橘類、春菊、シソ、香草など。感情の抑圧やイライラを感じやすい時に意識的に摂りましょう。
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脾胃を助ける食材:山芋、蓮根、米、大豆製品、かぼちゃ、キャベツなど。消化に良く、脾の働きを助け、気血の生成を促します。気を使いすぎることによる疲労感がある方におすすめです。
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血を補う食材:なつめ、竜眼肉(ドライフルーツ)、プルーン、ほうれん草、レバー、赤身肉など。これらは心神を養い、精神を安定させる効果が期待できます。
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腎を補う食材:黒ごま、黒豆、くるみ、山芋、海藻類(特に昆布、わかめ)、エビ、豚肉など。腎精を補い、深いレベルでの疲労回復と、根源的な不安の軽減を促します。
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痰を減らす食材:ハトムギ、冬瓜、大根、きゅうり、緑豆など。利水作用や痰を排出する作用が期待できます。特に頭のモヤモヤ感や胸のつかえ感がある時に良いでしょう。
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刺激物を避ける:辛いもの、脂っこいもの、揚げ物、コーヒー、アルコール、チョコレート、乳製品、甘いもの(特に白砂糖を使ったもの)、香辛料は、胃腸に負担をかけ、痰や熱を生み出し、肝火を助長するため、控えめにしましょう。これらは、感情の抑圧による心身の興奮や肌の悪化を増幅させる可能性が高いです。日中に12杯のコーヒーを飲んでいる方も、ストレスを感じやすい時期はノンカフェイン飲料に切り替えるのがおすすめです。
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規則正しい食事:毎日決まった時間に食事を摂ることで、胃腸のリズムが整いやすくなります。寝る前の食事は、消化器系に負担をかけ、熱や湿をこもらせるので、就寝の2~3時間前までには済ませるのが理想ですし、軽い消化の良いものにしましょう。
心身のリラックスを促す習慣:感情を解放するための心のケア
感情を抑えるタイプの方が肌の症状を改善し、心の穏やかさを取り戻すためには、心身がリラックスできる環境を整え、ストレスを適切に管理し、感情を解放する練習が不可欠です。
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ストレス管理と感情の表現:ストレスはアトピーの症状、特に感情の抑圧による悪化の大きな引き金となります。感情を安全な形で表現する機会を持つことが大切です。信頼できる人に話を聞いてもらう、日記を書く、絵を描く、歌を歌う、適度に運動するなど、自分なりのストレス解消法を見つけ、こまめに実践することが大切です。
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質の良い睡眠環境:睡眠は肌の再生と心身の回復に最も重要です。十分な睡眠時間を確保し、規則正しい睡眠リズムを心がけましょう。寝室は静かで暗く、適度な温度に保ちます。夜間に掻きむしるのを防ぐために、寝る前に爪を短く切る、綿の手袋を着用するなどの工夫も有効ですす。
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肌への刺激を避ける:お風呂の温度はぬるめにし、熱すぎるお湯は赤みやかゆみを増悪させるので避けます。体を洗う際は、低刺激の石鹸を使用し、優しく洗いましょう。タオルでゴシゴシ拭かず、優しく押さえるように水分を拭き取ります。症状のある部分は清潔に保ち、通気性の良い綿素材の衣類を着用しましょう。
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保湿を徹底する:乾燥はかゆみを増悪させます。お風呂上がりや寝る前など、こまめに保湿剤を塗り、皮膚のバリア機能をサポートしましょう。
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規則正しい生活:毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる。これはシンプルですが、体内時計を整える上で非常に重要です。規則正しいリズムは、心身の安定につながり、症状の安定にも役立ちます。
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軽い運動と自然との触れ合い:ウォーキングやストレッチ、ヨガなど、軽い運動は気の巡りを良くし、心身のリラックス効果を高めます。特に、自然の中で行うウォーキングは、気の巡りを改善し、心を落ち着かせ、肌の健康にも良い影響を与えます。体を動かすことで、鬱滞した気が解放されることもあります。ただし、激しい運動は、かゆみや赤みを増悪させることがあるので、汗をかきすぎない程度にしましょう。
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入浴習慣:就寝の1時間前くらいに、38~40℃くらいのぬるめのお湯にゆっくり浸かりましょう。湯船に浸かることで副交感神経が優位になり、リラックス効果が高まります。
気功で気を巡らせ、心を穏やかに、活力を回復:ご自身でできる実践法
ここでは、ご自宅で簡単にできる気功のヒントをいくつかご紹介します。難しい型を覚える必要はありません。大切なのは、呼吸と意識を集中させることです。無理のない範囲で、短い時間から始めてみてください。
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静坐瞑想:
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椅子に座るか、床にあぐらをかいて座ります。背筋を軽く伸ばし、肩の力を抜いてリラックスします。
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軽く目を閉じ、意識を呼吸に集中させます。鼻から息を吸い込み、口からゆっくりと吐き出す。
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呼吸のたびに、体が緩んでいくのを感じ、心の中のざわつきが次第に収まっていくのをイメージします。
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5分から始めて、慣れてきたら15分程度行ってみましょう。特に感情が滞っていると感じる時や、肌のかゆみや赤みが気になる時、心が落ち着かない時に行うと、心が落ち着きやすくなります。
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抱球式の簡易版:
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軽く膝を緩めて立ちます。両腕を胸の前で軽く曲げ、まるで大きなボールを抱えているような形を作ります。
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肩の力を抜き、腕の間に空間があるのを意識します。
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呼吸は自然に任せ、体の中心に意識を集中します。
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数分間、この姿勢を保つだけでも、気の巡りが良くなり、心身が安定するのを感じられるでしょう。特に、漠然とした不安やイライラが気になって心が落ち着かない時に試してみてください。
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吐納法:
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楽な姿勢で座るか、立ちます。
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鼻からゆっくり息を吸い込み、お腹を軽く膨らませます。
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口をすぼめ、「フーッ」と細く長く息を吐き出します。息を吐き出す時に、体の中の不要なもの、ストレス、不安、胸の苦しさ、そして抑圧された感情やイライラなどが全部出ていくイメージで行います。
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これを10回程度繰り返します。特に感情を解放したい時や、寝る前に行うと、リラックス効果が高まり、気の滞りが解消されやすくなります。
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足底への意識集中:
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椅子に座るか、立った状態で、足の裏全体が地面にしっかりついているのを感じます。
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呼吸をするたびに、頭のてっぺんから新鮮な気が入り、足の裏から余分な気が抜けていくイメージを持ちます。
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特に、イライラで頭に血が上っているような感覚や、肌がほてってかゆみが強い時に有効です。気を下に下ろす効果が期待できます。体の上部に集中しがちな熱や興奮を体全体に分散させ、地に足をつける感覚を取り戻す助けになります。
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アトピー性皮膚炎における「感情を抑えるタイプ」の症状は、単なる気の持ちようの問題や皮膚の問題ではなく、心身全体の気の巡りや臓腑のバランスが深く関わっている症状です。東洋医学の深い知恵と気功の実践を通して、ご自身の内なる力を引き出し、本来の健やかさと心の平和、そして穏やかで美しい肌を取り戻すことができると信じています。
私もこの20年、多くの患者さんが、ご自身の体と心の声に耳を傾け、地道な努力を続けることで、感情の抑圧から解放され、肌の状態が改善し、笑顔が増え、充実した日常を取り戻していく姿を目の当たりにしてきました。その回復力は、本当に素晴らしいものがあります。
あなたも、ご自身の心と体に寄り添い、真の平穏への扉を開いてみませんか?