
動悸が続くとき、東洋医学ではどう考えますか|福岡市・常若整骨院
結論から言うと、動悸が続くのは心臓そのものの異常ではなく、腎の力が落ちて心の火を抑えられなくなっているサインだと東洋医学では考えます。
原因は何か。腎という回復の貯金が減り、心の興奮を鎮められなくなっていることです。
整体でできることは何か。腰から下を温め、呼吸を深くし、心を燃やし続けている緊張をゆるめることです。
この記事は誰向けか。病院で検査を受けて異常がないと言われたのに、動悸だけが続いている方へ向けて書きます。
動悸が続くとき、東洋医学ではどう考えますか
結論として、東洋医学では動悸が続く状態を「腎の力が落ち、心の火を抑えきれなくなっている状態」として見ます。腎とは、体を静かに落ち着かせるための回復力の貯金のようなものです。心とは、血を巡らせ興奮や熱を生み出す働きを持つ臓です。本来この二つはお互いにバランスを取り合っていて、心が興奮しても腎が水のように冷まし、落ち着かせています。
ところが長く続くストレスや寝不足、緊張しやすい生活が続くと、腎の貯金が少しずつ減っていきます。すると心の興奮を冷ます水が足りなくなり、心の火だけが燃え続けるような状態になります。これを東洋医学では腎陰虚心火亢進と呼びます。当院で25,000人の患者さんと向き合ってきた中でも、動悸を訴える方の多くにこのパターンが見られます。検査では異常が出ないのに動悸だけが残るのは、臓器そのものが壊れているのではなく、臓器と臓器のバランスが崩れているためだと考えると説明がつきます。
なぜ検査で異常がないのに動悸が続くのですか
結論として、心臓の構造や数値に異常がなくても、自律神経のアクセルとブレーキの切り替えがうまくいかないと動悸は続きます。自律神経とは、体のアクセルとブレーキのような働きをする神経です。緊張したときはアクセル役の交感神経が働き、心拍数を上げます。本来はリラックスするとブレーキ役の副交感神経に切り替わり、心拍は落ち着きます。
しかし緊張状態が長く続くと、このアクセルからブレーキへの切り替えそのものが鈍くなります。医学的な情報を確認すると、脈が一瞬飛ぶような感覚を伴う期外収縮は健康な成人の8割から9割に見られる自然な反応で、1日100回程度は正常範囲とされています。それでも本人にとっては強い不安を伴い、何度も検査を受けたくなるほどつらいものです。交感神経が過剰に働き続けることで心筋が興奮しやすい状態になり、動悸として感じられやすくなる、という説明は医学的にも共通しています。東洋医学で言う心の火が収まらない状態と、自律神経のアクセルが戻らない状態は、同じ現象を別の言葉で説明していると私は考えています。
東洋医学でいう「腎」と動悸にはどんな関係がありますか
結論として、腎は回復力の貯金であり、腎が減ると心の興奮を抑える力そのものが弱くなります。東洋医学の腎は、西洋医学の腎臓だけを指すのではなく、生まれ持った生命力や、年齢とともに使われていく回復の土台全体を指します。腎の力が十分にあるときは、多少の緊張や興奮があってもすぐに落ち着きを取り戻せます。
腎が消耗すると、この落ち着きを取り戻す力そのものが弱くなります。長年ストレスがかかりっぱなしの人や、もともと心配性で気を張りやすい人ほど、腎の消耗が進みやすく、動悸が長引きやすい傾向があります。逆に、元々体力があり大らかな人は同じ緊張があっても回復が早いことを、私は臨床の中で繰り返し見てきました。これは怠けているかどうかの差ではなく、腎という土台がどれだけ残っているかの差です。
動悸が続く人にはどんなタイプがありますか
動悸が続く方を東洋医学の視点で見立てると、大きく三つの証に分かれます。ご自身に近いものがないか確認してみてください。
腎陰虚心火亢進型は、疲れているのに眠りが浅く、昼間にふとした瞬間に胸がドキドキする方に多いタイプです。手足がほてりやすく、のぼせを伴うこともあります。
心血虚型は、動悸に加えて顔色が白っぽく、めまいや立ちくらみを伴いやすいタイプです。血そのものが不足し、心を十分に養えていない状態です。産後や生理の出血が多い方に見られることがあります。
肝気鬱滞型は、怒りや不満を飲み込みやすい方に多く、胸やみぞおちが詰まった感じとともに動悸が出るタイプです。感情を我慢するほど気の巡りが滞り、その圧が心に向かうことで動悸として現れます。
三つのタイプに共通する引き金は、神経が張り詰めている状態、スマートフォンの見すぎ、そして空腹時に甘いものを単体で食べることです。血糖が急に上がって急に下がると、体は交感神経を使って血糖を持ち上げようとします。この反応が動悸や不安、手の震えと同じ形をしていることは、臨床で何度も確認してきました。
福岡市で動悸に整体はどこまでできますか
結論として、整体では自律神経の働きを整えやすい身体づくりと、腰から下を温めて腎の負担を減らすことができますが、心臓そのものの病気を判断したり治療したりすることはできません。動悸の背景に不整脈や心臓の疾患、甲状腺の異常など医療的な原因が隠れている場合もあるため、まずは医療機関での検査を優先していただきます。
そのうえで検査に異常がなく、自律神経や体の緊張が関係していると考えられる場合、整体では首から背中にかけての緊張をゆるめ、呼吸を深くしやすい体の状態を作ります。横隔膜の動きが浅いと呼吸が鎖骨のあたりだけで止まり、常に体が緊張のスイッチを入れたままになりやすいためです。腰やお腹まわりを温めることで、消耗した腎を補いやすい状態に近づけることも、施術の目的の一つです。
常若整骨院では動悸をどう見ていますか
私は問診の際、動悸がいつ、どんな場面で出るかを丁寧にお聞きします。仕事中の緊張する場面で出るのか、夜眠ろうとしたときに出るのか、あるいは特に理由もなく昼間に出るのかによって、体のどこが消耗しているかが変わってくるためです。触れて確認すると、動悸が続いている方は首の付け根から肩甲骨の内側にかけてが板のように硬くなっていることが多く、腰から下は逆に冷えて力が入りにくくなっていることがよくあります。
カウンセリングでは、症状そのものだけでなく、睡眠の質や食事の時間、日々のストレスの受け止め方も合わせてお聞きします。動悸は体からの警報であり、悪いものではありません。無理をし続けてきた体が、これ以上は難しいと知らせているサインとして受け止め、そのうえで施術とセルフケアの両方から回復しやすい身体づくりをサポートしています。
動悸が続く人が意識するといいツボはありますか
内関という、手首の内側、手首のしわから指幅三本分ひじ側に上がったところにあるツボは、心の興奮を鎮める働きがあるとされ、動悸を感じたときに軽く押すと落ち着きやすくなります。
神門という、手首の小指側、手のひら側のしわの上にあるくぼみも、心を静める代表的なツボです。緊張しやすい場面の前に軽くさすっておくのも一つの方法です。
太渓という、内くるぶしの頂点とアキレス腱の間にあるくぼみは、腎の力を補うツボとされています。腰やお腹を温めるのと合わせて、寝る前に温めるとより効果的です。
実際に動悸が落ち着いてきた方はどんな経過でしたか
40代の会社員の女性は、会議や人前で話す前になると動悸が強くなり、心療内科を受診しても異常なしと言われていました。問診で首と肩の緊張が強いことがわかり、施術で首から背中の緊張をゆるめながら、呼吸を深くする練習と腰を温める習慣を提案したところ、数週間で緊張する場面での動悸の頻度が減ってきたと話してくださいました。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
30代の男性は、育児と仕事の両立で慢性的な寝不足が続き、夜眠ろうとすると胸がドキドキして眠れない日が増えていました。腎の消耗が強く出ているタイプと判断し、腰とお腹を温める施術と、寝る前のスマートフォンを控える提案を続けたところ、少しずつ寝つきが安定してきたと報告を受けています。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
50代の更年期の女性は、ほてりと動悸が同時に出ることが多く、いつ発作のような症状が来るか不安で外出も控えがちになっていました。腎陰虚心火亢進型の典型的な経過で、施術とあわせて甘いものの摂り方を見直していただいたところ、少しずつ落ち着ける時間が増えてきたとのことでした。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
動悸は自宅でどうケアすればいいですか
一つ目は、空腹時に甘いものだけを単体で食べないことです。食後のデザートにするだけでも、血糖の急な上下を減らせます。二つ目は、寝る一時間前にスマートフォンを置くことです。三つ目は、腰とお腹を湯たんぽや腹巻きで温めることです。
三つ挙げましたが、どれか一つからで十分です。すべてを毎日きっちりやろうとすると、それ自体が新しい緊張になり、かえって心の火を煽ってしまいます。できなかった日があって当然です。まじめな方ほど自分を責めがちですが、まじめさが悪いのではなく、そのまじめさの向け先が違うだけです。できた日を一つでも数えるくらいの気持ちで続けてみてください。
病院と整体、どちらに行くべきか迷ったらどうすればいいですか
初めて強い動悸を感じたとき、胸の痛みや息苦しさを伴うとき、意識が遠のく感覚があるとき、脈が異常に速い、または遅い状態が続くときは、まず医療機関を受診してください。体重減少や発熱が続く場合、甲状腺の病気が隠れていることもあります。整体は医療行為ではなく、診断や治療を行う場所ではありません。
すでに循環器内科などで検査を受けて異常がないと言われ、それでも動悸が続いて生活に支障が出ている場合は、自律神経やストレスの影響を疑い、整体でのケアを検討する価値があります。持病があり通院中の方は、施術を受ける前に主治医に相談していただくことをおすすめします。日本心臓財団でも、検査で異常がない動悸の背景に自律神経の関与が指摘されています。自律神経の乱れ全般については、こちらの記事でも詳しく書いています。自律神経の記事
よくあるご質問
動悸は東洋医学の施術で落ち着きますか?
体の緊張がゆるみ、自律神経の切り替えがしやすくなることで、動悸の頻度が落ち着いてくる方は多くいらっしゃいます。ただし効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
動悸が続くのは心配性のせいですか?
心配性という性格の問題ではなく、緊張が続くことで腎の力が消耗し、心の興奮を抑えにくくなっている体の状態です。性格を責める必要はありません。
動悸と甘いものにはどんな関係がありますか?
空腹時に甘いものだけを食べると血糖が急に上下し、その反応が動悸や不安と似た形で現れることがあります。食後に少量から始めることをおすすめします。
更年期の動悸も同じ考え方ですか?
更年期は腎の力が自然に変化する時期のため、腎陰虚心火亢進の状態になりやすく、動悸やほてりが同時に出やすくなります。基本的な考え方は共通しています。
動悸とパニック障害は関係がありますか?
強い動悸をきっかけに、また同じことが起きるのではという不安が先に立ち、外出を避けるようになる方もいます。パニック障害については、こちらの記事でも詳しく書いています。パニック障害の記事
何回くらい通えば変化を感じられますか?
体質や消耗の度合いによって差がありますが、まずは数回、体の反応を見ながらセルフケアと合わせて経過を確認していただくことをおすすめしています。
子どもの動悸にも同じ考え方は当てはまりますか?
成長期の子どもは大人とは体の状態が異なるため、まずは小児科での確認を優先し、そのうえで生活面のケアを一緒に考えていく形になります。
寝る前の動悸で眠れないときはどうすればいいですか?
腰やお腹を温め、深く長く息を吐くことを意識すると、副交感神経が働きやすくなります。眠れない焦りそのものが新たな緊張を生むため、眠れなくても横になっているだけでよいと考えてみてください。
動悸と息切れが同時にあるのは危険ですか?
安静時にも息切れが続く、または動悸と胸の痛みが同時にある場合は、自己判断せず医療機関を受診してください。
気功も動悸のケアに関係がありますか?
呼吸や体の緊張のゆるめ方の一つとして関わる部分はありますが、まずは東洋医学の見立てと施術を軸にご説明しています。
薬を飲みながら整体に通ってもいいですか?
問題ありません。服薬の内容や体調の変化は施術前にお聞かせください。
まとめ
福岡市で動悸が続いていて、病院では異常がないと言われたけれどつらさが残っている方へ。その動悸は、心が弱いからでも、気にしすぎているからでもありません。長く緊張を抱えてきた体が、腎という回復の貯金を使い果たしかけているサインです。一人で抱え込まず、まずは腰から下を温め、呼吸を深くすることから始めてみてください。当院では丁寧なカウンセリングと施術、そして続けやすいセルフケアの提案を通じて、回復しやすい身体づくりをサポートしています。
院長プロフィール
冨高誠治(とみたか せいじ)。柔道整復師・鍼灸師。施術歴20年、25,000人の患者さんを施術してきました。福岡市早良区、西新駅から徒歩圏の常若整骨院院長。東洋医学の見立てをもとに、自律神経の働きを整えやすい身体づくりをサポートしています。
季節ごとの体の整え方を、メールでお届けしています。よければ、どうぞ。
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