起立性調節障害は小児科と整体、どちらに行くべきですか

結論から言うと、まず小児科です。そのうえで、小児科での診断・除外診断が終わってから、生活の土台を整える手段として整体を併用する、という順番が一番安全で一番早く楽になります。

要点は次の3つです。原因は何か、起立性調節障害は自律神経の切り替えがうまくいかず、朝に全身へ血液と気力が巡らない状態であること。小児科と整体でできることは何か、小児科は貧血や心臓の病気など別の病気を除外し、重症度を診断する役割、整体は診断のついたあとの生活リズムと体の緊張をゆるめ、回復しやすい土台をつくる役割であること。この記事は誰向けか、朝起きられないお子さんを持つ保護者の方、すでに小児科にかかっているけれどこの先どうすればいいか迷っている方向けです。

起立性調節障害は、まず小児科に行くべきですか

結論として、朝起きられない、立ちくらみがする、午前中だけ体調が悪いという訴えが続くなら、最初の相談先は小児科です。

理由は単純で、起立性調節障害とよく似た症状を出す病気が他にもあるからです。貧血、心臓の病気、てんかん、甲状腺などのホルモンの病気でも、朝起きられない、立ちくらみがするという訴えが出ることがあります。これらを見分けずに「起立性調節障害だろう」と決めつけてしまうと、本当に必要な対応が遅れます。整体は医療機関ではないので、血液検査や心電図はできません。ここは小児科の役割です。

当院に相談に来られる保護者の方の中にも、最初から整体だけで何とかしようとして来院される方がいます。ですが、まだ小児科を受診していない場合は、先に受診をすすめています。回り道に見えて、実はいちばんの近道です。

小児科では何を診断してくれるのですか

結論として、小児科では他の病気を除外したうえで、新起立試験という検査で起立性調節障害のタイプを調べてくれます。

新起立試験とは、10分以上横になって休んだあとに血圧と脈拍を測り、そこから立ち上がったあと、血圧がどのくらい下がり、どのくらいの時間で元に戻るかを見る検査です。この検査は朝の時間帯に受けるのが望ましいとされており、初診のその日にはできないこともあります。何回か通ってはじめて診断がつく、という流れ自体が、保護者の方にとってはもどかしく感じられる部分かもしれません。

診断の際には、立ちくらみ、朝起き不良、気分不良、倦怠感など11項目の症状のうち、いくつ当てはまるかも見られます。3つ以上、または強く疑われるものが2つあれば、起立性調節障害が疑われる、という基準です。あわせて、貧血やその他の病気が隠れていないかの血液検査も行われます。

学校との連携が必要な場合は、学校生活管理指導表という書類を使って、体育の見学や遅刻の扱いについて、学校側と共有する仕組みもあります。これは整体では用意できない、医療機関ならではの役割です。

小児科に通っても良くならない場合、何が起きているのですか

結論として、薬や診断だけでは、体にたまった疲れそのものは抜けないケースがあります。

当院に来られる前に、すでに小児科で診断を受け、薬も処方されていたという方は少なくありません。それでも朝起きられない状態が続いていたという相談を、現場で何度も受けてきました。東洋医学では、この状態を「腎」という回復力の貯金が底をついている状態として見ます。腎は、やる気や目標そのものを蓄える場所だと考えられており、腎が弱ると、体が動かないだけでなく、意欲そのものが落ちていきます。

朝5時前後は、体温がもっとも低くなる時間帯です。もともと体のアクセルが上がりにくい時間に、腎という貯金まで減っていると、起き上がる力そのものが出てきません。これは怠けではなく、火種が足りない状態だと捉えています。小児科の検査で「異常なし」「軽症」と言われたとしても、体の中の貯金が減っているという事実は、検査の数値だけでは見えてこないことがあります。

整体では何をするのですか、小児科と何が違うのですか

結論として、整体は診断や投薬を行う場所ではなく、体の緊張をゆるめ、自律神経が働きやすい状態に整えるサポートをする場所です。

小児科が「何の病気か」「どの程度の重症度か」を見極める役割だとすれば、整体は「その診断がついたあと、日々の生活の中で回復しやすい体にどう近づけるか」を一緒に考える役割です。当院では、まずカウンセリングで、学校生活や家庭での負担、睡眠やスマートフォンの使い方といった生活リズムを丁寧にうかがいます。そのうえで、首や背中、お腹まわりの緊張をゆるめる施術を行い、自律神経の働きやすい土台づくりをサポートしています。

整体による施術や経絡の調整については、現時点で医学的に効果が証明されているわけではありません。ここは正直にお伝えしておきたい部分です。そのうえで、生活の土台を整える手段のひとつとして、多くの方に活用いただいています。

小児科と整体、両方に通うことはできますか

結論として、両方に通うことは可能です。むしろ、診断がついたあとの期間は、両方を組み合わせている方のほうが多い印象です。

当院に来られる方の多くは、小児科で検査を受け、薬を処方されながら、生活面のサポートとして整体を併用しています。小児科での通院をやめて整体だけに切り替える、という考え方はおすすめしていません。心理的な要因が強く疑われる場合や、学校との調整がより必要な場合には、小児科から心療内科や心理の専門職につながることもあります。そうした医療の連携は、整体には代われない部分です。

実際に、強いめまいで意識が遠のく、激しい頭痛や胸の痛みがある、急激に体重が減っている、といった症状がある場合は、整体でのケアより先に、必ず医療機関を受診してください。新起立試験を含めた医学的な評価が優先されるべき場面です。

福岡市で整体を探すとき、何を見ればいいですか

結論として、起立性調節障害に関する相談実績があるかどうか、そして小児科への受診を前提に話を聞いてくれるかどうかを見てください。

整体院の中には、小児科の受診を軽視し、整体だけで良くなると打ち出しているところもあります。そうした院は避けたほうが安全です。良い整体院は、医療機関との役割分担をはっきり説明したうえで、できることとできないことを正直に伝えてくれます。カウンセリングの時間が十分に取られているか、お子さん本人だけでなく保護者の話も聞いてくれるか、という点も判断材料になります。

常若整骨院では起立性調節障害をどう見ていますか

当院では、起立性調節障害を、体力と意欲という2つの貯金が同時に底をついている状態として見ています。カウンセリングでは、学校生活、部活動、家庭での関わり方まで含めてうかがい、そのうえで施術とセルフケアをセットでお伝えしています。

これまでの相談で感じているのは、お子さん本人の回復は、親御さんの関わり方に大きく左右されるということです。過保護や過干渉になりすぎると回復が遅くなりやすく、保護者の方が落ち着いて見守れていると、回復が早い傾向があります。これは断定できる話ではありませんが、現場で繰り返し見てきた傾向です。

東洋医学では起立性調節障害をどう考えるのですか

東洋医学とは、体を部分ではなく全体のつながりとして見る、古くからの考え方です。その中で、腎とは、生まれ持った体力や回復力を蓄える貯金箱のような場所だと考えられています。

起立性調節障害の多くは、この腎の貯金が減っている状態として見ます。目標やゴールがあるお子さんのほうが、回復が早い傾向があるのも、腎が意欲そのものと結びついているからだと考えています。ただし、目標がないお子さんが遅いと決めつけるのは違います。やりたいことが一つでも見つかると、体が動き始めることはよくあります。

体へのアプローチとしては、お腹や腰、足首を温めることが大切です。ツボでいえば、復溜(ふくりゅう)、内くるぶしの頂点からアキレス腱に向かって指2本ぶん上のあたりが、腎の働きを助けるとされる場所のひとつです。冷えやすい季節は、ここを温める、靴下を重ねるといった工夫も生活の中で取り入れやすい方法です。

自律神経と起立性調節障害はどう関係していますか

自律神経とは、体のアクセルとブレーキのような働きをする神経です。日中はアクセル役の交感神経が優位になり、夜はブレーキ役の副交感神経が優位になる、という切り替えを1日の中で行っています。

起立性調節障害では、朝、横になった状態から起き上がるときに必要な血圧の立ち上げが、うまくいかない状態が起きています。本来であれば、立ち上がった瞬間に血管が締まり、脳へ血液が届くように調整されますが、この切り替えが遅れることで、立ちくらみや強い倦怠感が出ます。自律神経のアクセルが踏み込みにくくなっている、とイメージするとわかりやすいかもしれません。

思春期は体が急激に成長し、ホルモンバランスも大きく変化する時期です。この変化のスピードに、自律神経の調整が追いつかなくなることも、起立性調節障害が思春期に多い理由のひとつとされています。

実際にどちらに相談して、どう経過した方がいますか

当院に実際に相談に来られた方の経過を、特定の個人がわからない形でご紹介します。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

10代男性のケースでは、朝起きることができず、片頭痛や気分の悪さも続いていました。病院で検査を受け、起立性調節障害、体位性頻脈症候群の重症型という診断を受け、薬も処方されていましたが、なかなか改善しなかったそうです。そこから当院でのカウンセリングと施術を重ねる中で、頭痛が落ち着き、学校に通える日が少しずつ増えていきました。カウンセリングの中で生活習慣を見直すきっかけになったことも、本人にとって大きかったようです。

10代女性のケースでは、朝お腹を壊してしまうこと、昼間に寝落ちしてしまうことが悩みでした。施術に加えて、生活の中でできるセルフケアを具体的に伝えたところ、朝のお腹の不調がなくなり、起きられる日が増えていきました。

別の10代女性のケースでは、登校できるか不安な状態が続いていました。「お医者さんも大事だけれど、見えない心に寄り添うことも、ひとつの方法だと思う」という言葉を、本人が残してくれています。病院を否定するのではなく、両方があることで前に進めた、という経過です。

自宅でできることはありますか

セルフケアとして、次の3つをお伝えしています。起こす前に、足首と腰を温めておくこと。夜、スマートフォンを置く時間を1つだけ決めること。お子さんが「やりたい」と言ったことを、できる範囲で支えること。

この3つを全部やろうとしなくて大丈夫です。どれか1つからで十分です。できない日があって当然です。まじめな保護者の方ほど、3つ全部をきちんとやろうとして、できなかった日に自分を責めてしまう傾向があります。その自責そのものが、お子さんにも伝わり、かえって体を緊張させてしまうことがあります。真面目さが悪いのではなく、真面目さの向け先が、少しだけ違うだけです。

保護者の方へのセルフケアとして、「起きなさい」という声かけを減らすこと、学校に行けたかどうかで1日を採点しないこと、そして何より、保護者の方自身が休む時間を持つことをおすすめしています。

よくあるご質問

起立性調節障害は何歳くらいに多いのですか?

小学校高学年から高校生にかけて多く、中学生でおよそ1割から2割、重症例を含めるとさらに多いという報告があります。思春期の成長とホルモン変化が背景にあるとされています。

午前中だけ調子が悪く、午後は元気なのですが、これも起立性調節障害ですか?

はい、このパターンは起立性調節障害の典型的な経過のひとつです。朝は自律神経の切り替えがうまくいかず、時間が経つにつれて体が整ってくるため、午後は動けることが多くあります。

新起立試験はどのくらいの時間がかかりますか?

横になって休む時間を含めて、30分前後かかることが多いです。朝の時間帯に行うのが望ましいとされているため、通院のタイミングによっては、後日あらためて検査になることもあります。

小児科を受診せずに、整体だけに通っても大丈夫ですか?

おすすめしていません。貧血や心臓の病気など、似た症状を出す別の病気が隠れている可能性があるため、まずは小児科での診断を受けてください。

整体に通えば、薬をやめられますか?

整体は薬の調整や中止を判断する立場にありません。薬の継続や減量については、必ず処方した医師に相談してください。

整体では具体的に何をするのですか?

カウンセリングで生活リズムや心の負担をうかがったうえで、首や背中、お腹まわりの緊張をゆるめる施術を行います。自律神経が働きやすい土台づくりをサポートする位置づけです。

施術は何回くらいで変化を感じますか?

個人差が大きいため一概には言えませんが、数回の施術を重ねる中で、朝の起きやすさに変化を感じる方もいらっしゃいます。回復のペースは、生活背景や症状の重さによって異なります。

学校生活管理指導表とは何ですか?

体育の見学や遅刻の扱いなど、学校生活での配慮事項を、医療機関が記入して学校に伝えるための書類です。学校との連携が必要な場合に、小児科で相談できます。

心療内科にかかったほうがいい場合もありますか?

心理的な要因が強く疑われる場合や、不登校が長引いている場合には、小児科から心療内科につながることがあります。これは医療機関の判断によるものです。

怠けているだけではないかと、つい思ってしまいますが、違うのですか?

その気持ちは自然なことですが、起立性調節障害は体の自律神経の働きの問題であり、怠けとは違います。これ以上頑張れないところまで、すでに無理を重ねてきている場合も少なくありません。

きょうだいで症状の出方が違うのですが、なぜですか?

体質や性格、置かれている環境がそれぞれ違うため、症状の出方や重さにも個人差があります。同じ家庭で育っていても、同じ経過をたどるとは限りません。

どのくらいの期間で学校に通えるようになりますか?

これも個人差が大きく、数か月で落ち着く方もいれば、もう少し時間がかかる方もいます。焦らず、生活の土台を整えていくことが遠回りのようで近道です。

急に悪化した場合は、どうすればいいですか?

強いめまいで意識が遠のく、激しい頭痛や胸の痛みがある、急激に体重が減っているといった場合は、整体でのケアより先に、必ず医療機関を受診してください。

まとめ

福岡市で、お子さんの起立性調節障害に悩んでいる方へ。まずは小児科で、他の病気が隠れていないかを確認し、新起立試験で状態を把握することが出発点です。そのうえで、生活リズムと体の緊張を整える手段として、整体を併用する選択肢があります。どちらか一方を選ぶ必要はありません。医療機関での診断と、日々の生活を整えるサポートを、両輪として考えていただければと思います。

一人で抱え込まず、まずは体の緊張をゆるめることから始めてみませんか。当院では、カウンセリング、施術、セルフケアの提案をセットで行い、ご本人とご家族の生活に寄り添うサポートを行っています。

自律神経失調症については、こちらの記事でも詳しく書いています。自律神経の基本的な働きについて知りたい方は、あわせてご覧ください。

新起立試験や診断の詳しい流れについては、東京逓信病院「学童・思春期に多い起立性調節障害」でもわかりやすく解説されています。

院長プロフィール

冨高誠治。柔道整復師・鍼灸師。施術歴20年、これまで25,000人を施術。福岡市早良区・西新駅から徒歩圏の常若整骨院院長。東洋医学の見立てをもとに、自律神経の働きを整えやすい身体づくりをサポートしている。

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