福岡市早良区 顔面神経麻痺

日常生活に影響が起こる顔面麻痺

自分の意志とは無関係に顔の筋肉が動く病気のことを顔面痙攣と言って、目周辺の筋肉が痙攣することから始まって、徐々に口周辺まで痙攣が広がっていきます。
その名が示す通り顔が痙攣する病気なので、見た目が気になるという方も少なくありません。

顔全体ではなく片側が動くのが特徴で、目周辺の筋肉が動く場合は他の病気が原因ということもありますが、目周辺と合わせて唇の端も痙攣していれば、発症していると考えられます。
その他の特徴としては、男性と女性とで比較すると女性の方が発症率が高くてその男女比は1:2と言われていますし、中年以降に多いのも特徴としてあります。
また、緊張した時・疲れている時・ストレスが溜まっている時・不安がある時などに起こりやすいことも特徴で、痙攣が続く時間は数秒から十秒程度と短いのですが、痙攣している間は顔が引きつって歪んだ感じに見えます。
症状が軽度の場合は大丈夫ですが、痙攣が続いていると麻痺が起こったり両方の目で物を見ることが難しくなったりするといった特徴もあるのです。
このような特徴があるので、外出して人と話す時に痙攣が気になって不安になり症状が出やすくなるため、外出したり人と会ったりすることが苦痛になる場合もあります。
また、読書や運転などの日常生活の動作にまで影響が出ることもあるので、何となく気になる症状がみられる場合には、早目に病院を受診して治療を受けることが大切です。

以前は顔面麻痺の原因は不明と考えられていましたが、近年では動脈硬化を起こしている血管が顔面神経を圧迫して発症すると考えられています。
また、血管ではなくて脳腫瘍が血管を圧迫して起こることもあって、顔面神経の根元が圧迫されると神経がへこんでしまいますし、神経に当たることで刺激されて勝手に顔が動くことにもなるのです。

顔面麻痺の治療法としては、薬・ボトックス・手術などがあります。
症状が軽度の場合には、症状の経過観察になることもありますが、中程度の症状になると精神安定剤や抗痙攣剤などの薬が治療に用いられることになります。
また薬による治療では治りにくい場合には、ボトックス治療を実施することも行うこともあります。
このボトックスというのは、ボツリヌス菌という名前の細菌が生成する毒素を注射することで筋肉の痙攣を抑える方法です。
ちなみにボツリヌス菌と言えば食中毒を発生させる菌として知っている方も少なくないでしょうが、このボツリヌス菌の毒素を少量だけ使用することにより筋肉が緩んで痙攣が治まるのです。
ただし効果は約3~6ヶ月程度しか続かないもので、永続するわけではないため3~6ヶ月毎に注射をする必要があります。
手術は血管が顔面神経を圧迫しないようにすることを目的として行う治療で、完治を目指すなら一番の近道になりますし、約80%以上の治療効果があるので効果的な治療法と言えます。
いずれにしても日常生活に影響が起こる病気ですから、少しでもおかしいなと思ったらすぐ治療を受けることが大事です。