福岡市早良区 子宮筋腫
子宮筋腫自体が生命を脅かすものではないけれども
子宮筋腫は良性の腫瘍なので、それ自体が生命を脅かすものではありませんが、放置していると10kgを超えるような大きさまでになる可能性もあります。
発症すると月経量が多くなることと月経痛が代表的な症状として起こりますし、その他には月経以外の出血・腰痛・頻尿などがあるのです。
また、発生する場所によって症状もまちまちで、子宮の内側にできた筋腫は小さくても症状が強くて月経量が多くなります。
一方子宮の外側にできた筋腫は、相当大きくなっても症状が起こらないのです。
ですから、治療法もできた場所や症状によって異なってきますし、若い人では妊娠しにくくなったり、流産しやすくなったりすることも大きな問題になります。
女性ホルモンで筋腫が大きくなりますが逆に閉経後には小さくなりますし、複数個できることが多くて数や大きさは様々です。
また、できた場所によっていくつかの子宮筋腫の種類に分けられています。
子宮筋の中にできて子宮筋腫全体の約70%程度を占める最もポピュラーなのが筋層内筋腫で、こぶし大のものが1個のこともあれば、大豆大から鶏卵大のものが複数個できることもあるのです。
筋腫が小さければほとんど症状もありませんし痛みもないのですが、大きくなると過多月経を招きます。
子宮表面をおおう漿膜の下にできて子宮の外側にこぶのように飛び出すのが漿膜下筋腫で、きのこのような茎を持つ有茎漿膜下筋腫ができることもあるのです。
1~2個だったり鈴なりだったり、ごつごつの塊だったりと様々ですが、症状がみられないためにかなり大きくなるまで気づかないことが多いです。
子宮の内壁をおおう粘膜のすぐ下にできて子宮内腔に向かって発育するのが粘膜下筋腫で、茎がついた有茎粘膜下筋腫があってさくらんぼのように茎にぶら下がっています。
この茎が長く伸びて子宮口から膣内に筋腫が飛び出しているものを筋腫分娩といって、筋腫を異物と判断した子宮が胎児を分娩するように収縮して子宮外に排出してしまうのです。
ひとつの子宮にいろいろな種類の筋腫が多数できることを多発性筋腫といって、3種類の筋腫がまざって10~20個程度できることもあります。
子宮筋腫の治療法には手術と薬があって、手術では子宮を取ってしまう子宮全摘術と筋腫だけ取る手術の筋腫核出術があるのです。
将来子供を希望する人や子宮を残すことを望む人は、筋腫だけ取る手術を実施するのですが、手術の際に出血が多くなるのが難点としてあります。
また、直接見ても分からない小さな筋腫を取り残すこともあって、そのため数年後に筋腫が大きくなってくる可能性もあるのです。
一方薬の治療としては、閉経状態にしてしまう治療の偽閉経療法が実施されて、治療薬には毎日の点鼻薬と4週間に1回の注射薬の2種類が用いられます。
しかし女性ホルモンの分泌が少なくなるため更年期の症状がでたりするので、半年程度しか治療できなくて、治療中に小さくなっても治療を中止するとすぐに元の大きさに戻ってしまうのです。
これら以外の治療法としては、子宮に栄養を供給する血管をつめてしまう治療法の子宮動脈塞栓術というのもあります。