福岡市早良区 バセドウ病
【バセドウ病とは】
バセドウ病とは、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、甲状腺機能が亢進してしまう病気です。
甲状腺機能亢進症の代表的な病気が、バセドウ病です。
特殊な抗体が作られてしまうことにより、それが甲状腺を刺激してしまうことで過剰に甲状腺ホルモンが分泌してしまいます。
甲状腺ホルモンは、通常は必要に応じて甲状腺刺激ホルモンが甲状腺や受容体にはまることで分泌されます。
バセドウ病は、受容体にぴったりはまる抗体が作られてしまうことにより、必要以上に多くの甲状腺ホルモンが分泌されてしまいます。
バセドウ病は女性に多く、男性患者よりも5倍は多いと言われています。
200~500人に1人の割合で、発症していると言われています。
現代は若い人でもバセドウ病になりやすいので、注意するようにしましょう。
【バセドウ病の症状】
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰にたくさん作られてしまうことで新陳代謝が盛んになってしまい、このような症状が発症してしまいます。
・疲れやすくなる
・だるくなる
・汗が異常に出る
・暑がりになる
・脈拍数があがる
・動悸がする
・手足が震える
・甲状腺が腫れて大きくなる
・食欲が多くなる
・イライラする
・かゆみが出る
・口が乾く
・寝不足
・眠れない
・微熱になる
・息切れするようになる
・髪の毛が抜ける
・排便回数が増える
・眼球が出てくる
これらはバセドウ病の典型的な症状であり、マラソンをフルで走ってきたような症状が起きます。
多く発症している場合は、バセドウ病が疑えます。
症状の出方には個人差があるので、少しでもおかしいと思ったら病院で診てもらうようにしましょう。
他の病気を発症していることもあり、心臓病や更年期障害と勘違いしてしまう場合もあります。
婦人科で診てもらい、症状を確認しましょう。
他の病気との併発も考えると、総合病院で診てもらうことをオススメします。
【バセドウ病の診察】
バセドウ病の診察は、このような判定方法で行っていきます。
・甲状腺刺激ホルモンの量
甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、それ以上甲状腺を刺激する必要がなくなってしまいます。
そのため、甲状腺刺激ホルモンの量は、測定できないほど少なくなってしまいます。
甲状腺使役ホルモンが激減している場合は、バセドウ病が疑えます。
・甲状腺ホルモンの量
甲状腺ホルモンは過剰に出るので、非常に高い値となっている場合はバセドウ病を疑います。
・抗体の有無
バセドウ病の場合、バセドウ病にしかない抗体が現れます。
TRAbやTSAbという抗体が現れるので、これらが現れた場合はバセドウ病を疑います。
【バセドウ病は遺伝も関係している】
バセドウ病は、遺伝で発症することがあると言われています。
母親がバセドウ病の場合、娘がバセドウ病になる確率は通常の6~10倍と言われています。
そのため、かなりの確率でバセドウ病になるといえます。
必ずしも遺伝でバセドウ病になるとは言いきれませんが、確率は高いと思うようにしていると良いでしょう。
バセドウ病の母親を持つお子さんは、前頸部の腫れを気にするようにして、少しでもおかしいと思ったら速やかに専門医に診てもらいましょう。
【バセドウ病は妊娠にも影響を与える】
妊娠は甲状腺機能が安定していることが大事であり、妊娠のためには甲状腺機能の安定必要となります。
甲状腺機能が低下してしまうと、流産や早産の確率が高くなってしまいます。
妊娠前にバセドウ病と診察された場合は、早期治療によって早く甲状腺機能を正常化させることができます。
妊娠前にバセドウ病と言われるとガッカリしてしまいますが、早期治療によりいくらでも正常な妊娠は可能となります。
【バセドウ病の治療】
バセドウ病の治療は、これらの3つの治療方法をおこなっていきます。
・薬物療法
甲状腺ホルモンの合成を抑える、抗甲状腺剤を使って治療を行っていきます。
服用して徐々に後退がなくなれば、服用を止めます。
薬を飲むだけでいいので、誰でも気軽に取り組むことができます。
ただし、長期による治療となり、3~5年は続けていかないといけません。
薬物療法を続けながら、1~3カ月ごとに通院して血液検査を受けます。
・放射性ヨウ素内容療法
ヨウ素‐131というアイソトープを飲むことで、甲状腺の細胞を壊して改善させる治療方法です。
カプセル状の薬であり、1日1回飲むだけでOKです。
薬物療法と比べると、短期間での治療で済みます。
また、副作用や合併症などの心配がありません。
治療を受けることができる施設が限られているので、できる治療院と出来ない治療院があります。
・手術療法
薬物陽法や放射性ヨウ素内用療法で改善しない場合、手術療法となる場合があります。
甲状腺を手術で切断し、工場性ホルモンの分泌量を減らしていくという流れとなります。
確実に効果が得られる方法であり、再発が少ない方法となります。
【バセドウ病のセルフケア】
バセドウ病の症状を抑えるためには、セルフケアも非常に重要となります。
これらのことに注意して、生活していくようにしますおう。
・ストレスを溜めない
バセドウ病は、最近の研究により、ストレスとも大きく関わりがあるといわれています。
バセドウ病発症前1年間にストレスの多き出来音があった場合、発症している場合が多くあるという研究結果があります。
ストレスはバセドウ病に大きく関係しているので、ストレスを溜めこまないことが非常に大事となります。
バセドウ病にならないためには、ストレスを上手く発散させて溜めこまないようにしましょう。
・タバコ
嗜好品とバセドウ病の関係も色々研究されていますが、唯一関係があるのではと言われているのがタバコです。
タバコを吸うことにより、慢性甲状腺炎で甲状腺機能低下症をきたしやすいともいわれており、甲状腺に対してタバコは害は大きい嗜好品と言われています。
タバコは止めて、甲状腺に余計な負荷を掛けないようにしましょう。
バセドウ病は、早期治療が大事となります。
日常的な体調不良のような症状が出るので、そのうち治ると思う人も少なくないようです。
少しでもおかしいと思ったら、1度専門医に診察してもらいましょう。