高校生の起立性調節障害(OD)――原因と改善方法

高校生の起立性調節障害(OD)――原因と改善方法

「朝起きられない」「めまいがひどい」「学校に行きたいのに体が動かない」。

高校生の起立性調節障害(OD)は、周囲の理解を得にくく、本人も「怠けていると思われるのでは?」と不安を抱えることが多いですよね。

しかし、起立性調節障害は「怠け」ではなく、体の自律神経がうまく働かないことで起こる症状 です。無理をせず、正しい対応を続けることで、必ず回復に向かいます。

本記事では、高校生の起立性調節障害の原因・ストレスとの関係・回復のための具体的な方法 を詳しく解説します。


高校生に起立性調節障害が多い理由

1. 自律神経の乱れが起こりやすい

高校生は、成長期の真っ只中。体が大きくなるのと同時に、自律神経の働きが不安定になりやすくなります。特に、以下のような要因で自律神経が乱れると、血圧の調整がうまくいかず、立ちくらみや倦怠感が強くなる ことがあります。

自律神経が乱れる原因

具体例

ホルモンバランスの変化

成長期の体の変化により、自律神経が影響を受ける

ストレスやプレッシャー

受験勉強、学校の人間関係、部活の負担

睡眠リズムの乱れ

スマホの使いすぎ、夜更かし、寝不足

運動不足

血流が悪くなり、自律神経の調整が乱れる


2. ストレスが回復を遅らせる

高校生は、学業・進路・人間関係のストレスが大きくなる時期 です。

  • 学校のプレッシャー(テスト・受験・成績の不安)
  • 部活や習い事の負担(練習の厳しさ・体力の消耗)
  • 友人関係の悩み(人付き合いのストレス・SNSのトラブル)
  • 家庭のストレス(親の期待・進路のプレッシャー)

こうしたストレスが長引くと、交感神経(緊張の神経)が過剰に働き、副交感神経(リラックスの神経)がうまく機能しなくなる ため、ODの症状が悪化しやすくなります。


高校生の起立性調節障害の主な症状

症状

具体的な影響

朝起きられない

低血圧で頭がボーッとする、動けない

立ちくらみ・めまい

急に立ち上がると目の前が真っ暗になる

頭痛や吐き気

授業中や人混みで気分が悪くなる

倦怠感が抜けない

ずっと体がだるく、集中できない

動悸・息切れ

少し動いただけで息が苦しくなる

「気持ちの問題」ではなく、体の仕組みの問題 なので、無理に頑張ろうとすると悪化しやすくなります。


起立性調節障害を改善するための具体的な方法

① 朝の過ごし方を工夫する

朝は血圧が低いため、いきなり動かず、徐々に体を目覚めさせる ことが大切です。

🌿 朝のルーティン(無理なくできる範囲で)

目が覚めたら、布団の中で足首を動かす(血流を促す)

コップ1杯の水を飲む(脱水を防ぐ)

朝日を浴びる(体内時計を整え、自律神経を安定させる)

無理せず、ゆっくり起き上がる(急に立ち上がらない)


② 食生活を整える(血圧を安定させる)

栄養バランスが乱れると、自律神経の働きも不安定になりやすい です。

🌿 意識したい食べ物

塩分を適度に摂る(血圧を安定させる)→ みそ汁、梅干し

タンパク質をしっかり摂る(自律神経を整える)→ 肉、魚、大豆製品

マグネシウム・鉄分を摂る(血流を良くする)→ ナッツ、レバー、ほうれん草

甘いものを摂りすぎない(血糖値の乱高下を防ぐ)


③ スマホの使い方を見直す

夜遅くまでスマホを使うと、ブルーライトの影響で自律神経が乱れ、睡眠の質が低下 します。

🌿 スマホとの付き合い方のポイント

寝る1時間前はスマホを見ない(脳をリラックスさせる)

スマホのブルーライトカット機能を使う

ベッドにスマホを持ち込まない(寝る環境を整える)


④ 軽い運動で血流を促す

過度な運動は逆効果ですが、適度な運動は血流を改善し、自律神経を整える効果 があります。

🌿 取り入れたい運動

ストレッチ(朝・夜に軽く体を伸ばす)

ウォーキング(30分歩くだけでも血流UP)

軽い筋トレ(スクワットやプランクで体を強くする)

運動を習慣にすると、体が疲れにくくなり、少しずつ朝の調子も良くなっていきます。


まとめ

高校生の起立性調節障害は、ホルモンバランスの変化やストレスの影響を受けやすい時期に起こるため、決して「怠け」ではありません。

🌿 今日からできる改善策

朝はゆっくり体を目覚めさせる(いきなり動かない)

食生活を見直し、塩分・タンパク質・鉄分を意識する

夜のスマホ時間を減らし、睡眠の質を上げる

無理のない範囲で軽い運動を習慣にする

焦らず、少しずつ体を整えていけば、必ず回復に向かいます。「自分のペースでできることから」始めてみましょう。