過敏性腸症候群のあなたへ——「言えない想い」がお腹に届いていませんか?

「また今日も、お腹が痛くなるかもしれない」

「仕事の時間が近づくと、胃がキリキリしてくる」

「言いたいことがあるのに飲み込んでしまう」

そんなふうに、自分の心と体がバラバラになっているような感覚を抱えたまま、頑張り続けていませんか?

過敏性腸症候群(IBS)は、目に見える傷があるわけではないのに、腹痛や下痢、便秘といった辛い症状を繰り返す疾患です。

そして、これは単なる消化器の問題ではなく、「心」と「腸」が深くつながっている状態 を示しています。


1. 言いたいことを我慢していませんか?——エネルギーの滞りが腸に現れる

東洋医学では、言いたいことを飲み込むと「肝(かん)」の気が滞ると言います。

肝は、気の巡りを調整する役割を担っています。

でも、気を遣いすぎたり、自分の感情を抑え込み続けると、この肝の気が詰まってしまう。

その詰まりは、やがて「脾胃(ひい)」――つまり胃腸の働きに影響を及ぼし、下痢、便秘、腹痛 というかたちで現れてくるのです。

・気を遣いすぎて疲れている

・自分の意見を言えずに我慢している

・仕事や家庭で「優しさを武器に、無理をしている」

そうした毎日の小さな我慢が、あなたのお腹を痛めつけてしまっているかもしれません。


2. 仕事に行くと腹痛になるのはなぜか?

朝までは平気だったのに、会社に近づくにつれてお腹が痛くなる。

それは、あなたの体が「無意識にストレスを察知している」サインです。

これは単なる「気のせい」ではありません。

東洋医学では「心と腸はつながっている」と考えられています。

仕事に行くことで緊張や不安が高まり、それが交感神経を刺激し、腸の動きを乱す。

この「気の緊張」が、肝の気を上に引き上げてしまい、脾胃の働きを弱めてしまうのです。

特に、真面目で責任感が強い人ほど、この反応が起こりやすい傾向があります。


3. 胃腸炎になりやすいのも、優しすぎる性格が関係している?

あなたは、自分よりも誰かの気持ちを優先しすぎていませんか?

「嫌われたくない」

「迷惑をかけたくない」

そんな想いから、無理して笑ってしまっていませんか?

そうした心の緊張が、少しずつ胃腸を弱らせていくのです。

五行思想では、胃腸は「土」に属し、安定と受容の性質を持ちます。

けれど、外からの刺激(木=ストレス)が強すぎると、土が傷つき、バランスを崩してしまう。

その結果、免疫も落ちやすくなり、胃腸炎や感染症にもかかりやすくなってしまうのです。


4. 気を整え、腸を癒すセルフケア

● 経絡のセルフケア:脾経と肝経を整える

三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしの上、指4本分の位置。

→ 脾・肝・腎の三つの経絡が交わるポイントで、腸と自律神経のバランスを整えます。

太衝(たいしょう):足の甲、親指と人差し指の骨の間のくぼみ。

→ 肝の気の流れをスムーズにし、ストレスを和らげる効果があります。

どちらのツボも、優しく押しながら深呼吸をするのがおすすめです。


5. 腸に優しい生活習慣を少しずつ

・朝起きたら、まず白湯を一杯

・ごはんをよく噛んで、焦らず食べる

・スマホやニュースから少し距離を置く

・無理に予定を詰め込まない

・夜は照明を落として心を鎮める

腸は、「安心」しているときに、最もよく働きます。

だから、腸を整えたいなら「自分を安心させる時間」をつくることが一番の薬になります。


あとがきにかえて——あなたの優しさは、あなた自身を守る力にもなる

もし、あなたが今、腹痛や便秘、下痢に悩まされているのだとしたら、それは「我慢しすぎていませんか?」という体からの問いかけかもしれません。

あなたの優しさは、確かに誰かを救ってきたはずです。

でも、同じように、あなた自身を労わる優しさも大切にしてください。

無理に変わる必要はありません。

ただ、少しずつでいいのです。

・言いたいことを、やんわりと伝える

・疲れた日は、先に自分を休ませる

・「今日もよく頑張ったね」と、自分をねぎらう

そうした小さな習慣が、腸に届き、心に届き、体に届いていきます。

焦らず、ゆっくりと。

あなたの体が、本来のやわらかさを取り戻していけますように。

心から、あなたの回復を応援しています。