気功の呼吸法は、この「安心できる呼吸」に導くための練習。

外から何かを入れるのではなく、「自分の中から安心を取り戻す」作業です。

気を整えるとは、自分を整えること

気功ではよく「気を整える」と言いますが、それは“スゴイ力”を得るという意味ではありません。

それよりも、「今ここ」に意識を戻して、「自分の体に気づく」こと。

たとえば、手のひらのあたたかさを感じてみる。呼吸がどこまで入っているかに注意を向ける。足の裏が地面にしっかりついている感覚を味わう——。

こうした小さな「内観（自分の内側を見ること）」を積み重ねていくことで、少しずつ、“自分の状態を自分で整えられる感覚”が育っていきます。

パニック障害に苦しむ人にとって、「自分をコントロールできる」という感覚は、何よりも大きな安心につながるんです。

気功は、特別な才能も道具もいらない、誰にでもできる“内側の整体”のようなもの。

一日たった数分でも、呼吸と意識を整える時間を持つことで、じわじわと、でも確実に“安心できる体と心”に近づいていけます。

4. 整体×気功の合わせ技で起きた変化——体験者が語る“スーッと楽になる瞬間”

「何してもダメだった私が、変われた理由」

「薬も飲んでるし、カウンセリングも受けてる。でも、なんか根本的に変わった気がしない…」

そう話すのは、30代女性・Aさん。仕事中に突然の動悸に襲われ、電車にも乗れなくなり、パニック障害と診断されました。

そんな彼女が試したのが、整体と気功を組み合わせたセッション。

最初は「半信半疑だった」と言います。でも、1回目の整体で「こんなに背中って固まってたんだ…」と自分の体に気づき、数回目の気功では「あ、息が通る感覚がある」と初めて実感できたそう。