なぜ不眠になるのか？まずは原因を知ろう

「なんでこんなに眠れないんだろう…」

そんな悩みを抱えたとき、つい考えてしまうのは「寝具が悪いのかな？」「寝る前にスマホを見たから？」といった表面的な要因かもしれません。

もちろんそれも一因ですが、もっと根本的なところに目を向けると、「自律神経の乱れ」が深く関係しているケースが非常に多いのです。

自律神経とは？睡眠との関係をわかりやすく解説

まず、自律神経とは何かを知っておきましょう。

自律神経は、私たちの意思とは無関係に働く神経で、「交感神経」と「副交感神経」という2つのバランスで成り立っています。

日中、活動しているときは交感神経が優位になり、体がシャキッと目覚めている状態になります。一方、夜やリラックスしているときは副交感神経が働き、心拍数や呼吸がゆっくりになり、体が休息モードに切り替わります。

睡眠の際に重要なのは、当然「副交感神経」です。

この神経がうまく働いてくれれば、自然と体はリラックスし、深い眠りにつくことができます。

ところが、ストレスや生活リズムの乱れが続くと、交感神経が過剰に働いてしまい、夜になっても体が“戦闘モード”から切り替わらなくなるのです。

現代人に多い「自律神経の乱れ」が不眠を招く理由

では、なぜ自律神経が乱れてしまうのでしょうか？

現代人は、以下のような生活環境に常にさらされています。

• スマートフォンやパソコンによる「光刺激」

• 締め切りや人間関係による「心理的ストレス」

• 夜更かしや食生活の乱れ

• 運動不足

• 過度なカフェイン摂取

これらすべてが、交感神経を刺激し、副交感神経の働きを鈍らせてしまう要因になります。

特に問題なのが「寝る直前までスマホを操作する」こと。

スマホのブルーライトは、脳を昼間のように覚醒させてしまうため、いくら体を横たえても眠りに入りづらくなります。

さらに、SNSやニュースなど、情報量の多いコンテンツに触れれば触れるほど、脳は緊張状態を維持しやすくなります。

また、忙しい毎日によりリラックスする時間が減ることで、常に交感神経が優位な状態に。

この状態が続けば、夜に眠れないどころか、日中もボーッとしたり、気分が落ち込みやすくなったりと、心身にさまざまな影響を及ぼしていきます。

つまり、「眠れない」という状態は、ただの症状ではなく、体全体のバランスが崩れているサイン。

その原因の多くが、自律神経のアンバランスにあることを理解することが、不眠を根本から改善する第一歩となるのです。

整体が不眠に効果的な理由

「不眠の原因が自律神経の乱れだとわかった。でも、整体でそれが整うの？」

そう疑問に感じる方も多いかもしれません。でも実は、整体は“筋肉”や“骨格”だけでなく、“神経系”にもアプローチできる、とても奥深い療法なのです。

整体で自律神経が整うメカニズム

整体というと、肩こりや腰痛をほぐす施術をイメージする方が多いですが、実際には「身体のゆがみを整える」ことが目的です。

そして、この“ゆがみ”が神経の流れや血流に影響を与えていることをご存じでしょうか？

自律神経は、脳から背骨に沿って全身へと広がっています。

そのため、背骨や骨盤などのバランスが崩れていると、神経の伝達がうまくいかず、自律神経の働きが乱れやすくなるのです。

整体では、この骨格や筋肉のアンバランスを手技によって調整します。

結果として、圧迫されていた神経の流れがスムーズになり、交感神経と副交感神経のバランスが改善されるのです。

また、体がほぐれることで血流も促進され、体温が上がりやすくなり、リラックスしやすい状態へと導かれます。

これにより、睡眠に入りやすくなったり、深い眠りを維持しやすくなったりするわけですね。

どんな施術が効果的？具体的な整体法を紹介

不眠改善のためには、自律神経にやさしく働きかける施術が効果的です。代表的なものをいくつかご紹介します。

頭蓋骨調整（クラニオセラピー）

頭の骨はわずかに動いており、この動きを整えることで脳脊髄液（CSF）の流れが良くなると言われています。

脳への圧迫が和らぎ、交感神経の緊張が緩和され、眠りやすくなるケースが多いです。