吃音・どもりは、ストレスフルな生活を見直して改善!
「喋り始める時、舌がもつれたり、のどが勝手に動いたり、逆に動かなくなってしまう」
「喋ろうとすると焦ってしまう」
といったことに悩まされる、吃音(どもり)。
お子さんから大人の方まで、吃音で困っている方は少なくありません。
中には喋り方を笑われたり指摘されて、ますます緊張し、どもってしまうようになった…という方もいらっしゃいます。
人の声や喋り方にはそれぞれ個性がありますから、どもることが必ずしも悪いわけではありません。朴訥とした喋り方が、かえって好感や信頼感を与えることもあります。
けれど、今までつっかえることなく喋っていたのに吃音になってしまったとしたら、それは過度のストレスによるものかもしれません。
実例:Aさん(小学生)
ここ数カ月の間に吃音、ムズムズ脚、痩せすぎなどに悩まされるようになったAさん。
生活の中でのお話をうかがってみると、
・クラス替えで友達と離れ、つまらなさや不安がある
・学校がつまらない分、夜遅くまでゲームをしてしまう
・お母さんが忙しかったり体調不良で、なかなか相手をしてあげられない
…ということでした。
お体の状態をみてみると、肋骨(肺)が膨らんだ状態でロックされていて、息を上手に吐き出せなくなっていました。言いたいことが言えず溜め込んでいると、こういう状態になりやすいのです。
また、全身の関節も過度の緊張状態で、動かそうとすると反発を感じるほど。
学校での不安やイライラ、夜遅くまで起きてゲームをしている、睡眠時間の不足、お母さんに甘えづらいという交感神経を高ぶらせる要因が重なった結果、過緊張状態になり、のどの筋肉が勝手に動いて吃音につながっていました。
言葉をしゃべりづらいということは、とくに「学校や家庭で、自分の気持ちを思い切り言えずにいる」ということが一番のストレスだったと考えられます。
まず、神経の過緊張をやわらげる施術を行なっていきました。
さらに、
「お子さんに向き合えなくなるくらい、お母さんが疲労していることも要因のひとつ。あまり頑張り過ぎず、ゆるめてください」
「早く寝て元気になったら、学校でも楽しいことが色々できるよ」
といったアドバイスを行うと、お母さんができるだけ家族で過ごす時間を作ったり、Aさんが自主的に夜9時に寝るようにしてくれました。
その結果、どもりやムズムズもほとんど気にならないレベルまで回復していきました。
吃音をまねく原因
吃音の一番の原因は、筋肉や神経の過緊張です。
過緊張を引き起こすのは、生活の中で続いているいくつかのストレス。
とくに、言いたいことを言えない、緊張状態が続いている、寝不足などが大きな要因です。
①言いたいことを言えない環境や考えグセ
私たちは、思っている事を口に出す時「これはその人に伝えてもいいことかどうか」という判断をパスしたことだけを言葉にしています。
この判断は社会生活を送るうえで大切なことではありますが、
「こう思っているけど、言うと怒られるだろうな」
「どうせ言ってもわかってもらえないだろうな」
「言いたくないな」
といった諦めや不安によって、心の中に言いたいけど言えないことが溜まってしまった結果、体調を崩すことが少なくありません。
言いたいことは、できるだけ相手に伝わりやすい言い方で言葉にしましょう。
どうしても言いづらい場合は、紙に書きなぐって破って捨てましょう。
言いたいことを代弁してくれている歌をカラオケなどで歌うのも◎。
とにかく心身に溜め込まず、外に出すことが大切です。
②緊張状態が続いている
不慣れな場所、苦手な人、家庭の中のギスギスなど、緊張する環境に身を置いていると、神経は「不測の事態が起こったら対応しなければ」と高ぶった状態を保ちます。
外側の環境や出来事だけではなく、「こうなったらどうしよう」「あれをしなくちゃ」といった頭の中の不安や忙しさも、神経によっては緊張する環境を作り出します。
緊張する環境からは、こまめに離れたり、状態を改善する対策(話し合う、楽しむ努力をするなど)をとる。
頭の中で作り出している緊張は、「今は考えないことが仕事」「考えて解決するんだったら考えてもいいけど、考えて解決しないなら労力のムダ」と割り切り気持ちを切り替えるトレーニングをすること。
こういったことで、緊張状態を少しずつほどくことができます。
③寝不足、リラックス不足
睡眠は心身を回復させるための大切な時間です。
睡眠時間が足りないと、一日に受けたダメージを回復しきれず翌日に持ち越すことになります。持ち越された疲労がどんどん溜まっていくと、体調不良という形で現れます。
また、心拍・呼吸・吸収・分泌・排泄などを行っている自律神経は、活動やストレスをつかさどる交感神経と、睡眠やリラックスをつかさどる副交感神経がバランスよく動くことで身体全体を健康な状態に保っています。
例えば呼吸なら、吸う(気道を開く)のが交感神経で、吐く(気道を狭める)のが副交感神経。
忙しい状態や緊張状態ばかりが続いてリラックスの時間がとれずにいると、交感神経ばかりが働き、副交感神経にスイッチが切りかわれません。
筋肉が硬くなる、息を吐きづらい、動悸がする、眠れない…といった状態に陥ってしまいます。
自律神経は、日が暮れてから副交感神経に切り替わるのが自然な状態。
夜になったらイヤなこと、仕事や学校のこと、抱えている悩みや問題についてはできるだけ考えないようにしましょう。
頭に浮かんで来たらメモだけして「これは明日」と切り替えてみてください。
身体を締め付けず肌触りのいいルームウェアや、あたたかい飲み物、ゆっくり湯船に浸かるバスタイムも有効です。
心と身体をゆるめて、ナチュラルなおしゃべりへ
喋り初めにつまづいてしまう、のどや舌が勝手に動く感じがするなどに悩まされる吃音。
■言いたいことを言えない、伝えることを諦めている
■精神的・肉体的に緊張状態が続いている
■リラックスする時間がない、睡眠時間が足りない
こういったことが重なると神経が高ぶり、発声をおこなう喉、舌、肺まわりがガチガチになって、どもりやすくなってしまいます。
吃音を改善していくには、心身をゆるめる生活をすることが一番。
あなたらしい、ナチュラルなおしゃべりを取り戻してみませんか?