東洋医学における「気」と適応障害の関係|福岡の気功整体院が解説

こんにちは、福岡市早良区の常若整骨院院長です。10年以上にわたり東洋医学と気功を用いた施術を行い、多くの適応障害の方々の回復をサポートしてきました。

今回は、東洋医学の根幹である「気(き)」という概念と、現代社会で増加している適応障害との関係について詳しく解説していきます。西洋医学的なアプローチだけではなかなか改善が見られない方に、新たな視点を提供できればと思います。

「気」とは何か?東洋医学の根幹概念

東洋医学において「気」とは、すべての生命活動の根源となるエネルギーのことです。目に見えるものではありませんが、私たちの体の中を流れ、生命活動を維持する根本的な力として捉えられています。

「気」は複雑で多面的な概念ですが、主に以下のような働きを持ちます:

  1. 推動作用:体内の物質やエネルギーを動かす
  2. 温煦作用:体を温める
  3. 防御作用:外部の邪気から体を守る
  4. 固摂作用:血液や体液が漏れ出ないように保持する
  5. 気化作用:水分や栄養を変化させて体に必要な物質に変える

健康な状態では、この「気」が体内をスムーズに巡り、過不足なく働いています。しかし「気」の流れが乱れると、様々な心身の不調が現れるのです。

東洋医学的な「気」の病態と適応障害

適応障害は、西洋医学では「ストレス因に対する不適応反応」と定義されますが、東洋医学の視点では「気の異常」として捉えることができます。特に以下のような「気」の病態が適応障害に関連しています。

1. 気滞(きたい)

「気滞」とは、気の流れが滞って停滞した状態です。現代人に最も多い気の異常の一つで、特にストレスや感情の抑圧によって起こりやすいと言われています。

関連する適応障害の症状

  • 胸や喉の詰まり感
  • 胃腸の不調(胃もたれ、腹部膨満感)
  • 頭痛やめまい
  • イライラや怒りっぽさ
  • ため息が多い
  • 情緒不安定

私の施術を受けられる適応障害の方の多くは、このタイプの「気滞」が見られます。特に「感情を抑え込む」「自分らしさを表現できない」「周囲の期待に応えようと無理をする」といった傾向がある方によく見られるパターンです。

2. 気虚(ききょ)

「気虚」とは、気のエネルギーが不足した状態です。長期にわたるストレスや過労、栄養不足などで気が消耗することで起こります。

関連する適応障害の症状

  • 慢性的な疲労感
  • 無気力感
  • 声が小さくなる
  • 息切れや動悸
  • 集中力の低下
  • 思考力の減退
  • 些細なことでも疲れる

「燃え尽き症候群」のような状態の適応障害の方には、この「気虚」の状態がよく見られます。長期間のストレスに耐え続けた結果、体の根本的なエネルギーである「気」が枯渇してしまうのです。

3. 気逆(きぎゃく)

「気逆」は、本来下向きに流れるべき気が上方に逆流する状態です。激しい感情の変化や精神的なショックで起こりやすくなります。

関連する適応障害の症状

  • パニック発作
  • 突然の動悸や息切れ
  • めまいや耳鳴り
  • 頭に血が上る感覚
  • 不安感の急激な高まり
  • 吐き気

急性の適応障害や、パニック障害を合併する適応障害の方には、この「気逆」の状態が見られることがあります。特に感情が高ぶると、症状が悪化する傾向があります。

4. 気陥(きかん)

「気陥」は、気が下方に沈み込んでしまう状態です。強いショックや喪失体験などをきっかけに起こることがあります。

関連する適応障害の症状

  • 憂うつ感
  • 気力の低下
  • 声が小さくなる
  • 内臓下垂感
  • やる気が出ない
  • 何もしたくない

抑うつ症状が強い適応障害の方には、この「気陥」の状態が見られることがあります。「何もかもどうでもいい」「何をするのもつらい」という感覚の背景には、この「気陥」が関係している可能性があります。

「気」と自律神経系の関係

東洋医学の「気」と西洋医学の「自律神経系」には、多くの共通点があります。どちらも私たちの意識とは関係なく、体の機能を調整するシステムだからです。

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の2つのシステムからなり、このバランスによって体の機能が調整されています。東洋医学では、これを「陽(よう)」と「陰(いん)」のバランスとして捉えることができます。

  • 交感神経優位(活動モード) → 陽の気が強い
  • 副交感神経優位(休息モード) → 陰の気が強い

適応障害の多くは、この「陰陽バランス」が崩れた状態と言えます。特に現代社会では「陽の気」すなわち交感神経が過剰に優位になりがちで、「戦闘モード」が長く続くことで様々な症状を引き起こすのです。

私の臨床経験では、気功施術によって「気」のバランスを整えると、自律神経系も安定してくることがわかっています。多くの患者さんが「施術後に体が温かく、心が穏やかになる」と報告されるのは、自律神経系が整って副交感神経が優位になっている証です。

臓腑(ぞうふ)と「気」の流れから見た適応障害

東洋医学では、体の機能は五つの主要な臓器「肝(かん)」「心(しん)」「脾(ひ)」「肺(はい)」「腎(じん)」とその関連器官によって司られると考えます。これらは西洋医学の解剖学的な臓器とは異なり、機能的なシステムとして捉えられています。

適応障害に特に関係が深いのは以下の臓腑です:

1. 肝(かん)

肝は「気の疏泄(そせつ)」を司り、気の巡りを滑らかにする働きがあります。ストレスが溜まると肝の機能が低下し、気の流れが滞りやすくなります。

適応障害との関連: 特に「怒り」や「フラストレーション」を感じやすい適応障害の方は、この肝の機能が低下していることが多いです。イライラや抑えきれない怒り、胸のつかえ感などが特徴的な症状です。

:私のクライアントであるAさん(32歳女性)は、職場での過剰な要求に応え続け、徐々に頭痛と不眠に悩まされるようになりました。東洋医学的診断では「肝気鬱結(かんきうっけつ)」の状態。肝経(かんけい)のエネルギーラインに沿った施術と「気」の流れを整える気功によって、2ヶ月ほどで症状が軽減しました。

2. 心(しん)

心は「神志(しんし)」を司り、精神活動やメンタルヘルス全般に関わります。過度のストレスは心の気を乱し、精神的な症状を引き起こします。

適応障害との関連: 不安症状が強い適応障害の方には、この心の機能が乱れていることが多いです。動悸、不眠、精神的な落ち着きのなさなどが特徴的です。

:Bさん(45歳男性)は長期のストレスで、深夜に突然目が覚めてしまう中途覚醒に悩まされていました。東洋医学的診断では「心腎不交(しんじんふこう)」の状態。心経(しんけい)と腎経(じんけい)の調整を行い、就寝前の「内観呼吸法」を指導した結果、約3ヶ月で睡眠の質が改善しました。

3. 脾(ひ)

脾は「気血生化(きけつせいか)」を司り、エネルギーと血液の生成に関わります。長期のストレスは脾の機能を弱め、気血の生成不足を招きます。

適応障害との関連: 疲労感や無気力が強い適応障害の方には、この脾の機能が低下していることが多いです。慢性疲労、思考の鈍り、食欲不振などが特徴的です。

:Cさん(38歳女性)は育児と仕事の両立でエネルギー切れの状態に。「何をするのも億劫」「頭がボーッとする」という症状がありました。東洋医学的診断では「脾気虚弱(ひききょじゃく)」の状態。脾経(ひけい)の調整と、気を補う食事指導(温かい食事、根菜類の活用など)を行った結果、徐々に活力が戻ってきました。

「気」の調整による適応障害の改善アプローチ

東洋医学的な視点から、適応障害の改善には「気」の調整が不可欠です。当院では主に以下のようなアプローチを行っています。

1. 気功による「気」の調整

気功とは、「気」を調整・活用する東洋の伝統的な技法です。私は10年以上気功を学び、施術に取り入れています。

気功施術では、手をかざしたり軽く触れたりすることで、滞った「気」の流れを促進し、弱った「気」を補います。科学的な説明は難しいですが、多くの方が「体が温かくなる」「何かが流れる感じがする」と実感されます。

特に、適応障害の方には以下のような効果が見られることが多いです:

  • 緊張状態の緩和(交感神経の過剰興奮が落ち着く)
  • 深いリラクゼーション状態の誘導
  • 胸や喉の詰まり感の解消(気滞の改善)
  • エネルギーレベルの向上(気虚の改善)
  • 心の安定(気逆の改善)
  • 活力の復活(気陥の改善)

2. 経絡(けいらく)治療

経絡とは、「気」の通り道であり、体の特定の部位をつなぐエネルギーラインです。12の主要経絡があり、それぞれが特定の臓腑とつながっています。

適応障害の症状パターンに応じて、関連する経絡を調整することで症状の改善を図ります:

  • 肝経:ストレスによる気滞、イライラ、頭痛などの症状に効果的
  • 心経:不安、動悸、不眠などの症状に効果的
  • 脾経:疲労感、思考力低下、消化不良などの症状に効果的
  • 腎経:恐怖感、意欲低下、倦怠感などの症状に効果的
  • 肺経:悲しみ、呼吸の浅さ、免疫力低下などの症状に効果的

経絡治療では、マッサージや指圧などの手技だけでなく、「気」のエネルギーを用いたアプローチも行います。これにより、より深いレベルでの調整が可能になります。

3. 丹田(たんでん)呼吸法の指導

丹田とは、へその下約3〜4cmの位置にあるエネルギーセンターです。東洋医学では、ここに「気」を集めることで心身の安定が得られると考えられています。

適応障害の方には、特に「下丹田呼吸法」を指導しています。これは下腹部に意識を集中して深い呼吸を行う方法で、交感神経の過剰興奮を抑え、副交感神経を優位にする効果があります。

実践方法:

  1. 静かに座るか横になる
  2. 両手をへその下に当てる
  3. 鼻から息を吸いながら、下腹部がふくらむのを感じる
  4. 口からゆっくりと息を吐きながら、下腹部が緩やかに凹むのを感じる
  5. この呼吸を5〜10分間続ける

この呼吸法を毎日続けることで、「気」の巡りが改善し、自律神経のバランスも整ってきます。

「気」の視点から見た適応障害の予防と日常ケア

適応障害は、「気」の異常が長期間続いた結果とも考えられます。予防のためには、日常的に「気」のバランスを整えることが大切です。

1. 「気」を意識した食生活

東洋医学では、食べ物もまた「気」のエネルギーを持つと考えます。適応障害予防のために意識したい食習慣は以下の通りです:

気を補う食品

  • 根菜類(人参、ゴボウ、蓮根など)
  • 穀物(玄米、キビ、アワなど)
  • 良質なタンパク質(豆腐、魚など)
  • 温かいスープや煮物

避けたほうが良い食品

  • 冷たい飲食物(冷たいジュース、アイスなど)
  • 過剰な糖分(菓子、清涼飲料水など)
  • 過剰な刺激物(アルコール、カフェインなど)
  • 加工食品(添加物が多いもの)

特に体を「温める」食べ方を意識することで、気の巡りが良くなります。

2. 季節の変化に合わせた「気」の養生

東洋医学では、季節の変化に合わせて「気」を養うことを大切にします。適応障害は特に季節の変わり目に悪化することが多いので、以下のポイントを意識すると良いでしょう:

:肝の気を養う時期。軽いストレッチや散歩で体を動かし、新鮮な野菜を多く摂る :心の気を養う時期。過度の暑さを避け、適度な休息と水分補給を心がける :肺の気を養う時期。乾燥から身を守り、深い呼吸法を実践する :腎の気を養う時期。体を温め、十分な睡眠と栄養をとる

季節の変わり目には特に「気」が乱れやすいので、養生に注意しましょう。

3. 「気」の流れを良くする生活習慣

日常生活の中で「気」の流れを良くするための工夫をいくつかご紹介します:

朝の光浴:朝日を浴びることで、陽の気が活性化します。朝の10分間の日光浴習慣がおすすめです。

天日塩の活用:お風呂に天日塩を入れることで、体内の滞った気を解消します。特にストレスを感じた日の夜に効果的です。

自然との接触:自然の中で過ごす時間は、気の巡りを整えます。可能であれば、週に一度は公園や森などで深呼吸を行いましょう。

適度な運動:太極拳、気功、ヨガなどの東洋的な運動法は、気の流れを促進します。激しすぎない運動を継続的に行うことがポイントです。

感情の抑圧を避ける:東洋医学では、感情の抑圧は気の滞りの原因になると考えます。感情を適切に表現する場を持つことも大切です。

患者様の声

実際に当院で「気」の調整による施術を受けられた適応障害の方々の声をご紹介します:

「長年の頭痛とめまいで複数の病院を受診しましたが、原因不明と言われていました。常若整骨院で『肝の気の滞り』があると診断され、気功施術を受けたところ、施術中に『何か温かいものが頭から流れる感じ』がありました。継続的な施術と丹田呼吸法の実践で、頭痛の頻度が激減。今では薬に頼らず穏やかに過ごせています。」(38歳 女性)

「仕事のストレスから不眠と胃腸症状が悪化し、適応障害と診断されました。薬では一時的に症状が和らぐだけでした。院長先生の気功施術は不思議な体験で、終わった後は体が温かく、心がすっきりする感覚があります。『脾の気が弱っている』という東洋医学的な説明も納得でき、食事や生活習慣の見直しも行いました。半年ほどで症状はほぼ改善し、仕事への向き合い方も変わりました。」(42歳 男性)

「パニック発作で外出すらできない状態になり、適応障害と診断されました。院長先生の『気逆(きぎゃく)』という診断と、『気は意識を向けた方向に流れる』という説明が印象的でした。気功施術と丹田呼吸法の習得で、発作の頻度が徐々に減少。今では発作の予兆を感じても、呼吸法ですぐに落ち着けるようになりました。気の流れを意識した生活で、人生が変わったと感じています。」(34歳 女性)

※効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

まとめ:「気」の視点が開く適応障害の新たな理解と改善の可能性

適応障害は、西洋医学的には「ストレスに対する不適応反応」と定義されますが、東洋医学的には「気の異常」として理解することができます。

気滞、気虚、気逆、気陥といった気の病態パターンが、それぞれ特徴的な適応障害の症状と関連しています。そして、これらの気の異常は、肝、心、脾、肺、腎といった五臓の機能とも密接に関わっています。

東洋医学の「気」という概念を通して適応障害を見ることで、単に症状を抑える対症療法ではなく、根本的なエネルギーバランスの回復という観点からのアプローチが可能になります。

当院では気功、経絡治療、丹田呼吸法などを組み合わせた「気」の調整に重点を置き、多くの適応障害の方々の回復をサポートしてきました。また、食生活や生活習慣など、日常的な「気」の養生法の指導も重視しています。

適応障害でお悩みの方、特に西洋医学的な治療だけでは改善が見られない方は、ぜひ「気」という新たな視点からアプローチしてみてはいかがでしょうか。

東洋医学と気功の知恵を活かした施術で、あなたの心と体のバランスを取り戻すお手伝いをさせていただきます。どうぞお気軽にご相談ください。

常若整骨院
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