朝は体が重くて起き上がれない。でも、夜になると目が冴えてしまって、どうしても眠れない…。そんな「起立性調節障害」に加えて、終わりのない不眠のサイクルに、あなたは苦しんでいませんか？

明日への不安と、眠れない夜の孤独。このダブルの苦しみに、途方に暮れている方も多いでしょう。病院では「自律神経の乱れ」や「不眠症」と診断されても、根本的な解決策が見つからず、「もう一生このままなのか…」と絶望的な気持ちになっているかもしれませんね。

でも、諦めるのはまだ早いです。私はこの道20年、福岡で整体師として、東洋医学と気功の視点から、多くの方々の自律神経の不調や不眠に向き合ってきました。その中には、起立性調節障害と不眠を併発し、深い苦しみの中にいたにも関わらず、最終的に症状を克服し、朝までぐっすり眠れるようになった方がたくさんいます。

この文章を読み進めていただければ、あなたの抱える起立性調節障害と不眠の悩みが、これまでとは全く異なる新しい視点で見えてくるはずです。そして、東洋医学と気功が、いかにあなたの体と心のバランスを取り戻し、深い眠りへと誘う力を持っているかを知れば、きっと改善への大きな一歩を踏み出せるでしょう。

起立性調節障害と東洋医学：全身のバランスの乱れが根底にある

まず、起立性調節障害について、東洋医学の視点からお話しさせてください。西洋医学では、自律神経の働き、特に交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで、血圧や心拍数の調整がうまくいかなくなり、立ちくらみやめまい、倦怠感といった症状が出ると考えますよね。これはもちろん、大切な視点です。

しかし、私たち東洋医学のプロフェッショナルは、もっと大きな枠組みで、その人の体を丸ごと見ていきます。起立性調節障害は、単なる自律神経の問題ではなく、体全体のバランスの乱れが根底にあると捉えるんです。

東洋医学において、人の体は「気（き）」「血（けつ）」「水（すい）」という三つの要素で成り立っていると考えます。これらの要素が、全身を巡る「経絡（けいらく）」というエネルギーの通り道を滞りなく流れることで、健康が保たれます。起立性調節障害の場合、これらの要素のいずれか、あるいは複数が滞ったり、不足したりしていることが多いんです。

具体的には、以下のような状態が考えられます。

• 気虚（ききょ）: 気とは、生命活動の根源となるエネルギーのことです。気が不足すると、体を支える力が弱まり、血圧を維持する力も低下します。立ち上がった時に頭に血が巡りにくくなるのは、この気が不足しているためとも考えられます。倦怠感や疲れやすさも、気虚の典型的な症状ですね。

• 血虚（けっきょ）: 血とは、体全体に栄養や潤いを運ぶものです。血が不足すると、脳や全身の組織に十分な栄養が行き届かなくなり、めまいや立ちくらみが起こりやすくなります。顔色が悪い、爪がもろい、髪がパサつくなども血虚のサインです。特に成長期のお子さんや、生理のある女性に多く見られる症状です。

• 肝気鬱結（かんきうっけつ）: 肝は、気の巡りをスムーズにする役割を担っています。しかし、ストレスや精神的な緊張が続くと、肝の働きが滞り、気の流れが悪くなります。この「肝気鬱結」は、自律神経の乱れと深く関係しており、動悸や息苦しさ、イライラ、そして起立時の不調を引き起こすことがあります。心と体の繋がりが特に強く現れる部分です。

• 脾（ひ）の機能低下と湿（しつ）の停滞: 脾は消化吸収を司り、気や血を生成する源です。脾の機能が低下すると、気や血が十分に作られなくなり、全身に巡りにくくなります。また、脾の働きが弱いと体内に余分な水分である「湿」が溜まりやすくなります。この「湿」が体に重だるさや、頭の重さ、めまいを引き起こすこともあります。

福岡の整体師として20年、多くの方々の頭痛改善にも携わってきましたが、起立性調節障害の症状で頭痛を訴える方も少なくありません。これらも、体内の気血水のバランス、特に気の巡りの滞りが影響していることが多いのです。

起立性調節障害で「夜眠れない」原因：心と体の「陰陽」の乱れ

起立性調節障害の症状と不眠は、単なる偶然の一致ではありません。東洋医学の視点から見ると、これらは密接に関わり合い、特に心と体の**「陰陽（いんよう）」**のバランスの乱れが深く影響していると考えます。

東洋医学において、夜は「陰」の時間であり、体が休息し、回復するための大切な時間です。一方、昼は「陽」の時間であり、活動するためのエネルギーが高まる時間です。起立性調節障害で「夜眠れない」状態は、この陰陽の切り替えがうまくいっていないサインなのです。

その具体的なメカニズムは、いくつか考えられます。

1. 「陽」の気の過剰と「陰」の気の不足: 起立性調節障害の方は、日中の交感神経の過剰な緊張や、ストレスによる「熱」が体内にこもりやすく、夜になっても「陽」の気が静まらず、興奮状態が続いてしまうことがあります。まるで、夜になっても頭のスイッチが切れないような状態です。この陽の気の過剰は、陰の気の不足を招き、体が休息モードに入ることができず、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりします。

2. 心の不安と「神（しん）」の不安定: 東洋医学では、「神（しん）」という概念があります。これは、心臓の働きと関連し、精神活動や意識を司るものです。不眠の多くは、この「神」が安定していないために起こると考えられます。起立性調節障害の症状（朝起きられない、体調不良）への不安、学校や仕事へのプレッシャー、将来への心配など、様々な精神的ストレスが「神」を乱し、夜になっても心が落ち着かず、眠れない状態を引き起こします。例えば、ベッドに入っても、明日の朝のことが気になり、グルグル思考が止まらない、といった状況です。

3. 気血の滞りによる不眠: ストレスや不規則な生活によって「肝」の気が滞ると、全身の気の巡りが悪くなります。これにより、血の巡りも滞り、「血が脳に上りすぎたり、逆に下半身に滞留しすぎたりする」といった状態が生じることがあります。夜、本来は血が体の中心に戻り、心を鎮めるべきですが、その巡りが滞ると、脳が休まらず、不眠につながることがあります。

4. 消化器系（脾胃）の不調と睡眠の質: 夜遅い時間の飲食、特に消化に悪いものや脂っこいものを摂ることは、夜間も胃腸を働かせ続けることになり、脾胃に負担をかけます。東洋医学では、夜の特定の時間帯に胃腸が活発に働く時間帯があると考えますが、この時間帯に体が休まっていないと、睡眠の質が低下し、不眠につながります。日中の倦怠感や胃腸の不調が、夜の不眠に繋がる悪循環を生むのです。

このように、「夜眠れない」という症状は、単なる不眠症ではなく、起立性調節障害と深く関連する心と体の「陰陽」のバランスの乱れ、そして五臓の不調が複合的に影響しているのです。

気功の第一人者としての治し方：心身のバランスを整え、深い眠りへと誘う気功

私は気功の指導を長年行っておりますが、気功は起立性調節障害の改善、特に「夜眠れない」という深刻な不眠の悩みに対して非常に有効だと考えています。なぜなら、気功は「気」の流れを根本的に整えることに特化しており、自律神経のバランスを調整し、心身の自然治癒力を同時に引き出すことができるからです。気功を通じて、体と心の両面からバランスを回復させ、深い眠りへと誘うことが可能です。

気功を行うことで、滞っていた気の流れがスムーズになり、全身の経絡が通じやすくなります。

1. 自律神経の調整と陰陽の調和: 気功のゆったりとした動きと深い呼吸は、副交感神経を優位にする効果があります。日中に過剰に活動していた交感神経を鎮め、夜に本来優位になるべき副交感神経の働きを促します。これにより、心拍数や血圧の急激な変動が抑えられ、体がリラックスして休息モードに入りやすくなります。心と体の「陰陽」のバランスが整い、自然な眠りへと誘われます。

2. 心の平静と精神的な安定: 不眠の大きな原因である心の不安やストレスに対して、気功の瞑想的な側面は非常に有効です。意識を呼吸や体の動きに集中させることで、雑念が消え、心が深いリラックス状態へ導かれます。これにより、心の奥に溜まったストレス、不安、焦り、自己否定感といったネガティブな感情を認識し、安全な形で解放する手助けをしてくれます。「神」の安定を促し、心が穏やかになれば、体の緊張も和らぎ、気の流れがさらにスムーズになります。

3. 全身の気血の巡り改善と体力の回復: 気功によって全身の気の流れがスムーズになると、血の巡りも促進され、体に必要な「気」や「血」が効率よく生成されるようになります。十分な気血が満たされることで、日中の倦怠感が軽減され、体力が回復します。また、血の巡りが良くなることで、脳や全身の神経も適切に栄養され、より深い眠りにつけるようになるでしょう。

実際に、私のもとで気功を実践され、起立性調節障害と不眠を克服した方の中には、「気功を始めてから、夜中に目が覚めることがなくなり、朝までぐっすり眠れるようになった」「体が楽になり、同時に気分も明るくなった」とおっしゃる方がたくさんいます。具体的な例を挙げれば、ある高校生の男の子は、起立性調節障害で朝起きられないだけでなく、夜は毎日午前3時まで眠れずに悩んでいました。気功を始めて4ヶ月後には、午後11時には眠れるようになり、朝も自分で起きられるようになりました。（彼の生活が劇的に改善したのを見て、私も本当に嬉しかったですね。）気功は、単なる体操ではなく、内なる生命エネルギーを高め、心身のバランスを整える奥深い行法なのです。

プロの整体師としての治し方：日々の生活習慣と心のケア

整体師として、私が最も重視しているのは、実は「日々の生活習慣」と「心のケア」です。どんなに素晴らしい施術や気功を用いても、日々の生活が乱れていては、根本的な改善は難しいからです。起立性調節障害と不眠の治し方には、特にこの二点が鍵となります。

まず、生活習慣。食事は非常に重要です。東洋医学では、脾が気や血の生成源であるため、脾を労わる食事が大切です。冷たいものや甘いもの、脂っこいもの、加工食品の過剰摂取は脾の機能を弱め、気や血の不足、湿の停滞を招きます。これらは、身体症状を悪化させるだけでなく、睡眠の質にも影響を与えます。例えば、寝る前に菓子パンを2個食べる、エナジードリンクを夜中に1本飲む、といった習慣があるなら、ぜひ見直してください。温かく、消化の良いものを摂ることを心がけてください。例えば、夕食は寝る3時間前までに済ませる、寝る前は温かいハーブティーを飲む、といった小さなことから始められます。

睡眠環境の整備も重要です。寝室は暗く、静かで、適切な温度（夏は26～28℃、冬は20～22℃程度）に保つことが理想です。寝る前のスマートフォンやパソコン、テレビの使用は、脳を興奮させてしまうので、寝る2時間前には控えるようにするのが理想です。温かいお風呂にゆっくり浸かる、アロマを焚くなど、リラックスできる習慣を取り入れましょう。

そして、ストレスと心のケア。現代社会において、ストレスは避けられないものですが、上手に付き合うことが大切です。ストレスは気の滞りを生み、自律神経の乱れを助長します。瞑想や深呼吸、そしてもちろん、気功もストレス軽減に役立ちます。特に、眠れないことへの焦りや、日中の不調への不安といった感情は、大きなストレス源となります。これらの感情を認識し、安全な形で解放することが重要です。小さなことでも良いので、今日の自分を褒める。完璧でなくても良いと自分に言い聞かせる。失敗しても大丈夫、と自分を許す。こうした心の習慣が、少しずつ、しかし確実にあなたの体を良い方向へ導いていくでしょう。私は患者さんに、一日に一度、鏡を見て「今日もよく頑張ったね」と自分に声をかけることを勧めています。

治療の心構え：完璧を目指さない、そして自分こそが真の治療家

20年この仕事をしてきて思うのは、起立性調節障害と不眠の併発という複雑な状況における治療は、「完璧」を目指すものではないということです。これらの症状は、その人の体質や生活習慣、精神状態、そして社会環境といった複雑な要因が絡み合って現れます。一朝一夕に劇的に改善するものではありません。

もちろん、症状が落ち着くことは目標ですが、たまには調子が悪い日もあるでしょう。大切なのは、その波とどう向き合い、どうコントロールしていくかです。私も患者さんにはよくお話しします。「今日ダメでも、明日がある。少しずつ、できることを増やしていきましょう」と。気負いすぎず、焦らず、ご自身のペースで治療を続けていくことが、最終的には最も良い結果につながると信じています。

私は整体師として「手技」を用いて体を整えるのが仕事ですが、起立性調節障害や不眠の患者さんに対しては、ただ施術をするだけでなく、日々の生活における「選択」の重要性をお伝えしています。例えば、朝の起き方。急に起き上がらず、ゆっくりと時間をかけて体を起こす工夫をする。これは、自律神経への負担を減らす小さな一歩です。

大切なのは、ご自身の体と向き合い、何が症状を悪化させ、何が改善につながるのかを、自分で「知る」ことです。そのためには、体調日記をつけるなど、地道な努力が必要になるかもしれません。しかし、これこそが、あなた自身の体を「治療する」最初の一歩となるのです。あなたは、ご自身の体の「主治医」です。私たちの役割は、その手助けをすることに過ぎません。私からのアドバイスは、あくまで一つの羅針盤。最終的に舵を切るのは、あなた自身なのです。この考え方こそが、長年の治療経験から私が辿り着いた真実です。

起立性調節障害と季節の変動：自然との調和、そして自分との調和

起立性調節障害の症状は、季節によって変動することがよくありますよね。東洋医学では、自然界の移り変わりと人体の状態が密接に関連していると考えます。これを天人相応（てんじんおう）と言います。

例えば、春は「風」の季節。気の変動が大きく、自律神経が乱れやすい時期です。夏は「熱」の季節。汗をかきやすく、体液のバランスが崩れやすいので、脱水や気の消耗に注意が必要です。秋は「燥（そう）」の季節。空気が乾燥し、肺の機能が弱まりやすく、精神的にも不安定になりやすい時期です。冬は「寒」の季節。血行が悪くなりやすく、体が冷えることで症状が悪化することもあります。

このように、季節ごとの特徴を理解し、それに合わせたケアを行うことも、起立性調節障害の症状を安定させる上で非常に重要です。そして、この自然との調和と同じくらい大切なのが、「自分自身との調和」です。体の声に耳を傾け、ありのままの自分を受け入れること。これが、季節や環境の変化に左右されにくい、強くしなやかな心身を作り上げる土台となります。

最終的な問いかけ

起立性調節障害と「夜眠れない」という終わりのない不眠。あなたの体が送る「バランスの乱れ」というサインに、今こそ耳を傾けてみませんか？ 東洋医学の知恵と気功の実践を通じて、深い眠りを取り戻し、あなたの体のリズムと調和し、快適な毎日を送ることができるでしょうか？