こめかみが痛くなることがあるのは何が原因ですか

結論から言うと、こめかみの痛みの多くは、側頭筋という筋肉の緊張と、ストレスによる自律神経の乱れが重なって起こっています。締めつけられるような痛みなら緊張型頭痛や噛みしめの影響、脈打つようなズキズキした痛みならストレスや血流の乱れが関係していることが多いです。

要点を3つにまとめます。原因は何かというと、多くの場合は側頭筋の緊張、噛みしめの習慣、自律神経の乱れの3つが絡み合っています。整体でできることは何かというと、こめかみ周辺の緊張だけでなく首や肩を含めた全身の緊張をゆるめ、自律神経の働きを整えやすい身体づくりをサポートすることです。この記事は誰向けかというと、頭痛薬を飲むほどではないけれどこめかみの痛みが繰り返し出る方、病院で検査を受けても異常がないと言われた方に向けて書いています。

福岡市早良区・西新で25,000人の患者さんを施術してきた常若整骨院として、こめかみという場所に痛みが出やすい理由を、東洋医学の見立てとあわせてお伝えします。

こめかみが痛くなるのはどんな原因が考えられますか

結論として、こめかみの痛みは大きく分けて、筋肉の緊張によるもの、血管の拡張によるもの、まれに病気が隠れているものの3つに分けて考えられます。

こめかみのあたりには側頭筋という、ものを噛むときに使う筋肉が広がっています。ストレスや長時間同じ姿勢を続けることで首から肩にかけての血流が悪くなると、この側頭筋まで緊張が伝わり、締めつけられるような痛みとして出てきます。いわゆる緊張型頭痛の一種です。

一方で、脈打つようにズキズキ痛む場合は、血管が拡張しやすい体質やホルモンの変動、気圧の変化が関係していることがあります。片頭痛の症状の一部として、こめかみに痛みが出る方も少なくありません。

まれにですが、頭皮を触ると痛い、噛んでいると顎が疲れて続けられない、といった症状を伴う場合は、血管そのものに炎症が起きている可能性もあります。この点は後の項目で詳しくお伝えします。

こめかみの痛みとはどのような状態ですか

こめかみの痛みとは、側頭筋という咀嚼筋の一部が緊張し続け、血流が滞っている状態です。側頭筋は頭の横から顎にかけて広がっている筋肉で、噛む動作のたびに働いています。この筋肉が休む間もなく緊張していると、酸素が不足し、疲労物質がたまって痛みとして感じられるようになります。

肩や首のコリと同じ仕組みが、頭の横という場所で起きていると考えるとイメージしやすいはずです。ストレスがかかる場面が続くほど、この緊張は抜けにくくなります。

なぜ噛みしめやストレスがこめかみの痛みにつながるのですか

結論として、日中や就寝中の無意識の噛みしめが、側頭筋を休ませないまま働かせ続けることが、こめかみの痛みの大きな要因になっています。

本来、食事のとき以外は上下の歯は軽く離れているのが自然です。ところが仕事や家事に集中しているとき、緊張する場面が続いたときに、上下の歯を無意識に合わせ続けてしまう方が少なくありません。この噛みしめの力そのものは弱くても、一日中続くことで側頭筋は疲労を蓄積させていきます。

また、ストレスがかかると交感神経が優位になり、全身の筋肉が緊張しやすくなります。首や肩の緊張が強い方ほど、その緊張が頭の横まで伝わり、こめかみの痛みとして表れやすくなる傾向があります。

こめかみの痛みに危険なサインはありますか

結論として、こめかみの痛みのほとんどは緊張やストレスによるものですが、特定の症状が重なる場合は速やかに医療機関を受診してください。

特に50代以降の方で、頭皮に触れると痛む、髪をとかすと痛む、こめかみの血管が浮き出て硬く触れる、食事の途中で顎が疲れて噛み続けられない、といった症状がある場合は、血管そのものに炎症が起きている可能性があります。発熱や体重減少、物が見えにくい、二重に見えるといった症状を伴う場合は、様子を見ずにすぐ医療機関を受診してください。

そのほかにも、これまで経験したことがないほど激しい痛みが突然起こった場合、片側の手足のしびれや脱力を伴う場合、ろれつが回らない場合、発熱が続く場合は、整体の範囲ではなく医療機関での検査が優先されます。整体は医療行為ではなく、こうした症状の診断や医学的な処置を行う立場にはないことを、はっきりお伝えしておきます。

常若整骨院ではこめかみの痛みをどう見ていますか

当院では、こめかみの痛みそのものだけでなく、首や肩、姿勢まで含めて全身の緊張の一部としてとらえています。東洋医学の見立てでは、こめかみのあたりは怒りや義務感といった感情と結びつく経路が通っているとされ、「こうあらねばならない」という思いを強く持つ方ほど、頭の横に力が入ったまま抜けなくなりやすい傾向があります。

問診では、痛みが右側か左側かも大切な手がかりにしています。当院の見立てでは、右側は仕事や社会的な場面からの影響、左側は家庭や人間関係からの影響として読むことが多くあります。どちらの場面で気を張っているかを知ることで、施術の方向性が見えてきます。

東洋医学ではこめかみの痛みをどう考えますか

東洋医学では、こめかみの痛みを大きく3つの状態に分けて考えます。

1つ目は、ストレスやイライラが強く、脈打つような痛みが出るタイプです。怒りや義務感の感情が続くことで気が上へ上へと昇り、頭の横に熱がこもったような状態になります。仕事の締め切りや人間関係での我慢が続く方に多く見られます。

2つ目は、噛みしめや肩こりが強く、締めつけられるような痛みが出るタイプです。気の巡りが滞ることで首から側頭部にかけての筋肉がこわばり、夕方になるほど痛みが強くなる傾向があります。デスクワークで長時間同じ姿勢を続ける方に多く見られます。

3つ目は、慢性的な疲労や冷えがあり、鈍く重い痛みが続くタイプです。回復力の貯金にあたる腎の力が消耗している状態で、季節の変わり目や睡眠不足のときに痛みが出やすくなります。

ツボでは、こめかみのくぼみにある太陽(たいよう)、目尻と眉尻を結んだ延長線上にあたる場所への軽い刺激が助けになることがあります。また、首の後ろの生え際にある風池(ふうち)、足の甲、親指と人差し指の骨が交わる手前にある太衝(たいしょう)も、緊張をゆるめる場所として用いられます。

こめかみの痛みで来られる方に多いのはどんなケースですか

来院される方の話をうかがっていると、いくつか共通した場面があります。デスクワーク中に気づくと奥歯を強く噛みしめていたという方、繁忙期になるとこめかみから側頭部にかけて重だるさを感じるという方、頭痛薬を手放せないほどではないけれど、疲れがたまるとこめかみが締めつけられるという方です。

いずれの方にも共通しているのは、病院で検査を受けても異常がないと言われ、頭痛薬でその場をしのぎながら我慢を続けてきたという点です。

実際にこめかみの痛みが楽になった方はどんな経過でしたか

50代の女性の方は、頭痛と冷え症、眼精疲労が重なり、頭痛薬を飲む頻度も多い状態でした。首や肩、全身の冷えをゆるめる施術を継続したところ、数か月かけて頭痛薬に頼る頻度が少しずつ減り、痛みの出方そのものも以前より穏やかになっていったとのことです。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

50代の教員の方は、首から肩が固まったような感覚が続き、毎日のようにこめかみから頭にかけての痛みと吐き気を感じていました。首や肩の強いこわばりを継続的にゆるめる施術を受けたところ、朝の目覚めが以前より軽く感じられるようになったと話されています。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

10代の女性の方は、授業を休むほどの頭痛が繰り返し起こり、日常生活にも影響が出ていました。学業や人間関係のストレスを丁寧にうかがいながら、全身の緊張をゆるめる施術を続けたところ、痛みを感じる頻度が徐々に減っていったとのことです。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

こめかみの痛みは自宅でどうケアすればいいですか

こめかみの痛みを和らげるためにできることを3つ挙げます。1つ目は、上下の歯を意識的に離す時間をこまめに作ることです。2つ目は、こめかみのくぼみを指の腹で優しく円を描くようにほぐすことです。3つ目は、首の後ろを軽く温めて、深呼吸を3回ゆっくり行うことです。

どれか1つからで十分です。全部を完璧にやろうとする必要はありません。できない日があって当然です。真面目に3つとも続けようとして、できなかった日に自分を責めてしまうと、その自責がまた新たな緊張を生み、かえって痛みが抜けにくくなることがあります。真面目さが悪いのではなく、真面目さの向け先が、我慢して続けることではなく、体をゆるめる時間をひとつ持つことに変わればそれで十分です。

病院と整体、どちらに相談すべきですか

前の項目でお伝えしたような危険なサインがある場合、迷わず脳神経外科や内科を受診してください。頭痛の種類や原因を調べる検査は、整体では行えません。

一方で、検査を受けても異常がなく、緊張やストレスが背景にあると感じる場合は、整体でのケアも選択肢になります。当院では、カウンセリングで生活の場面をうかがいながら、首や肩を含めた全身の緊張をゆるめる施術と、セルフケアの提案をあわせて行っています。医療機関での検査と並行して活用いただくことも可能です。

よくあるご質問

こめかみが痛いとき、まず何科を受診すればいいですか?

これまでに経験したことがない激しい痛みや、しびれ、視覚の異常を伴う場合は脳神経外科を受診してください。発熱や体重減少を伴う場合は内科での相談も検討してください。

こめかみを押すと痛いのはなぜですか?

側頭筋という咀嚼筋が緊張していることが多く、押すと圧痛として感じられます。ただし50代以降で血管が硬く触れる場合は、別の可能性も考えられるため医療機関にご相談ください。

右のこめかみだけ痛いのはなぜですか?

当院の見立てでは、右側は仕事や社会的な場面からの影響として読むことが多くあります。片側で噛む癖や姿勢の左右差が関係していることもあります。

こめかみの痛みは自律神経と関係がありますか?

関係があると考えられています。交感神経が優位な状態が続くと筋肉が緊張しやすくなり、こめかみ周辺の血流も滞りやすくなります。

こめかみの痛みは何日くらい様子を見ていいですか?

いつもと同じ範囲の痛みで、市販薬で和らぐ程度であれば数日様子を見ても差し支えないことが多いですが、痛みが増していく場合や、いつもと違うと感じる場合は早めに受診してください。

噛み合わせを調整すればこめかみの痛みは良くなりますか?

噛み合わせに実際のズレがある場合は改善が期待できますが、日中の噛みしめの習慣が主な原因であるケースでは、噛み合わせの調整だけでは痛みが残ることがあります。

子どもでもこめかみが痛くなることはありますか?

あります。学業や友人関係での緊張が続くと、大人と同じように筋肉の緊張や自律神経の乱れが起こることがあります。頻度が多い場合は小児科への相談もおすすめします。

こめかみの痛みと肩こりは関係がありますか?

関係があります。首や肩の緊張は側頭筋にまで伝わりやすく、肩こりが強い方ほどこめかみの痛みも併発しやすい傾向があります。

整体に通えばどれくらいでこめかみの痛みが楽になりますか?

体の状態や生活習慣によって個人差があります。継続的に全身の緊張をゆるめていくことで、少しずつ変化を感じる方が多い印象ですが、回復を保証するものではありません。

こめかみの痛みは冷やすほうがいいですか、温めるほうがいいですか?

脈打つようなズキズキした痛みには冷やすほうが楽になることが多く、締めつけられるような重い痛みには首を温めるほうが楽になることが多い傾向があります。ご自身の痛みのタイプに合わせて試してみてください。

気圧の変化でこめかみが痛くなるのはなぜですか?

気圧の変化は内耳を通じて自律神経に影響を与えることがあり、血管の拡張や収縮を引き起こしやすくなります。もともと血流の調整が乱れやすい方ほど、影響を受けやすい傾向があります。

まとめ

福岡市でこめかみの痛みに悩んでいる方へ。病院で検査を受けても異常がなく、頭痛薬でその場をしのいでいる方は、噛みしめの習慣や、その背景にある全身の緊張が関わっている可能性があります。一人で抱え込まず、まずは首や肩、体全体の緊張をゆるめることから始めてみてください。当院では、カウンセリング、施術、セルフケアの提案をあわせて行い、こめかみという場所に痛みが出やすい理由から向き合うお手伝いをしています。

院長プロフィール

冨高誠治。柔道整復師・鍼灸師。施術歴20年、25,000人の患者さんを施術してきた経験をもとに、東洋医学の見立てを取り入れた整体を行っている。福岡市早良区・西新駅から徒歩圏の常若整骨院院長。全国で技術セミナー講師を務めてきた。書籍『気・エネルギーを整える!自律神経療法の教科書』(BAB JAPAN)著者。

側頭動脈炎など血管の炎症については東大病院アレルギーリウマチ内科 巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)でも解説されています。自律神経の乱れ全般については、こちらの記事でも詳しく書いています。自律神経失調症の記事

季節ごとの体の整え方を、メールでお届けしています。よければ、どうぞ。
▼ 常若だより 登録はこちら
https://my919p.com/p/r/dqRWbTcm