
起立性調節障害は怠けと違うのですか|福岡市・常若整骨院が東洋医学から答えます
結論から言うと、起立性調節障害は怠けとはまったく違う、自律神経の働きに根拠のある体の病気です。むしろ臨床で見ていると、責任感が強く、限界まで自分を追い込んでしまうタイプのお子さんほどなりやすい傾向があります。
要点は次の3つです。医学的には、立ったり起き上がったりしたときに血圧と心拍数を調整する自律神経の働きが追いつかず、脳への血流が不安定になる状態であることです。誤解が生まれやすいのは、午前中つらくても午後は動けるという経過があるためです。東洋医学では、体を目覚めさせる火種そのものが足りていない状態と見ます。この記事は、朝起きられないお子さんご本人と、「これは本当に怠けではないのか」と揺れているご家族に向けて書いています。
起立性調節障害は本当に体の病気なのですか
結論として、起立性調節障害は、自律神経が血圧や心拍数をうまく調整できず、起き上がったときに脳への血流が一時的に不足する、医学的な根拠のある体の病気です。気持ちの持ちようや根性の問題ではありません。
中学生の20パーセント前後、高校生の30パーセント弱にこの症状が見られるとされ、決して珍しいものではありません。診断には新起立試験という検査が用いられます。仰向けで安静にした状態で血圧と心拍数を数回測ったあと、起立した状態でも同じように複数回測定し、血圧や心拍数がどのくらい変化するかを調べます。この数値の変化として症状が現れる以上、本人の気合いや意志の強さでどうにかなるものではないことが、検査上もはっきりしています。
なぜ怠けていると誤解されやすいのですか
結論として、午前中は強くつらいのに、午後から夕方にかけては比較的動けるようになるという経過そのものが、誤解を生む最大の原因です。
自律神経の働きには一日の中でリズムがあり、起立性調節障害があると、そのリズムの立ち上がりが特に朝の時間帯に遅れます。そのため、学校を休んだ日の午後に友人と出かけられたり、好きな部活の時間だけは動けたりすることがあります。この姿だけを見た周囲の大人が「都合の悪いときだけ具合が悪くなる」と感じてしまうのは、無理もないことです。ですが、これは体調に波があるのではなく、自律神経の切り替えそのものが朝に集中して弱くなっているために起こる、一貫した体の反応です。当院で25,000人の施術に関わってきた中でも、この午前と午後の落差が、本人を最も苦しめている点だとたびたび感じてきました。動ける時間帯があるからこそ、余計に自分を責めてしまうお子さんが少なくありません。
まじめな子ほどなりやすいというのは本当ですか
結論として、臨床で見ていると、周囲に気を使い、頑張りすぎる傾向のあるお子さんほど、起立性調節障害の症状が出やすい印象があります。
限界まで自分を追い込んでから初めて不調として体に出てくるため、表面上は「頑張り屋」「優等生」と見られていた子が、ある日突然起きられなくなるという経過をたどることが多くあります。これは怠けとは正反対の状態です。むしろ、自分の限界に気づく前にブレーキを踏めなかった結果として、体の方が強制的に立ち止まらせているとも言えます。この視点を持てるかどうかで、ご家族の関わり方は大きく変わります。
東洋医学では怠けと違う理由をどう説明しますか
結論として、東洋医学では、朝起きられない状態を「腎(じん)」という生命力の貯金が減り、体を目覚めさせる火種そのものが足りなくなっている状態として見ます。
腎とは、生まれ持った生命力の貯金のようなもので、成長、意欲、回復力の土台になっている働きです。東洋医学には「腎は志(こころざし)を蔵す」という考え方があり、腎の力は体力だけでなく「やってみよう」という意欲そのものにも直結すると考えられています。人間の体温は明け方5時ごろに一日で最も低くなりますが、腎の力が弱っている状態では、この時間帯にもっとも活動モードへの切り替えが難しくなります。火種そのものが少ない状態で、根性だけで起き上がろうとしても、体が追いつかないのは自然なことです。怠けではなく、燃やすための材料が足りていないだけなのです。
常若整骨院では怠けかどうかをどう見極めていますか
当院では、まず本人とご家族それぞれからカウンセリングで話をうかがい、生活リズムや学校での様子、ご家庭での関わり方を丁寧に確認します。そのうえで、腎の力を支える下半身の冷えや、首や背中の緊張の状態を実際に触れて確認していきます。臨床では、怠けているように見えるお子さんほど、実際に触れるとお腹や足先が驚くほど冷たく、体としては相当に消耗しているケースが多くあります。
施術では、この冷えと緊張をゆるめることを重視しています。整体は医療行為ではなく、起立性調節障害の診断や新起立試験による重症度の判定、薬の処方は医師の領域です。当院ができるのは、体の緊張をゆるめ、自律神経が働きやすい身体の土台をつくるお手伝いです。小児科や心療内科に通院しながら、体のケアとして並行して整体を受けたいという方にも対応しています。
実際に怠けと誤解されていた方はどんな経過でしたか
実際に来院された方の経過を、匿名にしてご紹介します。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
10代の男性の方は、高校受験を控える時期に、朝どうしても起きられない状態が続いていました。本人には受験という明確な目標があり、決して怠けていたわけではありませんでしたが、体がついてきませんでした。週に一度ほどのペースで施術を受け、受験の日には朝6時30分に起きることができ、無事に受験に臨めました。目標があっても体が追いつかないことがある、という事実そのものが、怠けとの違いをよく表しているケースです。
別の10代の男性の方は、朝の気分の悪さに加え、腹痛や吐き気といった症状も出ており、一日を通して調子が悪い日もありました。保護者の方が付き添われる中で、本人が自分自身の状態と向き合えるようになり、生活の見直しが少しずつ進んでいきました。腹痛や吐き気は、意志の力でどうにかなるものではなく、体が実際に発している反応です。
10代の女性の方は、食事の内容についてアドバイスを受け、レトルト食品や外食を控えるよう見直していきました。すぐに変化が出たわけではありませんが、だんだんと状態が上向いていき、毎日学校に通えるようになりました。日々の小さな積み重ねが、時間をかけて体を支えていった経過だといえます。
親として怠けではないとどう伝えればいいですか
結論として、まず「怠けているわけではない」という前提を、言葉にしてはっきり伝えることが第一歩になります。
そのうえで、朝の関わり方を少し変えてみることをおすすめしています。大きな声で強く起こしたり、布団を急に剥がしたりするのではなく、先に足首と腰を温めてから、カーテンを開けて自然な光を入れ、静かに声をかける方法が、体への負担が少なくて済みます。学校の先生には事情を伝え、遅刻や欠席について事前に相談しておくと、本人もご家族も心理的な負担が軽くなります。
セルフケアとしては、起こす前に足首と腰を温めること、就寝前にスマートフォンを置く時間を1つだけ決めること、黒ごまや黒豆、ひじきなど黒い食材を意識して食事に取り入れることの3つをお伝えしています。ただし、この3つを全部きっちりやろうとする必要はありません。どれか1つからで十分です。できなかった日があって当然です。真面目に向き合おうとするご家庭ほど「今日もできなかった」と自分を責めてしまいがちですが、真面目さが悪いのではなく、その真面目さの向け先が違うだけです。
目標は周りが与えるものではなく、本人が「やってみたい」と思えたものを支えることが回復への近道になります。「起きなさい」という声かけを減らし、学校に行けたかどうかで一日の良し悪しを採点しないこと、そして支えているご家族自身が、少し休む時間を持つことも大切です。臨床で見てきた印象では、ご家族が肩の力を抜けたご家庭ほど、お子さんの変化も緩やかに進んでいく傾向を感じています。
病院と整体、どちらに行くべきか迷ったらどうすればいいですか
強いめまいで意識が遠のく、激しい頭痛や胸の痛みを伴う、体重が急激に減っている、といった症状がある場合は、まず小児科や循環器内科などの医療機関を受診してください。診断には新起立試験が用いられることが多く、症状の重症度によっては薬を使った対応が必要になる場合もあります。うつ症状や強い不安を伴う場合は、心療内科との連携も検討されます。
整体は医療行為ではなく、診断や医学的な判断は必ず医師にご相談ください。すでに小児科などで診断を受け、通院を続けている場合でも、体のケアとして整体を併用していただくことは可能です。必要に応じて医師など専門家と連携する姿勢で施術にあたっています。
よくあるご質問
起立性調節障害は本当に病気で、気持ちの問題ではないのですか?
はい。自律神経の働きがうまく調整できず、血圧や心拍数の変化として現れる、医学的な根拠のある体の病気です。気持ちの持ちようだけで説明できるものではありません。
なぜ午前中だけつらく、午後は元気になるのですか?
朝は自律神経の切り替えがまだ十分に働いていない時間帯だからです。時間が経ち活動が進むにつれて調整が整い、午後にかけて調子が上向く方が多く見られます。
まじめな子ほどなりやすいというのは本当ですか?
臨床で見ていると、周囲に気を使い頑張りすぎる傾向のあるお子さんに症状が出やすい印象があります。限界まで無理を重ねた結果として体に表れることが多いためです。
新起立試験とは何をする検査ですか?
仰向けで安静にした状態と、起立した状態のそれぞれで血圧と心拍数を複数回測定し、その変化の大きさから診断する検査です。
中学生や高校生でどのくらいの人がなりますか?
中学生の20パーセント前後、高校生の30パーセント弱に症状が見られるとされ、決して珍しいものではありません。
「怠けじゃない」と本人にどう伝えればいいですか?
まず言葉にしてはっきり伝えることが大切です。そのうえで、朝の関わり方を強く起こす方法から、温めてから声をかける方法に変えていくと、本人にも伝わりやすくなります。
学校の先生にはどう説明すればいいですか?
起立性調節障害という体の状態であることと、朝の時間帯に特に症状が強いことを事前に伝え、遅刻や欠席について相談しておくことをおすすめします。
無理にでも早起きさせて体を慣らした方がいいですか?
無理な早起きは、体が対応しきれないまま起こそうとすることになり、かえって負担が大きくなることがあります。まずは体を温めてから声をかける関わり方をおすすめします。
整体を受けると起立性調節障害は良くなりますか?
整体は自律神経そのものを直接操作するものではありません。体の緊張という物理的な負担をゆるめることで、自律神経が働きやすい状態に近づけるお手伝いをしています。
東洋医学でいう「腎」とはどんな働きですか?
生まれ持った生命力の貯金のようなもので、成長、意欲、回復力の土台になっている働きです。腎の力が弱ると、体を目覚めさせる火種そのものが足りなくなると考えます。
黒い食材は本当に効果があるのですか?
東洋医学では、黒ごまや黒豆、ひじきなど黒い色の食材が腎を養うとされています。医学的なケアの代わりになるものではありませんが、日々の食事に取り入れやすい工夫の一つです。
大人になってからも怠けと誤解されることはありますか?
はい。思春期特有のものと思われがちですが、大人になってから同じような朝の不調が続き、周囲から怠けと誤解されて悩む方もいらっしゃいます。
親自身がイライラしてしまいます。どうすればいいですか?
まず、支えているご家族自身が休む時間を持つことを大切にしてください。肩の力を抜けたご家庭ほど、お子さんの変化も緩やかに進んでいく傾向があります。
まとめ
福岡市で「これは怠けなのだろうか」と揺れている方へ。起立性調節障害は、自律神経が血圧と心拍数をうまく調整できず、脳への血流が一時的に不足する、根拠のある体の病気です。午前中つらく午後は動けるという経過が誤解を生みやすいだけで、むしろ責任感が強く頑張りすぎるお子さんほどなりやすい傾向があります。東洋医学では、これを腎という生命力の貯金が減り、体を目覚めさせる火種が足りなくなった状態として見ています。常若整骨院では、カウンセリング、施術、セルフケアの3つをセットにして、本人とご家族の双方に寄り添いながら、自律神経が働きやすい身体づくりをサポートします。
院長プロフィール
冨高誠治。柔道整復師・鍼灸師。施術歴20年、25,000人を施術。福岡市早良区・西新駅から徒歩圏の常若整骨院院長。東洋医学と気功を軸に、自律神経の不調やストレスによる体の緊張のケアにあたっている。
自律神経の乱れそのものについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
出典:「朝起きられない…」それは「怠け」ではありません。増える「起立性調節障害」について|武蔵小杉森のこどもクリニック
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