EDは東洋医学ではどう考えますか|福岡市・常若整骨院
結論から言うと、東洋医学ではEDを一つの臓器の不調としてではなく、生命力の貯金である「腎」を中心に、感情を司る「肝」、血を送り出す「心」、気血をつくる「脾」という複数の臓が連動して起こる状態として見ていきます。
- 原因は何か:腎精(生命力の貯金)の目減りを中心に、肝・心・脾のいずれか、あるいは複数の弱りが重なって起こること
- 整体でできることは何か:関わっている臓の傾向を見立てたうえで、体の緊張をゆるめ、気血がめぐりやすい体づくりをサポートすること
- この記事は誰向けか:福岡市で「東洋医学だとEDはどう考えるのか」を知りたい方向けの記事です
なぜ東洋医学ではEDを一つの臓器だけで見ないのですか
結論として、勃起という現象自体が、複数の臓の働きが揃って初めて起こるものだからです。
西洋医学では血管性・神経性・心因性というように、原因になっている系統を分けて考えます。東洋医学の考え方はこれと矛盾するものではなく、同じ現象を別の角度から見ています。腎は生殖の力そのものを蔵し、肝は気と血をすみずみまで巡らせ、心はその血を送り出し、脾は気血のもとになる栄養をつくります。どれか一つが弱っても、勃起という一連の流れのどこかで滞りが生まれます。だからこそ、当院では「EDだから腎」と単純に決めつけず、いくつかの臓のどこに負担が集まっているかを丁寧に見ていきます。
東洋医学の「腎」とEDにはどんな関係がありますか
結論として、腎は生命力の貯金である「腎精」を蔵しており、生殖の力そのものの土台になっています。
腎精とは、生まれ持って蓄えている生命力に加え、日々の食事や睡眠で補われていく体のエネルギーの貯金のようなものです。加齢とともに自然に目減りしていくものですが、慢性的な睡眠不足や過度な飲酒、休みのない働き方が続くと、この目減りが早まります。25,000人を施術してきた臨床の中では、慢性的な疲労を抱えている方ほど、この腎精の消耗が土台にあるケースを多く見てきました。腎精が乏しくなると、勃起そのものの力だけでなく、朝の目覚めのだるさや、意欲そのものの低下として現れることも少なくありません。
「肝」の乱れはEDにどう関わりますか
結論として、肝は気と血を全身に巡らせる働きを担っており、ストレスや我慢が続くとこの巡りが滞り、生殖器まで気血が届きにくくなります。
肝は、感情の調整と気の巡りを担う臓です。仕事のプレッシャーや我慢が続くと、この肝の働きが滞る状態(気滞)になり、ため息が増えたり、胸や脇腹に張りを感じやすくなったりします。肝の滞りが長引くと、熱を持ったようにこもる状態(化火)に転じることもあり、苛立ちや寝つきの悪さを伴うケースも見られます。西洋医学でいう心因性のEDは、東洋医学でいうこの肝の乱れとかなりの部分で重なっていると当院では見ています。特定の場面や相手の前だけうまくいかないという訴えは、肝の気滞が関わっていることが多い傾向です。
「心」と「脾」はEDにどう関わりますか
結論として、心は血を送り出す働きを、脾はその血と気のもとをつくる働きを担っており、どちらが弱ってもEDの背景になり得ます。
心は、東洋医学では血脈を主る臓とされ、全身に血を巡らせるポンプのような働きをしています。考え事や心配事が頭から離れず、夜も気が休まらない状態が続くと、心の働きに負担がかかり、動悸や不眠を伴いながら、勃起に必要な血の巡りも滞りやすくなります。一方の脾は、食べたものから気と血をつくり出す働きを担う臓です。不規則な食事や過度な疲労が続くと、脾の働きが落ち、そもそも巡らせるための気血そのものが不足していきます。腎精が空になる前の段階として、この脾の弱りが土台にあるケースも少なくありません。
東洋医学ではEDをどのように見立てていきますか
結論として、見る・触る・聞くという方法で体つきや状態を確認し、そこから腎・肝・心・脾のどこに負担が偏っているかを束ねて見立てていきます。
まず見るでは、顔色や姿勢、体つき全体の緊張の度合いを確認します。触るでは、お腹や腰、みぞおちまわりの張りや冷たさ、緊張の強さを確認します。聞くでは、睡眠の質、夜中に目が覚める時間帯、食欲、ため息の多さ、疲れやすい時間帯などを丁寧にうかがいます。これらを束ねると、次のような大まかな傾向が見えてきます。
- 腎精不足型 慢性的な疲労が土台にあり、朝の目覚めからだるさを感じやすい傾向
- 肝気鬱結型 ストレスや我慢が続き、特定の場面でうまくいかないと感じやすい傾向
- 脾虚気血両虚型 不規則な生活で気血そのものが不足し、意欲そのものが湧きにくい傾向
ただし、実際にはこれらが単独で現れることは少なく、複数が重なっているケースがほとんどです。型に当てはめて終わるのではなく、その人の生活背景まで含めて見ていくことを大切にしています。
西洋医学の分類と東洋医学の見方はどう違いますか
結論として、西洋医学が原因になっている系統を分けて捉えるのに対し、東洋医学は体全体のバランスの崩れとして捉える点が異なります。
西洋医学では、血管や神経といった器質的な問題によるものと、心理的な要因によるものとを分けて考えます。この分類は、緊急性の高い病気を見逃さないために欠かせない視点です。東洋医学は、この分類と対立するものではなく、器質性・心因性のどちらであっても、体全体の巡りやエネルギーの状態としてどう表れているかを補って見る視点になります。だからこそ当院では、まず医療機関での確認を優先していただいたうえで、体づくりの部分を東洋医学の視点からサポートするという立場を取っています。
常若整骨院ではEDをどう見ていますか
当院では、EDそのものを診断したり医学的な対応を行ったりすることはしません。福岡市で25,000人の患者さんを施術してきた中で見えてきたのは、腎・肝・心・脾のどこに負担が集まっているかは人によって本当に違うということです。
カウンセリングでは、睡眠の状態、仕事や家庭での我慢、疲労の蓄積具合、食生活の乱れを丁寧にうかがいます。そのうえで、お腹や腰まわりの緊張、呼吸の深さを確認しながら、施術とセルフケアの両方から体全体の巡りを整えるお手伝いをしています。型に当てはめて終わらせるのではなく、その方がどの臓に負担をかけ続けてきたのかを一緒に振り返っていくことを大切にしています。
整体はEDにどこまで対応できますか
結論として、整体ができるのは、体の緊張をゆるめ、気血が巡りやすい体づくりをサポートすることまでです。
できることとしては、腰やお腹まわりの慢性的な緊張へのアプローチ、呼吸が深くなりやすい体づくり、自律神経が切り替わりやすい状態への働きかけがあります。できないこととしては、EDの診断や医学的な対応、専門の薬の処方です。糖尿病や高血圧などの持病がある場合や、原因がはっきりしない場合は、まず泌尿器科など医療機関での確認を優先してください。
実際にEDが変化した方はどんな経過でしたか
当院にいらした患者さんの傾向として、次のような経過をたどられる方が多くあります。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
一人目は、45歳の会社員男性です。管理職になってから残業が増え、慢性的な疲労を抱えていました。腎精不足型の傾向があり、朝から体が重いと訴えていましたが、施術と合わせて夜10時前に横になる日を週に何日かつくるうちに、体の軽さに変化を感じるようになったとのことでした。
二人目は、38歳の営業職男性です。数字に追われる毎日で、休日も仕事のことが頭から離れないと話されていました。肝気鬱結型の傾向が強く、胸のあたりの張りも訴えていましたが、カウンセリングで気持ちを言葉にしていく中で、少しずつ肩の力を抜けるようになったと話されています。
三人目は、52歳の自営業男性です。長年、食事も不規則で休みなく働いてきたと話されていました。脾虚気血両虚型の傾向があり、意欲そのものが湧きにくい状態でしたが、食事を7〜8割を目標にするところから始め、体の緊張をゆるめる時間を重ねる中で、少しずつ気力の戻りを感じるようになったとのことでした。
自宅でできるセルフケアはありますか
現実的にできることとして、次のようなものがあります。
- 夜10時前後に横になる日を、週に何日かでもつくる
- 食事は完璧を目指さず、7〜8割を目標にする
- 寝る前に深呼吸を数回行い、息を吐く時間を長くする
ただし、三つ全部を完璧にやろうとする必要はありません。どれか一つからで十分です。できない日があって当然です。むしろ真面目な方ほど、できなかった日に自分を責めてしまい、その自責がかえって体の緊張を強めてしまうことがあります。真面目さが悪いのではなく、真面目さの向け先を、完璧な習慣ではなく、自分自身への労いに変えていただくことが大切です。
病院と整体、どちらに相談すればいいですか
次のような場合は、体質のせいだと自己判断せず、先に医療機関への相談を優先してください。朝の勃起も感じられなくなってきた場合、糖尿病・高血圧など基礎疾患をお持ちの場合、数週間から数か月という短い期間で急激に変化した場合です。陰茎の血管は心臓や脳の血管よりも変化が早く現れるとされており、体全体のサインとして軽視しないことが大切です。ED全般の原因についてはヒロクリニックでも東洋医学の視点から解説されています。
そのうえで、日常的な体の緊張をゆるめ、腎・肝・心・脾の巡りを整えたいという場合には、整体がお役に立てる部分があります。病院での確認と、体のケアは対立するものではなく、併走できるものです。
よくあるご質問
東洋医学ではEDの原因を何だと考えますか?
腎精(生命力の貯金)の目減りを中心に、感情を司る肝、血を送る心、気血をつくる脾のいずれか、あるいは複数の弱りが重なって起こると考えます。
腎精とは何ですか?
生まれ持って蓄えている生命力に、日々の食事や睡眠で補われる体のエネルギーが加わった、いわば生命力の貯金のようなものです。
ストレスによるEDも東洋医学で説明できますか?
できます。ストレスや我慢が続くと、感情や気の巡りを担う肝の働きが滞り、生殖器まで気血が届きにくくなると考えます。
東洋医学と西洋医学、どちらの考え方が正しいのですか?
どちらかが正しいというものではありません。西洋医学は原因になっている系統を分けて捉え、東洋医学は体全体の巡りとして補って見る視点です。両方の視点を併用することができます。
腎精は年齢とともに減っていくものですか?
自然に少しずつ目減りしていくものです。ただし睡眠不足や過度な飲酒など生活習慣による消耗が重なると、この目減りが早まる傾向があります。
脾が弱るとEDに影響しますか?
影響し得ます。脾は気と血をつくり出す働きを担っており、この働きが落ちると、巡らせるための気血そのものが不足していきます。
東洋医学の見立てでは何を確認するのですか?
顔色や姿勢などの見る情報、お腹や腰まわりの張り・冷たさなどの触る情報、睡眠や食欲などの聞く情報を束ねて、負担が集まっている臓を見立てていきます。
心が原因でEDになることもありますか?
あります。心は血を全身に巡らせる働きを担っており、考え事や心配事で気が休まらない状態が続くと、血の巡りも滞りやすくなります。
整体でEDの見立てはしてもらえますか?
医学的な診断は行えませんが、カウンセリングと体の状態の確認を通じて、東洋医学の視点からどの臓に負担が集まっているかの傾向をお伝えすることはできます。
東洋医学の視点でセルフケアをするなら何から始めればいいですか?
まずは睡眠を整えることが土台になります。夜10時前後に横になる日を、週に何日かでもつくることから始めてみてください。
まとめ
福岡市で「東洋医学だとEDはどう考えるのか」と気になっている方へ。東洋医学では、EDを一つの臓器の不調としてではなく、生命力の貯金である腎を中心に、肝・心・脾という複数の臓が連動して起こる状態として見ていきます。どの臓に負担が集まっているかは人によって違うため、生活背景まで含めて見ていくことを大切にしています。当院では、カウンセリング・施術・セルフケアを組み合わせ、体全体の巡りを整えるお手伝いをしています。基礎疾患をお持ちの場合や急激な変化を感じた場合は、まず医療機関への相談を優先してください。
院長プロフィール
冨高誠治(とみたか せいじ)。柔道整復師・鍼灸師。施術歴20年、福岡市早良区・西新の常若整骨院院長。これまでに25,000人の患者さんを施術し、東洋医学と気功を軸とした体づくりのサポートを行っている。西新駅から徒歩圏。
EDの原因についてはこちらの記事、自律神経の働きやすさについてはこちらの記事で詳しく書いています。
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