摂り過ぎ?足りない?食事療法&サプリの上手な使い方
うつ、自律神経失調症、頭痛、アトピー、過敏性腸症候群など、常若整骨院には様々な症状でお悩みの方が来院されます。
カウンセリングの際、どんな症状の方にも必ず伺うのが食事に関することです。
なぜなら、どんな食事をしているかが、どんな体調になったかということに直結しているから。いくら効果的な整体をしても、土台である食事がボロボロのままでは回復しづらくなってしまいます。
「食事は大体コンビニのお弁当や栄養ゼリーを仕事の合間に。サプリやプロテイン飲んでるから大丈夫です」
「朝ごはんはパン、お昼は麺類っていうのが平日の定番ですね…」
「ダイエットしたくて、糖質制限頑張ってます!」
…といった風に、みなさん、それぞれの生活パターンに沿った食事をされています。
体質や生活がひとそれぞれであるように、栄養の取り方に絶対的な正解はありません。けれど、不調を改善するためには最低限押さえておきたいポイントがあるのです。
実例:Xさん(30代男性)
顔から出血するほどのアトピーでお悩みだったXさん。
お話をうかがってみると、昨年起業したばかりで忙しく、食事はほとんどが外食やコンビニご飯になっているそう。とくに早く食べられる麺類やパンが多いそうです。
経営者としてしっかりしなければ、といつも気を張っており、ひとに弱みを見せられない…というストレスも溜まっているとのことでした。
お体をみてみると、腰や股関節がガチガチに硬くなっています。
これは、食生活やストレスによって腸のはたらきが落ち、硬くなってしまっているためです。アトピーは腸の不調から始まっていることがほとんどですから、どんぴしゃりです。
施術で腸の調子を整えると、股関節がスムーズに動くようになり、腰も最初よりやわらかく曲がるようになりました。
「パンや麺類などの小麦粉は腸にダメージを与えます。早く食べることを念頭に置いた食事を減らして、定食を選んだり、週に2~3日でいいので簡単な手作りご飯を食べるようにしてみてください」
とお願いしました。
その後、食事の改善と整体の同時進行で、2カ月ほどで湿疹や痒みがほとんど気にならなくなりました。
栄養素は鎖のようにつながって働いている
栄養素の研究者ロジャー・ウイリアムス博士が提唱した「生命の鎖」というものがあります。
「生命の鎖」とは、46種の必須栄養素(ミネラル、必須アミノ酸、ビタミン、葉緑素、酵素、食物繊維、非必須アミノ酸、核酸)が鎖のようにつながって機能しており、どれかひとつの輪(栄養素)が欠けると、全体の機能に影響をおよぼし、不調や病気の原因になる…という考え方です。
栄養をとる方法の最たるものは、毎日の食事です。
食物=動物や植物は様々な物質が絡み合って出来ていますから、いくつもの栄養素が互いを補い合い、体内で機能しやすい状態で摂取することができます。
一方、サプリメントは足りない栄養素を補うための栄養補助食品ですから、それだけでは健康は成り立ちません。
厳しいことを言うようですが、食事をおろそかにしていては、いくらサプリメントで補ってみてもハリボテのようなもの。疲労の回復も追い付かず、不調を起こしやすい状態や、不調が当たり前の状態になってしまいます。
基本の食事は、ココを押さえる!
食事のベストバランスは、
■その人の体質(消化が得意な食べ物は人それぞれ違います)
■生活習慣(ガンガン運動する時期と、デスクワーク中心の時期では、必要な栄養バランスが変わります)
■現状の体調(いくら生野菜の酵素が身体に良くても、胃腸が弱っていると生モノは負担になる)
…といったことに左右されてきますから、実践あるのみ。
基本の食事は、炭水化物:タンパク質:野菜=1:1:1ぐらいの量を目安にしてみましょう。
その上で、
■手づくりの和食ごはんを基本に据える。
■旬の食材には、その季節に必要になる栄養素が詰まっているので、多めに食べる
■胃腸の調子が良くない時は、消化しにくい生もの(生野菜・生魚・生肉など)を避け、消化しやすい火を通したもの(スープ・焼き魚・炒め物など)を食べる
■伝統的な発酵食品(味噌・漬物・ぬか漬け・梅干し・キムチ・ピクルス・ザワークラウトなど)を取り入れる
■摂り過ぎで体調を崩す人が多いもの(小麦粉・砂糖・人工甘味料・ヨーグルト・牛乳・ジャンクフード・インスタントやレトルト食品)は控える
■調味料を添加物の入らないものに変えると、身体への負担が激減する
…といったポイントを押さえることがオススメです。
サプリや食事療法の使いドコロ
基本の食事を押さえるだけで、体調はすこぶる整いやすくなります。
それでも改善しづらい時、テコ入れとして使うのがサプリメントや食事療法です。
どんなサプリや食事療法を使うかは、自分にどんな栄養素が不足しているか=どんな食生活を送ってきたかということから逆算していきます。
栄養不足の種類は大きく分けて3つ。
①肉食系栄養不足
②菜食系栄養不足
③エンプティカロリー系栄養不足
です。
①肉食系栄養不足
アミノ酸やタンパク質といった大量に必要な栄養素は足りているけれど、ミネラルやビタミンなどの微量栄養素が足りない状態です。
肉食系栄養不足の特徴は、
■お肉やお魚が大好き
■野菜はあまり食べない
■甘い物や濃い味の物も好き
■糖質制限を頑張り過ぎている
■おおらかで人の心の機微に無頓着になりやすい
などです。
改善ポイント
1:食事を菜食気味に変える(野菜や海藻、きのこ等をふやす)
2:モリンガ・スピルリナ・アロエなどの植物系サプリをとる
②菜食系栄養不足
ミネラルやビタミンなどの微量栄養素は足りているけれど、タンパク質や脂質などの大量に必要な栄養素が足りない状態です。
菜食系栄養不足の特徴は、
■お肉やお魚を食べない
■野菜や炭水化物が多い
■お菓子もよく食べる
■マクロビにハマッている
■神経質でちょっとしたことに動揺しやすい
などです。
改善ポイント
1:食事にタンパク質をふやす(肉・魚・大豆・卵など)
2:プロテインをとる
3:断食などのデトックスは合わない状態なので、今はやめておく
③エンプティカロリー系栄養不足
炭水化物やジャンクフードが多く、タンパク質・ビタミン・ミネラルなど全体的な栄養が足りない状態です。
エンプティカロリー系栄養不足の特徴は、
■コンビニご飯、インスタント食品、外食などが多い
■パンや麺類など、早食いできる食事が多い
■仕事や家事や学校生活などが忙しく、自分の生活そのものがおろそかになりがち
■集中力がなく、イライラしやすい
などです。
改善ポイント
1:手作りご飯を心がける
2:炭水化物とタンパク質と野菜をバランスよく食べる(パンだけ、パスタだけ等は×)
3:安易にサプリに頼らない(サプリがダメなわけではなく、「ダメな食事でもサプリを摂ればいいや」という甘さが危うい)
ご機嫌な食事は、ご機嫌なココロから♪
身体に合わない食事の多くは、ストレスや生活の乱れから始まります。
ですから、食事を変えようとしても、ストレスや生活が変わらなければ三日坊主に終わってしまいがち。
■健康な心身を保てる食生活を営めないような、今の生活習慣や働き方を見直す勇気を持つこと。
■ストレス食いをしてしまうなら、ストレス源の見直し&食べる事以外のストレス解消法を見つけること。
■無理なダイエットや食事療法をしがちなら、まずは完璧主義(いつも自分の足りない部分ばかりを見ようとする姿勢)な自分をゆるめて、「今の自分も結構ステキだけど、もっと素敵になれる食事を見つけてみよう」と考えること。
大げさなようですが、食事を整えるということは心と身体を整えること。
もっとご機嫌に楽しく生きるための方法のひとつとして、食事を見直してみるといいかもしれません。
「もっと自分に合う食事を知りたい!」
「もっと早く症状を改善したい!」
という方は、お気軽に常若整骨院へご相談ください。
整体施術とカウンセリングで、ご機嫌な生活を取り戻すお手伝いをいたします。