自律神経の集中地点・胸骨をケアして冬を乗り切る方法
本格的な冬が到来しましたね!
急激に寒くなり空気も乾燥して、身体がついていかない、気持ちも冴えない…という方も多いのではないでしょうか。
この頃来院される患者さんには、
■胸骨が硬くなっている・動きが悪くなっている
■胸骨のまわりを緩めると体調が整う
という傾向がみられます。
胸骨には様々な特徴がありますが、常若整骨院的に推したいのは「胸骨のまわりには自律神経(交感神経)の集中点がある」ということ。
寒さや日照時間の短さで自律神経が乱れやすいこの時期、胸骨をゆるめることは心身の建て直しにつながります。
ところで、胸骨ってどういったものなのでしょうか?
胸骨って何?
胸骨とは、胸の前中心にある板状の骨です。
肋骨とともに胸郭(胸の中の空間)を構成し、肺や心臓などを収納しています。
胸骨は、3つのパーツ(胸骨柄・胸骨体・剣状突起)がくっついて出来ています。
鎖骨・肋骨ともくっついており、これらが連動して動いています。
子どもの時は主にリンパの流れに深く関わりますが、大人になると体全体のバランスをとる役割が大きくなります。
胸骨は、背骨で結びついている先の仙骨と連動しています。
面白いことに、胸骨のそばには交感神経が集中しており、仙骨のそばには副交感神経の集中点があります。
また、胸骨は経絡(気の通り道)の中でも、身体の前中心を通る任脈と深く関わっています。
こういった結びつきの結果、何らかの原因で胸骨まわりが硬くなってしまうと、
■肋骨~肩甲骨沿いの硬さや痛み
■腕の痛みやしびれ
■脇や胸のリンパの流れが悪くなる
■胸郭が膨らみにくくなり、硬さや息苦しさを感じる
■交感神経の働き過ぎや、その後の機能低下
■仙骨まわりが硬くなる
■仙骨の硬さと連動し、副交感神経が働きにくくなる
■任脈の流れが悪くなる
といった症状につながってきます。
自律神経と胸骨
前述したように、胸骨は仙骨(骨盤の中心にある骨)と連動しています。
自律神経は、ストレスや日中の活動をつかさどる交感神経、睡眠や夜間の休息をつかさどる副交感神経から成り立っており、
■胸骨のまわりには交感神経
■仙骨のまわりには副交感神経
が集中しています。
ですから、自律神経のはたらきと胸骨・仙骨は密接に関わり合っているといえます。
胸骨のまわりに集中している交感神経は、ストレス・活動・逃げるか戦うかの選択・動悸を速くする・血圧の上昇・腸の蠕動運動の停止・汗を出すなどのはたらきを司っています。
ですから、
長期にわたるストレスや運動不足などで胸骨が硬くなる
↓
交感神経が働きっぱなしの状態にロックされる
↓
動悸・不眠・めまい・高血圧・カゼをひきやすい・免疫力の低下・甘い物がやたらと食べたい・焦り・緊張しやすい・パニックなどの症状が出やすくなる
↓
交感神経が頭打ちになり、はたらきが落ちる(副交感神経ばかりが働くようになる)
↓
朝起きられない・慢性疲労・痛みや痒みを強く感じる・アレルギーやアトピーが出やすい・うつ状態などの症状が出やすくなる
といったことが起こりやすくなってしまいます。
活動とリラックスの要!胸骨をゆるめる方法
胸骨(や、連動している仙骨)が硬くなると自律神経のスムーズな切り替えが出来ず、色々な困った症状が出てきてしまいます。
逆に胸骨のまわりがやわらかいと、自律神経の働き・切り替えがうまくいくので、内臓機能・免疫・回復力などがスムーズにはたらきますし、気持ちの切り替えもしやすくご機嫌に過ごせます。
①深呼吸をする
自律神経はその名の通り勝手に動いてくれる神経なので、基本的に私たちが意識して働きかけることはできません。
しかし、気道を開く(交感神経)・狭める(副交感神経)という動きは、意図的に動かすことができます。
①お腹や胸をペタンコにするつもりで、10秒かけて息を吐く
②お腹や胸をふくらませるつもりで、5秒かけて息を吸う
③これを2分~好きなだけ行う
吐く(気道を狭める)時間を長くとることで、副交感神経のスイッチが入りやすくなり、交感神経が休まりやすくなります。
また、お腹や胸をふくらます・ペタンコにする動きによって内臓のマッサージにもなります。
②あたためる
カゼや冷え予防に首・手首・足首をあたためることは色々な場所でオススメされていますよね。
胸骨まわりの症状や自律神経を整えるなら、胸骨・鎖骨をはじめとした襟元も是非あたためましょう。
■ネックウォーマーをつける
■ハイネックやタートルネックの服を着る
■貼るカイロを、デコルテ・肩甲骨の間・心臓の裏などに貼る(衣服の上から!)
③手を当てる
カンタンな調整法として、手(指)を当てるというものもオススメです。
手のひらや指先には気(エネルギー)の出入り口があり、そこをやさしく当てることで気の通りを良くし、動きを整えることができます。
今回はよりピンポイントな調整ができる指を当てていきます。
■後頭骨(後頭部の一番飛び出た当たり)にやさしく指先を当てて深呼吸をする
■胸骨(胸の間)やさしく指先を当てて深呼吸をする
胸骨をケアして、心と体を整えよう
胸の中心にある胸骨のまわりには、自律神経のうちストレス・活動をつかさどる交感神経が集まっています。
ですから、胸骨が硬くなると交感神経のはたらきが暴走してしまったり、逆に機能低下を起こしたりしてしまいます。
交感神経の暴走は動悸・不眠・イライラ・便秘などの症状を引き起こします。
胸骨のまわりをやわらかくするには、
■深呼吸
■あたためる
■手を当てる
などが有効です。
寒くなると筋肉が縮こまってしまい、身体の動きが硬くなります。
胸骨の動きや硬さもしかり。
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