体は全部知っている♪何を食べたらいいか悩んだ時に試してほしい方法3つ
患者さんからよく頂くご質問に、「○○っていう食餌療法は、どうなんですか?」「■■って体にいいんですか?悪いんですか?」というものがあります。
そういう時にお伝えするのは、その食べ物・食事療法のメリットデメリットと、それがご自分の体に合うかどうかの確認法。
「調べれば調べるほど、何を食べればいいのかわからなくなる!」
そんな方にぜひ知っておいてほしい方法です。
多様な食餌療法
「こんな食事が体にいい」という情報は、本・雑誌・テレビ・ネットなど、あらゆるところにあふれています。
こういった食餌療法は、大まかに草食と肉食に分けられます。
■草食の例
・マクロビオティック
・玄米菜食
・ナチュラルハイジーン(果物と生野菜中心)
■肉食の例
・ローカーボ(炭水化物抜き)
・MEC(肉・卵・チーズ)
・グルテンフリー
このような食餌療法においては、「コチラのほうが体にいい」「この食事法にはこんな問題がある」という情報が乱れ飛ぶものです。
「じゃあ結局、何は食べて良くて、何はダメで、どういう食べ方をしたらいいの!?」
食餌療法に興味を持った人は、そう叫びたくなったことが1度や2度はあるのではないでしょうか。
食餌療法のメリット・デメリット
先ほど大まかに草食・肉食に分けた食事療法の、それぞれのメリットとデメリットをみてみましょう。
草食系の食事療法
■メリット:
・ホルモン剤や重金属などの毒素を避けやすい
・植物性の酵素・酵母を摂りやすい
・酵素や酵母とともに、食物繊維による腸内環境の改善ができる
■デメリット:
・タンパク質や脂質の不足
・糖質の摂りすぎ
・腸が大変弱っている人には、生野菜や玄米の食物繊維が逆に負担になることがある
肉食系の食事療法
■メリット
・タンパク質や脂質といった栄養をじゅうぶんに摂れる
・糖質過多によるイライラや内臓への負担が減る
■デメリット
・ホルモン剤や重金属などの毒素が入りやすい
・乳製品、卵、肉によって腸内環境が荒れる場合がある(アレルギー等の原因にも)
食餌療法を選ぶポイント3つ
「メリット・デメリットを情報として集めても、結局何が正解なのかわからない!」
そういう時は、まず自分のことを見つめてみましょう。
情報は、情報を発信している人の目線にとっての正解であって、それを受け取るあなたにとっての正解とは限りません。
例えば牛乳は、Aさんにとってはカルシウムいっぱいの美味しい飲み物で、Bさんにとってはお腹を下す苦手な飲み物、Cさんにとっては腸を荒らし骨粗鬆症を誘発する悪しきものだと考えていた時、それはどれも間違いではありません。
牛乳という液体を、それぞれが違う方向から見ているだけなのです。
だからこそ情報にまどわされず、自分の体を通して、その食べ物・食事療法を見つめることが大切です。
①自分の体質を把握する
人には生まれ持った体質があります。
例えば、白米よりも血糖値が上がりにくいと言われる玄米。
ですが、玄米を食べただけで血糖値が急上昇するような体質の方もいらっしゃいます。こういった方は玄米食には向きません。
また、お肉や牛乳でお腹を壊したり、やたらと胃もたれする方には肉食は向きません。
「これまで自分が何を食べた時、どうなってきたか?」
これが大きな手掛かりになります。
②自分の状態を把握する
体質とはまた別に、その人の現在の体調や状態も把握しておかなければなりません。
もともとは野菜も玄米もお肉もむしゃむしゃ食べられる体質だったけれど、長年お菓子を食べ続けて胃腸がボロボロの人がいるとします。
こういう状態の人に「体にいい食餌療法だから」と生野菜や玄米、お肉を与えても、ますます腸を荒らしてしまいます。
まずは消化の良いおかゆ、煮物、味噌汁やスープで胃腸を休め、徐々に栄養を吸収できる体にしていく必要があります。
「今、自分の体はどういう状態なのか?何ならきちんと消化吸収できるのか?」
その時々で、こう問いかけていきましょう。
③自分の体で実験する
「牛乳は体にいいの?悪いの?ヨーグルトやチーズは?」
「野菜は生がいいの?それとも煮た方がいいの?」
「玄米はデトックス力が高すぎるって聞いたけど、常食していいの?」
こういった疑問が無数に湧いてくる時は、情報収集とともに、自分の体で実践してみましょう。
例えば牛乳や乳製品は、カルシウムパラドックス(牛乳で摂取するカルシウム量よりも酸性になった体を中和するために排出されるカルシウム量のほうが多い)、お腹を壊しやすい等のデメリットがあると言われています。
半面、ヨーグルトによる乳酸菌が花粉症をおさえてくれる、チーズはタンパク質を摂取しやすい、などのメリットも挙げられています。
これらを考慮したうえで、実際に乳製品を摂取した時、自分の体はどんな反応をしめすのか、注意深く観察してみます。
お腹を壊したり、お肌が荒れたり、アレルギーがひどくなったり、イライラするようなら体に合わない証拠。
特に異常がみられなければ、摂取した時のダメージは少ないといえます。
逆にアレルギーや花粉症がおさまったと感じるなら、体に合っているといえます。
「これはどうなの?」と思ったら、自分の体の声を聞くことが一番の近道であり、あなたにとって最良の結果を得ることができます。
自分の体に聞く、掘り下げる
あなたの体は、日々変化しています。
前はおいしく食べていたものが好きではなくなったり、逆に前は苦手だったものが無性に食べたくなったり…そんな時は、体が変化している合図。
何を食べたらいいのか迷ったら、まずは体にきいてみましょう。
「これは体に合わないけど、好きで食べたい」
「体に良くないものを食べちゃった!」
そんな時も、次の食事や数日、一週間といったスパンの間にバランスをとればいいだけの話。
一喜一憂する必要はありません。
楽においしく続けられる、あなただけの食事療法を見つけてみるのも楽しいですよ♪
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