アトピーが良くなる人の共通点
20年間この仕事をしてきて、数百人のアトピー患者さんを診てきました。その中で「あ、この人は必ず良くなるな」と確信する瞬間があるんです。今日はその共通点について、具体的にお話ししていきましょう。
「完璧主義」を手放せる人
一番印象的だったのは、35歳の看護師さんの例です。初回の問診で「私、何でも完璧にやらないと気が済まないんです」と話していた彼女が、3ヶ月後には「今日は60点でも良しとします」と笑って言えるようになった。その頃から、頑固だった首のアトピーがみるみる改善していったんです。
完璧主義の人は常に自分にプレッシャーをかけ続けています。「もっと頑張らなきゃ」「失敗は許されない」こんな思考パターンが、実は気の流れを停滞させてしまうんですね。
良くなる人は、ある時点で「まあ、いいか」と思えるようになります。100点を目指すのではなく、70点で合格点とする柔軟性を身につけていく。この心の変化と皮膚の改善は、本当に見事に連動しているんです。
感情を素直に表現できるようになる人
「我慢強い」と言われ続けてきた40代の男性患者さんがいました。会社では部下の面倒見が良く、家庭では優しい夫・父親として評価されている。でも初診時の彼の手は、我慢の限界を表すように真っ赤に腫れ上がっていました。
転機は、ある日の治療中に突然泣き出したことでした。「本当はもう疲れたんです。みんなの期待に応えるのが辛くて…」20分ほど泣き続けた後、なんだかすっきりした表情になったんです。
それから彼は変わりました。家族に「今日は疲れたから家事を手伝って」と素直に言えるようになったり、職場でも無理な残業を断れるようになったり。3ヶ月後には手の腫れもほとんど引いていました。
感情は川の流れのようなもの。せき止めると淀んで腐ってしまうけれど、自然に流してあげれば清らかさを保てる。良くなる人は、この感情の流し方が上手なんです。
自分の体の声を聞ける人
アトピーが改善する人は、体からのサインをキャッチするのが得意です。「今日は少し疲れているな」「ストレスが溜まってきたかも」そんな微細な変化に気づいて、早めにケアできる。
逆に悪化しやすいのは、体の声を無視して頑張り続けてしまう人。「まだ大丈夫」「みんなも頑張ってるから」と無理を重ねて、ある日突然ドカンと症状が悪化する。
私がよく患者さんに教えるのは「朝起きた時の体調チェック」です。布団の中で目を閉じたまま、頭のてっぺんから足先まで意識を向けてみる。「今日の体調は何点かな?」と問いかけてみるんです。
70点以下だったら無理をしない、50点以下だったら積極的に休む。こんなルールを作って実践できる人は、確実に改善していきます。
食事との向き合い方が変わる人
面白いことに、アトピーが良くなる人は食事に対する考え方も変化します。「これを食べたらダメ」「あれも制限しなきゃ」という恐怖ベースの食事制限から、「今日は何が食べたいかな?」「体が欲しがっているのは何だろう?」という直感ベースの選択に変わっていくんです。
ある20代の女性は、厳格な除去食を2年間続けていましたが、一向に改善しませんでした。ところが「たまには好きなものも食べていいよ」とアドバイスした途端、むしろ体調が良くなったんです。
彼女曰く「食事制限がストレスになっていたことに気づきました。今は体の声を聞いて、本当に食べたいものを感謝して食べています」
食べ物には栄養だけでなく、感情やエネルギーも込められています。恐怖や制限の気持ちで食べる食事と、感謝と喜びで食べる食事では、体への影響が全く違うんですね。
睡眠の質を大切にする人
「早寝早起きしてます」という人は多いんですが、良くなる人は睡眠の「質」を重視します。ただ長時間寝るのではなく、深くリラックスして眠れているかどうかを気にかけているんです。
改善した患者さんたちが実践していた共通の習慣が3つあります。
寝る2時間前からはスマホを触らない これは本当に効果的。ブルーライトが交感神経を刺激して、深い眠りを妨げてしまうんです。
寝室を聖域にする 仕事の資料や心配事を寝室に持ち込まない。「この部屋は休息のためだけの場所」という意識を持つことで、入っただけで体がリラックスモードに切り替わります。
感謝の気持ちで眠りにつく 布団に入ったら、今日あった良いことを3つ思い出す。どんな小さなことでもいいんです。「コンビニの店員さんが笑顔だった」「電車で席に座れた」「美味しいお茶が飲めた」…そんな感謝の気持ちで眠りにつくと、翌朝の体調が全然違います。
人間関係の断捨離ができる人
これは少し言いにくいことなんですが、アトピーが良くなる人は人間関係の見直しも上手です。エネルギーを奪われるような関係から、勇気を持って距離を置くことができる。
30代の主婦さんが「ママ友との付き合いが本当にストレスで…」と相談してきたことがありました。週に3回はランチやお茶に誘われ、断ると機嫌を損ねる。そんな関係に疲れ果てていたんです。
「人間関係も体調の一部」という話をしたところ、彼女は思い切って距離を置くことにしました。最初は罪悪感もあったようですが、2ヶ月後には「久しぶりに心が軽いです」と笑顔で話してくれました。その頃から、長年悩んでいた腕のアトピーも目に見えて改善していったんです。
人は環境の生き物です。常にネガティブなエネルギーにさらされていると、どんなに治療を頑張っても改善は難しい。良くなる人は、自分にとって必要な人間関係と、そうでない関係を見極める直感力を持っています。
小さな変化を喜べる人
「完治しなきゃ意味がない」と考えるタイプの人は、実は治りにくい傾向があります。逆に「昨日より少しかゆみが減った」「この部分の赤みが薄くなった」そんな小さな変化に気づいて喜べる人は、確実に改善していきます。
これは潜在意識の法則とも関係しています。小さな改善を認めて喜ぶことで、脳は「この方向性で正しい」と判断し、さらなる改善を促進するんです。
私の患者さんには「改善日記」をつけることをおすすめしています。毎日寝る前に、その日の体調で良かった点を一つだけ記録する。「今日は集中してかゆがらずに仕事ができた」「ぐっすり眠れた」「肌の調子が昨日より良い」…そんな些細なことでも構いません。
1ヶ月も続けると、確実に変化を実感できるようになります。そして何より、ポジティブな変化に意識を向ける習慣が身につくんです。
治療者との信頼関係を築ける人
これは私の経験からの話ですが、良くなる人は治療者との関係性も上手です。質問も遠慮なくするし、不安や疑問も素直に話してくれる。
「先生、実は昨日こんなことがあって…」「この治療法、本当に効くんでしょうか?」そんな風に、心を開いてコミュニケーションを取ってくれる人は、私も全力でサポートしたくなります(笑)。
逆に「先生にお任せします」と言いながら、心の中では半信半疑だったり、他の治療法と比較ばかりしている人は、なかなか改善しにくい。信頼関係がないと、どんなに良い治療法でも効果は半減してしまうんです。
治療は二人三脚。患者さんと治療者が同じ方向を向いて歩んでいけるかどうかが、実は一番重要なポイントかもしれません。
ストレス発散の方法を持っている人
アトピーが良くなる人は、自分なりのストレス発散法を持っています。それも「これしかダメ」ではなく、いくつかの選択肢を用意している。
ある患者さんは「散歩、読書、お風呂、友人との電話、掃除」の5つをストレス発散メニューとして決めていました。「今日は散歩の気分じゃないから読書にしよう」「今週は掃除をサボってたから、今日は徹底的に片付けよう」そんな風に、その時の気分に合わせて選択できるんです。
私も患者さんには「ストレス発散の引き出しを増やしましょう」とアドバイスしています。一つの方法に依存すると、それができない時に困ってしまうからです。
特に効果的なのは「体を動かす系」と「心を静める系」の両方を持つこと。激しい運動で発散したい日もあれば、静かに瞑想したい日もある。その時の自分の状態に合わせて選べることが大切なんです。
自分の価値観で生きられる人
最後に、これが一番重要かもしれません。アトピーが良くなる人は、他人の価値観ではなく、自分の価値観で生きることを選択しています。
「世間では〇〇が良いとされているけれど、私には合わない」 「みんなは忙しくしているけれど、私はゆっくり過ごしたい」
こんな風に、自分の心の声に素直になれる人は、体も心も健康になっていきます。
ある患者さんが印象的なことを言っていました。「アトピーになったおかげで、本当の自分と向き合えるようになった。今思えば、体が教えてくれていたんですね」
病気は確かに辛いものです。でも時として、私たちが見失っていた大切なものを教えてくれる先生でもあるんです。
継続する力と諦める力のバランス
良くなる人は「継続すべきこと」と「諦めるべきこと」の見極めが上手です。
治療や生活習慣の改善は継続する。でも「絶対に治さなきゃ」という執着は諦める。完璧な食事療法は継続する。でも時々の「食べ過ぎ」は諦めて受け入れる。
このバランス感覚が絶妙なんです。力みすぎず、でも手は抜かない。真面目だけれど、真面目すぎない。
私自身も若い頃は「絶対に患者さんを治してみせる」と力んでいましたが(苦笑)、今は「最善を尽くして、あとは体の自然治癒力にお任せしよう」という気持ちで治療しています。その方が、患者さんにとっても私にとっても、良い結果が生まれることが多いんです。
感謝の気持ちを持てる人
最後にお話ししたいのは、感謝の力についてです。アトピーが改善していく人は、途中から「感謝」という言葉をよく口にするようになります。
「こんな症状でも、家族が支えてくれて感謝です」 「辛い経験だったけど、自分と向き合うきっかけをくれて感謝です」 「先生との出会いに感謝しています」
最初はとても言えそうにない言葉でも、心の変化と共に自然に出てくるようになる。不思議なもので、感謝の気持ちが湧いてくると、体の調子も比例するように良くなっていくんです。
東洋医学では「心身一如」と言いますが、本当にその通りだと思います。心が軽やかになると、体も軽やかになる。心が感謝で満たされると、体も癒しのエネルギーで満たされる。
20年間、何百人もの患者さんを診てきて、これだけは確信を持って言えます。「治る人は必ず治る」そして「治る人には共通点がある」
もちろん、症状の重さや体質の違いで、改善のスピードには個人差があります。でも今日お話しした共通点を意識して実践していけば、必ず良い変化が現れてくるはずです。
完璧を目指さなくて大丈夫。一つずつ、できることから始めてみてください 😊
あなたの中にある「良くなる力」を信じて、今日から何か一つでも始めてみませんか?