【整体師20年】起立性調節障害で朝ごはんが食べられない方へ|東洋医学と気功で胃腸を立て直す治し方
朝、目が覚めても体が重く、食欲が全くわかない。無理に朝ごはんを食べようとすると、吐き気がして、さらに体調が悪くなる。そんな「起立性調節障害」の症状に加えて、「朝ごはんが食べられない」という悩みも抱えていませんか? この症状は、本当に辛いものですよね。
病院では「自律神経の乱れ」と言われるけれど、具体的な改善策が見つからず、途方に暮れている方も多いでしょう。特に、朝食が摂れないことで、お子さんの成長や学業への影響を心配する親御さんも少なくありません。
でも、諦めるのはまだ早いです。私はこの道20年、福岡で整体師として、東洋医学と気功の視点から、多くの方々の自律神経の不調に向き合ってきました。そして、「朝ごはんが食べられない」という症状の裏には、東洋医学的な深い原因が隠されていること、そしてそれを改善する道があることを知っています。
この文章を読み進めていただければ、あなたの、あるいはあなたのお子さんの抱える起立性調節障害と朝食の悩みが、これまでとは全く異なる新しい視点で見えてくるでしょう。そして、気功が、いかにあなたの体と心のバランスを取り戻し、食欲を取り戻す力を持っているかを知れば、きっと改善への大きな一歩を踏み出せるはずです。(思わず、真剣な表情になってしまいました。)
起立性調節障害と東洋医学:全身のバランスの乱れが根底にある
まず、起立性調節障害について、東洋医学の視点からお話しさせてください。西洋医学では、自律神経の働き、特に交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで、血圧や心拍数の調整がうまくいかなくなり、立ちくらみやめまい、倦怠感といった症状が出ると考えますよね。これはもちろん、大切な視点です。
しかし、私たち東洋医学のプロフェッショナルは、もっと大きな枠組みで、その人の体を丸ごと見ていきます。起立性調節障害は、単なる自律神経の問題ではなく、体全体のバランスの乱れが根底にあると捉えるんです。
東洋医学において、人の体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」という三つの要素で成り立っていると考えます。これらの要素が、全身を巡る「経絡(けいらく)」というエネルギーの通り道を滞りなく流れることで、健康が保たれます。起立性調節障害の場合、これらの要素のいずれか、あるいは複数が滞ったり、不足したりしていることが多いんです。
具体的には、以下のような状態が考えられます。
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気虚(ききょ): 気とは、生命活動の根源となるエネルギーのことです。気が不足すると、体を支える力が弱まり、血圧を維持する力も低下します。立ち上がった時に頭に血が巡りにくくなるのは、この気が不足しているためとも考えられます。倦怠感や疲れやすさも、気虚の典型的な症状ですね。
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血虚(けっきょ): 血とは、体全体に栄養や潤いを運ぶものです。血が不足すると、脳や全身の組織に十分な栄養が行き届かなくなり、めまいや立ちくらみが起こりやすくなります。顔色が悪い、爪がもろい、髪がパサつくなども血虚のサインです。特に成長期のお子さんや、生理のある女性に多く見られる症状です。
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肝気鬱結(かんきうっけつ): 肝は、気の巡りをスムーズにする役割を担っています。しかし、ストレスや精神的な緊張が続くと、肝の働きが滞り、気の流れが悪くなります。この「肝気鬱結」は、自律神経の乱れと深く関係しており、動悸や息苦しさ、イライラ、そして起立時の不調を引き起こすことがあります。心と体の繋がりが特に強く現れる部分です。
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脾(ひ)の機能低下と湿(しつ)の停滞: 脾は消化吸収を司り、気や血を生成する源です。脾の機能が低下すると、気や血が十分に作られなくなり、全身に巡りにくくなります。また、脾の働きが弱いと体内に余分な水分である「湿」が溜まりやすくなります。この「湿」が体に重だるさや、頭の重さ、めまいを引き起こすこともあります。
福岡の整体師として20年、多くの方々の頭痛改善にも携わってきましたが、起立性調節障害の症状で頭痛を訴える方も少なくありません。これらも、体内の気血水のバランス、特に気の巡りの滞りが影響していることが多いのです。
「朝ごはんが食べられない」原因:東洋医学から見た脾胃の機能低下
起立性調節障害の症状に加え、「朝ごはんが食べられない」という悩みは、東洋医学では特に脾(ひ)と胃(い)の機能低下が深く関わっていると考えます。脾と胃は、飲食物を消化吸収し、体に必要な「気」や「血」を生成する、いわば「エネルギー製造工場」です。
朝ごはんが食べられないのは、この製造工場が朝の段階で十分に機能していない、あるいはエネルギー生産を始める準備ができていない状態なのです。
その具体的なメカニズムは、いくつか考えられます。
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脾胃の冷えと虚弱: 東洋医学では、脾胃は「温」を好む臓腑とされます。冷たいものの摂りすぎ(冷たい飲み物やアイスクリームなど)、または朝食を抜く習慣などによって脾胃が冷えると、その消化吸収能力が著しく低下します。朝はまだ体が十分に温まっておらず、脾胃も活動的でないため、そこに冷たいものや消化に負担のかかるものを入れようとすると、胃もたれや吐き気、食欲不振につながるのです。
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気の滞り(肝気鬱結)による胃の不調: ストレスが原因で「肝」の気が滞ると、その影響が脾胃に及び、「胃の気の停滞」を引き起こすことがあります。すると、胃が重く感じたり、食欲がわかなかったり、吐き気を感じたりします。特に起立性調節障害の方は、ストレスを抱えやすい傾向があり、それが食欲不振に繋がっているケースも多いんです。例えば、学校に行きたくないという強いストレスが、朝の吐き気となって現れることもあります。
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睡眠の質の低下と胃腸の未覚醒: 夜更かしや、寝る前のスマホ、ゲームなどで睡眠の質が悪いと、体が十分に休息・回復できません。東洋医学では、夜の特定の時間帯に胃腸が活発に働く時間帯があると考えます。この時間帯に体が休まっていないと、朝になっても胃腸が十分に覚醒せず、消化機能が働かないため、食欲がわかない、という状態になります。朝、体がだるく起き上がれないのと同様に、胃腸もまだ「寝ている」状態なのです。
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気血の不足によるエネルギー不足: 脾胃の機能低下が続くと、体に必要な「気」や「血」が十分に作られなくなります。全身のエネルギー不足は、胃腸の働きをさらに低下させ、悪循環を生みます。朝は一日の始まりで最もエネルギーを必要とする時間帯ですが、気血が不足していると、そのエネルギーを生み出す「食欲」がわかない、という状態に陥るのです。
このように、「朝ごはんが食べられない」という症状は、単なる食欲の問題ではなく、脾胃の機能低下、気の滞り、睡眠の質の低下、気血の不足といった、東洋医学的な体のバランスの乱れが深く関わっているのです。
気功の第一人者としての治し方:脾胃を活性化し、食欲を取り戻す気功
私は気功の指導を長年行っておりますが、気功は起立性調節障害の改善、特に「朝ごはんが食べられない」という症状に対して非常に有効だと考えています。なぜなら、気功は脾胃の機能を直接的に活性化し、全身の気血の巡りを整えることに特化しているからです。
気功を行うことで、滞っていた気の流れがスムーズになり、全身の経絡が通じやすくなります。
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脾胃の活性化と消化促進: 気功のゆったりとした動きと深い呼吸は、腹部、特に脾胃のあたりを意識的に動かし、温める効果があります。これにより、冷えていた脾胃の機能が活性化され、消化液の分泌が促され、朝からでも食べ物を受け付けやすい状態へと変化していきます。朝の胃腸を優しく「起こしてあげる」ようなイメージです。
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自律神経の調整とリラックス効果: 気功の呼吸法は、副交感神経を優位にする効果があります。朝、交感神経への切り替えがうまくいかず、胃腸が緊張している状態の起立性調節障害の患者さんにとって、リラックス効果を高めることは非常に重要です。心が穏やかになり、体がリラックスすることで、胃腸の緊張が緩み、自然と食欲がわきやすくなるでしょう。
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全身の気血の巡り改善: 気功によって全身の気の流れがスムーズになると、血の巡りも促進され、体に必要な「気」や「血」が効率よく生成されるようになります。全身のエネルギーが満たされることで、胃腸も活発に働き、自然な空腹感を感じられるようになるでしょう。これは、体全体の根本的な底上げに繋がります。
実際に、私のもとで気功を実践された方の中には、「気功を始めてから、朝食が少しずつ食べられるようになった」「以前より体が軽くなって、食欲もわくようになった」とおっしゃる方がたくさんいました。具体的な例を挙げれば、ある小学6年生の女の子は、起立性調節障害で朝起きられず、週に3日しか朝食が摂れませんでしたが、気功を始めて2ヶ月後には、毎日温かいスープやパンが食べられるようになりました。これは、気功が体だけでなく、心にも深く働きかけ、本来持っている治癒力を引き出した結果だと考えています。気功は、単なる体操ではなく、内なる生命エネルギーを高め、心身のバランスを整える奥深い行法なのです。
プロの整体師としての治し方:日々の生活習慣と食への意識改革
整体師として、私が最も重視しているのは、実は「日々の生活習慣」と「心のケア」です。どんなに素晴らしい施術や気功を用いても、日々の生活が乱れていては、根本的な改善は難しいからです。起立性調節障害の治し方には、特にお子さん自身の生活習慣の見直しと、お母様を始めとするご家族のサポートが鍵となります。
まず、生活習慣。食事は非常に重要です。朝ごはんが食べられない、という悩みに特化した対策をお話ししましょう。
- 「食べるもの」より「食べられるもの」から: 最初から完璧な朝食を目指す必要はありません。まずは、少量でも「食べられるもの」から始めてみましょう。例えば、温かい白湯一口、梅干し半分、おかゆをスプーン1杯、など。体が受け付けるものから徐々に増やしていくのがポイントです。
- 温かいものを中心に: 冷たいものは脾胃を冷やし、消化に負担をかけます。温かいスープ、味噌汁、温かいお茶、蒸しパンなど、胃腸に優しいものを選びましょう。
- 消化に良いものを少量から: 脂っこいものや、食物繊維が多いものは消化に時間がかかります。まずは、おかゆ、柔らかく煮た野菜、白身魚など、消化吸収の良いものを少量から試してみてください。
- 「美味しい」と感じるものを: 無理やり食べるのは逆効果です。少しでも「美味しい」と感じられるもの、好きなものから始めることで、食べる意欲を引き出せます。
- 食欲がなくても「何か口に入れる」: 食欲が全くなくても、温かい白湯を一口飲むだけでも違います。体が水分を欲しがっているサインかもしれません。
睡眠も非常に重要です。起立性調節障害の症状は、睡眠の質と深く関わっています。夜間の質の良い睡眠は、自律神経のバランスを整え、体力の回復を促します。東洋医学では、夜は「陰」の時間であり、体が回復する大切な時間と考えます。理想的には、午後10時には就寝し、午前6時には起床する子午流注(しごるちゅう)に基づく生活リズムが望ましいとされます。これは、時間帯によって気が巡る臓腑が異なり、それぞれの臓腑が最も活発に働く時間に体を休めることで、自然治癒力を最大限に引き出すという考え方です。十分な睡眠を取ることは、お子さんへの「休息」という優しい贈り物でもあります。無理に寝かせようとせず、リラックスできる環境を整える工夫をしましょう。寝る前のスマートフォンやゲームの長時間使用は、脳を興奮させてしまうので、寝る2時間前には控えるようにするのが理想です。
そして、ストレス。現代社会において、ストレスは避けられないものですが、上手に付き合うことが大切です。ストレスは気の滞りを生み、自律神経の乱れを助長します。瞑想や深呼吸、そしてもちろん、気功もストレス軽減に役立ちます。また、起立性調節障害による体の不調や、朝食が食べられないことへの焦り、学校・友人関係への影響で自分を責めてしまう癖があるお子さんや、お母様が、その感情を解放することが重要です。小さなことでも良いので、今日の自分や、お子さんを褒める。完璧でなくても良いと自分に言い聞かせる。失敗しても大丈夫、と自分や家族を許す。こうした心の習慣が、少しずつ、しかし確実に体と心を良い方向へ導いていくでしょう。私は患者さんに、一日に一度、鏡を見て「今日もよく頑張ったね」と自分に声をかけることを勧めています。
治療の心構え:完璧を目指さない、そして家族みんなで支え合う
20年この仕事をしてきて思うのは、起立性調節障害の治し方は、「完璧」を目指すものではないということです。起立性調節障害は、その人の体質や生活習慣、精神状態、そして家族関係といった複雑な要因が絡み合って現れる症状です。一朝一夕に劇的に改善するものではありません。
もちろん、症状が落ち着くことは目標ですが、たまには調子が悪い日もあるでしょう。大切なのは、その波とどう向き合い、どうコントロールしていくかです。私も患者さんやご家族にはよくお話しします。「今日ダメでも、明日がある。少しずつ、できることを増やしていきましょう」と。気負いすぎず、焦らず、ご自身のペースで治療を続けていくことが、最終的には最も良い結果につながると信じています。
私は整体師として「手技」を用いて体を整えるのが仕事ですが、起立性調節障害の患者さんに対しては、ただ施術をするだけでなく、日々の生活における「選択」の重要性をお伝えしています。例えば、朝の起き方。急に起き上がらず、ゆっくりと時間をかけて体を起こす工夫をする。これは、自律神経への負担を減らす小さな一歩です。
大切なのは、ご自身やお子さんの体と向き合い、何が症状を悪化させ、何が改善につながるのかを、家族みんなで「知る」ことです。そのためには、体調日記をつけるなど、地道な努力が必要になるかもしれません。しかし、これこそが、お子さんの体を「治療する」最初の一歩となるのです。お子さんの主治医は、最終的にはお子さん自身。そして、その最大のサポーターが、お母様をはじめとするご家族です。私たちの役割は、その手助けをすることに過ぎません。私からのアドバイスは、あくまで一つの羅針盤。最終的に舵を切るのは、お子さんとご家族自身なのです。この考え方こそが、長年の治療経験から私が辿り着いた真実です。
起立性調節障害と季節の変動:自然との調和、そして自分との調和
起立性調節障害の症状は、季節によって変動することがよくありますよね。東洋医学では、自然界の移り変わりと人体の状態が密接に関連していると考えます。これを天人相応(てんじんおう)と言います。
例えば、春は「風」の季節。気の変動が大きく、自律神経が乱れやすい時期です。夏は「熱」の季節。汗をかきやすく、体液のバランスが崩れやすいので、脱水や気の消耗に注意が必要です。秋は「燥(そう)」の季節。空気が乾燥し、肺の機能が弱まりやすく、精神的にも不安定になりやすい時期です。冬は「寒」の季節。血行が悪くなりやすく、体が冷えることで症状が悪化することもあります。
このように、季節ごとの特徴を理解し、それに合わせたケアを行うことも、起立性調節障害の症状を安定させる上で非常に重要です。そして、この自然との調和と同じくらい大切なのが、「自分自身との調和」です。体の声に耳を傾け、ありのままの自分を受け入れること。これが、季節や環境の変化に左右されにくい、強くしなやかな心身を作り上げる土台となります。
最終的な問いかけ
起立性調節障害で朝ごはんが食べられない、それはあなたの体が送る「胃腸の疲労」というサインです。そのサインに耳を傾け、東洋医学の知恵と気功の実践を通じて、胃腸の働きを活性化し、あなた自身の体と心を深く理解する旅に出てみませんか?そして、その旅の中で、あなたの体のリズムと調和し、食欲を取り戻し、快適な毎日を送ることができるでしょうか?