胃カメラで異常なしなのに食後のつらさが消えない|機能性ディスペプシアが長引く本当の理由
結論から言うと、機能性ディスペプシアが何年も続く方には、「胃そのものの問題」より「体の慢性的な緊張が胃の知覚を過敏にしている」ケースが多くあります。
胃カメラを受けて「異常なし」「ストレスです」と言われ、薬を処方されて終わった。飲んでいる間は少し楽になるけれど、やめるとまた戻る。その繰り返しが3年、5年、気づけば10年と続いている。そういう方が、福岡市の当院にも少なくない頻度で来られます。
この記事では、なぜ機能性ディスペプシアが長引くのか、薬だけでは変わりにくい理由は何か、東洋医学の視点でどう見ているのかを書いています。福岡市で同じ悩みを抱えて情報を探している方に届けばと思います。
要点を3つ先にお伝えします。
一つ目、機能性ディスペプシアが長引く背景には「内臓知覚過敏」があり、胃そのものより体全体の慢性緊張が原因になっていることが多い。二つ目、整体は症状を直接消すものではなく、体の緊張をゆるめることで消化機能が働きやすい状態を整えるサポートができる。三つ目、東洋医学では「脾」「肝」「心」の3つの臓器の状態から体質ごとに見ていく。
なぜ機能性ディスペプシアは長引くのですか
機能性ディスペプシアが長引く方には、体の慢性的な緊張が抜けていないケースが多くあります。
胃の不快感が続いている間、私たちの体は「また食後につらくなるかもしれない」という予測で、食事の前から緊張しています。この緊張自体が、自律神経を通じて胃の働きをさらに乱す。「胃がつらい→食事が怖くなる→緊張が増す→さらに胃が過敏になる」という悪循環に入ることがあります。医学では「内臓知覚過敏」と呼ばれる状態で、胃そのものに異常がなくても、普通の刺激(食後の胃の動き、胃酸の分泌)が不快感や痛みとして感じられるようになっている状態です。
胃薬が一時的には効いても、体の緊張パターンが変わらなければ、薬をやめた途端に戻りやすい。これが「薬は続けているが、何年も改善しない」という状況の本質的な理由の一つです。
自律神経は全身の筋肉の緊張と連動しています。横隔膜(胸とおなかを分ける大きな筋肉)が慢性的に硬くなっていると、胃に常に圧力がかかった状態が続きます。背中(胸椎の6〜10番あたり)の緊張も、胃の動きを外側から制限します。肋骨の下(上腹部)が板のように固くなっている方に、施術で触ると「そこ、触られると気持ち悪い」と感じる方がいます。それほど胃まわりの組織が過敏になっている、ということです。
感情の問題も深く関わっています。「怒りを抑えてきた」「言いたいことを飲み込んできた」「他人の感情を引き受けてきた」という方に、みぞおちや脇腹の硬さが蓄積していることが多い。東洋医学では「肝気犯胃(かんきはんい)」と呼ぶ状態ですが、感情が体の緊張として蓄積し、胃に直接影響している状態です。
年単位で症状が続いている方の体は、この緊張を「通常の状態」として学習してしまっています。だから薬でいったん症状が引いても、体が「また緊張する」という以前のパターンに戻ってしまう。体が学習した緊張のパターン自体を変えない限り、根本的には変わりにくいのです。
機能性ディスペプシアとはどのような状態ですか
機能性ディスペプシアとは、内視鏡(胃カメラ)やそのほかの画像検査で潰瘍・がん・炎症などの明らかな異常が見つからないのに、食後の胃もたれ、食べるとすぐ満腹になる(早期満腹感)、みぞおちの痛み、みぞおちの灼熱感などが慢性的に続く状態です。
英語の「Functional Dyspepsia(ファンクショナル・ディスペプシア)」の頭文字をとって「FD」とも呼ばれます。成人の10〜20%に症状がみられるとされており、決して珍しい状態ではありません。
症状のタイプとしては、大きく2つに分けられることがあります。
食後のもたれや早期満腹感が中心のタイプを「食後愁訴症候群(PDS)」と呼びます。食事がきっかけになりやすく、食べた量が少なくても苦しくなる、食後に強い眠気が来る、といった症状が特徴です。
みぞおちの痛みや灼熱感が中心のタイプを「心窩部痛症候群(EPS)」と呼びます。空腹時に症状が出やすく、胃が焼けるような感覚、食べると少し楽になるというケースもあります。
ただし、実際には「食後のもたれもあるし、みぞおちも痛い」というように両方のタイプが重なっている方が多く、きれいに分類できないことも少なくありません。また、機能性ディスペプシアと過敏性腸症候群(IBS)は共存することが多く、胃の不調と腸の不調を同時に抱えている方も多くいます。
当院に来られる方の訴えで多いのは「5年以上続いている」「薬を飲むと少し楽だが、やめるとすぐ戻る」「何を食べたら症状が出るか読めなくなってきた」「食事を楽しめなくなった」「検査ではいつも異常なしと言われ、どこへ行けばいいかわからない」というものです。
機能性ディスペプシアに整体はどこまでできますか
整体は、機能性ディスペプシアを直接改善するものではありません。ここは正直にお伝えします。整体は医療行為ではなく、薬の処方も診断もできません。
整体ができることは「体の緊張をゆるめるサポート」です。
具体的には、横隔膜や肋骨まわりの慢性的な硬さ、背中(胸椎)の緊張、骨盤まわりの緊張を施術でゆるめていきます。胃を直接触るわけではありませんが、胃を取り囲む体の緊張が和らぐことで、自律神経が副交感神経側(消化のためのブレーキ)に切り替わりやすくなります。結果として、胃の働きが改善しやすい状態が作られることがあります。
体の緊張が緩んでくると、「食後の重さが続く時間が短くなった」「夜に胃が気になって眠れないことが減った」「少しずつ食べられるものが増えた」「食事の時間が怖くなくなってきた」という変化を感じる方がいます。ただし効果には個人差があり、すべての方に同じ変化が起きるとは限りません。
また、整体は「病院の代わり」ではありません。症状がある場合は、まず消化器内科で検査を受けることが先です。胃カメラで異常なし・機能性ディスペプシアと診断されたあと、「薬だけでは変わりにくい部分がある」と感じた時点で、整体を選択肢の一つとして考えていただくのが適切です。
福岡市で整体を探すとき、何を見て選べばいいですか
整体院を選ぶ際に確認しておきたいポイントをいくつかお伝えします。
一つ目は、「胃の症状に関して、問診で生活習慣やストレスの状況を聞いてくれるか」です。機能性ディスペプシアは体の緊張だけでなく、食事・睡眠・感情の状態が深く関係している症状です。症状だけを聞いてすぐ施術に入るのではなく、生活全体を見ようとしてくれる院かどうかが大事です。
二つ目は、「東洋医学の視点があるか」です。機能性ディスペプシアのような検査で異常が出ない不調は、西洋医学の「どこが壊れているか」というアプローチでは見えにくい部分があります。五臓の考え方(脾・肝・腎など)と体の緊張をつなげて見られる施術者は、こういった慢性的な不定愁訴に対して視点の幅が広いことが多いです。
三つ目は、「受診の判断基準を明確に教えてくれるか」です。整体は医療機関の代わりになるものではありません。「この症状が出たら病院へ」という線引きを明確に伝えてくれる院は、患者さんの安全を優先していることの表れです。
四つ目は、「継続を急かさず、体の変化を一緒に確認するスタンスか」です。慢性症状は一度で劇的に変わることは多くなく、体が少しずつ変化するのを丁寧に追っていくことが大切です。「何十回通ってください」と最初から決めつけるより、「まず3回見て変化を確認しましょう」というスタンスの院の方が安心です。
常若整骨院では機能性ディスペプシアをどう見ていますか
常若整骨院では、機能性ディスペプシアを「胃の局所的な問題」ではなく、「体全体の慢性的な緊張パターンの表れ」として見ています。
施術の前に必ず問診を行います。いつから症状が始まったか、どんな状況で症状が強くなるか、食事の内容・時間帯、ストレスや感情の状態、睡眠や排便の状態はどうか。これらを聞くことで、体の状態の全体像をつかみます。
触診では、みぞおちや肋骨の下の硬さ、背中(胸椎6〜10番あたり)の緊張、横隔膜の動き方、首や骨盤まわりの状態を確認します。機能性ディスペプシアの方は、みぞおちを触ったときに「そこは触られるとムカムカする」と感じる方が多く、そこが板のように硬かったり、逆に力が全く入らずふにゃふにゃだったりします。そのどちらかによって、アプローチの方向が変わります。
施術では、背中・肋骨・横隔膜まわりの慢性的な緊張をゆるめていきます。施術後には「おなかのあたりが少し軽くなった」「深呼吸がしやすくなった」という感想をいただくことがあります。
施術と合わせて、自宅でできるセルフケア(食事の取り方、体を温める方法、呼吸の使い方)を毎回お伝えしています。施術で一時的に体をゆるめても、日常の中でまた同じ緊張を積み上げていては変化が続きません。施術と日常の両方を変えていくことが、体が変わっていくための条件です。
東洋医学では機能性ディスペプシアをどう考えるのですか
東洋医学では、機能性ディスペプシアに関係する臓器として主に「脾(ひ)」「肝(かん)」「心(しん)」の3つを中心に見ます。
東洋医学の「脾」とは、消化・吸収・気血の製造を担う臓器のことです。西洋医学の脾臓とは異なり、胃腸の働き全体を含む広い概念です。「脾は胃と表裏の関係にある」と言われ、脾の働きが弱ると胃の消化機能にも影響が出ます。
「肝」は気(エネルギー)の流れを調整する臓器です。ストレス、感情の抑圧、怒り、プレッシャーが続くと肝の気が滞り(肝気鬱滞)、その滞りが胃に波及する(肝気犯胃)と考えます。「職場のことを考えただけで胃が重くなる」「怒りを感じたときに胃が締まる感じがする」というのは、この状態の典型的な訴えです。
「心」は精神活動と感情の中枢です。心と脾はともに「考えすぎ」「気の遣いすぎ」によって消耗します(これを「心脾両虚」と呼びます)。慢性的な不安、心配性、長年の我慢が続いている方に、このタイプが多く見られます。
25,000人を施術してきた経験から、機能性ディスペプシアの方は次の3つのタイプに分けられることが多いと感じています。
脾虚型(ひきょがた)は、もともと消化力が弱いか、または長年の疲労・不規則な食事で脾が疲弊したタイプです。食後の胃もたれと重さが主な訴えで、疲れると症状が増えます。体がだるい、気力がわかない、食欲にムラがあるという訴えを伴うことが多い。舌を見ると色が薄く(淡白)、舌の縁に歯の跡がついていることが多いです。お腹を触ると冷たく、みぞおちに力が入らない感じがします。
このタイプには「足三里(あしさんり)」と「中脘(ちゅうかん)」へのアプローチが有効とされています。足三里は膝の外側のくぼみから指4本ぶん下、すねの骨の外側にあるツボです。中脘はみぞおちとへそのちょうど中間点にあります。お腹を冷やさないよう、カイロや蒸しタオルで温めながら触れる程度に押すと、みぞおちの緊張が和らぐことがあります。
肝気犯胃型(かんきはんいがた)は、ストレスや感情の抑圧が胃に直接影響しているタイプです。みぞおちの締め付け感、胸やけ、ゲップが出やすく、食欲にムラがあります。緊張した場面の前後に症状が悪化する傾向があります。脇腹から背中にかけて張り感を感じる方も多い。施術でみぞおちや肋骨の下を触ると、「ここは触られると気持ち悪い」と反応することが多いタイプです。
このタイプには「太衝(たいしょう)」と「内関(ないかん)」が使われます。太衝は足の甲の親指と人差し指の骨が合わさる手前のくぼみにあります。内関は手首のシワから指3本ぶん上、腕の内側の2本の腱の間にあります。みぞおちの詰まりや吐き気を感じたとき、内関を刺激すると不快感が和らぐことがあります。
心脾両虚型(しんぴりょうきょがた)は、気の遣いすぎ・考えすぎ・長年の我慢で心と脾が両方消耗したタイプです。食後のもたれに加えて、慢性的な不安、眠れない、疲れが取れない、気力がわかないなどの全身症状を伴うことが多い。「何年も続いている」「症状が多岐にわたる」というケースに多く見られます。
このタイプには「神門(しんもん)」と「三陰交(さんいんこう)」が使われます。神門は手首の小指側のシワ上、骨の内側にあるツボです。三陰交は内くるぶしの頂点から指4本ぶん上、すねの骨の後ろぎわにあります。就寝前に三陰交をゆっくり押すことで、体がリラックスしやすい状態に移行しやすくなることがあります。
また、機能性ディスペプシアに関連して「胃気上逆(いきじょうぎゃく)」という状態も見られます。胃の気は本来下へ向かうものですが、体の緊張や感情の抑圧でその流れが逆行し、ゲップ、胸やけ、吐き気として現れます。これは単に胃の問題ではなく、体全体のエネルギーの流れが乱れているサインです。
自律神経と機能性ディスペプシアはどう関係しているのですか
自律神経とは、体のアクセル(交感神経)とブレーキ(副交感神経)のような仕組みのことです。
消化は副交感神経が優位なとき、つまり体がリラックスしているときに活発になります。胃は副交感神経の刺激で胃酸を分泌し、蠕動運動(食べたものを送り出す動き)を起こします。ところが緊張しているときや、ストレスの多い状態では交感神経が優位になり、消化活動は後回しにされます。
機能性ディスペプシアの方の多くは、「食事のためのブレーキ」がうまく入らない状態になっています。食事の時間になっても、仕事のことや明日の不安が頭を占めていて、体はまだアクセルを踏んでいる。そういう状態で食べるため、胃が十分に準備できておらず、食後に不快感が出やすくなります。
さらに、この状態が長く続くと「内臓知覚過敏」という状態になります。本来なら気にならない程度の胃の動きや圧力が、不快感や痛みとして感じられるようになります。これは胃が「弱い」のではなく、神経系の感度が上がってしまっている状態です。過敏性腸症候群(IBS)と同じメカニズムが、胃側で起きていると考えると理解しやすいかもしれません。
体の慢性的な緊張が自律神経のアクセル状態を維持し続け、その結果として内臓知覚が過敏になり、食後の不快感が続く。この流れが、機能性ディスペプシアの長期化に関わっています。
整体でできることは、この慢性的な緊張を体の外側からゆるめることです。背中・横隔膜・肋骨まわりの筋肉の緊張が和らぐと、自律神経が副交感神経側に切り替わりやすくなります。「施術のあと、なんとなく体が重くなって眠くなった」という感覚は、副交感神経が優位になっているサインです。消化機能が立ち上がりやすい体の状態が作られている、ということです。
機能性ディスペプシアで来られる方に多いのはどんなケースですか
25,000人を施術してきた経験のなかで、機能性ディスペプシアを抱えて来られる方にはいくつかの共通したパターンがあります。
最も多いのは、「何年も胃薬を続けているが根本的に変わらない」ケースです。消化器内科で胃カメラを2〜3回受けて、いずれも異常なし。「機能性ディスペプシアです、ストレスを減らしてください」と言われたが、ストレスを具体的にどう減らせばいいかわからないまま時間が経った、という方が来られます。「もう慣れるしかないと思っていた」という言葉を聞くことがあります。
次に多いのは、「食事が怖くなってきた」ケースです。特定の食べ物を食べると必ず症状が出るため、食べられるものがどんどん絞られていく。外食ができなくなった、食事の時間が憂うつになった、家族との食事を断るようになった、という訴えを聞くことがあります。食事制限が厳しくなるほど、体への負担は増え、回復しにくい体になっていきます。
もう一つは、「ほかの不調も重なっている」ケースです。機能性ディスペプシアに加えて、便秘や下痢の繰り返し(過敏性腸症候群)、頭痛、不眠、首や肩の慢性的な緊張など、複数の不定愁訴が重なっている方が多い。これは「いくつも病気を持っている」のではなく、体全体の慢性的な緊張が複数の場所に症状として出ている、と見るのが自然です。
また、「几帳面で頑張り屋」という特徴を持つ方にこの症状が多いのも、当院の経験から感じることです。自分のことより他人を優先してきた、弱音を吐けずに頑張り続けてきた、という方に、みぞおちの硬さが蓄積しているケースを多く見ています。
実際に機能性ディスペプシアが楽になった方はどんな経過でしたか
当院に来られた方の事例を、プライバシーに配慮して詳細を調整してご紹介します。効果には個人差があり、以下の事例は回復を保証するものではありません。
40代女性の会社員の方は、7年間食後のもたれと胃の重さが続いていました。消化器内科で2回胃カメラを受けていずれも異常なし。「機能性ディスペプシアと過敏性腸症候群の合併」と診断され、複数の薬を服用していましたが根本的な変化を感じられないと来院されました。施術を始めて2〜3回で「朝起きたときに胃が気になりにくくなった」という変化が出始め、1か月半ほどで「食後の重さが続く時間が短くなった」とのことでした。「食事の内容を楽しみながら選べるようになってきた」とおっしゃっています。
30代男性の方は、仕事のプレッシャーが高まるたびにみぞおちの締め付けと食後の気持ち悪さが出ていました。接待など緊張する外食の場で特に症状が出るため、仕事にも影響が出ていたとのことです。施術を3回受けた後、「みぞおちの締め付け感が以前より出にくくなった」という変化がありました。食事の取り方(よく噛む、食後15分は横にならない)を変えたことも合わさって、「外食への不安が少し減った」とのことです。
50代女性の方は、「長年の疲れと一緒に胃の不調がある」という状態で来院されました。不眠と慢性的な肩の緊張も合わせて抱えておられました。施術を続けるなかで体全体の緊張がゆるんでくるにつれ、胃の症状も少しずつ変化してきました。「夜中に胃が気になって目が覚めることが減った」「ご飯をゆっくり食べられるようになった」という経過をたどられました。「完全に消えたわけではないが、症状に振り回される感覚が減った」とおっしゃっています。
機能性ディスペプシアは自宅でどうケアすればいいですか
自宅でできることをいくつかお伝えします。どれか一つから始めてください。全部やろうとしなくて大丈夫です。できない日があって当然で、そういう日があっても次の日にまた一つやれば十分です。
まじめな方ほど「全部できていないとダメ」と思いやすいのですが、それ自体が脾と心を消耗させます。7割できれば十分、という感覚で取り組む方が、結果的に体の変化が出やすいことが多いです。
腹8分目で止める。これだけで胃への負担がかなり変わります。「もう少し食べられるな」というところで止める練習をすることが大切です。特に夕食は胃への負担が重くなりやすいので、夕食だけでも腹8分目を意識することから始めてみてください。
よく噛む。目安は20〜30回ですが、難しければ「いつもより5回多く噛む」から始めると続きやすいです。唾液が分泌されることで胃の準備が整い、消化の負担が減ります。食べるスピードを少し落とすだけで、食後の胃の状態が変わる方もいます。
食後15〜20分は横にならない。食後に寝転ぶと胃の内容物が逆流しやすくなります。背もたれのある椅子にゆったり座って休む時間を作るだけで変わることがあります。横になるなら左側を下にする(胃の出口が右側にあるため、左横に寝ると胃の内容物が自然に流れやすい)。
食事と就寝の間を3時間以上あける。就寝前に食べると、胃が消化作業中のまま眠ることになります。夜の遅い時間の食事を少し前倒しするだけで、朝の胃の状態が変わる方もいます。
お腹を温める。みぞおちや下腹部を冷やさないことが大事です。冷たい飲み物を飲んだ直後に症状が出やすい方は、常温か温かい飲み物に切り替えることを試してみてください。腹巻きをする、入浴でゆっくり温まる、という習慣も有効です。
息を深く吐く。食後や緊張した後に、息を意識的に「吐く」ことで横隔膜がゆるみ、みぞおちまわりの緊張が和らぐことがあります。「吸う」よりも「吐く」ことに意識を向け、ゆっくり5秒かけて吐くことを3〜5回試してみてください。吸うことは自然についてきます。
病院と整体、どちらに行くべきか迷ったらどうすればいいですか
迷ったら、まず消化器内科を受診することをお勧めします。
機能性ディスペプシアの症状は、胃がん、胃潰瘍、逆流性食道炎、胃軸捻転など、検査が必要な病気と症状が重なることがあります。「胃カメラで異常がなかった」という確認が取れてから初めて、生活習慣の改善や整体という選択肢が意味を持ちます。
特に次のような症状がある場合は、整体よりも医療機関を優先してください。体重が急激に(1か月で3kg以上)減っている、食事がほとんど取れないほど嘔吐が続く、黒い便(タール便)が出る、みぞおちの痛みが激しくて横になっても楽にならない、38度以上の発熱が数日続く、以前胃や食道のがんの手術を受けたことがある。これらは整体ではなく医師の判断が必要なサインです。
消化器内科で「異常なし」「機能性ディスペプシア」と診断されたあと、薬で症状は抑えられているが生活の質が戻らない、薬をやめるとすぐ戻る、という状況になったときに、整体を一つの選択肢として検討してみてください。
東洋医学の整体や鍼灸は、「体の緊張面からのアプローチ」という点で、胃薬とは補完的な関係にあります。薬は胃酸を抑えたり胃の動きを助けたりする。整体は体全体の緊張をゆるめ、自律神経が副交感神経側に切り替わりやすくする。どちらか一方ではなく、組み合わせることで、単独では変わりにくかった部分に変化が生まれることがあります。
よくあるご質問
機能性ディスペプシアは整体で楽になりますか?
整体で体の緊張がゆるまり、自律神経が副交感神経側に切り替わりやすくなることで、胃の働きが改善しやすい状態が作られることがあります。ただし「改善を保証する」ものではなく、効果には個人差があります。消化器内科で検査を受けた後、補助的な選択肢として検討するのが適切です。
何回くらい通えば変化がわかりますか?
体の緊張パターンが変わるのに、3〜8回ほどの施術で何らかの変化を感じる方が多いです。ただしこれはあくまで目安で、体質や症状の長さによって違います。最初の2〜3回で「体が変化するときとそうでないときの違い」を自分で感じ取れるようになることが、まず大事です。
食事制限は必要ですか?
「完璧にやめなければ」と思うと、そのストレス自体が症状を悪化させることがあります。高脂肪のもの、辛いもの、冷たい飲み物、アルコール、炭酸飲料を「7〜8割減らす」くらいの感覚で始めるのが現実的です。完璧にできない日があっても、自分を責めないことが大事です。
胃薬と整体は同時に進めていいですか?
問題ありません。薬と整体は目的が違います。薬は胃の症状を直接抑えるもの、整体は体の緊張パターンを整えるものです。並行して進めながら、医師と相談しながら薬の量を調整していくのが一般的な流れです。薬を勝手にやめないようにしてください。
過敏性腸症候群(IBS)も一緒に抱えています。整体で両方見てもらえますか?
機能性ディスペプシアと過敏性腸症候群は、自律神経の状態や体の慢性緊張という共通した背景を持つことが多い症状です。当院では両方の訴えを聞いたうえで施術しています。体全体の緊張をゆるめることで、両方に変化が現れることがあります。
逆流性食道炎との違いは何ですか?
逆流性食道炎は胃酸が食道に逆流して粘膜を傷つける状態で、胃カメラで赤みやただれが確認できます。機能性ディスペプシアは検査で異常が見つからないのに症状が続く点が違います。ただし両方が重なって起きていることもあるため、消化器内科での検査で区別することが重要です。
ストレスを減らせば症状は改善しますか?
ストレスを「ゼロにする」ことよりも、ストレスがあっても体の緊張をこまめに抜く習慣の方が現実的です。体の緊張が慢性化していると、ストレスが減っても内臓知覚の過敏な状態がすぐには変わらないことがあります。整体や呼吸法で体の緊張をゆるめる習慣を作ることが助けになります。
子どもでも機能性ディスペプシアになりますか?
はい、なります。子どもの場合は、学校や家庭でのストレスが体の緊張として出やすく、胃の症状に現れることがあります。まず小児科や消化器内科を受診し、原因が特定できない場合に整体という選択肢を検討してください。
何年も症状が続いている場合でも変わることはありますか?
変わることはあります。ただし、症状の歴史が長いほど体の緊張パターンが定着しているため、短期間で大きく変わることは少ないです。「小さな変化が積み重なる」というプロセスを丁寧に追っていくことが大切です。「また変わらなかった」ではなく「今日は食後の重さが30分短かった」という小さな変化に気づく目を持つことが、回復の大事なステップです。
毎日が不安で食事を楽しめません。心療内科も視野に入れるべきですか?
「食事が怖い」「毎日の不安が強くて眠れない」という状態が続いているなら、心療内科や精神科を受診することも選択肢に入れてください。機能性ディスペプシアは不安症やうつと合併することがあります。こころのサポートが先に必要なケースもあります。整体はそのうえで、体の緊張面のサポートとして組み合わせることができます。
冷えが強いのですが、関係がありますか?
関係があります。冷えは自律神経の副交感神経側の働きを低下させ、胃腸の動きを鈍らせます。特に下腹部・腰・足の冷えが続いている方は、体の深部(体幹)の温度が低下しており、消化機能が落ちやすい状態にあります。東洋医学では「脾陽虚(ひようきょ)」と呼ぶ状態で、体を内側から温めることが回復の基本になります。
福岡市以外からでも来られますか?
はい、福岡市外からも来院されています。近くに長期間通える院がない場合、月に1〜2回の施術と自宅でのセルフケアを組み合わせるかたちで進めることもあります。
妊娠中でも施術を受けられますか?
妊娠中の施術については、産婦人科の主治医に相談したうえでご来院ください。妊娠中は体の状態が大きく変化しているため、施術の方法や使うツボを通常とは変える必要があります。妊娠中の胃の不快感は「つわり」と重なることもあり、産婦人科との連携が優先されます。
体が変わりはじめるサインは何ですか?
「朝起きたときに胃が気になりにくくなった」「食後の重さが続く時間が短くなった」「深呼吸がしやすくなった」「よく眠れるようになった」というのが体が変わりはじめているサインです。症状がゼロになるより先に、こういった「つらさの軽減」が先に来ることが多いです。
まとめ
胃カメラで異常なしと言われたのに、食後のもたれや胃の不快感が何年も続いている方へ。
「ストレスのせいだから仕方ない」「検査で異常なしと言われたから病気ではないはず、でもつらい」という状況で、どこへ相談すればいいかわからなくなっている方が多くいます。機能性ディスペプシアは、体の慢性的な緊張が胃の知覚を過敏にしている状態です。気のせいでも弱さでもありません。
体の緊張をゆるめるところから始める、というアプローチが合う方がいます。薬と並行して、体の外側から整えていく選択肢があることを知っていただければと思います。
消化器内科で検査を受けたうえで、「次のステップとして整体を試してみたい」という方は、ご相談ください。福岡市早良区、西新駅から徒歩圏内の常若整骨院で、一緒に体の変化を確認しながら進めます。
急な症状の悪化、急激な体重減少、黒い便などがある場合は、整体ではなく医療機関を受診してください。整体は医師の医療行為を補うものであり、代わりになるものではありません。
院長プロフィール
冨高誠治(とみたか せいじ)。柔道整復師・鍼灸師。施術歴20年・25,000人を施術。福岡市早良区、西新駅から徒歩圏内の常若整骨院院長。東洋医学の五臓理論と現代の自律神経学を組み合わせた施術で、検査で異常が見つからない慢性症状に20年向き合ってきました。機能性ディスペプシアをはじめ、過敏性腸症候群・自律神経の乱れ・不安症など、複数の不定愁訴を抱える方の相談に応じています。全国で整体師向け技術セミナーの講師も務めており、医師・心理士など専門家と連携しながら、整体で補える部分を丁寧にサポートするスタンスで施術に臨んでいます。











