何年も繰り返す坐骨神経痛|ブロック注射・手術でも変わらない体質の根本理由

結論から言うと、坐骨神経痛が何年も繰り返す方の体には、「痛みの神経回路が学習・定着している状態」と「骨と筋を養う力が同時に枯渇している体質」が重なっていることが多くあります。整体でできることは、局所の神経への刺激ではなく、この体質そのものを整えるサポートです。

この記事は、ブロック注射や牽引・コルセットを続けているのに症状が戻り続けている方、または「もうこういう体なんだ」と感じはじめている方に向けて書いています。整体がどこまで関われるか、東洋医学の見立てと自宅でできるケアも含めて、福岡市早良区・常若整骨院の院長が現場の観察をもとに解説します。

まずお伝えしておくと、坐骨神経痛は整体で「消せる」ものではありません。ただ、体の緊張が緩みやすくなる状態に整えることは、できます。そのうえで、何が変わりうるのかを読んでいただければと思います。

急な下肢の脱力・尿漏れ・排便困難を伴う場合は、まず整形外科を受診してください。これらは脊髄や馬尾神経の圧迫を示すサインで、緊急性がある場合があります。

なぜ坐骨神経痛は何年も長引くのですか

ブロック注射で一時的に楽になっても、数週間後には元通りになる。それを繰り返している方はたくさんいます。なぜそうなるのか。

最も大きな理由の一つが、「中枢性感作」と呼ばれるメカニズムです。

坐骨神経痛が慢性化すると、痛みの信号を脳に伝えてきた神経回路が、刺激がなくても自動的に痛みを生み出すようになります。椎間板や梨状筋の問題が画像上で改善していても痛みが続く方がいる理由の一つがここにあります。ブロック注射は「今ある炎症や神経への刺激」を一時的に止める技術ですが、脳と脊髄のレベルで過敏になった回路そのものには届きにくい。だから繰り返す、という構図が生まれます。

もう一つの理由が体質の問題です。

坐骨神経の走行部位にある骨(腰椎・仙骨)と筋肉(梨状筋・腸腰筋・ハムストリングス)は、東洋医学の言葉では腎と肝がそれぞれ主っています。腎は骨を主り、肝は筋を主る。この二つが同時に枯渇すると、骨と筋の両方が弱り、坐骨神経の走行路全体が慢性的な緊張を帯びてきます。

こうなると、一箇所だけを処置しても根が残る。注射で神経周囲の炎症を抑えても、腰椎の安定性が低い状態では動作のたびに刺激が入り続ける。牽引で椎間板を広げても、腸腰筋の慢性硬直が続いていれば、座った瞬間にまた締まる。その繰り返しです。

25,000人を施術してきた現場の観察では、坐骨神経痛が長引いている方には、腎と肝の両方が消耗しているケースが多くあります。体力が落ちている時期・大きなストレスが重なった時期に初めて出たという方も、この体質像に当てはまることが少なくありません。

坐骨神経痛とはどのような状態ですか

坐骨神経とは、腰椎(第4・5腰椎)と仙骨から出て、お尻を通り、太ももの裏・膝・ふくらはぎ・足先まで伸びる体で最も太い末梢神経です。

坐骨神経痛とは、この神経が何らかの刺激を受けて、その走行ルートに沿って痛みやしびれが出る状態を指します。医学的な診断名ではなく、症状の名称です。

代表的な原因として、椎間板ヘルニア(椎間板が後ろに飛び出して神経を圧迫する)、腰部脊柱管狭窄症(脊柱管が狭くなって神経が圧迫される)、梨状筋症候群(お尻の深部にある梨状筋が坐骨神経を圧迫する)の三つが挙げられます。

ただ、MRIで「ヘルニアがある」と言われても痛みがない方もいれば、画像上は異常がないのに強い痛みが続く方もいます。この事実が示すのは、痛みの程度は「圧迫の大きさ」だけで決まらない、ということです。神経の過敏さ、体全体の緊張の蓄積、血流の状態、睡眠や回復力の有無。これらが組み合わさって、同じ画像所見でも出方がまったく異なってきます。

坐骨神経痛に似た症状として、大腿神経痛(前ももから膝にかけて)、腸腰筋の硬直による関連痛、梨状筋の単独硬直なども含まれることがあります。どれが原因かは、触診と問診で見立てていく必要があります。

坐骨神経痛に整体はどこまでできますか

整体は医療行為ではないため、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症そのものを「直す」ことはできません。

整体が関われるのは、次のような範囲です。

腸腰筋・梨状筋・大殿筋・ハムストリングスなど、坐骨神経の走行周辺にある筋肉の慢性緊張を緩める。これが坐骨神経への直接的な圧迫を減らすことにつながります。

骨盤・腰椎・仙骨の可動性を取り戻す。長年同じ姿勢・動作パターンで固まった関節の動きを引き出すことで、神経への繰り返しの刺激が入りにくい体の使い方に戻していきます。

全身の慢性緊張パターンを緩める。坐骨神経痛が慢性化している方の多くは、体全体が「守り」の緊張を保ち続けています。特に首・横隔膜・腸腰筋という自律神経と密接な関係のある部位が硬くなっている傾向があります。これを緩めることで、神経系全体の感受性を落ち着かせるサポートができます。

一方で、骨の変形が進んでいるケース・馬尾神経症状(両足の麻痺・排尿困難など)のあるケースは整体よりも先に医療機関での精密検査が必要です。整体はそれらの医療対応と並行しながら、体質を整える役割として関わります。

福岡市で整体を探すとき、何を見て選べばいいですか

坐骨神経痛の整体院選びで、一番確認してほしいことがあります。それは「なぜその症状が出ているのかを説明できるか」です。

同じ坐骨神経痛でも、原因は人によって違います。梨状筋の硬直が主な方、腸腰筋の慢性緊張が主な方、腰椎の可動域低下が主な方、体全体の回復力の低下が背景にある方。これらを問診と触診で見立てないまま、一律の手技を当てるだけでは根本的な改善につながりにくい。

見立てがある院を選ぶことが、何年も繰り返している方には特に重要です。

もう一つ、「セルフケアを教えてもらえるか」を確認することをお勧めします。施術を受けた直後は楽になっても、その後の生活が変わらなければ体は元の状態に戻ります。普段の姿勢の癖・日常の動作の使い方・体の回復を助ける習慣。これらを一緒に整える視点がある院かどうかが、長期的な変化につながるかどうかを分けます。

福岡市内で整体を選ぶ際は、ぜひ初回のカウンセリングで「私の坐骨神経痛はなぜ起きていますか」と聞いてみてください。それに対して「体全体を見て」答えられる院であるかどうかが、一つの判断軸になります。

常若整骨院では坐骨神経痛をどう見ていますか

常若整骨院では、坐骨神経痛を「坐骨神経だけの問題」としては見ていません。

坐骨神経が通る場所には、腸腰筋・梨状筋・大腰筋など、体の深部にある筋肉が集まっています。これらの筋肉は、感情やストレスの影響を直接受けやすい部位です。特に腸腰筋は、腸(消化器系・感情系)を包むように走っており、長年のプレッシャーや緊張が蓄積しやすい筋肉です。

現場での観察では、坐骨神経痛を繰り返している方の多くが、「腰が引けている感覚」「大きな選択・転換点を前に動けない感覚」を長く持っていることがあります。腰は日本語でも「腰が引ける」「腰を据える」という言葉があるように、行動・決断と深くつながっています。

どちら側に出るかも、体の状態を読む手がかりになります。右側に強く出る方は、仕事や外での関係性に関わる緊張が大きいことがあり、左側に出る方は家庭・家族・プライベートの関係性に関わる緊張が積みやすい傾向があります。これは断定ではなく、問診で確かめていく際の入口として使っています。

施術は、まず全身の緊張パターンを見ます。首・胸郭・横隔膜・腹部の状態を確認し、自律神経に関係する緊張が先にないかを見ます。そのうえで腰椎・骨盤・仙骨の可動性を引き出し、坐骨神経の走行周辺にある深部筋の緊張を緩めていきます。

カウンセリングでは「いつ頃から・どんな時期に出たか」を必ず聞きます。初めて出た時期に何があったかを確かめることで、体質の深部を読む手がかりになるからです。

東洋医学では坐骨神経痛をどう考えるのですか

東洋医学では、坐骨神経痛のある方の体質を大きく三つのパターンで見ています。

腎精虚型(腎の精が枯れている状態)

「腎」は東洋医学で「骨を主る」臓腑です。腎の力が落ちると、骨格を支える力が弱まり、腰椎・仙骨の構造的な安定が失われやすくなります。

この型の特徴は、疲れると確実に悪化すること、寒いと痛みが強くなること、寝ると楽になること、年齢とともに少しずつ悪化してきた経緯があること。足腰に力が入りにくい、夜中〜早朝に痛みが出やすい、という方もこの型が関係していることがあります。

更年期以降・出産後・大病後など、体が大きく消耗した時期に坐骨神経痛が出はじめた方に多いパターンです。

触診で特徴が出やすいのが、腰椎の第2〜4椎周辺の硬直と、仙骨周囲の冷感です。触ると「そこだけ冷たい」「板のように固い」感触が出ることがあります。これは腎の精が薄れると血流が落ちてその部位が冷えるという連鎖を、体に触れることで実際に確認できる所見です。

ケアのポイントになるツボが二つあります。

太渓(たいけい):内くるぶしの骨の後ろ側、アキレス腱との間のくぼみにあります。腎の原穴(腎に直接働きかけるツボ)で、足首を温めながらやさしく押さえると腎の力を補いやすくなります。

腎兪(じんゆ):第2腰椎の棘突起(腰のいちばん細い部分)から、左右に指2本分外に進んだ場所です。腎に対応する背中の募穴で、温熱刺激と相性がいいツボです。カイロやホットパック(低温火傷に注意)をここに当てる方法が、自宅でのケアとして取り入れやすいです。

肝血虚型(肝の血が足りなくなっている状態)

「肝」は「筋を主る」臓腑です。肝の血が不足すると、筋肉の柔軟性と回復力が落ちます。梨状筋・腸腰筋・ハムストリングスなど、坐骨神経の走行周辺にある筋肉が慢性的に硬くなりやすい状態です。

この型の特徴は、ストレスや睡眠不足で悪化すること、夕方から夜にかけて症状が強まること(夜になると血が肝に戻る働きから、筋肉への血流が減るとされる)、目の疲れや月経の乱れが同時にある方も多いこと。

長時間デスクワークが続く方・目を使う仕事の方・感情を溜め込みやすい方に出やすいパターンです。

触診で特徴が出やすいのは、梨状筋の緊張です。梨状筋はお尻の深部にある筋肉で、仰向けで股関節を外旋させると触れる部位です。この筋が板のように硬い方は、坐骨神経がその真下を通っているため、慢性的な圧迫の状態になりやすい。睡眠が浅い日・月経前後・強いストレスがかかった後に硬直が強まることが多いです。

ケアのポイントになるツボが、太衝(たいしょう)です。足の親指と人差し指の間、指の付け根から足首方向に1.5cm進んだくぼみにあります。肝の原穴で、押すと少し痛みを感じることが多いです。やさしく圧迫してゆっくり離す、を繰り返すと肝の気の流れを整えやすくなります。坐骨神経痛が月経前後に強くなる方には、特にお勧めできるツボです。

気滞血瘀型(気と血が停滞している状態)

「気」とは体のエネルギーの流れ、「血」とは血液を含む体内の栄養の流れです。長期間同じ姿勢が続いたり、感情が発散されないまま積み重なったりすると、この流れが滞ります。

この型の特徴は、痛みの場所が固定していること(「いつも同じ場所だけが痛い」)、刺すような・締めつけられるような質の痛みが多いこと、押すと痛みが強まること、夜間に悪化する傾向があること。長時間座っていると痛みが増し、動きはじめると少し楽になることもあります。

長年デスクワーク・長距離運転が続いてきた方・感情を出せない環境が長く続いた方に出やすいパターンです。

この型に特に関係が深いのが、腸腰筋の慢性硬直です。腸腰筋は腰椎から大腿骨前面につながる筋肉で、腸(感情・ストレスの影響を受けやすい消化器系)の周囲を包むように走っています。言えなかった言葉・飲み込んできた感情が長年積み重なると、腸腰筋が慢性的に緊張し続けます。この緊張が腰椎の前傾を強め、坐骨神経の出口を狭める状態につながります。「腸腰筋をほぐした後に、突然涙が出た」という方が時々いますが、それは溜め込んできた緊張が緩んだ体の反応です。

ケアのポイントになるツボが、委中(いちゅう)です。膝裏の中央のくぼみにあります。「腰背は委中に求む」という東洋医学の古典の言葉があるほど、腰・背中の不調に関係する重要なツボです。仰向けで膝を少し立て、膝裏を手で包むようにやさしく押さえると、坐骨神経の走行沿いの緊張が緩みやすくなります。

もう一つ、承扶(しょうふ)も補足します。お尻の下のしわの中央、体重が当たるちょうどその場所です。梨状筋の直下に位置し、坐骨神経が通る部位に近い。ここをやさしくほぐすことで、梨状筋の緊張が緩みやすくなります。ただし直接強く押すと坐骨神経を刺激することがあるため、手のひら全体でやさしく温める程度にとどめてください。

これら三つの型が重なって出ることも多く、特に「腎精虚型+肝血虚型」の組み合わせは、坐骨神経痛が長引いている方に多いパターンです。

東洋医学的な視点での外部情報として、日本整形外科学会の坐骨神経痛に関する解説資料も参考にしてください。受診の判断基準が丁寧に記載されています。

自律神経と坐骨神経痛はどう関係しているのですか

自律神経とは、体のアクセルとブレーキのような働きをする神経系です。アクセル(交感神経)が優位になれば筋肉が緊張し、ブレーキ(副交感神経)が優位になれば体が緩む。この切り替えが慢性的にできなくなった状態が、坐骨神経痛の長期化と深く関係しています。

長期間のストレス・疲労・睡眠不足が続くと、自律神経はアクセルがかかりっぱなしになります。この状態では、筋肉が常に「守り」の緊張を保ち続けます。腸腰筋・梨状筋・脊柱起立筋などの深部筋が緩みにくい状態になることで、坐骨神経への圧迫や牽引が慢性化します。

また、自律神経の過緊張は、痛みに対する感受性そのものを高めます。普段は気にならない程度の刺激を「強い痛み」として処理してしまう脳の状態が作られます。これが前述の中枢性感作と重なると、局所への処置だけでは変わりにくい状態が生まれます。

施術で自律神経のアクセルとブレーキの切り替えが改善されると、深部筋の慢性緊張が緩みやすくなります。これが坐骨神経への継続的な圧迫を減らすことにつながります。痛みが「軽くなる」と感じはじめるのは、多くの場合この段階からです。

坐骨神経痛の記録として、「どんな時に楽になるか・どんな時に悪化するか」を書き留めておくと、体の回復のパターンが見えやすくなります。体の声に耳を傾けることが、回復への最初の一歩です。

坐骨神経痛で来られる方に多いのはどんなケースですか

次の三つのパターンが、常若整骨院に来られる方の中で多く見られます。

一つ目は、整形外科で「ヘルニアがある」「脊柱管が狭い」と診断を受けたが、手術を勧められるほどではなく、ブロック注射やリハビリを繰り返している状態の方です。一時的に楽になるけれど、数週間で戻る。この繰り返しに疲れて、別の選択肢を探して来られるケースです。

二つ目は、長時間のデスクワーク・長距離運転が職業柄避けられない方です。同じ姿勢が続く生活の中で、腸腰筋や梨状筋の慢性硬直が積み重なっています。湿布・ストレッチを繰り返しても変わらず、「この仕事を続ける限り治らないのでは」という感覚を持っている方も多いです。

三つ目は、育児・介護・職場でのプレッシャーなど、精神的な負荷が長期間続いた後に坐骨神経痛が出はじめた方です。「いつの間にか痛くなっていた」という感覚の方が多く、体のどこかが慢性的に緊張していることに本人が気づいていないことがあります。

共通しているのは、「体が休むことができていない状態が長く続いている」ことです。施術で体の緊張を緩めるだけでなく、日常の中で回復に向かう状態を作ることが、変化につながる鍵になります。

実際に坐骨神経痛が楽になった方はどんな経過でしたか

以下の事例は、実際に来院いただいた方の体験をもとに、個人情報を特定できない形で記載しています。効果には個人差があり、回復の保証をするものではありません。

40代女性・会社員。右側の坐骨神経痛が1年以上続き、整形外科でブロック注射を3回受けたが毎回数週間で戻っていた。初回のカウンセリングで「最近、仕事で大きな責任を担うようになった時期と重なっている」ことが出てきた。施術では首と横隔膜の慢性緊張が強く、腸腰筋の右側が特に硬くなっていた。3回目の施術後から「座っていても楽になった」と話され、8回ほどで痛みが日常生活の支障にならない程度まで落ち着いた。「症状と関係ないと思っていた仕事のストレスや緊張も、先生に話を聞いてもらううちに気持ちが楽になっていきました」とのことでした。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

40代女性・妊娠中。元々少し坐骨の痛みがあったが、妊娠してから強くなり動くのも辛いほどになった。初回から身体全体が軽くなり、痛みは残っていたものの脚の可動域が広がり、歩いているうちに痛みも少しずつ和らいでいった。「施術中はとても気持ちよく、お腹の赤ちゃんも元気に動きますよ」という声をいただいた。妊娠中は特別な配慮が必要なため、必ず医師の確認を取ったうえで施術を受けるよう案内している。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

60代女性・主婦。「来て、その日は痛みがとれたのにびっくりして。この十何年と痛みを持っていたものが、どういうふうに痛みがとれるんだろうと。毎回来るたびに、まだ不思議に思っている段階です」と話してくださった。長年腰の痛みが慢性化しており、複数の院に通ってきたが変化を感じられなかった。施術を重ねることで、少しずつ痛みと付き合える時間が増えていった。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

坐骨神経痛は自宅でどうケアすればいいですか

いくつかお伝えしますが、どれか一つからで十分です。全部やろうとしなくていい。できなかった日があって当然です。

お尻と腰を冷やさない。坐骨神経の走行部位は冷えに弱く、冷えると筋肉と神経の血流が落ちます。エアコンの冷気が当たる席では膝掛けを使う、お尻の下にカイロを置く、湯船に入るなど、温めることを優先してください。特に仙骨(お尻の上の三角形の骨)周辺を温めると、深部筋の緊張が緩みやすくなります。

長時間同じ姿勢をやめる。坐骨神経への圧迫は、座り続ける時間に比例して増えます。1時間に一度、立ち上がって30秒だけ歩くだけで、深部筋への血流が戻ります。

深呼吸を朝に3回。横隔膜と腸腰筋はつながっており、呼吸が浅いと腸腰筋も緊張し続けます。朝、起きてすぐ仰向けで腹式呼吸を3回行うだけで、自律神経のブレーキが入りやすくなります。

睡眠を削らない。腎と肝は夜の回復に依存している臓腑です。夜の睡眠不足は、翌日の坐骨神経の症状に直結することが多い。特に夜中の11時〜3時の間は肝と腎の回復時間とされています。

まじめな方ほど「全部やらないと意味がない」と思いやすいですが、それ自体が体を緊張させます。やれた日を積み重ねることが、変化につながります。

病院と整体、どちらに行くべきか迷ったらどうすればいいですか

次の症状がある方は、整体の前に整形外科を受診してください。

下肢の力が急に入りにくくなった・片足だけでなく両足にしびれが出た・排尿や排便に変化があった・体重が急に減っている・発熱が続いている。これらはより深刻な原因が関係している可能性があり、整体が先になるべきではありません。

それ以外の慢性的な坐骨神経痛であれば、整体と病院での処置を並行することは問題ありません。多くの場合、ブロック注射で局所の炎症を抑えながら、整体で体全体の緊張を緩める体質を整えるという組み合わせが、それぞれの単独のアプローチよりも変化が出やすくなります。

「手術を勧められているが、まだ迷っている」という方は、手術の前に体全体の緊張パターンを一度見てもらうことをお勧めします。手術が必要な方に「やめてください」とは言いません。ただ、手術の前後を問わず、体の慢性緊張が残ったままでは回復に時間がかかることがあります。

判断に迷ったら、まず整形外科に相談してください。そのうえで「体質を整える選択肢も入れたい」と感じたときに、整体を追加してください。

よくあるご質問

坐骨神経痛は整体で楽になりますか?

楽になる方はいます。ただ、すべての方に同じ効果が出るわけではありません。体質・原因の深さ・生活習慣によって、変化の出方は大きく異なります。現場の観察では、「体全体の緊張が強く、回復しにくい生活が続いている方」ほど変化に時間がかかる傾向があります。

何回くらい通えば変化を感じますか?

個人差が大きいですが、3回〜5回で「少し楽になった」「動きやすくなった」と感じる方が多いです。ただし、何年も慢性化しているケースでは、変化を実感するまでにそれ以上かかることもあります。

ブロック注射を続けながら整体に来てもいいですか?

問題ありません。注射と整体は働きかける場所が異なります。注射は局所の神経への炎症を抑え、整体は体全体の慢性緊張パターンに働きかけます。並行することで、それぞれを単独で続けるよりも変化が出やすくなることがあります。

手術を勧められているのですが、整体に来てもいいですか?

来院してまず状態を見せてください。手術の選択を否定するものではありませんが、手術の前後を問わず、体の緊張パターンが残っていると回復に時間がかかることがあります。手術を控えている方でも、体の状態を整えることはできます。

何年も前から続いていても変化しますか?

慢性化している年数が長いほど、変化の速度はゆっくりになる傾向があります。ただ、「長すぎて手遅れ」ということはありません。体はどの年齢・どの期間からでも変化する力を持っています。長年続いているケースほど、変化が出はじめたときの「楽になった感覚」が鮮明に感じられることも多いです。

妊娠中でも施術を受けられますか?

妊娠中の方でも施術は対応しています。ただし、妊娠の状況や週数によって配慮が変わります。必ず産科医師に確認のうえ来院ください。

MRIで異常なしと言われましたが、それでも整体に来ていいですか?

来院ください。MRIは骨・椎間板・神経圧迫の状態を見る検査で、筋肉の慢性緊張・自律神経の状態・体全体の緊張パターンは映りません。画像上は異常なしでも、体質的な消耗や慢性緊張が症状の原因になっているケースは多くあります。

整体の施術は痛いですか?

当院では強く押したり揉んだりする施術はしていません。体の緊張を緩める方向でアプローチするため、施術中に強い痛みを感じることは基本的にありません。「気持ちよかった」「不思議な感じがした」という声をよくいただきます。

坐骨神経痛がひどい日は来院しないほうがいいですか?

激しい痛みがある場合でも、施術は可能です。むしろ「ひどい日に来たら帰りに楽になった」という方は少なくありません。ただし、痛みが原因不明で急激に悪化した場合や、排尿・排便に変化がある場合は、先に整形外科を受診してください。

坐骨神経痛には「冷やす」と「温める」どちらがいいですか?

慢性化している坐骨神経痛には、基本的に温めることをお勧めします。温めることで深部筋の血流が改善し、神経周囲の緊張が緩みやすくなります。急性期(ぎっくり腰のように突然強くなった直後の48時間)は、炎症が強い場合に限り冷却が有効なこともありますが、慢性状態には冷やすことは基本的にお勧めしません。

セルフケアは何から始めればいいですか?

まず「仙骨を温めること」からです。仙骨はお尻の上の三角形の骨で、坐骨神経の出発点に近い場所です。ここを温めると、神経走行沿いの筋肉が緩みやすくなります。入浴・カイロ・温湿布のどれでも構いません。1つだけから始めて、続けられたら少しずつ追加していく形が、体への無理がなく変化につながりやすいです。

坐骨神経痛に向いていない人はいますか?

脊髄や馬尾神経に強い圧迫がある方(排尿困難・両足の脱力・急速に進む症状)は、整体よりも先に医療機関での精密検査と処置が必要です。また、骨粗鬆症が進んでいる方・骨折がある方・がんの転移が疑われる方は、施術の前に状態の確認が必要です。

気候の変化で坐骨神経痛が悪化するのはなぜですか?

低気圧・雨・寒波が来ると体調が変わる方は少なくありません。これは気圧の変化が自律神経に影響し、血管の収縮・筋肉の緊張・痛みの感度を変化させることで起きます。東洋医学では「寒邪」「湿邪」が侵入すると気血の流れが滞り、すでに弱っている部位(腰・お尻・下肢)に症状が出やすくなると考えます。この型の方は、特に「温める」「濡れたままにしない」「雨の日は無理をしない」ことが基本になります。常若整骨院でも、施術前にその日の気圧と体の状態を照合することがあります。

坐骨神経痛は「歩けるうちは大丈夫」と言われましたが、本当ですか?

「歩けるなら緊急性はない」という判断は、神経の圧迫による麻痺や排尿障害がないかを確認する文脈での言葉です。ただ、「歩けるから今のままでいい」という意味ではありません。痛みが出始めてから時間が経つほど、神経の過敏化(中枢性感作)が進み、体質の消耗も深まります。変化を感じやすいのは、一般的には慢性化が浅い段階です。「まだ我慢できる」と判断する前に、一度、何が起きているかを確認することをお勧めします。

東洋医学の3証(腎精虚・肝血虚・気滞血瘀)はどうやって見分けますか?

問診と触診で見立てていきます。たとえば、腎精虚型は膝がよく笑う・夜間に痛みが増す・疲れやすいという訴えが多く、腰部の触診では筋肉が全体的にやせて弾力が乏しい感触があります。肝血虚型は、ストレスが重なると症状が出やすく、月経異常や目の疲れが同時にある方に多く、梨状筋の硬直が顕著です。気滞血瘀型は、押すと痛みが強まり、刺すような固定した痛みが特徴で、腸腰筋と腰椎周囲の緊張が強い。もちろん、これらが単独で出ることは少なく、2つ以上が重なっていることがほとんどです。初診の問診でどの体質像に近いかを確認するところから始めます。

まとめ

何年も繰り返す坐骨神経痛には、「神経の過敏化(中枢性感作)」と「体質の消耗(腎精虚・肝血虚)」が重なっていることが多くあります。

局所への処置を繰り返しても根が変わらないのは、体質そのものが変わっていないからです。整体ができることは、体全体の慢性緊張を緩めることと、骨と筋を養う体質を取り戻すサポートをすることです。

福岡市早良区の常若整骨院では、体の状態を丁寧に見立てたうえで施術に入ります。「何年も変わらない」「また戻った」「もうこういう体なんだ」と感じている方に、ぜひ一度来院いただければと思います。

坐骨神経痛は、怠けているから出るものでも、弱いから出るものでもありません。体が長く頑張ってきたことの積み重ねとして出ることが多い症状です。その積み重ねを一緒に丁寧に解いていくことが、常若整骨院のアプローチです。

体の声に耳を傾け、何が起きているかを確認するところから始めてみてください。来院のご相談は院のウェブサイトからご予約いただけます。一人で抱え込まず、まず状態を見せていただくことが最初の一歩になります。

院長プロフィール

冨高誠治(とみたかせいじ)。柔道整復師・鍼灸師。施術歴20年、25,000人を施術。福岡市早良区・西新駅から徒歩圏内の常若整骨院院長。整体・東洋医学・気功を組み合わせたアプローチを軸に、自律神経系・慢性痛・原因不明の不調を得意とする。全国の整体師向けセミナー講師としても活動。体の症状は「体からのサイン」として読み解き、生活全体を見渡したサポートを行う。