
電話や立ち話で息が切れる間質性肺炎|会話時の息切れが強くなるのはなぜか
結論から言うと、間質性肺炎で会話中の息切れが強くなる方には、呼吸を支える力が落ちているだけでなく、話すこと自体が体力を使う動作になっているケースが多くあります。歩行や階段よりも先に、電話や立ち話で息が上がるようになった、という訴えは実はめずらしくありません。
要点を先に整理します。原因は、肺の線維化によって呼吸の予備能力が落ち、発声のために必要な呼気の維持が難しくなること。整体でできることは、呼吸を助ける筋肉の緊張をゆるめ、自律神経の過緊張を落ち着けやすい身体づくりをサポートすることです。この記事は、電話や会話のたびに息が切れて疲れてしまう方、病院で間質性肺炎と診断されて生活の工夫を探している方に向けて書いています。
福岡市の常若整骨院では、数多くの患者さんの施術を通じて、会話時の息切れという具体的な訴えに向き合ってきました。ここでは、その現場の観察と、東洋医学の見立てをあわせてお伝えします。
なぜ間質性肺炎の息切れは会話のときに強くなるのですか
結論として、会話は思っている以上に呼吸の余力を使う動作だからです。
普段の呼吸は、吸う・吐くを自然なリズムで繰り返しています。しかし話すときは、まとまった量の息を吸い込んでから、声を出しながら少しずつ吐き出すという、いつもと違う呼吸のコントロールが必要になります。健康な肺であれば、この切り替えに困ることはほとんどありません。ところが間質性肺炎では、肺の間質(肺胞と肺胞の間の壁)が炎症や線維化で厚く硬くなり、肺全体が膨らみにくくなっています。一回の呼吸で取り込める空気の量が減っているところに、会話という追加の負荷がかかることで、息切れが目立ちやすくなります。
さらに、会話には感情や緊張が伴います。電話の相手が上司や医師であったり、久しぶりに会う家族であったりすると、それだけで交感神経が優位になり、呼吸が浅く速くなります。浅く速い呼吸は、間質性肺炎の肺にとってはもっとも効率の悪い呼吸の仕方です。息を吸っても吸っても満たされない感覚が強くなり、余計に息が上がってしまうという悪循環が起こります。
当院で施術してきた経験では、会話時の息切れを訴える方の多くに、首まわりや鎖骨の下、みぞおちのあたりの緊張が見られます。呼吸を助ける筋肉が硬くなっていると、ただでさえ狭くなっている呼吸の余力を、さらに圧迫してしまうのです。
触診で具体的に確認できる所見としては、胸鎖乳突筋(首の前側、耳の下から鎖骨にかけて斜めに走る筋肉)の張り、鎖骨の下にある小胸筋の硬さ、そしてみぞおちのあたりが押しても動きにくくなっている状態などがあります。これらはいずれも、呼吸のたびに肩や首の力を借りて息を吸おうとする代償的な呼吸パターンが、筋肉に負担として蓄積した結果だと考えられます。会話が続くと、この代償パターンがさらに強まり、息切れとして自覚されやすくなります。
見立ての視点として、当院では「見る・触る・聞く・束ねる」という順序を大切にしています。まず姿勢や呼吸の仕方を見る。次に首や胸まわりの緊張を実際に触って確認する。そして、いつ・どんな場面で息切れが強くなるかを聞く。最後に、それらの情報を束ねて、体のどこにどんな負担が集中しているかを見立てていきます。会話時の息切れという一つの訴えの背景にも、こうした複数の情報が重なっています。
間質性肺炎とはどのような状態ですか
間質性肺炎とは、肺の間質という部分に炎症や線維化が起こり、肺が硬くなって膨らみにくくなる病気です。
肺は、酸素を取り込んで二酸化炭素を出すための無数の小さな袋(肺胞)でできています。間質は、その肺胞と肺胞の間、あるいは肺胞を支える壁の部分です。ここに慢性的な炎症が起こると、修復の過程で組織が線維化し、本来はやわらかいはずの肺が硬くなっていきます。硬くなった肺はゴムのように伸び縮みしにくくなるため、呼吸のたびに多くの力を必要とするようになります。
原因が特定できるものと、原因が分からないもの(特発性間質性肺炎)に大きく分かれます。関節リウマチや強皮症といった膠原病に伴うもの、粉じんやカビなどの環境因子によるもの、薬剤性のものなどがある一方で、実際には原因が特定できないまま経過を追っていく方が少なくありません。特発性肺線維症(IPF)はその代表的なタイプで、多くの場合、症状はゆるやかに進みます。検診で偶然見つかり、当初は自覚症状がほとんどないという方もいます。
特発性間質性肺炎は、国の指定難病のひとつに数えられており、決してまれな病気ではありません。診断を受けたばかりの方の中には、病名の重さに戸惑い、これから何ができるのかが見えずに不安を抱える方も多くいらっしゃいます。まずは、通院先の医師から病状の説明を丁寧に受け、そのうえで生活の中でできることを少しずつ探していくという順番を大切にしてください。
主な症状は、乾いた咳(乾性咳嗽)と、体を動かしたときの息切れ(労作時呼吸困難)です。今回取り上げている会話時の息切れは、この労作時呼吸困難のひとつの現れ方と考えることができます。詳しい情報は、日本呼吸器学会の解説ページ(特発性間質性肺炎|日本呼吸器学会)や、難病情報センターの特発性間質性肺炎(指定難病85)のページ(特発性間質性肺炎(指定難病85)|難病情報センター)でも確認できます。
間質性肺炎に整体はどこまでできますか
結論として、整体は間質性肺炎の状態そのものを良くする医療行為ではありません。線維化してしまった肺の組織を元に戻すことは、整体にはできません。ここは誤解のないよう、最初にはっきりお伝えします。
整体ができるのは、呼吸を助ける筋肉の緊張をゆるめること、自律神経の過緊張を落ち着けやすい身体づくりをサポートすること、そして日々のストレス管理のお手伝いをすることです。呼吸に関わる筋肉には、横隔膜のほかに、首の斜角筋、胸の小胸筋、背中の僧帽筋や肩甲挙筋などがあります。これらが慢性的に緊張していると、ただでさえ狭くなっている呼吸のスペースを、さらに圧迫することになります。この緊張を丁寧にゆるめていくことは、整体の役割として十分にできる範囲です。
一方で、できないことも明確にお伝えします。酸素飽和度の管理、薬剤の調整、病状の進行度の判断は、すべて医療機関の専門領域です。整体で症状が軽くなったように感じても、通院や服薬を自己判断でやめることは絶対にしないでください。整体は、医療と対立するものではなく、医療を受けながら、日々の体の緊張を管理していくための補助的な位置づけとお考えください。
福岡市で整体を探すとき、何を見て選べばいいですか
呼吸器の持病がある方が整体院を選ぶときは、いくつか見ておきたいポイントがあります。
まず、施術者が呼吸器疾患についてある程度の知識を持っているかどうかです。強い刺激や、うつ伏せで長時間圧迫するような施術は、呼吸が苦しい方には向きません。カウンセリングの段階で、現在の呼吸状態や服薬状況、酸素療法の有無を丁寧に確認してくれるかどうかは、ひとつの目安になります。
次に、施術内容が体の一部分だけでなく、全身のバランスを見て組み立てられているかどうかです。呼吸は横隔膜だけでなく、姿勢や骨盤の傾き、首の位置とも関係しています。呼吸が浅い方は、猫背気味になっていたり、肩が前に巻き込んでいたりすることが多く、そうした姿勢の癖まで含めて見てもらえる院を選ぶと、変化を感じやすくなります。
そして、通いやすさです。息切れがある状態での移動は、それ自体が負担になります。無理なく通える距離にあるか、施術後にゆっくり休めるスペースがあるかも、選ぶうえで大切な視点です。
もうひとつ、見落とされがちなポイントがあります。それは、施術者が「できないこと」をきちんと説明してくれるかどうかです。良いことばかりを並べる説明よりも、整体の限界を先に伝えたうえで、その中でできることを丁寧に示してくれる院のほうが、長く安心して通いやすい傾向があります。初回のカウンセリングで、遠慮なく質問できる雰囲気があるかどうかも、あわせて見ておくとよいでしょう。
常若整骨院では間質性肺炎をどう見ていますか
当院では、カウンセリング、施術、セルフケアの三つをセットでお伝えしています。
カウンセリングでは、いつ息切れが出やすいか、どんな場面で強くなるかを具体的にお聞きします。今回のテーマである会話時の息切れであれば、電話とビデオ通話ではどちらがつらいか、相手が誰のときに強く出るか、話す内容によって違いがあるかまで掘り下げてお聞きすることがあります。こうした具体的な情報は、施術で優先的にゆるめるべき筋肉を見極めるための手がかりになります。
施術では、首から肩、鎖骨まわり、みぞおちにかけての緊張を、呼吸のリズムに合わせながらゆるめていきます。強く押すのではなく、体が力を抜けるペースに合わせて手を添えていくイメージです。呼吸が苦しい方に力任せの施術をすることはありません。
セルフケアでは、日常生活の中で無理なく続けられる範囲のことをお伝えします。呼吸のことだけでなく、睡眠や食事、ストレスとの付き合い方まで含めて、生活全体を整える視点でお話しします。数多くの患者さんの施術を重ねてきた中で、体は部分ではなく全体としてつながっているという実感を、繰り返し確認してきました。
体の緊張には、左右差として現れることもあります。当院の見立てでは、右側は仕事や社会との関わり、左側は家庭や身近な人間関係の負担を映しやすいと見ています。会話時の息切れでも、電話の相手が仕事関係のときと、家族や親しい人のときとで、緊張の出方に違いが見られることがあります。どちらが良い悪いということではなく、自分がどんな場面で体をこわばらせやすいかを知る手がかりとして、参考にしていただければと思います。
東洋医学では間質性肺炎をどう考えるのですか
結論として、東洋医学では、肺そのものの力の弱りと、それを支える腎の力の消耗という二つの側面から間質性肺炎を見ます。
東洋医学の「肺」とは、単に呼吸をする臓器というだけでなく、気(体を動かすエネルギー)を全身に巡らせる働きを持つとされています。肺の力とは、体のアクセルとブレーキ、つまり自律神経の働きを整える呼吸を支える力、と言い換えることができます。この力が弱った状態を「肺気虚(はいききょ)」と呼びます。
肺気虚が進むと、次に影響を受けやすいのが「腎」です。腎は、体力や回復力の貯金のような働きを持つとされ、深い呼吸を体の奥まで引き込む「納気(のうき)」という役割も担っています。肺の力が弱ったまま長い時間が経つと、腎の貯金まで使ってしまい、「肺腎両虚(はいじんりょうきょ)」という、より深い消耗の状態に進むことがあります。
もうひとつ見ておきたいのが「気陰両虚(きいんりょうきょ)」という状態です。これは、体を動かすエネルギーである気と、体を潤す水分(陰)の両方が不足している状態を指します。乾いた咳が続く間質性肺炎の方には、この気陰両虚のタイプが多く見られます。当院では、これら三つのタイプを目安に、体の状態を見立てています。
| タイプ | 特徴として多いもの |
|—|—|
| 肺気虚型 | 声が小さくなりやすい、少し話しただけで疲れる、風邪をひきやすい |
| 肺腎両虚型 | 息を吸うのが特につらい、足腰が冷えやすい、疲労感が抜けにくい |
| 気陰両虚型 | 乾いた咳が続く、のどや口が渇きやすい、寝汗をかきやすい |
ツボについても触れておきます。太淵(たいえん)は、手首の親指側、脈が触れるくぼみにあります。肺の力を補うとされる代表的なツボです。膻中(だんちゅう)は、胸の真ん中、左右の乳頭を結んだ線の中央にあります。呼吸が浅くなったときに、このあたりを軽くさすると、少し息が入りやすく感じる方がいます。太渓(たいけい)は、内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみで、腎の力を補うとされるツボです。強く押す必要はなく、指の腹で軽く触れる程度で十分です。
東洋医学の見立てでは、肺は「悲しみ」や、言葉にできない想いと関係が深いとされます。ため息が多くなる、というのはよく知られた表現ですが、これは腸で出し切れないものが、肺を通じてため息という形で外に出ようとしている、という見方もできます。すべての方に当てはまるわけではありませんが、体の反応のひとつとして知っておくと、自分の状態を客観的に見つめる手がかりになるかもしれません。
また、東洋医学では肺と大腸は表裏一体の関係にあるとされます。肺の力が弱っている方に、便通の不調や、お腹の張りやすさが同時に見られることは珍しくありません。会話時の息切れという一つの訴えの背景に、消化のリズムや生活習慣まで含めて見ていくことも、当院が大切にしている視点のひとつです。
自律神経と間質性肺炎はどう関係しているのですか
自律神経とは、体のアクセルとブレーキのような働きを持つ神経のことです。活動的なときに働く交感神経(アクセル)と、休息やリラックスのときに働く副交感神経(ブレーキ)が、状況に応じて切り替わることで、体調は保たれています。
間質性肺炎の方は、息苦しさそのものが不安を生み、その不安がさらに交感神経を優位にするという悪循環に陥りやすい傾向があります。会話時の息切れも、この悪循環の中で強まることがあります。電話に出る前から「また息が切れるかもしれない」という予期不安が生まれ、実際に話し始める前から交感神経が優位になっている、というケースは少なくありません。呼吸が浅く速くなった状態で会話が始まると、当然ながら息切れは強く出やすくなります。
整体では、首から背中にかけての緊張をゆるめることで、副交感神経が働きやすい状態を作るサポートをします。緊張がゆるみ、呼吸が深くなりやすい状態が保てると、会話の前の予期不安そのものも、少しずつ和らいでいくケースがあります。もちろん個人差はあり、すべての方に同じ変化が起こるわけではありませんが、体の緊張と心の不安は互いに影響し合っているため、体から整えるというアプローチには一定の意味があると考えています。
交感神経が優位になりすぎると、息切れ以外にも、動悸を感じやすくなったり、手のひらにじんわりと汗をかいたりすることがあります。会話の最中にこうした反応が重なると、息苦しさがさらに強調されて感じられることもあります。これは体が危険を感じたときに起こる自然な反応であり、意志の弱さとは関係がありません。まずはその仕組みを知っておくだけでも、反応そのものへの不安が少し和らぐことがあります。
間質性肺炎で来られる方に多いのはどんなケースですか
当院に相談に来られる間質性肺炎の方には、いくつか共通する背景があります。
ひとつは、病院での通院を続けながら、生活の中でできることを探している方です。呼吸器内科での定期的な診察や検査は続けているものの、日々の息苦しさや疲れやすさに対して、何かできることはないかと感じている方が多くいらっしゃいます。
もうひとつは、家族や周囲との会話にストレスを感じている方です。「話すと苦しくなる自分」を見せることへの抵抗感や、「話を聞いてもらう前に息が切れてしまう」もどかしさを抱えている方が少なくありません。特に、電話でのやり取りが多い仕事をされていた方や、家族との会話が生活の中心だった方にとって、会話時の息切れは生活の質そのものに関わる大きな問題になります。
また、強皮症や関節リウマチといった膠原病に伴って間質性肺炎を発症された方も多く来院されます。膠原病由来の間質性肺炎は、原疾患への対応と並行してケアを考えていく必要があるため、当院では必ず、通院先の医師の方針を優先していただいた上で、体のケアの部分をお手伝いする形をとっています。
実際に間質性肺炎が楽になった方はどんな経過でしたか
三つの事例をご紹介します。いずれも、効果には個人差があり、回復を保証するものではないことを前提にお読みください。
一人目は、60代男性の方です。営業職を長く続け、退職後も電話でのやり取りが多い生活をされていました。診断を受けてから、家族との電話で数分話すだけで息が切れるようになり、しだいに電話に出ること自体を避けるようになっていました。触診では、胸鎖乳突筋と鎖骨の下あたりに強い張りがあり、話し始める前から肩に力が入っていることが確認できました。カウンセリングで、話す前に強く身構えてしまう傾向があることが分かり、首から肩にかけての緊張をゆるめる施術を続けたところ、少しずつ電話の前の身構えが和らいでいったといいます。以前より会話でのつらさが軽くなったと感じられるようになりました。
二人目は、50代女性の方です。強皮症に伴う間質性肺炎と診断され、通院を続けながら生活を送っていました。もともと電話応対の仕事をされていましたが、会話中の咳込みが増え、仕事を続けることが難しくなったという経過がありました。ご本人は、仕事を辞めたことへの喪失感も強く抱えていらっしゃいました。舌の状態を見ると乾燥した薄い苔が見られ、気陰両虚の特徴と重なる部分がありました。施術では、みぞおちや鎖骨まわりの緊張をゆるめることに加え、生活全体のストレス管理についても丁寧にお話を伺いました。少しずつ、咳込みの頻度が落ち着きやすくなったと感じられているとのことです。
三人目は、70代男性の方です。在宅酸素療法を利用しながら生活されており、お孫さんとのビデオ通話を何よりの楽しみにされていました。しかし、話している途中で息が切れて言葉が途切れてしまうことに、ご本人が強い戸惑いを感じていました。足首まわりに冷えがあり、太渓のあたりを触れると特に冷たく感じられたため、腎の力を補う視点も取り入れながら施術を行いました。施術と並行して、呼吸のペースを意識した会話の工夫についてもお話しし、少しずつ、以前より落ち着いて会話を続けられるようになったと感じられているそうです。
間質性肺炎は自宅でどうケアすればいいですか
自宅でできることを、三つお伝えします。すべてを完璧にやろうとする必要はありません。どれか一つからで十分です。
一つ目は、会話の前に、ゆっくりと三回ほど呼吸を整えることです。電話に出る前、話しかけられる前に、鼻から静かに息を吸い、口からゆっくりと吐き出す。これだけで、交感神経の高ぶりを少し落ち着けることができます。無理に長く吐こうとせず、自分にとって楽な範囲で行ってください。
二つ目は、話す量よりも、話すペースを意識することです。一度にたくさん話そうとせず、区切りながら、息継ぎのタイミングを自分で決めていく。相手に「少し待ってもらってもいいですか」と一言伝えておくだけでも、心理的な余裕が生まれます。
三つ目は、部屋の湿度を保つことです。空気が乾燥していると、のどや気道が刺激されて咳が出やすくなります。加湿器を使ったり、こまめに水分を取ったりすることは、乾いた咳を和らげる助けになります。
できなかった日があっても、自分を責める必要はありません。真面目に頑張りすぎることが、かえって体の緊張につながることもあります。真面目さそのものが悪いのではなく、その真面目さを、少しだけ自分に優しい方向に向けてみる。そんな意識で十分です。おおらかに構えられる方のほうが、体の変化を感じやすい傾向があるというのも、これまでの現場での実感のひとつです。
病院と整体、どちらに行くべきか迷ったらどうすればいいですか
次のような症状がある場合は、整体ではなく、まず医療機関を受診してください。
安静にしていても強い息苦しさが続く場合、唇や指先が青紫色になる(チアノーゼ)場合、発熱が続く場合、急激に息切れが悪化した場合、体重が急に減少している場合は、間質性肺炎の急性増悪など、緊急性の高い状態の可能性があります。ためらわず、通院先の医療機関または救急に連絡してください。
その上で、通院や服薬を続けながら、日々の体の緊張やストレスをどう管理していくかという部分では、整体が力になれることがあります。病院と整体は、対立するものではなく、役割の違うものです。医療機関での通院を土台にしながら、その上に、体のケアを重ねていくというイメージで捉えていただければと思います。
日々の変化を、簡単にでもメモに残しておくことをおすすめしています。どんな場面で息切れが強くなったか、どのくらいの時間続いたか、といった記録は、診察の際に医師へ伝える情報としても役立ちますし、当院でのカウンセリングでも、施術の組み立てを考えるうえで貴重な手がかりになります。特別なことをする必要はなく、スマートフォンのメモ機能に一言残す程度で十分です。
よくあるご質問
間質性肺炎は整体で良くなりますか?
整体は、間質性肺炎の状態そのものを良くする医療行為ではありません。線維化した肺の組織を元に戻すことはできません。整体でできるのは、呼吸を助ける筋肉の緊張をゆるめ、自律神経の働きを整えやすい身体づくりをサポートすることです。
なぜ電話や会話中に息切れが強くなるのですか?
会話は、まとまった量の息を吸い込みながら声を出す、いつもと違う呼吸のコントロールが必要な動作だからです。間質性肺炎では肺の予備能力が落ちているため、この追加の負荷に対応しにくくなります。また、会話に伴う緊張が交感神経を優位にし、呼吸を浅く速くすることも影響しています。
間質性肺炎はどのくらいの期間で進行しますか?
進行のスピードには個人差が大きく、一概には言えません。ゆるやかに進む方もいれば、比較的早く進む方もいます。定期的な検査で経過を確認しながら、通院先の医師の判断に従うことが大切です。
咳がずっと止まらないのはなぜですか?
肺の間質が線維化することで、気道が刺激を受けやすくなり、乾いた咳が出やすくなると考えられています。東洋医学では、体を潤す力(陰)が不足している状態(気陰両虚)として見ることが多くあります。
在宅酸素療法を使っていても整体は受けられますか?
酸素療法を継続しながら施術を受けることは可能です。ただし、事前に酸素の流量や取り扱いについて詳しくお聞きし、無理のない範囲で施術内容を調整します。心配な場合は、通院先の医師にも相談してください。
呼吸リハビリと整体は何が違いますか?
呼吸リハビリは、医療機関で行われる、運動療法や呼吸法の指導を中心としたプログラムです。整体は、体の緊張をゆるめることを中心に行います。両方を組み合わせて取り入れている方もいらっしゃいます。
口すぼめ呼吸をした方がいいですか?
口すぼめ呼吸は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)ではよく知られたセルフケアですが、間質性肺炎のような拘束性の呼吸障害では、かえって咳を誘発することがあると言われています。無理に長く吐こうとせず、自分にとって楽な範囲の呼吸を優先してください。詳しくは主治医にご確認ください。
声が小さくなった、かすれるのはなぜですか?
呼吸の力が弱まると、声を支えるための息の量も減り、声が小さくなったり、かすれたりしやすくなります。東洋医学では、肺気虚の特徴のひとつとして見ることがあります。
ステロイドや抗線維化薬を使っていても施術は受けられますか?
多くの場合、問題なく施術を受けていただけます。ただし、薬の内容や体調の変化については必ずお聞きし、通院先の医師の方針を優先していただいた上で、体のケアの部分をお手伝いする形をとっています。
家族との会話量を減らすべきでしょうか?
会話そのものを減らす必要はありません。大切なのは、話すペースを自分で調整できる環境を作ることです。区切りながら話す、休みながら話すことを、家族にもあらかじめ伝えておくと、双方の負担が減りやすくなります。
気功は間質性肺炎に関係しますか?
呼吸と体の緊張の関係を見る中で、気功的な視点を取り入れることもあります。ただし、当院では医学的な説明を優先し、気功はあくまで補助的な位置づけとしてお伝えしています。詳しい考え方についてご興味がある方には、施術の中で個別にお話しすることもあります。
何回くらい通えば変化を感じますか?
体の状態や生活背景によって個人差があります。数回で緊張の変化を感じる方もいれば、時間をかけて少しずつ変化を実感される方もいます。焦らず、ご自身のペースで続けていただくことをおすすめしています。
強皮症や関節リウマチが原因の場合も同じ見方ですか?
基本的な見立ての考え方は同じですが、原疾患への対応が最優先になります。膠原病由来の間質性肺炎の方には、必ず通院先の医師の方針を確認した上で、体のケアの部分をお手伝いしています。
冬や乾燥する時期に悪化しやすいのはなぜですか?
空気が乾燥すると、のどや気道への刺激が増え、咳が出やすくなります。東洋医学では、肺は乾燥(燥邪)の影響を受けやすい臓器とされており、季節による体調の変化として自然な反応と捉えることができます。
予約はどうすればいいですか?
お電話またはウェブサイトから予約を受け付けています。初回は、これまでの経過や現在の通院状況を詳しくお伺いしますので、時間に余裕を持ってお越しください。会話に不安がある場合は、ご家族による代理でのご連絡も承っています。
運動をしてもいいですか?
軽い散歩など、息が上がりすぎない範囲の運動は、体力の維持に役立つとされています。ただし、どの程度の運動が適切かは病状によって大きく異なるため、必ず通院先の医師に確認してから始めてください。整体では、運動そのものの指導は行わず、日常動作をしやすくするための体の緊張のケアを中心に行います。
食事で気をつけることはありますか?
一度にたくさん食べると、胃が膨らんで横隔膜を圧迫し、息苦しさを感じやすくなることがあります。量を少なめにして、回数を分けて食べる工夫は、東洋医学でも「脾(消化を担う働き)に負担をかけない」という考え方と重なります。完璧を目指す必要はなく、無理のない範囲で続けられることを優先してください。
まとめ
福岡市で間質性肺炎の息切れ、特に会話や電話のときの息苦しさに悩んでいる方へ。その息切れは、決してあなたの気持ちの弱さから来るものではありません。肺という臓器そのものの状態と、それに伴う自律神経の緊張が、体の反応として現れているだけです。
病院での通院を続けながら、日々の体の緊張をどう管理していくか。そこに整体が力になれる部分があります。一人で抱え込まず、まずは体の緊張をゆるめることから始めてみませんか。当院では、カウンセリング、施術、セルフケアをセットでお伝えしながら、あなたのペースに合わせたサポートを行っています。話すたびに緊張してしまう毎日から、少しずつでも肩の力が抜けていく方向へ、一緒に歩んでいければと思います。
以前、間質性肺炎について整体にできることをまとめた記事(間質性肺炎に整体は何ができるのか)や、坂道や階段での息切れに焦点を当てた記事(間質性肺炎で坂道や階段だけ息が上がる理由)も書いています。あわせてご覧いただくと、より体の状態を理解しやすくなるかもしれません。
院長プロフィール
冨高誠治(とみたか せいじ)。柔道整復師・鍼灸師。施術歴20年。25,000人の患者さんに、のべ11万回の施術をおこなってきました。福岡市早良区・西新駅から徒歩圏にある常若整骨院の院長として、東洋医学の見立てと現代的な身体のケアを組み合わせた施術を行っています。全国での技術セミナー講師の経験もあり、テレビ出演や女性自身への掲載歴もあります。医療機関との連携を大切にしながら、体と心の両面から、皆さまの日々の回復をサポートしています。
季節ごとの体の整え方を、メールでお届けしています。よければ、どうぞ。
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