妊娠中の冷えが秋から夜に強くなるのはなぜですか|布団に入っても足先だけ温まらない理由

結論から言うと、秋から冬に向かう時期の妊娠中の冷えは、体の中でつくる熱の量と、足先まで巡らせる力が、夜にいちばん足りなくなるために起きやすい症状です。夜の足先の冷えは、あなたの頑張りが足りないから起きているわけではありません。

要点は3つです。

1. 原因は、大きくなる子宮による足の血流の圧迫、ホルモンの変化、夜の体温の下がり方、気温の低下が重なることです。
2. 整体でできることは、体の緊張をゆるめ、内臓まわりと足元の巡りを支え、眠りやすい土台づくりをお手伝いすることです。医療の代わりにはなりません。
3. この記事は、福岡市で妊娠中の足先の冷えや、夜中のこむら返り、寝つきの悪さに悩んでいる妊婦さんと、そのご家族に向けて書いています。

当院は福岡市早良区・西新駅から徒歩圏の常若整骨院です。25,000人の患者さんを施術してきた現場で、妊娠中の冷えは「昼は平気なのに夜になると足先だけが氷のよう」という訴え方をされる方が目立ちます。この記事では、その夜の冷えに絞ってお話しします。夏のクーラーによる冷えについては、別の記事で書いていますので、ここでは触れません。

なぜ妊娠中の冷えは、秋の夜にいちばん強く出るのですか

結論として、夜は体の熱をつくる力が下がり、そこに気温の低下と妊娠による血流の変化が重なるため、足先の冷えがいちばん強く出ます。

人の体温は、一日のなかで波があります。昼間にいちばん高く、明け方に向かって下がっていきます。朝の5時ごろが体温の底だと言われています。妊娠中はこの下がり方が少し変わり、眠る前の手足が熱を逃がす時間帯に、足先だけが冷えたまま残ることがあります。

重なる要因は4つあります。

  • 大きくなった子宮が、足から戻る静脈を圧迫して、足先の血の巡りが滞りやすくなる
  • 妊娠中のホルモンの変化で、血管や自律神経の働きが変わる
  • 赤ちゃんに栄養を届けるために血液が薄まり、体の熱を運ぶ力が下がる
  • 秋の夜は朝晩の気温差が大きく、体がまだ冬の備えに切り替わっていない

つまり、冷えの原因は一つではなく、重なっています。「靴下を重ねても温まらない」のは、足先が冷たいのではなく、足先まで届く熱そのものが足りていないからです。

妊娠中の冷えとは、どのような状態ですか

妊娠中の冷えとは、体の芯でつくる熱が、手足の先まで十分に届かなくなっている状態です。

冷えには大きく二つの形があります。一つは、触ると足先が冷たいという、わかりやすい冷えです。もう一つは、自分では冷たいと感じないのに、お腹や腰の奥が重く冷えているという、見えにくい冷えです。後者は、あとから睡眠の浅さや、むくみ、足のつりとして現れることがあります。

東洋医学では、冷えを「温める力の不足」と「巡りの滞り」の二つで見ます。足先が冷たいのは、温める力が足りないのか、巡りが止まっているのかで、整え方が変わります。ここが整体院ごとに差が出るところです。

夜中に足がつる、眠れないのは、冷えと関係がありますか

結論として、妊娠後期の夜中のこむら返りは、足先の冷えと深く関係していることが多いです。

足先が冷えると、ふくらはぎの筋肉が縮こまり、わずかな刺激で急に収縮します。それが夜中のこむら返りです。原因として、カルシウムやビタミンDなどの不足、水分不足、子宮による血流の圧迫なども言われています。これらは妊婦健診で聞かれる項目ですので、頻繁に起きるなら、まず主治医に伝えてください。

当院の現場では、こむら返りが起きる方に共通して触れる所見があります。ふくらはぎの内側がパンパンに硬く、足首から先だけが冷たい、という組み合わせです。ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれる場所で、ここが固まると、足先の血が心臓へ戻りにくくなります。

妊娠中の冷えに、整体はどこまでできますか

結論として、整体でできるのは、体の緊張をゆるめて巡りを支えることまでです。冷えの原因を診断したり、薬の代わりになったりするものではありません。

できること、できないことを表にします。

| できること | できないこと |
|—|—|
| 腰やふくらはぎの緊張をゆるめ、巡りを支える | 冷えの原因を診断すること |
| 妊娠中でも負担の少ない姿勢で、お腹まわりの緊張を和らげる | 薬や検査の代わりになること |
| 眠る前の過ごし方、足元の温め方を一緒に考える | 切迫早産など、医療が必要な状態の判断 |
| 日常で続けられる、ごく軽いセルフケアをお伝えする | 「必ず温かくなる」と約束すること |

妊娠中の施術は、うつぶせではなく、横向きや仰向けで、お腹に負担をかけない姿勢で行います。強く押す、強く揉むといったことはしません。

福岡市で妊娠中の冷えを相談する整体院は、何を見て選べばいいですか

結論として、妊娠中の経過を最初に聞いてくれて、強い刺激を避ける姿勢があり、医療機関との線引きを明確にしている院を選ぶのが安心です。

選ぶときの目印は4つです。

  • 妊娠週数と、かかりつけの産院の様子を最初に聞いてくれる
  • 妊婦さんの姿勢(横向きなど)で、無理のない施術をしている
  • 「必ず良くなる」と言い切らず、受診の目安をはっきり伝えている
  • 冷えだけでなく、睡眠、食事、仕事、ご家庭の状況まで聞いてくれる

通いやすさも大切です。妊娠後期は、移動そのものが負担になります。無理のない頻度で、通える範囲を考えてください。

常若整骨院では、妊娠中の冷えをどう見ていますか

結論として、当院では冷えを「足の問題」ではなく「体の中心から末端への熱の届き方」として見ています。

下半身の症状は、内臓から骨盤、骨盤から末端へという順番で見ます。内臓まわりが冷えていると、骨盤まわりの巡りが落ち、足先に熱が届きません。ですから、足先だけを温めても、一時的で終わってしまうことが多いのです。

初回のカウンセリングでは、次のことを必ず聞きます。

  • 夜、足先が冷えるのは何時ごろからか
  • 左右どちらが冷たいか(右は仕事や外での緊張、左は家庭や休息の場面に出やすいと、私は現場で見ています)
  • 目が覚めるなら、だいたい何時ごろか
  • お風呂のあと、どのくらいで冷えが戻るか
  • 食事の時間と、冷たいものをとる頻度

触れるときに確認する所見は、ふくらはぎの硬さ、足首の冷たさ、お腹の冷え、腰の張りの4か所です。この4つの組み合わせで、体のどこで巡りが止まっているかを探します。

東洋医学では妊娠中の冷えをどう考えるのですか

結論として、東洋医学では、妊娠中の冷えを「腎の弱り」「脾の疲れ」「肝血の不足」の三つの方向から見ます。

専門用語を言い換えます。腎とは、生命力の貯金のような働きです。脾とは、食べたものから力をつくる消化の働きです。肝血とは、体の中で血を蓄えて、緊張をゆるめる働きです。

| タイプ | 現れやすい様子 | 夜の特徴 |
|—|—|—|
| 腎の弱り | 足首から下が冷える、腰がだるい、朝の冷えが強い | 明け方に目が覚める、起きた直後に足先が冷たい |
| 脾の疲れ | お腹が冷える、むくみやすい、食後に眠くなる | 夜に足がむくんで冷える、重だるい |
| 肝血の不足 | 足がつる、爪がもろい、目が疲れる、気持ちが張りつめる | 夜中の1〜3時ごろに足がつって目が覚める |

当院の現場では、一人の方がひとつのタイプに収まることは少なく、二つが重なることがほとんどです。順番は問診と触診で決めます。

セルフケアの場所として、太渓(たいけい)というツボを紹介します。内くるぶしの頂点と、アキレス腱のあいだのくぼみです。親指でそっと触れて、気持ちいい程度の圧で数秒ずつです。湧泉(ゆうせん)は、足の指を曲げたときに足の裏の中央にできるくぼみで、これも強く押さず、手のひらで包むように温めてください。

なお、三陰交(さんいんこう)というツボは、妊娠中は避けることになっています。インターネットなどで紹介されていても、妊娠中は刺激しないでください。ツボのセルフケアは、必ず産院の先生にも一度伝えてから行ってください。

自律神経と妊娠中の冷えは、どう関係していますか

結論として、自律神経が緊張側に傾くと、手足の血管が縮んで、足先に血が届きにくくなります。

自律神経とは、体のアクセルとブレーキのような働きです。夜は本来ブレーキが優位になり、手足の血管がゆるんで熱を逃がし、眠りに入ります。ところが、赤ちゃんのこと、仕事の引き継ぎ、出産への心配などで気が張っていると、夜になってもアクセルが入ったままになります。すると手足の血管が縮み、足先が冷えたまま眠れなくなります。

これは、心が弱いからではありません。赤ちゃんを守る気持ちが強い人ほど、体は夜も見張りを続けてしまいます。この見張りの強さは、責める材料ではなく、あなたの感度の高さです。

妊娠中の冷えで来られる方に多いのは、どんなケースですか

結論として、多いのは「昼は平気なのに夜になると冷える」「布団に入っても足先だけ温まらない」「夜中につって目が覚める」の三つです。

当院で多く伺うのは、次のような場面です。

  • 仕事を続けている妊婦さんで、夕方から足がむくみ、夜に冷えが強くなる
  • 上のお子さんがいて、休む時間がなく、夜中に目が覚めて眠り直せない
  • 妊娠前から冷え性で、妊娠後期になって一気に強くなった
  • 里帰りの前後で、環境が変わり、寝つきが悪くなった

どの方も、「もっとちゃんとしなきゃ」と自分を責めがちです。けれど、そう感じているときほど、体は十分に頑張っています。

実際に冷えが楽になった方は、どんな経過でしたか

結論として、事例を二つ、特定されない形でお伝えします。三つめは一般的な例です。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

一人めは、福岡市の40代の女性です。妊娠後に、もともとあった坐骨からお尻の痛みが強くなり、動くのも辛いほどになって来院されました。初回から身体全体が軽くなり、脚の動かせる範囲が広がったと話されました。数回通ううちに、肉体だけでなく心身ともに軽やかになり、「妊娠中に体験できてよかった」と言ってくださいました。冷えそのものの記録ではありませんが、腰から脚の巡りが整うと、足元の感覚も変わるという一例です。

二人めは、福岡市の40代の女性です。小学生のころから冷えを自覚し、手足の指先はいつも冷たく、爪は紫色になっていました。いちばん悪かった冬には「骨が冷たい」と感じ、目が覚めたら氷のようだったそうです。通ううちに、骨の冷たさが和らぎ、日常のことが少しずつできるようになったと話されました。妊娠中の事例ではありませんが、冷えの根が深い方ほど、体の中心から整えることの意味が見える事例です。

三人めは、一般的な例として、30代の妊婦さんです。仕事を続けながら、妊娠後期に夜中のこむら返りが増え、眠れない日が続いていました。産院に相談したうえで来院され、横向きの姿勢でふくらはぎと腰の緊張をゆるめ、眠る前の足元の過ごし方を一緒に考えました。数回で、夜に目が覚める回数が少し減ったと話されました。

いずれも、効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

妊娠中の冷えは、自宅でどうケアすればいいですか

結論として、まずは「どれか1つ」だけで十分です。3つ全部をやる必要はありません。できなかった日があっても、それで悪くなるわけではありません。

| 方法 | やり方 |
|—|—|
| 足首を冷やさない | 夜は靴下より、足首を覆うレッグウォーマーで、足首から上を守る |
| ぬるめの足浴 | 40度前後のお湯に10分ほど。のぼせない範囲で、湯冷めしない部屋で |
| ふくらはぎをさする | 足首から膝裏に向けて、手のひらで軽くさする。強く揉まない |

食事は、完璧を目指さなくて大丈夫です。冷たい飲み物を減らして、温かい汁物を一杯足す程度で十分です。7〜8割できていれば合格だと、私は現場でお伝えしています。

まじめな方ほど、「全部やらなきゃ」と肩に力が入ります。その力みこそが、肝の緊張を強めて、巡りを止めてしまいます。真面目さが悪いのではなく、真面目さの向け先が少しずれているだけです。

病院と整体、どちらに行くべきか迷ったらどうすればいいですか

結論として、少しでも不安なときは、先に産院に相談してください。整体は医療行為ではありません。

次のような場合は、整体より先に受診してください。

  • 片方の足だけが急に腫れて、熱や痛みがある
  • 強い頭痛、目のちかちか、急なむくみがある
  • お腹の張りが強い、出血がある、赤ちゃんの動きが少ない
  • 息苦しさや胸の痛みがある
  • 発熱が続く

妊娠高血圧症候群や、足の血管の病気などは、医療の領域です。症状と受診の目安については、公的な情報も参考にしてください。MSDマニュアル家庭版 妊娠後半にみられるむくみ

診断や薬の判断は、必ず医師にご相談ください。そのうえで、体の緊張をゆるめる部分でお手伝いできることがあれば、当院にご相談ください。冷えが自律神経の乱れと重なっているケースについては、自律神経失調症についての記事でも詳しく書いています。

よくあるご質問

妊娠中の足先の冷えは、そのままにしても大丈夫ですか?

多くの場合、すぐに心配はいりませんが、頻繁に眠れないほど続くなら、妊婦健診で医師に伝えてください。妊娠中の冷えは珍しくない症状ですが、むくみや高血圧、貧血などが隠れていることもあるため、自己判断だけで済ませないほうが安心です。

妊娠中の冷えは、赤ちゃんに影響しますか?

冷えそのものが直ちに赤ちゃんに悪影響を与えると、言い切れるものではありません。ただ、強い冷えで眠れない状態が続くと、お母さんの疲れが溜まります。まず産院に相談し、体を休められる状態を整えることを大切にしてください。

夜中に足がつるのは、冷えが原因ですか?

冷えも原因の一つとして考えられます。ほかにも、水分不足、カルシウムなどの不足、子宮による血流の圧迫などが言われています。頻繁に起きるなら、産院でご相談ください。

妊娠中に整体を受けても大丈夫ですか?

産院の先生に問題がないと言われている範囲で、受けられることが多いです。当院では、横向きや仰向けの楽な姿勢で行い、強い刺激は行いません。安定期以降が目安ですが、不安があれば先に産院に確認してください。

妊娠初期でも冷えの相談はできますか?

相談はできますが、初期は体が不安定な時期です。無理のない範囲で、まずは産院の許可を得てからにしてください。当院では、妊娠週数をまず確認します。

足湯は妊娠中にしても大丈夫ですか?

ぬるめのお湯で短時間であれば、一般的には問題ないとされています。熱すぎるお湯や長時間は、のぼせや血圧の変化につながることがあるので避けてください。体調に不安があるときは、産院に確認してください。

湯たんぽやカイロは使ってもいいですか?

低温やけどを避ければ使えます。お腹に直接当てるのは避け、足元を温めるのがおすすめです。就寝中は、布団の中で長時間当て続けないようにしてください。

ツボを押しても大丈夫ですか?

太渓や湧泉をやさしく触れる程度なら、多くの場合は問題ありません。ただし、三陰交は妊娠中は避けるツボです。いずれも、産院に一度確認してからにしてください。

夜に何時ごろ目が覚めるかで、体の状態はわかりますか?

目安にはなります。東洋医学では、1〜3時ごろは肝、明け方は腎との関係を見ます。これは診断ではなく、整え方を考えるための手がかりです。

冷え性は、妊娠中に急にひどくなることがありますか?

あります。もともと冷えやすい方が、妊娠後期に子宮の影響で足の巡りが滞って強く感じることがよくあります。また、妊娠前は気にならなかった方が、妊娠後に初めて冷えを自覚することもあります。

産後も冷えは続きますか?

人によって差があります。産後は出血や睡眠不足、授乳などで体力が落ちるため、冷えが続く方もいます。産後の不調を見越して、妊娠中から体を休める習慣をつくっておくことをお勧めします。

初めての相談で、何を伝えればいいですか?

妊娠週数、かかりつけの産院、夜に冷えが強くなる時間帯、眠れているかどうかの4つを伝えてください。話しにくいことは、話さなくて大丈夫です。

まとめ

福岡市で、妊娠中の足先の冷えや、夜中のこむら返り、寝つきの悪さに悩んでいる方へ。夜の冷えは、あなたの頑張りが足りないからではなく、体の熱と巡りが、夜にいちばん足りなくなる時期だからです。

一人で抱え込まず、まず産院で相談し、そのうえで体の緊張をゆるめることから始めてみてください。セルフケアは、どれか1つで十分です。できない日があっても、自分を責めないでください。当院は、カウンセリングと施術、セルフケアのお伝えで、回復しやすい土台づくりをお手伝いします。

院長プロフィール

冨高誠治。柔道整復師・鍼灸師。施術歴20年、25,000人の患者さんを施術してきました。福岡市早良区・西新駅から徒歩圏の常若整骨院で、東洋医学の見立てを軸に、体の緊張をゆるめるケアを行っています。

季節ごとの体の整え方を、メールでお届けしています。よければ、どうぞ。
▼ 常若だより 登録はこちら
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整体師・鍼灸師の方へ。同業の先生だけが集まっているオープンチャットで、毎朝1本、現場の見立ての話を書いています。オープンチャットはこちら。

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