夜尿症が小学生になっても続くのはなぜですか|叱らず焦らず、親が知っておきたい体の事情
結論から言うと、夜尿症(おねしょ)は、しつけや甘えのせいではなく、夜間の体の仕組みがまだ追いついていないために起きていることがほとんどです。お子さん本人も、いちばん困っています。
要点は次の3つです。
- 原因:夜に作られる尿の量、膀胱の大きさ、眠りの深さ、この3つのバランスが関わっています
- 整体でできること:お腹や腰まわりの冷えと緊張をゆるめ、体が夜を安定して過ごしやすい土台づくりをサポートすること
- この記事は誰向けか:小学生になってもおねしょが続いて、叱ってしまったり、自分を責めたりしているお父さん、お母さん
ただし、昼間のおもらしがある、排尿のときに痛がる、のどが異常に渇いて水をたくさん飲む、急に始まった、といった場合は、整体より先に小児科か泌尿器科を受診してください。この線引きは、記事の後半で表にしてお伝えします。
夜尿症とはどのような状態ですか
夜尿症とは、5歳を過ぎても、眠っている間に無意識に尿が出てしまう状態が続くことです。月に1回以上のペースで続く場合に、そう呼ばれます。
大切なのは、本人にはどうにもできない、という点です。意地悪でも、怠けでもなく、寝ている間は膀胱の合図に気づく力がまだ育っていないだけです。
日本の調査では、小中学生の6%台にみられるとされています。クラスに1人か2人はいる計算で、決して珍しいことではありません。お子さんが人に言えずにいるだけで、同じ悩みを抱える家庭は、思っているより多いのです。
当院は福岡市早良区・西新にあり、25,000人の患者さんの体に関わってきましたが、お子さんのおねしょで来られるお母さんの多くが、最初にこう言われます。「私の育て方が悪かったんでしょうか」。答えは、いいえです。ここだけは、はっきりお伝えしておきます。
なぜ夜尿症は小学生になっても続くのですか
結論として、夜尿症が続く背景には、夜の尿が多い、膀胱が小さい、眠りが深くて目覚めにくい、という3つの要素が、単独または重なって関わっています。
| 要素 | 起きていること | 見られやすいサイン |
|—|—|—|
| 夜に尿が多い | 夜間に尿を濃くするホルモンの働きがまだ十分でなく、薄い尿が大量に作られる | 朝のおむつやシーツがぐっしょり。1回量が多い |
| 膀胱が小さい | 溜められる量が少なく、夜の途中で溢れる | 昼間もトイレが近い。1晩に何度も出ることがある |
| 眠りが深い | 膀胱がいっぱいでも、脳が目覚める合図を受け取れない | 呼んでも起きない。眠りが深い家族歴がある |
つまり、尿が出ること自体が問題というより、夜の尿の量と、体が目覚めて知らせる力とのバランスが、まだ取れていないのです。
そして、このバランスは成長とともに整っていく方が多い一方で、冷えや疲れ、睡眠の乱れ、便秘などが重なると、整うのに時間がかかることがあります。ここは、日常の整え方で手伝える部分です。
夜尿症に整体はどこまでできますか
結論として、整体は夜尿症そのものに働きかけるものではなく、体の冷えや緊張をゆるめ、夜をぐっすり、安定して過ごしやすい土台をつくるサポートです。
できることは、次のとおりです。
- お腹、腰、足首まわりの冷えと硬さをゆるめる
- 背中や首の緊張をゆるめ、眠りが浅くなりにくい体の状態を整える
- 生活の中で親子でできる、温め方や水分のとり方をお伝えする
- 親御さんの不安や疲れを聞き、焦りを少し下ろしていただく
できないことも、はっきり書きます。
- 夜尿症の診断をすること
- 薬やアラーム療法の代わりになること
- 隠れた病気を見つけること
夜尿症には、医療側に確立した方法があります。生活の整え方、夜の尿を減らす薬、アラーム療法などです。生活の整え方だけで、1割から2割ほどのお子さんの夜尿が消えるとも言われています。整体は、そうした医療と並行して、体の土台を整える立場です。
福岡市で夜尿症の相談先を探すとき、何を見て選べばいいですか
結論として、まず小児科か泌尿器科で隠れた病気がないかを確かめてもらい、そのうえで、親子の負担が軽くなる整え方を相談できる場所を選ぶのが安心です。
選ぶときの目安は、次の4つです。
| 見るところ | 理由 |
|—|—|
| 子どもを叱らず、親も責めない姿勢か | 叱ることは、夜尿を減らさず、自信だけを減らします |
| 病院での検査や相談を前提にしているか | 見逃してはいけない病気があるため |
| 「必ず止まります」と言い切らないか | 成長の個人差が大きく、約束できないため |
| 親の話をじっくり聞いてくれるか | 家庭の空気が、お子さんの安心に直結するため |
当院では、お子さんの体を触れる範囲で整えながら、お母さんやお父さんのお話を最初に伺います。
常若整骨院では夜尿症をどう見ていますか
結論として、当院では、夜尿症を「夜に体を休ませる力と、冷えを抱えた下半身の状態」から見て、お子さん本人の負担を増やさない形で整えていきます。
見るところは、決まっています。
- お腹を触ったとき、下腹だけ冷たくないか
- 足首から先が冷えていないか
- 背中、とくに腰のあたりが板のように硬くないか
- 便秘はないか。腸が張ると膀胱を圧迫することがあります
- 寝つきと眠りの深さ、夕方の疲れ方はどうか
25,000人の患者さんの体に関わってきた経験では、夜尿が続くお子さんには、お腹から下の冷えと、夕方に疲れ果てる生活のリズムが重なっていることが少なくありません。体が冷えて疲れていると、夜に深く眠りすぎて目覚めにくくなったり、尿が薄く多くなったりします。
お子さんの施術は、短く、やさしく行います。痛いことはしません。お子さんにとって安心できる場所になることを、いちばん大事にしています。
東洋医学では夜尿症をどう考えるのですか
結論として、東洋医学では夜尿症を、尿をためて締める力の弱りとして読み、おもに腎、脾、肺の働きから見立てます。
まず言葉を整理します。
- 腎(じん)とは、東洋医学でいう回復力の貯金のような働きで、尿を締めてためる力も受け持ちます
- 脾(ひ)とは、胃腸の働きと、体の水分をさばく力のことです
- 肺(はい)とは、呼吸と、体の水の流れを上から下へ通す働きです
- 気(き)とは、体と心を動かすエネルギーの流れです
夜尿症は、次の3つのタイプに分けると、見立てやすくなります。
| タイプ | 特徴 | 出やすい様子 |
|—|—|—|
| 腎の冷えで締める力が弱いタイプ | 尿が薄く量が多い。夜に何度も出る | 手足やお腹が冷える。寒がり。顔色が白っぽい |
| 脾と肺の疲れで水をさばけないタイプ | 日中の疲れが強く、夜に力が抜けて出る | 食が細い。風邪をひきやすい。汗をかきやすい |
| 心と肝にこもる熱があるタイプ | 尿は濃く少なめ。眠りが浅い | 寝つきが悪い。夢が多い。気が張りやすい |
ここで大切なのは、どれか1つに決めつけないことです。多くのお子さんは、2つが重なっています。
ツボは、親御さんが手のひらで温める程度で十分です。強く押す必要はありません。
- 関元(かんげん):おへそから指4本ぶん下の真ん中。ここに手のひらを当てて温めます
- 三陰交(さんいんこう):内くるぶしの頂点から指4本ぶん上、すねの骨の後ろぎわ。足首を温めるついでにさすります
- 腎兪(じんゆ):おへその真裏の高さで、背骨から指2本ぶん外側。腰を手のひらで包むように温めます
秋から冬にかけては、体が冷えやすく、夜尿が増えたと話されるご家庭も多い季節です。東洋医学では、寒さは腎の働きを弱めると考えるためです。
自律神経と夜尿症はどう関係しているのですか
結論として、自律神経とは、体のアクセルとブレーキのような働きで、夜は膀胱をゆるめて尿をためる側に切り替わります。この切り替えが乱れると、夜尿が出やすくなります。
昼間はアクセル側が働いて活動し、夜はブレーキ側に切り替わって眠ります。日中に緊張が強かったり、スマホやゲームで夜遅くまで興奮していたりすると、切り替えがうまくいかず、眠りが浅くなったり、逆に不自然に深くなったりします。
自律神経そのものについては、別の記事でも詳しく書いています。自律神経失調症の記事もあわせて読んでいただくと、全体像がつかみやすくなります。
お子さんの場合、引っ越し、進級、家族の変化、習い事の増加など、環境の変化のあとに夜尿が再開、悪化することがあります。これは心が弱いからではなく、体が新しい環境に合わせようと頑張って、夜に力が抜けた結果です。
夜尿症で来られるお子さんには、どんなケースが多いですか
結論として、当院に相談されるのは、病院での説明は受けたけれど、生活でできることをもっと知りたい、というご家族が中心です。次のようなお話が多くあります。
- 小学校の高学年なのに、毎晩のように続いている
- 宿泊行事や林間学校が近づき、本人が強く気にしている
- 一度止まったのに、冬になって再開した
- 昼間もトイレが近く、夕方に疲れて早く寝てしまう
- 兄弟姉妹やお父さんも、同じ時期におねしょが長かった
宿泊行事の前は、とくに切実です。本人の自信を守りながら、行事に参加できるよう、病院と相談しながら進めていくことが大切です。
実際に夜尿症の経過が落ち着いたお子さんはどんな様子でしたか
実際の患者さんの口コミに夜尿症のものはないため、当院で関わる中でよく見られる経過を、特定されない形でまとめた一般例としてお伝えします。どの例も、効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
小学3年生の男の子の例
週に5日ほどおねしょが続き、本人は友達の家に泊まれないことを気にしていました。お腹と足首が冷たく、便秘気味でした。小児科で受診しつつ、夕方以降の水分のとり方を見直し、お腹と腰を温める習慣を親子で続けました。3か月ほどで、夜尿の回数が減ってきたと報告されました。
小学5年生の女の子の例
進級してクラスが変わったころから、一度止まっていた夜尿が再開しました。日中は気を張って過ごし、夜に力が抜けるタイプでした。お母さんには「叱らない、起こさない」をまず試していただき、寝る前の過ごし方を一緒に整えました。眠りに入りやすくなり、夜尿の頻度も少しずつ減っていきました。
小学6年生の男の子の例
修学旅行をひかえ、本人が強い不安を話していました。泌尿器科で相談したうえで、アラーム療法に取り組みつつ、体の冷えと背中の緊張をゆるめていきました。完全に止まるまでは時間がかかりましたが、本人が「やってみよう」と思えたことで、旅行にも前向きに参加できました。
どの例にも共通するのは、お子さんを責めず、親が焦りを手放したところから、流れが変わりはじめたことです。
夜尿症は家庭でどうケアすればいいですか
結論として、家庭でできることは、叱らないこと、夕方以降の水分と塩分に気をつけること、体を冷やさないことの3つです。そして、どれか1つからで十分です。
できない日があって当然です。完璧にやろうとすると、親御さんの緊張が子どもに伝わり、かえって逆効果になります。
| ケア | 具体的なやり方 |
|—|—|
| 叱らない・比べない | おねしょの朝は、さらっと「大丈夫」と言って片づける |
| 夕方以降の水分を見直す | 水分は日中にしっかり、夕食後は欲しがる分だけにする。塩辛いものは夜は控えめに |
| 寝る前にトイレへ行く | 習慣にして、無理強いはしない |
| 体を温める | 下腹、腰、足首を手のひらで温める。湯船にゆっくり入る |
| 便秘を放置しない | 毎日出ているか確認する。腸の張りが膀胱を圧迫することがある |
夜中に起こしてトイレに行かせる方法については、効果のある場合とない場合があり、眠りを妨げるという見方もあります。やるかどうかは、かかりつけの医師と相談して決めてください。
そして、いちばん効くことがあるのは、お母さん、お父さんの休息です。毎朝のシーツ洗いと洗濯は、想像以上の負担です。休める日は、休んでください。親が楽になると、お子さんの空気も軽くなります。
病院と整体、どちらに行くべきか迷ったらどうすればいいですか
結論として、夜尿症では、まず小児科か泌尿器科を受診してください。そのうえで、生活面や体の土台づくりを整体で補うのが安心な順番です。
次のような場合は、整体より先に必ず医療機関を受診してください。
| 状態 | 考えられること |
|—|—|
| 昼間にもおもらしがある | 膀胱や神経の問題が隠れていることがある |
| 排尿のとき痛がる、血が混じる | 感染症など |
| のどが異常に渇き、水を大量に飲む | 糖尿病などの可能性 |
| 一度止まったあと急に再開した | 心理的な負荷や病気のサイン |
| いびきが大きい、呼吸が止まる | 鼻やのどの問題が眠りを妨げていることがある |
| 歩き方がおかしい、足に力が入らない | 神経の問題の可能性 |
なお、おねしょの一般的な説明は、厚生労働省 e-ヘルスネットなどの公的な情報でも確認できます。整体は医療行為ではありません。診断や薬の判断は、必ず医師に相談してください。
よくあるご質問
夜尿症は何歳まで続きますか?
多くのお子さんは、成長とともに自然に減っていきますが、中学生以降まで続く場合もあります。年齢が上がるほど本人の負担が大きいので、小学校の間に一度は受診して相談しておくと安心です。
夜尿症は整体で良くなりますか?
整体は夜尿症そのものに働きかけるものではありません。ただ、冷えや緊張をゆるめ、夜を安定して過ごしやすい体の土台をつくるサポートはできます。医療と並行して取り入れてください。
夜尿症は親の育て方が原因ですか?
いいえ、育て方が原因ではありません。夜の尿の量や眠りの深さなど、体の仕組みが関わっています。叱ることや、親が自分を責めることは、むしろ回復を遠ざけます。
夜中に起こしてトイレに行かせたほうがいいですか?
一律には言えません。眠りを妨げて逆効果になることもあります。お子さんの様子を見ながら、かかりつけの医師と相談して決めてください。
水分は夜は控えたほうがいいですか?
夕食後は欲しがる分だけにして、日中にしっかり水分をとるのが基本です。ただし、のどの渇きを我慢させすぎる必要はありません。
夜尿症は遺伝しますか?
親や兄弟に夜尿の経験がある場合、お子さんにも出やすい傾向があるとされています。遺伝だから仕方ない、ということではなく、家族の中で隠さずに話しやすくなる材料になります。
冬になると夜尿が増えるのはなぜですか?
寒さで体が冷え、膀胱が縮みやすくなることに加え、東洋医学では寒さが腎の働きを弱めると考えます。夕方からお腹と足首を温めると、変わりやすくなります。
夜尿症と便秘は関係がありますか?
関係することがあります。腸に便がたまると、膀胱が圧迫されて小さく感じられ、夜尿につながることがあります。毎日出ているかどうかも、確認してみてください。
宿泊行事が心配です。どうすればいいですか?
まず担任の先生に、本人が嫌がらない形で伝えておくと安心です。医療機関で、一時的に使える方法を相談する手もあります。本人の自信を守ることを最優先にしてください。
兄弟のいる家庭で、本人を傷つけない工夫はありますか?
洗濯や片づけは、兄弟に見えないところで済ませてください。おねしょのことは家族の誰も話題にしないと、決めておくと本人が安心します。
お子さんの施術では何をするのですか?
お腹や背中、足首などを、やさしく触れて整えます。痛みを与えることはしません。お子さんの様子に合わせて、短時間で終えます。
夜尿症で整体に通う場合、病院に通うのはやめていいですか?
やめないでください。病院での相談を続けながら、整体を並行するのが基本です。診断や薬の判断は、必ず医師にお任せください。
まとめ
福岡市で、小学生になってもおねしょが続くお子さんのことで悩んでいるお父さん、お母さんへ。
夜尿症は、育て方のせいでも、お子さんの甘えでもありません。体の仕組みが追いつくのを待っている途中です。まずは病院で隠れた病気がないかを確かめ、そのうえで、体を冷やさない、叱らない、親が休む、のどれか1つから始めてみてください。
一人で抱え込まなくて大丈夫です。お子さんの体を温めてゆるめることと、親御さんの疲れをほどくことを、あわせてサポートします。
院長プロフィール
冨高誠治。柔道整復師・鍼灸師。施術歴20年。25,000人の患者さんを施術してきました。福岡市早良区・西新の常若整骨院にて、東洋医学の見立てと、体の緊張をゆるめる施術で、病院で異常がないと言われた不調に向き合っています。
季節ごとの体の整え方を、メールでお届けしています。よければ、どうぞ。
▼ 常若だより 登録はこちら
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