テンションが一度上がるとなかなか落ちない 〜 東洋医学と気功で心のバランスを整える方法 〜
気持ちが高まること自体は、悪いことではありません。
楽しいことがあればワクワクするし、何かに夢中になればエネルギーが湧いてくるのは自然なことです。
でも、「テンションが一度上がると、なかなか落ち着かなくなってしまう」という状態が続くと、心も体も疲れてしまいます。
寝ようとしても興奮が収まらず、頭の中が騒がしくなり、気持ちが不安定になることもあるかもしれません。
このような状態が続くと、「どうして自分はこんなに落ち着かないんだろう」と焦ったり、逆にどんどんエネルギーを消耗してしまったりすることになります。
東洋医学では、この状態を「気の高ぶり」と捉えます。
特に「心(しん)」と「肝(かん)」のバランスが乱れることで、テンションが過剰に上がったまま下がりにくくなるのです。
もし、あなたが「落ち着きたいのに落ち着けない」「ハイになった後、急に疲れる」「夜になっても興奮が収まらない」と感じているなら、ぜひ読み進めてみてください。
東洋医学と気功の視点から、心のバランスを取り戻し、穏やかに過ごす方法をお伝えします。
1. なぜテンションが上がると落ちなくなるのか?
心の状態は、東洋医学の五行で見ると「火(心)」と「木(肝)」のバランスに関係しています。
- 「心(火)」 は、喜びや興奮を司るエネルギー
- 「肝(木)」 は、気の流れや精神の安定を司るエネルギー
この2つがバランスよく働いていれば、適度にテンションが上がり、自然と落ち着くことができます。
しかし、どちらかが乱れると、気持ちのアップダウンが激しくなり、興奮が長引いてしまうのです。
五行 |
対応する臓器 |
感情の影響 |
乱れるとどうなるか |
---|---|---|---|
心(火) |
心臓・神経系 |
喜び・興奮 |
テンションが上がりすぎ、落ち着けなくなる |
肝(木) |
肝臓・自律神経 |
ストレス・緊張 |
気が発散しすぎて、コントロール不能になる |
つまり、「火(心)」が強くなりすぎ、「木(肝)」がコントロールできなくなると、興奮が続いてしまうのです。
2. テンションが下がらないときの身体的なサイン
テンションが長く続くと、身体にも影響が出てきます。
- 胸がドキドキして落ち着かない(心の火が強すぎる)
- 呼吸が浅くなる(気の流れが上に昇りすぎる)
- 夜になっても目が冴える(自律神経の乱れ)
- 急に気分が落ち込むことがある(エネルギーの消耗)
この状態が続くと、興奮と疲労を繰り返し、心がどんどん不安定になります。
では、どうすればこの状態を整えることができるのでしょうか?
3. 気のバランスを整え、テンションを落ち着ける方法
東洋医学では、「火が強すぎるときは、水を補い、木を落ち着かせる」と考えます。
① 「心(火)」を鎮める方法
● 整体のアプローチ
- 胸を開くストレッチ(心臓の緊張を緩める)
- 背中のツボ(心兪)を刺激(自律神経を整える)
● 気功のアプローチ
- 「水の流れ」をイメージしながら深呼吸(火を冷ます)
- 目を閉じ、ゆっくりと息を吐く時間を長くする
心(火)が鎮まると、自然と気持ちが落ち着き、テンションが安定してきます。
② 「肝(木)」を整え、気を安定させる方法
● 整体のアプローチ
- 足の裏(湧泉)のツボを押す(気を下げ、地に足をつける)
- 首の後ろをほぐす(肝の緊張を解く)
● 気功のアプローチ
- 「大地に根を張る」イメージで呼吸する(気を下に下げる)
- 歩く瞑想をする(ゆっくり歩きながら、足の裏を意識する)
肝(木)が安定すると、気の流れがスムーズになり、興奮が落ち着いてきます。
4. 「気を安定させる食べ物」を意識する
食事も、気のバランスを整えるのに役立ちます。
おすすめの食べ物
- 火を鎮める食材(心を落ち着ける) → 白きくらげ、セロリ、ナツメ
- 木を整える食材(気の流れをスムーズにする) → クコの実、シソ、レモン
興奮が強いときは、カフェインや刺激の強い食べ物(辛いもの、アルコール)を控えるのも効果的です。
5. 「気を落ち着ける習慣」を取り入れる
テンションが上がりやすい人は、日常の習慣を少し変えるだけで、心が安定しやすくなります。
① 夜は光を控えめにする
夜遅くまでスマホやテレビを見ると、脳が興奮しやすくなります。
「日が沈んだら、少し暗めの照明で過ごす」ことを意識すると、自然とテンションが落ち着きます。
② 「考えすぎ」をやめる
興奮が続くときは、無意識に「頭の中で考えすぎている」ことが多いです。
そんなときは、紙に書き出すことで、思考を整理するのが効果的です。
③ 意識的に「ゆっくり」動く
テンションが上がったままのときは、動作も速くなりがちです。
「ゆっくり話す」「ゆっくり歩く」「ゆっくり呼吸する」だけで、気持ちが落ち着いてきます。
6. 「自分をコントロールできる安心感」を育てる
テンションが一度上がるとなかなか落ちないのは、心と体の気のバランスが崩れているからです。
でも、気の流れを整えることで、自然と「落ち着ける自分」を取り戻すことができます。
焦らず、ゆっくりと、自分のペースで試してみてください。
心が落ち着き、テンションの波に振り回されなくなると、毎日がもっと穏やかで快適に感じられるはずです。