トラウマ・嫌な記憶対策!<自己イメージ>の作り方

ブログ著者

冨高 誠治

冨高 誠治

柔道整復師、はり・きゅう師、自律神経整体

冨高 明子

冨高 明子

カウンセラー


「昔、親に暴言を浴びせられた悲しい記憶があって、思い出すと身体がすくんでしまいます」

「前の職場でいじめられたことがトラウマになっていて、今一緒に働いている人たちは前の職場の人とは違うってわかってるのに、怖くなってしまうんです」

常若整骨院へ来院される方の中には、過去の出来事に傷つき、その記憶に苦しんでいる方が少なくありません。

「いじめは、いじめた方はずぐ忘れるけれど、いじめられた方はずっと覚えている」というのは有名な話。

では、つらい目に遭った人は永遠に<辛く可哀想な人>でいなければいけないのでしょうか。

もちろんそんなわけはありません。悲しい記憶を超える自分を作ることで、トラウマや過去の記憶だけでなく、今の現実、想像する未来まで変えることが出来るんです。

 

実例:Xさん(40代男性)

動悸・めまい・多汗・予期不安などのパニック症状で来院されたXさん。

「上司のパワハラのストレスがあります」とのこと。

さらにお話を伺っていくと、小さい時からお父さんのモラハラがひどく、少しでもお父さんの意向から逸れることをすると「どうして俺が望んだとおりに出来ないんだ」と怒鳴られたり、自分の意見を言ってもはねつけられていたそう。

年上・目上の男性からの叱責に、ひどく体がすくんでしまうのだそうです。

「夜、うとうとしかけた時に、上司や父に叱られた記憶がフラシュバックして、動悸がしてきます」

とのことでした。

 

お体をみてみると、首・背中・腰がガチガチに緊張し、関節を動かそうとすると反発するような動きをします。

これは極度の緊張状態にさらされている方の特徴。

自律神経のうち、ストレスを司る交感神経は首や鎖骨のあたりに集まり、リラックスを司る副交感神経は腰のあたりに集中していますが、そのどちらもが疲れ切ってしまっていました。

整体施術で神経をリラックスさせていくと、ガチガチに緊張していた首・背中・腰がゆるみ、「息がしやすくなった」と仰いました。

 

「Xさんの中にある、お父さんや上司の方によって作られた『俺はサンドバッグにされる生き物なんだ』という自己イメージが、トラウマやパニックを引き起こしているかもしれません。」

「お父さんや上司の方とはできるだけ距離をとりながら、『自分はサンドバッグにされるような言われはない。俺は自由に生きる権利を持った、強く立派な人間だ』と自分に言い聞かせてみて下さい」

とお伝えしました。

施術を重ね、セルフケアをしていくうちに、精神的にも肉体的にも過緊張がゆるんで、パニックの症状やフラシュバックがどんどん減っていきました。

 

何を思い出すかは「今の自分」が決めている

人間の脳や身体には、生まれてから今までの全ての記憶が保存されています。

ずっと忘れていたのに、ふとした光景や香りによって数十年ぶりに記憶の引き出しが開けられることもありますよね。

意識的に「覚えている」のは、取り出しやすい場所に置かれている記憶データ。

思い出しにくく「忘れている」のは、取り出しにくい場所に置かれている記憶データです。

 

生まれてから今までの、嬉しい事、悲しい事、面白い事、腹の立つこと、あらゆる種類の記憶データが保存されている中から、どんなことを思い出すかは<今の自己イメージ>が決めています。

たとえば、

 

<今、被害者の私>→かなしい目に遭った記憶の引き出しを開ける。

<今、怒っている私>→不当な目に遭った記憶の引き出しを開ける。

<今、幸せな私>→大切にされた記憶の引き出しを開ける。

<今、苦しんでいる私>→人や自分を許せない記憶の引き出しを開ける。

<今、自信がない私>→失敗や失望の記憶の引き出しを開ける。

<今、自信がある私>→成功や成長の記憶の引き出しを開ける。

 

私たちは過去の出来事が今の自分を作っているように思っていますが、実は自分自身が<今の自分を補強するための過去>を選んでいるのです。

これは言い方を変えると、「自分で過去を作り変えることができる」ということでもあります。なんだかワクワクしてきませんか?

 

過去の記憶の意味も変えられる

さらに、同じ過去の出来事であっても<今の自己イメージ>が変わると記憶の種類が変わります。

 

例えば、受験生の時、親から「勉強に集中できなくなるから」と大切にしていた漫画を捨てられた記憶があるとします。

この記憶の種類を自己イメージ別にみてみると、

<今、被害者の自分>→「あんなことをされて、私はなんて可哀想なんだろう」

<今、怒っている自分>→「大切なものを捨てるなんて絶対許せない!」

<今、自信がない私>→「私はいつも大切なものを捨てられる運命なんだ…」

<今、自信がある私>→「あれがあったから『私は他人の大事なものを大切にしよう』って思えるようになったんだよね♪」

<今、幸せな私>→「手段はマズいけど、あれはお父さんの不器用な愛だったんだな…」

 

このように、自己イメージを変えることで、過去の出来事の意味を変えることが出来てしまうのです。

 

トラウマを一掃!新しい自己イメージの作り方

自己イメージを変えることで、過去の記憶はもちろん、今の現実、想像する未来まで変化していきます。

ステップは3つ。

①今、自分がどんな自己イメージを維持しているかを把握する

②新しく「こうありたい自己イメージ」を定める

③「こうありたい自己イメージ」に沿って生活する

です。

 

①今、自分がどんな自己イメージを維持しているかを把握する

もしあなたが過去のトラウマや悲しい記憶に悩まされているとしたら、そのトラウマに沿った自己イメージを持っている証拠です。

まずはトラウマを呼び出している今の自己イメージを把握しましょう。

 

Q1:よく思い出す記憶と、その時感じる感情は?(否定的な感情は否定的な自己イメージを、肯定的な感情は肯定的な自己イメージを象徴している)

 

Q2:自分で自分のことをどんな性格だと思っている?「私は○○だ」という形で書き出してみる(違和感があるものは今の自己イメージに当てはまらないので削除する)

 

Q3:周りの人からどんな人だと言われる?(自覚していない自己イメージを見つける)

 

Q4:今、自分の体調・人間関係・仕事・家庭はどんな感じ?(実際の生活には自己イメージが反映されている)

 

Q5:好きなもの・嫌いなもの・得意なこと・不得意なことは?(自分の形がハッキリ見えてくる)

 

Q1~Q5で書き出したものが、あなたの今の自己イメージです。

自己イメージは自覚している部分もあれば自覚がない部分もあるので、もしかしたら「こんなの私じゃない!」と感じることもあるかもしれません。

ですが、一旦「なるほど、これが今の自分なのね~」とフラットに受け入れておきましょう。

 

②新しく「こうありたい自己イメージ」を定める

①で明らかにした<今の自己イメージ>を元に、新しく<こうありたい自己イメージ>を定めていきます。

 

Q6:どんな性格の人と仲良くなりたい?(自分が憧れる人=なりたい自分)

 

Q7:どんな自分だとご機嫌でいられる?(ご機嫌な自分=最強の自分)

 

Q8:そのご機嫌な自分は、どんな言動をして、どんな服を着て、どんなアイテムを持って、どんな人たちと一緒にいる?(自己イメージをリアルにする)

 

ここまで定めてきたイメージを、最後にふるいにかけます。

 

Q9:その自己イメージは、他人から認められるための自分(他人軸)? 他人にどう思われようと関係なく自分が嬉しくなる自分(自分軸)?

 

他人軸とは、他人の目を気にして他人のご機嫌をとるために生きている姿勢です。

一時的な満足は得られても本当に自分を好きになることは出来ないので、他人軸に沿って作られたイメージは削除します。

 

自分軸とは、いつも自分のご機嫌と人生を大切に生きていられる姿勢です。

同じような自己イメージであっても、「こんな自分なら周りに認めて貰える」という動機から出て来るものではなく、「周りがなんと言おうと、こんな自分としてイキイキ生きたい!」と感じるイメージを選んでください。

 

③「こうありたい自己イメージ」に沿って生活する

「こうありたい自己イメージ」が定まったら、日常の言動を<今までの自己イメージ>から出て来るものから、<新しい自己イメージ>に沿ったものに変えていきます。

 

■「理想の自分なら、こういう時どうするかな?」と考えてみる

■新しい自己イメージの自分が使っているもの(Q8で考えたもの)を実際に買ってみる

■今までの自己イメージを否定するのではなく、「よく頑張ってきたよね、偉いよ!」と全力で認め、ホメる

■小学校から卒業して中学校に進学するように、今までの自己イメージを卒業して新しい自己イメージに進む

 

うまく新しい自己イメージに移行できない時は、以下のことを試してみてください。

 

■古い自己イメージのメリット・デメリットを書き出し、メリットを達成できる新しい自己イメージに加える

例:被害者の自分

メリット:周りから憐れまれ大切にしてもらえる。

デメリット:いつも誰かにイヤな気持ちにさせられる。

→新しい自己イメージに「自己肯定感が高く、周りから大切に扱われる」と書き加える

 

■新しい自己イメージのメリット・デメリットを書き出し、デメリットをクリアする方法を考える

例:自信がある自分

メリット:行動的でいつも成長していられる

デメリット:自分のしたことの責任を自分でとらなければいけない

→この世に失敗も成功もなく、成長しかない!と考えてみる

 

ご機嫌な自己イメージで、嫌な記憶にさよなら♪

あなたを悩ませる、悲しい記憶やトラウマを呼び起こしているのは、他ならないあなた自身の自己イメージ。

<被害者の私>は悲しい記憶を、<怒っている私>は不当な目に遭った記憶を、<幸せな私>は大切にされた記憶を思い出すことで、今の自己イメージを強化しています。

自己イメージを変えることで、嫌な記憶は格段に出てきにくくなるのです。

 

①今、自分がどんな自己イメージを維持しているかを把握する

②新しく「こうありたい自己イメージ」を定める

③「こうありたい自己イメージ」に沿って生活する

 

このような方法で、ご機嫌な自分を作っていくことができます。

 

「もっと具体的な方法を知りたい!」

「トラウマから出て来るパニック障害や不安症などの症状もなんとかしたい!」

という方は、お気軽に常若整骨院へご相談ください。

整体施術とカウンセリングで、ご機嫌な生活を取り戻すお手伝いをいたします。