夏に悪化する逆流性食道炎|福岡市・常若整骨院が伝える胃の冷えと熱のケア
結論から言うと、夏に逆流性食道炎が悪化しやすい最大の理由は「胃に冷えと熱が同時に生じる」という、一見矛盾した状態が体の中で起きているからです。
冷たいジュースやアイスコーヒー、かき氷。クーラーの効いた室内。夏の生活パターンが胃の働きを静め、消化機能を落とします。その一方で、暑さへのストレス・睡眠不足・食欲の乱れが自律神経を揺さぶり、胃酸の分泌を乱します。「冷えで胃が動けず、でも胃酸だけは出続ける」。これが夏の逆流性食道炎の正体です。
薬を飲んでも季節のたびに繰り返す、という方は、この「夏という季節が体に何をしているか」という視点から、もう一度整体できる土台を整えることを考えてみてください。
なぜ夏になると逆流性食道炎は長引くのか
逆流性食道炎は、胃の内容物や胃酸が食道へ逆流し、食道の粘膜に炎症を起こす状態です。食道と胃の境目には「下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)」というバルブのような筋肉があり、通常は胃の入り口をしっかり閉じています。このバルブの締まりが弱くなったとき、胃酸が食道に上がってきます。
夏にこのバルブが緩みやすくなる理由は、いくつか重なっています。
まず、冷たいものを多く摂ることで、胃の平滑筋(胃壁を動かす筋肉)の動きが落ちます。胃の出口に向かって食べ物を送り出す「蠕動運動(ぜんどううんどう)」が鈍くなると、胃の中に食べ物が長く滞留します。その分、胃酸が食道に逆流するリスクが高まります。
次に、暑さによる自律神経の乱れです。人の体は、暑い外気と冷房の効いた室内を行き来することで、体温調節の司令塔である自律神経に大きな負担をかけます。自律神経(体のアクセルとブレーキの役割を持つ神経)が乱れると、胃酸の分泌量のコントロールが難しくなります。食事が入っていないのに胃酸が多く出たり、逆に胃酸の質が変わったりと、消化器全体のリズムが崩れやすくなります。
さらに、夏バテによる食欲低下も見逃せません。食欲がなくて食べる量が減っているのに、胃酸の分泌は続いています。内容物のない胃の中で胃酸が空回りする状態は、粘膜への刺激を強めます。
加えて、脱水の影響があります。汗で水分が失われると、血液が濃くなり体内循環が落ちます。消化管への血流も減るため、食道・胃の粘膜を守る力が弱くなります。同時に、喉が渇いて一気に冷たい飲み物を大量に飲む習慣が、胃への急激な温度刺激を繰り返します。
もう一つ、夏に見落とされやすい要因が「睡眠の質の低下」です。暑さで寝付けない、夜中に目が覚める、早朝から室内が熱くなって十分に眠れない。こうした夏の睡眠不足が、夜間に本来行われるはずの消化管の修復時間を奪います。胃や食道の粘膜は、深い眠りの中で副交感神経が働いているときに最も回復しやすい状態になります。眠りが浅い夜が続くほど、粘膜の防御力は少しずつ落ちていきます。
夏の逆流性食道炎は、これらが重なり合って起きています。一つの原因を解決しても繰り返すのは、こうした複合的な背景があるからです。
逆流性食道炎が起きる人の身体の特徴
20年の施術を通じて感じることは、逆流性食道炎が長引く方には、体の緊張の持ち方に共通したパターンがあるということです。
肩や首が前方に引っ張られ、胸郭が圧迫されています。猫背やストレートネックの姿勢は、食道と胃の位置関係を変え、胃に物理的な圧力をかけます。特に座りっぱなしの仕事環境では、食後も前かがみの姿勢が続くため、食道への逆流が起きやすくなります。
横隔膜(おうかくまく)の動きが固くなっていることも多いです。横隔膜は呼吸のたびに大きく動く筋肉で、食道を締める下部食道括約筋のすぐそばを通っています。横隔膜が緊張で硬くなると、その締める力のサポートが弱まります。深呼吸が浅い、息を吸っても胸が動きにくい、という方は、横隔膜の緊張が背景にある可能性があります。
また、腸腰筋(ちょうようきん、背骨と太ももをつなぐ深層の筋肉)が縮んでいる方も多く見受けられます。この筋肉が硬くなると腰が前傾し、腹圧(お腹の内側にかかる圧力)が高まります。腹圧が上がると、胃が上方へ押し上げられ、逆流が起きやすくなります。
心身の緊張が体のあちこちに入りっぱなしになっているとき、消化器もその緊張の影響を受けます。食べることへの不安、食後の症状へのおそれ、食事の度に「また出るかも」と身構える緊張感は、自律神経を通じてさらに胃の働きを乱します。この悪循環が、症状を長引かせます。
逆流性食道炎と整体の関係:できることとできないこと
整体は逆流性食道炎の「治療」ではありません。この点はっきりお伝えします。胃酸を減らすのは薬の役割であり、粘膜の炎症に対しては消化器内科での診察が先です。
整体が担えるのは、逆流性食道炎が起きやすい体の状態を整えるサポートです。具体的には、姿勢の緊張をゆるめること、横隔膜の動きを回復させること、自律神経の働きが安定しやすい体の土台をつくること、この3点が中心になります。
姿勢の緊張が抜けると、胃への物理的な圧力が減ります。横隔膜の動きが戻ると、呼吸が深くなり自律神経の乱れが落ち着きやすくなります。自律神経が安定すると、胃酸の分泌量が整いやすくなります。これらは直接的な治療ではなく、体が回復しやすい状態をつくる「土台整備」です。
薬を使いながら整体でこの土台を整えていくと、症状が落ち着きやすくなったり、再発の間隔が延びたりすることを経験的に見てきました。ただし、体の状態は個人差が大きく、回復を保証するものではありません。
また、整体は食生活や生活習慣の改善とセットで考えるべきです。施術だけで生活が変わらなければ、体への刺激は続きます。問診では、何を食べているか、いつ食べているか、どんな状況でストレスがかかっているかを丁寧に聞かせてもらいます。そこから、その方の生活の中で変えやすいところを一緒に考えます。
福岡市で整体を探す人が知っておくべきこと
福岡市内で「逆流性食道炎 整体」と検索すると、多くの院が出てきます。選ぶときに確認したいことは一つです。「施術だけで終わっているか、生活指導まであるか」という点です。
逆流性食道炎は、施術の時間よりも日常生活の時間のほうがはるかに長い。食事の内容、食べる時間帯、食後の姿勢、睡眠の質、ストレスの受け方。これらをひとつも変えずに施術だけ受け続けても、根本的な変化は起きにくいです。
問診にどれだけ時間をかけているか、生活習慣の話をどれだけ聞いてくれるか。こうした点を、最初の相談で確認することをすすめます。
症状が強い場合や、胸焼けだけでなく嚥下困難(食べ物が飲み込みにくい)、体重の急激な減少、喉の痛みが続くといった症状が伴う場合は、まず消化器内科や内視鏡検査を受けてください。整体を検討するのは、医療機関での診断を受けた後です。
常若整骨院の考え方:問診・施術・セルフケアをセットにする理由
常若整骨院では、体の不調はその人の生き方・考え方・生活習慣と切り離せないと考えています。
逆流性食道炎ひとつとっても、原因は一様ではありません。食べ過ぎや飲み過ぎが主因の方もいれば、ストレスで胃が固くなっている方、姿勢の崩れで腹圧が高い方、夜型の生活で自律神経が乱れている方と、背景は人それぞれです。
問診では、症状の強さや場所だけでなく、どんな状況で悪化するか、いつから続いているか、今の生活でいちばん負担になっていることは何かを聞かせてもらいます。身体の施術で体の緊張をゆるめながら、生活の中でできる変化を一緒に見つけていく、というのが当院の基本的な進め方です。
施術だけに頼らず、早く自分で体の状態を整えられるようになることが目標です。依存させることより、体の声に気づいて自分でケアできる状態へ。そちらのほうが、長い目で見て体は変わりやすいと感じています。
東洋医学から見た逆流性食道炎:胃気上逆と寒熱錯雑
東洋医学では、逆流性食道炎の状態を「胃気上逆(いきじょうぎゃく)」と表現します。本来、胃の気(エネルギーの流れ)は下に向かうべきものです。食べ物を腸の方向へ送り出す流れが正常な状態です。しかし、この流れが逆転し、上に向かってしまうことで、胸焼けや呑酸(どんさん、酸っぱいものが口まで上がる感覚)、ゲップ、吐き気が起きます。
胃気が上逆する原因として、東洋医学でよく見られるパターンがいくつかあります。
一つ目は「肝鬱気滞(かんうつきたい)」です。「肝」は東洋医学で気の巡り全体を管理する臓腑で、ストレスや感情の抑圧に直接影響を受けます。仕事のプレッシャー、人間関係のもつれ、言いたいことを飲み込む習慣。そういったことが続くと、「肝」が詰まりやすくなり、その詰まりが胃の働きを乱します。ストレスで胃が締まる感覚、食欲が落ちる感覚は、この肝鬱気滞が背景にあることが多いです。
二つ目は「胃熱(いねつ)」です。辛いもの、脂っこいもの、アルコール、コーヒーの飲み過ぎで胃に熱がこもった状態です。胸の灼熱感が強い、口が苦い・乾く、顔が赤みやすい、便が硬いといった傾向がある方は、この胃熱のパターンが関わっている可能性があります。
夏に特徴的な三つ目のパターンは「寒熱錯雑(かんねつさくざつ)」です。外は暑く、冷たいものを多く摂るために体の内側が冷えている。その一方で、暑さへのストレスや睡眠不足で熱がこもっている。体の中で冷えと熱が混在するこの状態が、消化器のリズムを特に乱しやすいのです。「冷たいものを飲むと楽になるようで、後から胸焼けがひどくなる」という方は、この状態が疑われます。
このような状態を整えるために、東洋医学では気の巡りをサポートするツボを使います。以下に、逆流性食道炎のケアに関わるツボを紹介します。
内関(ないかん)は、手首の内側のしわから指3本ぶん上、腕の真ん中にあるくぼみです。胃の気の逆流を鎮め、吐き気や胸のつかえ感をやわらげる働きがあるとされます。夜寝る前に、親指でゆっくり押さえながら深呼吸を数回行うだけでも、体がゆるみやすくなります。
足三里(あしさんり)は、膝のお皿の外側の下角から指4本ぶん下、すねの外縁のきわにあります。胃腸全体の働きを整えるとされる代表的なツボで、体力の回復にも関わるとされています。食後2時間以上空けてからゆっくり押すと、胃の動きが落ち着きやすくなります。
中脘(ちゅうかん)は、みぞおちとおへそを結ぶ線のちょうど真ん中にあります。胃の正面のツボで、胃の蠕動運動を整え、胃の気を下に向けるサポートをします。お風呂上がりの温まったタイミングで、手のひらを重ねてゆっくり押さえると、胃の緊張がほぐれやすいです。
ツボへのアプローチは強く押しすぎず、痛気持ちいい程度の力で、呼吸に合わせてゆっくり行うことが大切です。食後すぐや、空腹が強いときは避けてください。
自律神経と逆流性食道炎の関係:アクセルとブレーキが乱れると胃が荒れる
自律神経は、体のアクセル(交感神経)とブレーキ(副交感神経)の役割を担っています。起きているとき・緊張しているときはアクセルが優位になり、休んでいるとき・食後はブレーキが優位になるのが正常なリズムです。
消化は「ブレーキ優位の状態」で行われます。副交感神経が優位になることで、消化管が動き、胃酸の分泌がコントロールされます。
夏のクーラー生活と外の暑さを繰り返すことで、アクセルとブレーキの切り替えが頻繁に乱れます。さらに、夜暑くて眠れない、早朝に目が覚めるといった睡眠の質の低下が重なると、本来は体を修復するための夜間の副交感神経の時間が短くなります。
この状態で昼間に食事をとっても、消化機能が十分に立ち上がらないまま食べ物が胃に入ることになります。消化しきれない状態で胃から腸への送りが遅れ、胃の内容物が滞留する。このメカニズムが、逆流のリスクを高めます。
また、交感神経が長く優位になっていると、胃の粘膜を守る粘液の分泌が減ります。粘膜の防御が弱まった状態で胃酸にさらされると、粘膜へのダメージが積み重なります。
自律神経のリズムを整えることが、逆流性食道炎の再発を防ぐ上で非常に重要です。これは薬では補えない部分でもあります。体の緊張をゆるめ、深い呼吸ができる状態をつくることが、整体からアプローチできる核心です。
夏の逆流性食道炎で実際に多い相談パターン
現場で多く見られるのは、次のような経緯を持つ方です。
「毎年夏はひどくなる」という方が多いです。秋から春は比較的落ち着いているのに、夏になるたびに胸焼けがひどくなる。冷たいものを飲むと一時的に楽になるが、30分後にまた症状が戻る。この繰り返しの中で、「どうせ夏はつらい」という諦めが出てきている方もいます。
胃カメラで異常なしと言われても症状が続く方もいます。内視鏡では粘膜の炎症が見えない程度の「非びらん性胃食道逆流症(NERD)」と言われる状態でも、症状は強く出ることがあります。検査で異常がないと言われたことで、「気のせいかもしれない」と自分の感覚を否定してしまう方がいます。しかし体のつらさは本物です。
働き盛りの40〜50代の方、特にデスクワーク中心の生活をしている方からの相談も多いです。食事をとる時間が不規則になり、早食いになり、食後もすぐ仕事に戻る。この生活パターンが、胃に大きな負担をかけています。
実際の相談から:3人のケース
施術の場で出会った方々のご様子を、ご本人の許可のもと、プライバシーに配慮してご紹介します。なお、効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
50代の会社員の方
デスクワーク中心で、在宅勤務になってから昼食を急いで食べ、すぐ仕事に戻る生活が続いていました。夏になって冷たいコーヒーを1日3〜4杯飲む習慣があり、胸焼けと喉のつまり感が悪化していると来院されました。
問診で話を聞くと、食後は必ずパソコンに向かうため、体が常に前傾姿勢になっていることがわかりました。施術では横隔膜まわりの緊張と、肩・胸郭の硬さをゆるめることを中心に行いながら、食後30分は横にならず、かつ前かがみも避けて過ごすことをお伝えしました。冷たいコーヒーを常温のものに変えるだけでも変化が出やすいこと、深呼吸を食後に意識することもお伝えしました。
数週間後、「食後の胸の重さが以前より落ち着いてきた」とのことでした。「秋になれば楽になると思っていたが、今年は少し早く楽になった気がする」とおっしゃっていました。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
30代の子育て中の方
幼い子どもが2人いて、授乳期が終わってからも食事のリズムが整わない状態が続いていました。子どもの食事を優先するあまり、自分は立ったままで急いで食べる習慣になっていると話されていました。夏は子どもが喜ぶアイスやジュースを一緒に食べることが増え、自分の胸焼けも悪化したとのこと。
体を診ると、肩まわりが非常に硬く、呼吸が浅い状態でした。施術で体全体の緊張をゆるめながら、食事は座って落ち着いて食べること、自分の食事の時間を1日のどこかで確保することを一緒に考えました。
「施術のあと、体が軽くなって深呼吸がしやすくなった。少し意識して食べる時間を作るようにしたら、夜の胸焼けが出る回数が減ってきた」とおっしゃっていました。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
60代の方、どこに行っても変わらなかったケース
10年以上、逆流性食道炎の薬を飲み続けており、胃カメラも定期的に受けているが、夏だけでなく年間を通じて症状が続いていました。「もうこれが普通だと思っていた」という言葉が印象的でした。
話を聞くと、「心配性で、常に先のことを考えてしまう」「寝ても疲れが取れない」という言葉が出てきました。体の緊張の取り方・呼吸の仕方を丁寧に確認すると、息を吸うことはできても、吐き切ることが苦手な状態でした。
「気を張って生きてきた」ことが体の緊張になっていたのかもしれない、という話になりました。施術では、吐く息を長くすることを意識した呼吸の練習を一緒に行いながら、体の緊張を少しずつゆるめていきました。
しばらく経って、「夜に目が覚める回数が減った。朝の胃のむかつきがやや落ち着いてきた」とおっしゃっていました。10年かけて積み上がってきた緊張をすぐに解消することはできませんが、「変わり始めた感覚がある」という言葉は、大切な手応えだと感じています。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
自宅でできるセルフケア:今日から実践できること
逆流性食道炎のセルフケアは、特別なことをするよりも「やめる」ことの方が大事なことが多いです。
まず、食後すぐに横になることをやめます。食後2〜3時間は、できれば体を起こした姿勢で過ごします。特に寝る前の2時間は食事を控えると、夜間の症状が落ち着きやすくなります。
冷たいものを一度に大量に飲む習慣を見直します。特に夏は冷たい飲み物を一気に飲みたくなりますが、少量ずつゆっくり飲むことで胃への急激な温度刺激を減らせます。冷房の効いた部屋では、常温か温かい飲み物を意識的に選ぶことをすすめます。
食事は小分けにします。1回の量を少し減らし、回数を増やす方が胃への負担は軽くなります。よく噛んで食べることも、胃の負担を減らす上で直接的な効果があります。
腹式呼吸を1日数回、意識して行います。お腹が膨らむように吸い、吐くときはゆっくり長く吐き出す。これを3〜5回繰り返すだけでも、横隔膜の動きが回復し、自律神経が落ち着きやすくなります。
就寝時に体の左側を下にして横向きに寝ることも試してみてください。胃の構造上、左向きに寝ると胃の内容物が食道に逆流しにくくなります。
ベルトやガードルなど、腹部を締めつける衣類は、腹圧を上げて逆流を促します。特に食後は緩めることをすすめます。
夏の体を温かく保つことも大切です。クーラーの冷えが体に入りすぎないよう、おなかに1枚巻く、薄い靴下を履くといった工夫で、消化器への冷えを防ぎます。
また、ストレスを感じたときに意識してほしいことがあります。人は緊張すると無意識に呼吸が止まる、または浅くなります。その状態が続くと横隔膜が固まり、下部食道括約筋のサポート機能が落ちます。「あ、息を止めていた」と気づいたときに、ゆっくり息を吐き出す。それだけで体の緊張がひとつほぐれます。難しいことは必要ありません。気づいたとき、吐くだけでいい。それがセルフケアの出発点です。
医療機関との連携について
整体は医療行為ではありません。逆流性食道炎が疑われる場合は、まず消化器内科や内視鏡を専門とする医療機関への受診を最優先にしてください。
胸焼けや呑酸に加えて、次の症状がある場合は特に早期受診が重要です。飲み込むときに痛みや詰まり感がある、体重が急激に落ちた、血を吐いた・便が黒くなった、症状が急速に悪化している、がんの既往歴がある。こういった場合は、整体ではなく医師の診察が最優先です。
消化器内科で処方された薬は、指示通りに続けてください。症状が楽になったからといって自己判断で薬をやめると、粘膜の回復が不十分なまま再発することがあります。薬の継続・減量については必ず担当医に相談してください。
整体はあくまで、医療と並行して体の緊張を整え、自律神経を安定させ、回復しやすい体の土台をつくるサポートです。医師の治療と整体のケアを組み合わせながら、生活習慣も少しずつ整えていく。そのトータルな取り組みの中に、整体があると考えています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 薬を飲んでいるのに夏になると毎年悪化します。なぜですか?
薬は胃酸を抑える働きをしますが、夏特有の冷え・脱水・自律神経の乱れ・姿勢の崩れには直接働きかけません。薬で症状を抑えながらも、体の根本的な状態が夏のたびに悪化するようなら、生活習慣と体の緊張のパターンを見直す必要があります。薬の種類や量については、必ず担当医に相談してください。
Q2. 冷たいものを飲むと一時的に楽になりますが、その後ひどくなります。どうしてですか?
炎症のある食道は温度変化に敏感で、冷たいものがその瞬間の不快感を抑えることがあります。ただし、胃への急激な冷却は胃の蠕動運動を落とし、内容物の滞留を招きます。一時的な楽さの後に症状が戻るのはこのためです。冷たいものは少量ずつ、できれば常温に近いものを選ぶことをすすめます。
Q3. 整体で逆流性食道炎は楽になりますか?
体の緊張がゆるみ、横隔膜の動きが回復し、自律神経が安定しやすくなることで、症状が落ち着きやすくなることがあります。ただし、整体は医療行為ではなく、効果には個人差があります。消化器内科での治療を続けながら、体の土台を整えるサポートとして活用することをすすめています。
Q4. 逆流性食道炎に良い姿勢はありますか?
背骨が自然なS字カーブを保った、軽く胸を開いた姿勢が消化器への負担を減らします。特に食後は前かがみを避け、できれば少し歩くか、座った姿勢でゆっくりしてください。横になるのは食後2〜3時間以上経ってからにします。
Q5. 夏のクーラーが逆流性食道炎に影響しますか?
はい、影響します。クーラーの冷えは体の筋肉を縮め、腹圧を高めることがあります。また、外の暑さとの温度差で自律神経が乱れやすくなります。室内では薄い羽織ものをかけ、お腹まわりを冷やさないようにするだけでも、症状が落ち着きやすくなる方がいます。
Q6. 夜の胸焼けがつらくて眠れません。何か対策はありますか?
就寝前2時間は食事をしないこと、左側を下に横向きで寝ること、頭側を少し高くして寝ることが基本の対策です。夜間症状が強い場合は、医師に夜間の服薬タイミングについて確認してください。整体では、寝る前の腹式呼吸と内関のツボを使ったゆるめ方をお伝えすることが多いです。
Q7. 体重が増えると逆流性食道炎が悪化しますか?
はい、関係があります。お腹まわりに脂肪がつくと腹圧が上がり、下部食道括約筋への圧力が高まります。夏は運動量が減る方が多く、食欲が戻ったタイミングで食べすぎると体重増加につながることがあります。急激なダイエットではなく、食事の量と質を少しずつ整えることが、消化器への負担を減らす上でも有効です。
Q8. 逆流性食道炎の人は夏の食事で何を避けたほうがいいですか?
避けたほうが落ち着きやすい食品として、脂肪分の多い食品(揚げ物・肉の脂身)、刺激物(辛いもの・酸っぱいもの・炭酸飲料)、アルコール、コーヒー・チョコレート、トマトを使った料理があります。夏はアイスやかき氷などの急激に冷たいものも控えめにします。ただし、何が自分に合わないかは個人差があるため、食後の状態を観察しながら判断してください。
Q9. 子どもの頃から胃が弱いのですが、整体は体質改善になりますか?
長年の生活習慣や体の使い方のパターンが、消化器の緊張につながっている場合は、施術と生活習慣の両方を整えることで、少しずつ体の状態が変わってくることがあります。ただし、体質と呼ばれるものは一朝一夕に変わるものではなく、継続的なケアが必要です。まず現在の症状の原因を知ることから始めることをすすめます。
Q10. 逆流性食道炎と口臭の関係はありますか?
逆流した胃酸が口腔内に達すると、口の中の酸性化が進み、細菌が繁殖しやすくなります。その結果、口臭が強くなることがあります。また、唾液の分泌が減ると口腔内の自浄作用が落ちるため、脱水傾向のある夏は口臭が悪化しやすい時期でもあります。逆流性食道炎の改善とともに、口腔内環境が整いやすくなることもあります。
Q11. 逆流性食道炎は放置するとどうなりますか?
長期間、胃酸が食道粘膜に触れ続けると、バレット食道(食道の粘膜が変化した状態)に進行するリスクがあります。定期的な内視鏡検査を受け、状態を把握することが重要です。整体でのケアと並行して、消化器内科での定期的な観察を継続することをすすめます。
Q12. ストレスを感じたときに胸焼けがひどくなります。精神的なことと関係がありますか?
深い関係があります。ストレスが続くと交感神経が優位になり、胃酸の分泌コントロールが乱れます。また、ストレスは「肝の詰まり」として体に緊張を生み、消化器全体の気の流れを乱します。精神的なつらさと身体症状が連動していると感じている方は、身体からゆるめるアプローチが助けになることがあります。心身両面からのサポートが必要な場合は、心療内科や臨床心理士との連携も視野に入れることをすすめます。
まとめ:夏に逆流性食道炎で悩んでいる方へ
夏になるたびに胸焼けや呑酸が悪化する。薬を飲んでいても完全に楽にならない。そんな状態が続いているとしたら、体の中で「冷えと熱の矛盾」が毎年繰り返されているサインかもしれません。
整体の立場からお伝えしたいのは、薬で症状を抑えながら、体の緊張をゆるめ、自律神経を整えやすい土台をつくることの大切さです。食後の姿勢、冷たいものの取り方、呼吸の深さ、眠りの質。そのどれもが、消化器の状態に影響しています。
「病院では異常なしと言われたが、症状は続いている」「毎年夏だけひどくなる」「どこに行っても変わらなかった」という方は、ぜひ一度、体の緊張のパターンを確認しに来てください。
一人で抱え込まず、まず体の緊張をゆるめることから始めましょう。問診・施術・セルフケアをセットに、回復しやすい体の状態をつくるサポートをします。
院長プロフィール
冨高誠治(とみたか せいじ)。常若整骨院(福岡市)院長。施術歴20年。整体・気功・東洋医学を軸に、延べ25,000名の施術経験を持つ。体と心の両面から不調にアプローチし、患者さん自身が体の声に気づき自立してケアできる状態を目標に施術を行う。整体師向けの教育活動も行っている。
常若整骨院 福岡市早良区











