オシャレと健康の敵!内臓のズレによる「締め付けに弱い体」を整える方法
夏が終わって秋がくると、お洋服の色や形もアレコレと変えてみたくなってきますよね。
そんなファッションの秋を前にして、意外なハードルになるのが「締め付けに弱い体」。
ベルトや帯、補正下着などのギュッと体を締め付ける服を身に着けると、腰痛や腹痛、吐き気に襲われてしまう。
そんな方が実は少なくないんです。
実例:Aさん(30代女性)
腰痛と腹痛で来院されたAさん。
先日、着慣れない浴衣を着て半日ほどお出かけをしたところ、帰る頃にはひどい痛みが出たそうです。
一晩寝るとだいぶ落ち着いたものの、その後食事をすると腰痛・腹痛が再発してしまうとのこと。
お体をみせて頂くと、腰回りがガチガチでほとんど動いていない状態。
どうやら慣れない帯を長時間締めていたため、腰まわりの骨が帯を支えようと緊張&帯の締め付けによってズレてしまったようです。
くわしく検査してみると、仙腸関節が動かず、胃が機能低下を起こし、経絡(膀胱経)が滞っていました。
そこでその3つの状態を整えていくと、腰回りがゆるんで動くようになり、痛みも軽減しました。
翌日来院されたAさん。
症状はだいぶ改善したものの、やはり食後に痛みが出るとのこと。
お体をチェックしてみると、小腸に疲労がみられます。
原因を調べてみると、出てきたのは糖化タンパク質(甘い物や炭水化物のとりすぎ)。
お話をうかがったところ、最近パンやお菓子などの小麦粉モノ・生クリームなどの乳製品をとることが多かったそう。
糖化タンパク質の影響を調整すると、痛みや不快感が消えました。
「再発を防止するためにも、お菓子や小麦粉モノは控えてくださいね」
とアドバイスしました。
体を締め付けるとダメージを受ける?
浴衣や着物の帯、骨盤ベルト、コルセット、補正下着など、体を締め付ける衣類は沢山存在します。
それらは大体の場合「健康のため」「体を美しく見せるため」のもの。
ですが、身に着ける体のほうが弱っている場合、逆に健康に悪くなってしまう場合もあるのです。
健康な人の体は、骨・筋肉・内臓などがきちんと定位置に収まって、お互いにうまく関わり合いながら動いています。
しかしストレスや食生活などからどこかの内臓が疲労してくると、その内臓を助けるために周囲の臓器・筋肉が働きすぎ、連鎖的に機能低下を起こしてしまいます。
こうなると、骨・筋肉・内臓などの位置がズレたり硬くなったりと、痛みや諸症状を引き起こしやすい状態になっていきます。
この状態で、体を強く締め付けるものを着用するとどうなるか。
位置のズレた骨・筋肉・内臓に負荷がかかり、より一層ズレが大きくなります。
そうすると骨や筋肉の痛み、内臓の機能低下に拍車がかかってしまい、腹痛や腰痛、吐き気、その他の症状を引き起こしてしまうのです。
締め付けに弱い体を整える方法
基本的に、体は締め付けない方がゆるんで快適に過ごしやすくなります。
そうは言っても、ボディラインを整えたり、ゆがみやゆるみ過ぎを締めたり、体をギュッと締め付ける衣類を着る機会は多いもの。
着たい時に気がかりなく着られるようにするためには、内臓や筋肉、骨の位置を整えることが大切です。
①腹筋・背筋を鍛える
筋肉は天然のコルセット・サポーターです。
とくに胴体周りの筋肉=腹筋・背筋がしっかりついていると、内臓や骨を正しい位置に収納・固定してくれます。
①椅子に(背もたれのある場合は横向きに)座り、お尻から腰までをのせ、膝を120度くらいの角度になるよう前に出す。足は肩幅に開く。
②上体を床と平行にうしろへ倒す。
③おへそを見るように頭~背中を持ち上げ、また床と平行に戻る。
これを10回繰り返す。1日2セット。
②内臓に負担をかける習慣をやめる
以下のような食事は内臓に負担をかけ、位置のズレや吐き気・頭痛・痛みなどの症状を引き起こします。
■甘い物や小麦粉モノ(パン・パスタ・ラーメン・うどん・ピザ・お菓子など)
■冷たい食べ物・飲み物
■添加物の多い食事(外食・加工食品・お菓子・出来合いのお惣菜)
■早食い・大食い
■小腹がすいたらすぐに何か口に入れてしまい、グーッとお腹がなるほどの空腹を感じない
こういった食べ物は常食せず、たまの楽しみにしておきましょう。
③骨・筋肉・内臓の位置を正す<正しい姿勢キープ>
①壁に背中を向けて立ちます。
②後頭部・肩甲骨・お尻・ふくらはぎ・かかとの5カ所を壁につけます。
③両手のひらを重ねて腰の後ろにいれ、ちょうどいい隙間があるか確認します。
④腕をおろし、正しい姿勢を2分キープします。
この<正しい姿勢キープ>は、骨・筋肉・神経・内臓を正しい位置に戻し、ゆがみのない状態を身体に教え込みます。
同時にゆがみによる圧迫などから体を解放し、症状をやわらげやすくしてくれます。
デスクワークなど同じ姿勢を長時間続ける方には特におすすめです。
締め付けに強い体になって、ファッションをますます楽しく!
体が締め付けに弱いと、浴衣や補正下着などのファッションも楽しみにくくなってしまいます。
内臓や骨、筋肉を正しい位置に戻し、きちんと収納できていれば、締め付けに強くなるのはもちろん、ボディラインも整います。
これからますますオシャレが楽しくなる季節、ぜひ体の内側から美しくなってみませんか?