アトピーと感情のつながりを東洋医学で読み解く|悲しみが皮膚に現れる理由
アトピーと感情の深い関係について、今日はお話しさせていただきますね。
アトピーの根本を東洋医学で見つめる
治療院で20年間、数千人の患者さんを診てきましたが、アトピーで来院される方には共通点があります。それは「悲しみ」や「寂しさ」を心の奥底に抱えているということです。
西洋医学では皮膚の炎症やアレルギー反応として捉えがちですが、東洋医学の視点では全く違って見えてきます。私たちの体は心と密接につながっている一つの宇宙のようなもの。皮膚に現れる症状は、実は心の声なんですね。
肺と大腸の経絡から読み解く
東洋医学では、皮膚は「肺」の管轄です。そして肺は「悲しみ」の感情と深く関わっています。面白いことに(いや、患者さんには申し訳ないのですが)、アトピーの方の多くが幼少期に何らかの別れや喪失体験をお持ちなんです。
ある30代の女性患者さんは、5歳の時にお父様を亡くされていました。その時の悲しみを「泣いてはいけない」と我慢し続けた結果、小学校に上がる頃からアトピーが始まったそうです。
肺の経絡が滞ると、パートナーである大腸の働きも悪くなります。便秘がちになり、体内の毒素が排出されにくくなる。すると皮膚から無理やり排泄しようとして炎症が起きるわけです。
気血の流れと感情のつながり
気功の観点から見ると、悲しみや寂しさは「気」の流れを著しく滞らせます。特に胸部から肩、そして腕にかけての気の巡りが悪くなりがちです。
実際に診察していると(あ、つい専門用語を使ってしまいましたが)、アトピーの症状が出やすい箇所って決まっているんですよ。肘の内側、首まわり、手首…これらはすべて肺経や心包経が通る場所なんです。
20年前に出会った中学生の男の子は、両親の離婚で深い寂しさを抱えていました。彼のアトピーは決まって試験前や新学期など、不安が高まる時期に悪化していました。心の状態が直接皮膚に現れていたんですね。
五行理論で見る感情の循環
五行理論では、感情にも相生相克の関係があります。悲しみ(金)が過剰になると、喜び(火)を抑制してしまいます。つまり、慢性的な悲しみは心の火を消してしまうんです。
心の火が弱くなると血液循環が悪くなり、皮膚への栄養供給も滞ります。その結果、皮膚のバリア機能が低下してアトピーが悪化する…という悪循環に陥ってしまうんですね。
気の観点から見た治療アプローチ
では、どうすれば良いのでしょうか。
まず大切なのは、抑圧された感情を認識することです。「悲しんではいけない」「寂しがってはいけない」という思い込みを手放すことから始まります。
気功的には、胸を開く動作が効果的です。朝起きたら窓を開けて、両腕を大きく広げて深呼吸を7回。これだけでも肺経の気の流れが改善されます。
食養生による内臓調和
東洋医学では「薬食同源」という考え方があります。毎日の食事も立派な治療法なんです。
悲しみで弱った肺を補うには、白い食材が良いとされています。大根、白菜、梨、百合根…これらを意識的に取り入れてください。ただし、冷たいものは避けて、温かく調理して食べることが大切です。
逆に避けたいのは、辛すぎる食材や極端に甘いもの。これらは感情の波を大きくしてしまい、気の流れを乱してしまいます。
生活リズムと感情の安定
意外かもしれませんが、就寝時間がアトピーに大きく影響します。東洋医学では、夜の11時から午前3時は「肝胆の時間」と呼ばれ、解毒が活発に行われる時間帯です。
この時間に起きていると、本来皮膚から排出されるべき毒素が体内に蓄積されてしまいます。夜更かしは感情も不安定にさせるので、一石二鳥ならぬ一石二鳥で良くないんですね(苦笑)。
環境と心の関係性
住環境も見逃せません。湿度が高すぎても低すぎてもアトピーは悪化します。理想は50-60%程度。
でも、それ以上に大切なのは「心の湿度」かもしれません。家族関係がギスギスしていたり、職場で孤独感を感じていたりすると、どんなに物理的環境を整えても改善は難しいものです。
季節と感情の変化
東洋医学では、秋は「悲しみの季節」とされています。実際、9月から11月にかけてアトピーが悪化する患者さんが多いんです。
これは単に空気が乾燥するからではありません。自然界のエネルギーが内向きになり、人の心も内省的になる季節だからです。この時期は特に、意識的に明るい気持ちを保つよう心がけることが大切です。
家族との関係性
アトピーのお子さんを持つご家族によくお話しするのですが、過度な心配は逆効果になることがあります。「かわいそうに」「痛そうに」という同情のエネルギーは、実は症状を長引かせてしまうんです。
代わりに「この子の治癒力を信じる」という気持ちで接していただくと、不思議と症状が改善することが多いんですよ。
運動と気の巡り
激しい運動は炎症を悪化させることがありますが、適度な運動は気血の巡りを良くします。特におすすめなのは散歩です。
朝の散歩は「陽気」を取り入れ、夕方の散歩は「陰気」を調整してくれます。1日30分程度で十分。歩きながら「今日も生きていることに感謝」と心の中で唱えると、より効果的です。
呼吸法による感情調整
気功の基本は呼吸です。悲しみや寂しさで胸が苦しい時は、以下の呼吸法を試してみてください:
- 4秒かけて鼻から息を吸う
- 2秒息を止める
- 8秒かけて口から息を吐く
これを朝晩10回ずつ続けると、自律神経が整い、感情も安定してきます。
睡眠の質と皮膚再生
質の良い睡眠は、皮膚の再生に欠かせません。でも、悲しみや不安があると眠りが浅くなりがちです。
就寝前の1時間は、スマートフォンやテレビを見ないようにしましょう。代わりに好きな音楽を聴いたり、軽いストレッチをしたりして、心を落ち着かせてください。
人間関係の見直し
長年の治療経験から言えるのは、アトピーが改善する患者さんには共通の変化があることです。それは「人間関係が良くなっている」ということ。
無理に人に好かれようとしたり、他人の顔色ばかり伺っていると、心に大きなストレスがかかります。時には「NO」と言う勇気も必要です。
感謝の気持ちが持つ治癒力
最後に、私が最も大切だと思うことをお話しします。それは「感謝の気持ち」です。
アトピーで苦しんでいる時に感謝なんて…と思われるかもしれません。でも、小さなことでも良いんです。「今日は痒みが少し楽だった」「家族が心配してくれる」「美味しい食事ができた」…
そんな小さな感謝の積み重ねが、心の中の悲しみを少しずつ溶かしていくんです。感謝の気持ちは最高の気功とも言えるかもしれませんね。
治療院で「先生、アトピーが良くなりました!」と笑顔で報告してくださる患者さんを見ていると、皆さん表情が以前とは全く違っています。皮膚だけでなく、心も軽やかになっているんです。
アトピーは確かに辛い症状です。でも、それは体からの大切なメッセージでもあります。「もっと自分を大切にして」「心の声に耳を傾けて」というサインかもしれません。
あなたも今、心の奥底に押し込めている悲しみや寂しさはありませんか?😊