中枢性感作が長引く理由|福岡市で整体を活用して慢性的な痛みと自律神経を整える

結論から言うと、中枢性感作とは「体の神経系が過敏になった状態」であり、患部だけを攻めても変わりにくく、体全体の緊張を緩めて神経系が落ち着ける環境を整えることが、回復しやすい状態への近道です。

福岡市・常若整骨院には、長年にわたって慢性的な痛みや体のあちこちの不調に悩み、「検査では異常なし」「原因不明」と言われ続けた方が数多く来院されます。施術歴20年の現場で見えてきたのは、こうした方の多くに共通するある状態があるということです。それが「中枢性感作」と呼ばれる神経の過敏化です。

痛みは確かにある。でも、その痛みの本質は体のどこかが壊れているのではなく、痛みを感じるシステム自体が過剰に反応している状態から来ています。この記事では、中枢性感作とは何か、なぜ長引くのか、整体でできることとできないことを正直にお伝えしながら、回復しやすい体の状態づくりについて丁寧にお話しします。

中枢性感作とは何か

まず、言葉の意味から整理します。

中枢性感作とは、脳と脊髄(中枢神経系)が外からの刺激に対して異常に敏感になった状態を指します。「中枢」は脳と脊髄のこと、「感作」は「過敏化する」という意味です。英語ではCentral Sensitizationと呼ばれ、近年の慢性疼痛研究で注目されている概念です。

通常、私たちの体には痛みを感じるためのセンサーがあります。熱いものに触れれば「熱い」と感じ、怪我をすれば「痛い」と感じる。この仕組みは体を守るために欠かせないものです。ところが、慢性的なストレスや繰り返しの痛み刺激、精神的なショックや消耗が積み重なると、この痛みを感じるシステムが過剰に反応するようになってしまう。

軽く触れただけで激しい痛みを感じる。普通の明るさの光がつらい。少しの騒音で体が緊張する。体のあちこちが順番に痛くなる。これが中枢性感作の状態です。

厚生労働省難治性疾患政策研究事業の研究グループによると、中枢性感作症候群(CSS)には線維筋痛症、過敏性腸症候群、慢性疲労症候群、顎関節症、片頭痛を含む慢性頭痛、慢性骨盤痛障害、化学物質過敏症などが含まれています。これらの疾患に共通しているのは、検査では明らかな構造的異常が見当たりにくく、痛みの原因が「体の構造の問題」ではなく「神経の過敏性」にある点です。

「病院で検査しても何も出なかった」「どこに行っても原因がわからないと言われた」という方が、この状態に当てはまることが少なくありません。

なぜ中枢性感作は長引くのか

中枢性感作が長引く理由には、いくつかの大きな流れがあります。

一つ目は、「痛みが痛みを呼ぶ」という神経の悪循環です。痛みを繰り返し感じ続けると、脊髄の後角にある神経細胞が痛みのシグナルを増幅するようになります。最初は局所的だった痛みが、やがて広い範囲に広がる。ほんの軽い刺激でも強く反応するようになる。この状態になると、患部だけにアプローチしても変化が出にくくなります。痛みの出口ばかりを攻めて、痛みが生まれる大元の過敏性には触れていないからです。

二つ目は、自律神経の慢性的な緊張です。自律神経とは「体のアクセルとブレーキ」のようなものです。アクセル側(交感神経)は緊張・覚醒・戦闘態勢を担い、ブレーキ側(副交感神経)はリラックス・休息・回復を担います。中枢性感作の状態にある方の多くは、このアクセルがかかりっぱなしになっています。緊張モードが続くと、痛みへの感度がさらに上がる。ブレーキがかからないまま神経が走り続ける状態です。

三つ目は、感情とストレスの蓄積です。離婚や死別、仕事上の挫折、家庭内での長年の我慢といった心理的・社会的ストレスが、中枢性感作の発症や悪化に深く関わっていることが複数の研究で示されています。感情の問題が体の過敏性に直結する。一見つながりにくいように見えますが、心と体は分離していません。強い感情的ショックや慢性的なストレスは、神経系の状態を変えてしまうことがあります。

四つ目は、睡眠の乱れです。眠れないと神経系の回復が進まず、過敏な状態が続きます。中枢性感作の状態にある方の多くが睡眠障害を抱えており、「眠れない→神経が回復しない→過敏が続く→眠れない」という悪循環の中にいます。

五つ目は、「痛みへの恐怖」の問題です。慢性的な痛みが続くと、人は痛みを恐れるようになります。「また痛くなるのではないか」という不安が体を緊張させ、その緊張がさらに痛みを生む。痛みへの恐怖そのものが、神経の過敏性を維持する要因になっていきます。

これらが複合的に絡み合うため、「患部だけを直接攻める」という直線的なアプローチでは変化が出にくく、長引きやすいのです。

中枢性感作と整体の関係

整体は医療行為ではありません。中枢性感作を直接「改善できる」とは言えません。この点を先にはっきりお伝えします。

整体にできることは、体の緊張をゆるめるサポートです。

中枢性感作の状態では、体が慢性的な緊張モードに置かれています。筋肉が硬く、呼吸が浅く、自律神経のバランスが崩れ、体のどこかが常に張り詰めている状態です。この緊張を少しずつ緩めていくことで、神経系が過剰反応しにくい体の状態づくりをサポートすること。これが整体の役割です。

具体的には、体全体の筋肉の緊張をゆるめること、呼吸を深くすること、副交感神経(リラックスの神経)が優位になりやすい体の状態に近づけること。これらは直接的に「痛みを消す」処置ではありませんが、神経系が落ち着きやすい土台を作るという意味で、慢性疼痛のケアにとって意味のあるアプローチです。

ただし、整体だけですべてが変わるわけではありません。生活習慣の見直し、睡眠の確保、ストレスへの向き合い方、必要に応じた医療機関への受診。これらと組み合わせて初めて、回復しやすい状態が整っていきます。整体はその一部を担う存在であって、全部ではありません。

強い刺激を与える施術は、中枢性感作の状態では逆効果になることがあります。神経が過敏になっているときに強い圧をかけると、体が防御反応を起こし、かえって過敏性が強まることがあるためです。「強い施術が効く」という思い込みを手放すことが、このケアの入口になります。

福岡市で整体を探す人が知っておくべきこと

中枢性感作のような慢性疼痛系の状態で整体を探すとき、確認しておきたいことがいくつかあります。

まず、「痛みのある場所だけを攻める整体」ではなく、「体全体の状態を総合的に見てくれる整体」を選ぶことです。中枢性感作の状態では、痛みが出ている場所は症状の「出口」であって、「原因の場所」ではないことがほとんどです。局所に強い刺激を与える施術は、神経が過敏な状態では症状を強めることがあります。

次に、カウンセリングの時間がしっかり取られているかどうかです。体の状態だけでなく、日常のストレス・睡眠・食事・感情の状態まで丁寧に聞いてくれる院を選ぶことで、施術の精度が大きく変わります。話を聞いてもらえるだけで体の緊張が少し緩む、という方も珍しくありません。

また、「必ず良くなります」「絶対に改善します」という断定を使う院には注意が必要です。中枢性感作は個人差が大きく、一朝一夕に変わるものではありません。焦らず、体が安心して緊張を手放せる環境を整えてくれる院を選ぶことが大切です。

通い続けていても変化がなかったり、施術後にかえって症状が強くなるようであれば、その院が自分に合っていない可能性があります。体の反応に正直に向き合いながら、担当者と相談できる関係性が大切です。

常若整骨院の考え方

福岡市・常若整骨院では、カウンセリング・施術・セルフケアの三つをセットで進めています。

20年の施術経験の中ではっきりわかってきたことがあります。中枢性感作のような慢性的な不調は、施術だけで変えることはできません。大切なのは、その方の日常の中に何があるかを知ることです。

最初のカウンセリングでは、今の症状だけでなく、いつ頃から始まったのか、どんなときに悪化するのか、生活習慣・睡眠の状態・ストレスの状況、さらには感情の流れや考え方のくせまで丁寧に聞いていきます。体の症状は「結果」であって、その背景にある生活と感情の積み重ねを見ないと、本当の状態は見えてきません。

施術では、体全体の緊張をゆるめることを最優先にしています。体の緊張が抜けると、自律神経が落ち着き、眠りやすくなり、痛みへの感度が少しずつ変わってくることがあります。ただし、これは個人差が大きく、回復を保証するものではありません。

セルフケアの指導も施術と同じくらい大切にしています。施術の時間は一週間のうちのほんの一部です。それ以外の日常で何をするかが、状態の変化の速さを大きく左右します。自分の体の声を聞きながら、無理のない範囲で続けられるセルフケアを一緒に考えていきます。

自立することが最終的なゴールです。依存ではなく、自分の体と向き合い、自分でケアできる状態に近づけていく。そのための伴走を続けます。

東洋医学から見た中枢性感作

東洋医学では、中枢性感作のような「全身的な過敏性・慢性疼痛」を、「肝」「腎」「心」の失調として見ることが多くあります。

東洋医学の「肝」は、現代医学の肝臓とは少し異なる概念です。筋肉・腱・目・爪を司り、感情では特に怒りやストレスと深くつながっています。また、気の流れを調節する役割があります。ストレスや緊張が続くと「肝の気が滞る」状態になり、体のあちこちに張りや痛みが出やすくなります。

中枢性感作の状態にある多くの方で、肝のゾーン(右の肋骨の下あたり)に緊張や硬さが見られます。気が滞ると全身の巡りが悪くなり、痛みが広がりやすくなる。東洋医学の見立てとして、ここは大切な視点です。

「腎」は東洋医学で「回復力の貯金」にあたる臓器です。精(せい)と呼ばれるエネルギーを蓄え、体の底から生命力を支えます。慢性的な疲れや長年の消耗、精神的な消耗で腎が弱ると、体全体の耐性が落ち、刺激への感受性が高まります。中枢性感作の底にある「何をしても疲れる」「消耗しきった感じ」は、腎の弱りと重なることが多いです。

「心」(こころ)は東洋医学で精神・意識・睡眠を主る臓器です。不安・思考が止まらない・眠れない、これらは心の火が静まらない状態として見ます。中枢性感作の方に多い不眠や不安症状は、心の失調と密接につながっています。

「気の巡り」とは体と心のエネルギーの流れのことです。気の巡りが滞ると痛みの閾値が下がり、全身が過敏になる。東洋医学の視点で見ると、中枢性感作はまさに「気の巡りが滞り、肝・腎・心のバランスが崩れた状態」と理解することができます。

中枢性感作のケアに使えるツボ

セルフケアでも活用できるツボを三つご紹介します。

太衝(たいしょう)は、足の甲の、親指と人差し指の骨が交わるところより少し足首寄りのくぼみです。肝の気の流れを整え、全身の緊張をゆるめる作用があります。痛気持ちいい程度の圧で、深呼吸しながら3〜5秒ゆっくり押してください。

三陰交(さんいんこう)は、内くるぶしの頂点から指4本ぶん上の、すねの骨(脛骨)の後ろぎわです。肝・腎・脾(消化吸収を司る)の三つの経絡が交わる場所で、慢性的な疲れや全身の過敏性を落ち着かせるのに昔から使われてきたツボです。入浴後など体が温まったタイミングで、優しく押すと効果的です。

内関(ないかん)は、手首の内側の横じわから指3本ぶん肘寄り、腕の中央のやや内側にある二本の腱の間のくぼみです。精神的な緊張・不安・胸の詰まりを和らげるツボとして知られており、深呼吸しながらゆっくり押すと、胸や肩の緊張が少し抜けやすくなります。

強く押す必要はありません。痛すぎない圧で、呼吸に合わせてゆっくりと刺激することが大切です。

自律神経と中枢性感作の関係

中枢性感作と自律神経の関係は、切り離せないものです。

自律神経を「体のアクセルとブレーキ」とイメージしてください。アクセル側(交感神経)は緊張・覚醒・戦闘態勢の神経で、ブレーキ側(副交感神経)はリラックス・休息・回復の神経です。

中枢性感作の状態にある方の多くは、このアクセルがかかりっぱなしの状態にあります。外出先でのちょっとした刺激に体が強張る、騒がしい場所に長くいられない、少しの寒さで体中が緊張する。これらはすべて、アクセル優位の状態が慢性化しているサインです。

アクセルが踏まれている状態では、痛みへの感度が高くなります。同じ刺激でも、体がリラックスモード(ブレーキ優位)にあるときと、緊張モード(アクセル優位)にあるときとでは、感じる痛みの強さが変わります。これは脳内の痛み調節システムの働きによるものです。

整体を通じて体の緊張をゆるめ、呼吸を深めることは、ブレーキ側(副交感神経)を優位に導くための働きかけです。体がリラックスモードに入ると、神経の過剰反応が静まりやすくなる。これが整体のアプローチの土台になっています。

ただ、副交感神経を優位にするには、施術だけでは足りないことも多いです。睡眠の確保、食事の質、一人で抱え込みすぎない環境づくり、感情の出口を作ること。これらをセットで整えていくことが、自律神経のバランス回復につながっていきます。

また、「交感神経を下げようと頑張る」という姿勢が、逆に緊張を生むことがあります。「ゆっくりしなきゃ」と焦ることが、かえってアクセルを踏む。リラックスは努力してするものではなく、「体が安心できる状態を整えると自然にそうなる」という理解の方が、回復への道として正直です。

実際に多いケース

中枢性感作で来院される方に共通するパターンがいくつかあります。

もっとも多いのは、「どこか一カ所ではなく、体のあちこちが痛い。しかも場所が変わる」という状態です。今日は腰、明日は肩、あさっては頭。痛みが移動する。検査では異常なし。「気のせいではないか」と言われたこともある。でも確かに痛い。そういった方が多くいらっしゃいます。

次に多いのは、「普通の人なら気にならないようなことで体が強く反応する」という状態です。少し寒いだけで体がこわばる、人ごみの騒音がつらい、蛍光灯の光がまぶしすぎる、軽く触られただけで痛みを感じる。これは神経が過敏になっているサインです。

もう一つは、「ずっと疲れている、眠っても疲れが抜けない」という訴えです。体を動かしていなくても疲れる、午前中から疲労感がある、何か楽しいことをしても翌日に疲れが残る。これは慢性疲労症候群とも重なる状態で、腎の消耗・副腎疲労と重なるケースが多くあります。

来院される方の多くが、「いろいろな医療機関に行ったけれど、変わらなかった」という経緯を持っています。整体院も複数巡ってきた方もいます。「自分の体はどうしようもないのかもしれない」と思い始めている方もいらっしゃいます。でも、変わることができない体というものはありません。変わるための条件が揃っていなかっただけで、体はいつも回復しようとしています。

3人の事例

事例1 仕事のプレッシャーが引き金になったケース

40代の男性会社員。数年前から、体のあちこちが順番に痛むようになったと来院されました。整形外科・内科・神経内科と渡り歩いたが、検査では異常なし。「気のせいでは」と言われたこともあったとのことでした。

お話を聞くと、昇進を機に仕事量が急増し、眠れない時期が半年以上続いたことがわかりました。触れると体全体が固く、特に肩まわりと腰に強い緊張がある。呼吸が浅く、胸がほとんど動いていない状態でした。

施術では体全体の緊張をゆるめることを最優先に、呼吸を深める働きかけを続けました。「頑張って治そう」ではなく「体が安心できる状態を作る」という方向で進めました。

数ヶ月後、「体の強張りが少し取れてきた気がする」「夜少し眠れるようになった」とのことでした。痛みがなくなったわけではありませんが、日常での活動量が少し増え、仕事の合間に休める感覚が出てきたとのことです。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

事例2 育児と家庭の負担が積み重なったケース

30代の女性。産後から体が敏感になり、子どもの泣き声や部屋の明るさにも体が強く反応するようになったと来院されました。「神経が張り詰めた状態が続いている感じ」という言葉が印象的でした。

育児と家事をほぼ一人で担い、自分のことを後回しにし続けた日々が続いていたことがわかりました。東洋医学の見立てでは、肝の気が滞り、心の静けさが保てない状態です。体が常にアクセル全開になっていました。

施術に加えて、「やらなくていいことを一つ決める」という小さな提案をしました。完璧にやろうとしている何かを、少し手放すことから始めてもらいました。

数ヶ月後、「光の眩しさがだいぶ落ち着いた」「夜中に起きにくくなった」とのことでした。一つひとつの変化は小さくても、少しずつ体が緩んできた様子でした。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

事例3 長年どこに行っても変わらなかったケース

50代の女性。10年以上にわたって、体中の痛みと慢性疲労で複数の医療機関・整体院を渡り歩いてきたと来院されました。「もう諦めかけていた」という言葉が重く残っています。

詳しく聞くと、更年期と重なる時期から症状が一気に強くなったこと、仕事と介護が重なって心身ともに限界に近かった時期があったことがわかりました。「誰にも弱音を言えなかった」という一言が、体の状態をよく表していました。

施術では腎・副腎のゾーンに手を当て、体の奥の緊張をゆっくりゆるめることを優先しました。強い刺激は避け、体が「安心していい」と感じられるような触れ方を続けました。

半年ほどで、「以前より動ける時間が増えた」「痛みはあるが、恐怖感が少し減った」とのことでした。痛みへの恐怖感が和らぐこと自体が、中枢性感作のケアにとって大きな変化です。体が「また痛くなるかもしれない」という緊張を手放し始めた状態だからです。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

自宅でできるセルフケア

中枢性感作のセルフケアは「強くやる」より「安心して体を緩める」ことが優先です。

体を温めることが最初の一歩です。特に首・お腹・足先を冷やさないようにする。体が温まると神経の過剰反応が静まりやすくなります。入浴は毎日40度以下のぬるめのお湯に、15〜20分ゆっくり浸かることが理想です。熱いお湯に短時間入るよりも、ぬるいお湯でじっくり体を温める方が、副交感神経が優位になりやすいです。

深呼吸を生活の中に取り入れてください。鼻から4秒かけて吸い、口から8秒かけてゆっくり吐く。これを1回3セット、1日に気がついたときに行うだけでいいです。呼吸は自律神経に直接働きかける数少ない手段の一つです。焦らず、「できた日だけやればいい」くらいの感覚で続けることが大切です。

寝る前のスマホを手放す。これは地味に見えて、大きな変化につながることがあります。スマホの光は脳を覚醒させ、情報は思考を刺激します。寝る1時間前はスマホを置き、照明を落として体を休める準備をする。それだけで眠りが変わる方がいます。

症状を責めないことも、立派なセルフケアです。「なんで良くならないのか」「このくらいで弱音を吐いてどうする」という自分への批判は、体の緊張をさらに高めます。痛みや過敏さは体のサインであり、あなたの弱さではありません。体が「もう十分頑張った」と伝えているサインとして、受け取る姿勢が大切です。

無理のない範囲での体の動かし方も大切です。激しい運動ではなく、ゆったりした散歩や体をほぐすような動きが、神経系の過敏性を落ち着かせるのに役立ちます。「痛いから動けない」という思い込みが、逆に体の回復を妨げることもあります。痛みの範囲で、できる動きを少しずつ続けることが長い目で見て大切です。

医療機関との連携について

中枢性感作が疑われる場合、まず医療機関への受診を強くお勧めします。整体は診断も処方も行いません。痛みの原因が器質的なものか(体の構造に異常があるか)、それとも神経系の過敏化によるものかを判断するのは医師の役割です。

特に以下のような状態があれば、整体より先に受診が必要です。

急激に症状が悪化している、発熱や体重の急減少がある、手足の感覚が急に失われた、排尿・排泄に障害が出た、がんの既往がある、強い麻痺がある。こうした状態は整体の範囲外です。迷わず医療機関を受診してください。

慢性疼痛の専門的な診療は、ペインクリニック・心療内科・リウマチ科などで行われています。福岡市内にも慢性疼痛を専門的に扱う医療機関があります。線維筋痛症・慢性疲労症候群の診断は専門科の受診が必要です。

整体は医療と対立するものではありません。医療機関での診断・診療と並行しながら、体の緊張をゆるめ、自律神経を整えやすい状態をサポートする。その役割を補完的に担います。

必要に応じて、心理士やカウンセラーによるサポートも有効です。中枢性感作には心理的・社会的な側面が深く関わっており、認知行動療法などの心理的アプローチが有効なケースがあることが、複数の研究で示されています。「心の問題なのか」という二択ではなく、「心と体は一体であり、両方から整えていく」という考え方が現代の慢性疼痛ケアの流れです。

FAQ・Q&A

Q1. 中枢性感作は整体で変わりますか?

整体が直接「中枢性感作を改善する」ものではありません。ただし、体全体の緊張をゆるめ、自律神経を整えやすい状態をサポートすることで、症状が落ち着きやすくなるケースがあります。医療機関での診断・診療と並行して活用することをお勧めします。

Q2. 何回通えばよいですか?

個人差が大きく、一概には言えません。中枢性感作は慢性的な状態であることが多く、数回で劇的に変わるというより、体が少しずつ緩んでいく経過をたどることが多いです。定期的な施術と生活のセルフケアを組み合わせることが大切です。

Q3. 線維筋痛症と診断されていますが、整体は受けられますか?

受けていただけます。ただし、施術前に診断名と現在の状態を必ずお伝えください。神経が過敏な状態では強い刺激が逆効果になることがあるため、常若整骨院では体全体の緊張をゆるめる穏やかなアプローチを基本にしています。

Q4. 子どもの声や光への過剰反応も中枢性感作ですか?

光・音・触覚への過剰反応は、中枢性感作の典型的なサインの一つです。ただし、診断は医師が行うものです。まず医療機関(心療内科・ペインクリニック等)に相談されることをお勧めします。

Q5. 病院で「異常なし」と言われました。整体に来ても大丈夫ですか?

はい、ご相談いただけます。検査で異常が見つからない慢性的な不調で来院される方は少なくありません。ただし、未受診の方や症状が急激に変化している場合は、受診を先にお勧めすることもあります。まず診断を受けた上で、整体を補完的に活用していただくことが安心です。

Q6. どんな施術をするのですか?

最初にカウンセリングで全体の状態をお聞きします。その後、体全体の緊張をゆるめることを中心に施術します。強い圧は使わず、呼吸を整えながら体の奥の緊張をゆっくり解放していくアプローチです。気功も活用します。

Q7. 薬を飲みながら整体を受けられますか?

はい、受けられます。薬の調整は必ず処方医に相談してください。整体と薬は役割が異なるため、並行して活用していただけます。施術前にお飲みの薬をお知らせください。

Q8. 施術で症状が悪化しませんか?

中枢性感作の状態では、強い施術が逆効果になることがあります。常若整骨院では体の状態に応じた穏やかな施術を心がけており、施術後の反応を確認しながら進めます。初回に体の状態をしっかりお聞きしますので、不安なことはご遠慮なくお話しください。

Q9. セルフケアで一つだけ始めるとしたら何ですか?

「寝る前にスマホを手放すこと」と「体を冷やさないこと」の二つです。負担が少なく、継続しやすく、神経系の過敏性を落ち着かせる基盤として大切です。

Q10. 中枢性感作は自然に良くなりますか?

個人差があります。生活習慣の改善(睡眠確保・ストレス管理・適度な体の動かし方)や適切な医療的サポートがあると、体の過敏性が落ち着いてくるケースがあります。「自然に落ち着く」というより、「回復しやすい条件を整えていく」という考え方の方が実態に合っています。

Q11. 体のあちこちが痛いのですが、整体に来てもいいですか?

はい。ただし、急激な悪化・発熱・体重減少などが伴う場合は、先に医療機関で診てもらうことを優先してください。慢性的な体全体の痛みで原因不明の場合は、当院でカウンセリングからお話しすることができます。

Q12. どのくらい時間がかかりますか?

これは正直、わかりません。慢性的な状態は、積み重なった年数と同じくらいの時間が戻るのにかかることもあります。大切なのはゴールを焦って追うことではなく、今の体が少しでも楽に過ごせる状態を積み上げることです。変化の速さより、変化の方向性を大切にしてください。

まとめ

「体のあちこちが痛い」「検査では異常ないのに、つらさが続く」「普通の人が平気なことで体がびっくりする」。そんな状態が続いている福岡市の皆さんへ、この記事が届いていれば幸いです。

中枢性感作は、体の構造の問題ではなく、痛みを感じるシステムが過敏になっている状態です。「気のせい」でも「弱いから」でもありません。体が長年のストレスや消耗に正直に反応しているサインです。

回復への道は「頑張ること」ではなく「体の緊張を手放すこと」から始まります。強い施術を受けることでも、痛みを我慢して動き続けることでも、症状を責め続けることでもない。まず体が安心できる状態を作ること。そこからです。

まず医療機関で状態を確認しながら、体の緊張をゆるめ、自律神経が整いやすい体の状態づくりを少しずつ進める。整体はその伴走者として、できる範囲でサポートします。

福岡市で慢性的な痛みや体の過敏さに悩んでいる方、病院では異常なしと言われたのにつらさが続いている方、「また体のどこかが痛くなった」と一人で抱え込んでいる方、まずはご相談ください。一緒に体の緊張をゆるめることから始めましょう。

院長プロフィール

冨高誠治(とみたか せいじ)

福岡市・常若整骨院 院長。整体師・東洋医学の専門家。施術歴20年、延べ25,000名を施術。整体師向けの教育も行う。整体・気功を軸に、カウンセリング・施術・セルフケアを三本柱とした施術を行っている。